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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
港へ
日曜の朝早く、デイビッドはエリック達の昼食を作り置いて、出かける支度を整えた。
ファルコは早くから外に出て、ご機嫌で遊んでいる。
そこへカインがやって来た。
「ずいぶん早いな。荷物それだけでいいのか?」
「ああ。言われた通りグローブと、上着は厚手の奴にしてきた。なんか手伝おうか?」
「いや、いい。大丈夫ならもう出ようか。」
ファルコにカインを先に乗せ、後ろの荷台に自分も足をかけると、ファルコが羽ばたき出した。
顔を出したエリックに手を振ると、ファルコが駆け出し地上は直ぐに遠くなる。
「ハァーーー!やっぱスゲェーー!!」
「鐙から足を離すなよ?!旋回するぞ!?」
ファルコは昨日より少し大胆な動きで速度を上げ、くるくると回りながら上昇し、風を切って郊外の道の上を飛んでいった。
「ワァァー!空が迫って来る!目が回りそうだ!」
「手綱を握れ。馬と同じだ。こっちが制御しねぇと振り落とされるぞ?」
ベルトで繋がっているとは言え、宙ぶらりんにされるのはまずい。
港まで障害物がないので、直線で速度を上げるファルコは抑えていないと簡単に最高速度を出そうとする。
「…で…ダメか?」
「ああ?なんだ?!」
「一番早く飛んでみたらダメか?!」
「…ぜってぇ手ぇ離すなよ?!」
ファルコは良しの合図が出たので、喜んで羽を翻した。
地上の生物には決して越えられない、空の覇者の本気の速度でファルコは港を目指した。
「おーい、カイン。大丈夫か?」
「おぉ…」
港の直ぐ横の馬小屋で、カインは水を飲むファルコの横でひっくり返っていた。
「あの速さは俺も初めてだったよ。すげぇな、まだあれから20分しかたってねぇや。」
「は…はやかった…俺達、風になってた…」
「風超えてたろ…で、どうだった?」
「どうって…?もう最高過ぎて言葉が出て来ねぇよ!こんな日が本当に来るなんて思わなかった…人生で一番楽しい日だ!!」
寝転んだまま全身で喜びを表すカインを起こすと、デイビッドは今日の目的のため市場へ向かった。
「うわぁ…でっかい船だなぁ。」
「ジッキンゲンの大型のパドルシップだ。あれにも乗ってみるか?」
「いや、船はいいや。船酔いするんだ俺…ボートで精いっぱいだ。」
「3日も乗ってりゃ、どんな波が来ても甲板に立ってられるようになるぞ?!」
「ハハハ!お前船にも乗るのか?なんでもありだな!」
港のメルカートは、今朝の積み荷と買付けの商人達で大賑わいだ。
デイビッドはアデラから来た果実と、不思議な木の実の箱を開けて満足そうにすると、担当者に何か言付けて別の場所へ向かった。
「今のでっかいの何の実だ?」
「アレか、カカオだよ。チョコレートの原料だ。」
「チョコって木の実からできるのか?!知らなかった!」
「俺はもう少し回るから、なんか好きなもん見て来いよ。」
「そうか?じゃあ剣とか見たいんだけど…」
「あそこの青い旗の先が鍛冶屋の並びだから行ってみな。そんなに広くねぇから後で探しに行く。」
「わかった!!じゃあ後でな!?」
カインが行ってしまうと、デイビッドは再び仕入れの品を確認しながら良さそうな物を手に入れていった。
アデラと帝国から来た果物の荷物を眺めていると、積み荷の向こうから誰かが手を降っていた。
「おにーさん!おにーさーん!!」
「ん?ああ!あの時の坊主か!?」
「久しぶり!おにーさんも買い物に来たの?」
昨年春の終わり頃、ここへ来た時にジューススタンドを引いて売り歩いていた少年が飛び跳ねながら寄って来る。
「よぉ!元気そうだな。どうだ?店の調子は?」
「もうホントにすごいよ!?おにーさんが来てくれた後にさ、すっごい大きなお店の偉い人が来て、家のジュースの作り方を是非使わせてくれって父さんと話ししてったんだ!そしたらジャムみたいな瓶詰めになってさ、家でも売ってるけどすごい人気なんだ!」
「そうか、そりゃ良かったな。」
「瓶詰めが売れると家にもお金が入るんだって。おかげで母さんの薬も買えたし、お姉ちゃんも学校行けるって喜んでた!」
「へえ。どんな客が買ってくんだ?」
「女の人が多いよ。でも商団のおじさんとか、あと旅の人も欲しがるんだ。」
「なるほどねぇ…携帯栄養か…」
「瓶の模様にね、俺の絵が描いてあるんだよ!?ジュースのワゴン引いてるとこがそのまま貼ってあるんだ!」
嬉しそうにペラペラ喋る少年は、デイビッドの正体を知らない。
例のフルーツペーストは様々な所で役に立っているようで、それを実感できたデイビッドは内心喜んでいた。
少年と別れてからも目欲しい積み荷を回って物色し終えると、次は鍛冶屋街へ向かう。
くず鉄を溶かして型に流し入れている職人達や、港から入って来た武器や道具を運ぶ人足を眺めながらカインを探すと、真ん中辺りの小さな店の中で真剣な顔をしているのを見つけた。
「なんか気になる物でもあったか?」
「デイビッド!もう用事は済んだのか?」
「粗方な。何見てるのかと思ったら剣か。買うのか?」
「いやぁ、買えねぇよ!ただ見てただけさ…」
カインの目の先には、一振りのロングソードが飾られている。
「騎士団に入るなら、支給の剣もいいけど、やっぱりいつか自分の剣も手に入れたいなーなんて思ってただけだよ。」
鍛冶屋街を抜けると、そこは屋台の並ぶ飯屋の広場だった。
朝の早い労働者達は昼前には腹が減るので、ここは常に賑わっている。
「いい匂いだなぁ!美味そうな屋台がいっぱいだ!」
「一回り見て行くか…」
そろそろこちらも腹拵えするかと見回すと、あっという間に人が来て捕まってしまった。
「若旦那!お久しぶりじゃないですか!?」
「あ、本当だ!若旦那、来てたなら声掛けて下さいよ!」
「げ!見つかった!」
逃げようとする何本も手が伸びてきて、空いていた席に座らされ、あれよという間に屋台の飯が並べられる。
「若旦那って…お前実は凄いとこのお坊ちゃんなんじゃねぇのかよ?!」
「ただの商家だよ…親父が手広くて顔が割れてるから、こういうトコじゃ気ぃ遣われて面倒なんだけどよ…。」
「さぁさぁ!お二人共、若いんだから食べて食べて!!」
「気に入ったらお包みしますよ?!お土産にいかが?」
「アデラから入った味付けが近頃評判良くて!どうだい若旦那?」
「何か飲むかい?若い人に人気なのはソーダ入りの果実水なんだけど、甘くないハーブ水も売れ行きが良くてねぇ!」
代わる代わるテーブルに現れる人々と、その度短い会話をしながら食事が進む。
「すげぇウマい!何だコレ?」
「羊肉だな。削いで野菜と薄焼き生地に巻いてあるのか…」
「ピリ辛なのが中の甘いソースと合っててクセになるな!」
「チーズの種類も増えたな…」
「こっちの揚げたのもウマい!!この黒いソースがとにかくなんにでも合う!」
「果物と野菜…香草…スパイス…かなり煮詰めてあるのに旨味があって…味が濃いのも肉体労働の後にはうってつけってワケか。」
あれこれ考えながら2人で食事を楽しんでいると、何やらバルの並びの方から荒っぽい声がいくつも聞こえ、女性が何人か走って来るのが見えた。
「揉め事か?」
「風貌から見て冒険者って奴だな。」
冒険者とは便利な言葉だ。
荒くれ者もチンピラもヤクザ崩れも関係ない。
破落戸も傭兵上がりも元盗賊も、ギルドに登録してしまえば皆“冒険者”だ。
その日暮らしの日雇い労働者を、ずいぶんと耳障りの良い言い方で都合良く隠してしまったものだ。
酒瓶を片手に昼の前から酔った男共が数人、若い男性をいたぶっている。
怒声と下卑た笑い声がやたら響いてうるさい。
どうしたものかと考えていると、殴り飛ばされた若者がデイビッド達のテーブルの所まで吹き飛ばされてきた。
ファルコは早くから外に出て、ご機嫌で遊んでいる。
そこへカインがやって来た。
「ずいぶん早いな。荷物それだけでいいのか?」
「ああ。言われた通りグローブと、上着は厚手の奴にしてきた。なんか手伝おうか?」
「いや、いい。大丈夫ならもう出ようか。」
ファルコにカインを先に乗せ、後ろの荷台に自分も足をかけると、ファルコが羽ばたき出した。
顔を出したエリックに手を振ると、ファルコが駆け出し地上は直ぐに遠くなる。
「ハァーーー!やっぱスゲェーー!!」
「鐙から足を離すなよ?!旋回するぞ!?」
ファルコは昨日より少し大胆な動きで速度を上げ、くるくると回りながら上昇し、風を切って郊外の道の上を飛んでいった。
「ワァァー!空が迫って来る!目が回りそうだ!」
「手綱を握れ。馬と同じだ。こっちが制御しねぇと振り落とされるぞ?」
ベルトで繋がっているとは言え、宙ぶらりんにされるのはまずい。
港まで障害物がないので、直線で速度を上げるファルコは抑えていないと簡単に最高速度を出そうとする。
「…で…ダメか?」
「ああ?なんだ?!」
「一番早く飛んでみたらダメか?!」
「…ぜってぇ手ぇ離すなよ?!」
ファルコは良しの合図が出たので、喜んで羽を翻した。
地上の生物には決して越えられない、空の覇者の本気の速度でファルコは港を目指した。
「おーい、カイン。大丈夫か?」
「おぉ…」
港の直ぐ横の馬小屋で、カインは水を飲むファルコの横でひっくり返っていた。
「あの速さは俺も初めてだったよ。すげぇな、まだあれから20分しかたってねぇや。」
「は…はやかった…俺達、風になってた…」
「風超えてたろ…で、どうだった?」
「どうって…?もう最高過ぎて言葉が出て来ねぇよ!こんな日が本当に来るなんて思わなかった…人生で一番楽しい日だ!!」
寝転んだまま全身で喜びを表すカインを起こすと、デイビッドは今日の目的のため市場へ向かった。
「うわぁ…でっかい船だなぁ。」
「ジッキンゲンの大型のパドルシップだ。あれにも乗ってみるか?」
「いや、船はいいや。船酔いするんだ俺…ボートで精いっぱいだ。」
「3日も乗ってりゃ、どんな波が来ても甲板に立ってられるようになるぞ?!」
「ハハハ!お前船にも乗るのか?なんでもありだな!」
港のメルカートは、今朝の積み荷と買付けの商人達で大賑わいだ。
デイビッドはアデラから来た果実と、不思議な木の実の箱を開けて満足そうにすると、担当者に何か言付けて別の場所へ向かった。
「今のでっかいの何の実だ?」
「アレか、カカオだよ。チョコレートの原料だ。」
「チョコって木の実からできるのか?!知らなかった!」
「俺はもう少し回るから、なんか好きなもん見て来いよ。」
「そうか?じゃあ剣とか見たいんだけど…」
「あそこの青い旗の先が鍛冶屋の並びだから行ってみな。そんなに広くねぇから後で探しに行く。」
「わかった!!じゃあ後でな!?」
カインが行ってしまうと、デイビッドは再び仕入れの品を確認しながら良さそうな物を手に入れていった。
アデラと帝国から来た果物の荷物を眺めていると、積み荷の向こうから誰かが手を降っていた。
「おにーさん!おにーさーん!!」
「ん?ああ!あの時の坊主か!?」
「久しぶり!おにーさんも買い物に来たの?」
昨年春の終わり頃、ここへ来た時にジューススタンドを引いて売り歩いていた少年が飛び跳ねながら寄って来る。
「よぉ!元気そうだな。どうだ?店の調子は?」
「もうホントにすごいよ!?おにーさんが来てくれた後にさ、すっごい大きなお店の偉い人が来て、家のジュースの作り方を是非使わせてくれって父さんと話ししてったんだ!そしたらジャムみたいな瓶詰めになってさ、家でも売ってるけどすごい人気なんだ!」
「そうか、そりゃ良かったな。」
「瓶詰めが売れると家にもお金が入るんだって。おかげで母さんの薬も買えたし、お姉ちゃんも学校行けるって喜んでた!」
「へえ。どんな客が買ってくんだ?」
「女の人が多いよ。でも商団のおじさんとか、あと旅の人も欲しがるんだ。」
「なるほどねぇ…携帯栄養か…」
「瓶の模様にね、俺の絵が描いてあるんだよ!?ジュースのワゴン引いてるとこがそのまま貼ってあるんだ!」
嬉しそうにペラペラ喋る少年は、デイビッドの正体を知らない。
例のフルーツペーストは様々な所で役に立っているようで、それを実感できたデイビッドは内心喜んでいた。
少年と別れてからも目欲しい積み荷を回って物色し終えると、次は鍛冶屋街へ向かう。
くず鉄を溶かして型に流し入れている職人達や、港から入って来た武器や道具を運ぶ人足を眺めながらカインを探すと、真ん中辺りの小さな店の中で真剣な顔をしているのを見つけた。
「なんか気になる物でもあったか?」
「デイビッド!もう用事は済んだのか?」
「粗方な。何見てるのかと思ったら剣か。買うのか?」
「いやぁ、買えねぇよ!ただ見てただけさ…」
カインの目の先には、一振りのロングソードが飾られている。
「騎士団に入るなら、支給の剣もいいけど、やっぱりいつか自分の剣も手に入れたいなーなんて思ってただけだよ。」
鍛冶屋街を抜けると、そこは屋台の並ぶ飯屋の広場だった。
朝の早い労働者達は昼前には腹が減るので、ここは常に賑わっている。
「いい匂いだなぁ!美味そうな屋台がいっぱいだ!」
「一回り見て行くか…」
そろそろこちらも腹拵えするかと見回すと、あっという間に人が来て捕まってしまった。
「若旦那!お久しぶりじゃないですか!?」
「あ、本当だ!若旦那、来てたなら声掛けて下さいよ!」
「げ!見つかった!」
逃げようとする何本も手が伸びてきて、空いていた席に座らされ、あれよという間に屋台の飯が並べられる。
「若旦那って…お前実は凄いとこのお坊ちゃんなんじゃねぇのかよ?!」
「ただの商家だよ…親父が手広くて顔が割れてるから、こういうトコじゃ気ぃ遣われて面倒なんだけどよ…。」
「さぁさぁ!お二人共、若いんだから食べて食べて!!」
「気に入ったらお包みしますよ?!お土産にいかが?」
「アデラから入った味付けが近頃評判良くて!どうだい若旦那?」
「何か飲むかい?若い人に人気なのはソーダ入りの果実水なんだけど、甘くないハーブ水も売れ行きが良くてねぇ!」
代わる代わるテーブルに現れる人々と、その度短い会話をしながら食事が進む。
「すげぇウマい!何だコレ?」
「羊肉だな。削いで野菜と薄焼き生地に巻いてあるのか…」
「ピリ辛なのが中の甘いソースと合っててクセになるな!」
「チーズの種類も増えたな…」
「こっちの揚げたのもウマい!!この黒いソースがとにかくなんにでも合う!」
「果物と野菜…香草…スパイス…かなり煮詰めてあるのに旨味があって…味が濃いのも肉体労働の後にはうってつけってワケか。」
あれこれ考えながら2人で食事を楽しんでいると、何やらバルの並びの方から荒っぽい声がいくつも聞こえ、女性が何人か走って来るのが見えた。
「揉め事か?」
「風貌から見て冒険者って奴だな。」
冒険者とは便利な言葉だ。
荒くれ者もチンピラもヤクザ崩れも関係ない。
破落戸も傭兵上がりも元盗賊も、ギルドに登録してしまえば皆“冒険者”だ。
その日暮らしの日雇い労働者を、ずいぶんと耳障りの良い言い方で都合良く隠してしまったものだ。
酒瓶を片手に昼の前から酔った男共が数人、若い男性をいたぶっている。
怒声と下卑た笑い声がやたら響いてうるさい。
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