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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
黒豚事件
「うわぁ…豚1頭って思ったよりでっかぁい…」
「どういう感情で受け取ったらいいんだこれは……?」
横たわる黒豚と対面するデイビッドというシュールな絵面に、その場の全員がどうして良いかわからず、引きつったまま固まっていると、外から誰かが走り込んで来た。
「ハァッ!ハァッ!デイビッドせんせいっ!ゼェ…ゼェ…せんせっ!すびばぜんっ!!あのっ!!にもつっ!あーっ!もう届いちゃてる!!」
息を切らし、大慌てでやって来たのはテオだった。
デイビッドの前に置かれた輿を見ると、更に頭を抱えて狼狽え出した。
「申し訳ありませんっ!!これは例のクーロン商会からデイビッド先生にお礼の品として贈られた物でして…その…決っっしてそういう意味ではないんですっ!!」
「あーー……わかった。そういや向こうの習慣だっけか。」
クーロン商会のあるカラン地方の、元カラン国首都ラカンには豚を神として祀る風習がある。
特に商家は富と繁栄の象徴として豚にまつわる物を喜び、最上の感謝や慶びを表す際に豚を贈り合うそうだ。
それも色は濃ければ濃い程良いとされ、黒豚はその最たるものに当たる。
この豚も生きたままここまで連れてきて、然るべき処理を施し新鮮な肉にした後、手間を掛けてから届けてくれた物なのだろう。
決してデイビッドに喧嘩を売っているワケではない。
「気を悪くされたのでしたら謝ります!!僕がこちらの状況をしっかりユェイに伝えて置かなかったのがいけないんです!」
「クーロン商会の手紙にあった名前だな。」
「はい…僕の、婚約者です…」
「驚きはしたけどよ、まぁ真意がわかった以上気にはしねぇよ。ありがたく受け取っていいんだろ?」
「もちろんデす!クーロン商会より最上級の感謝の気持ち、是非お受け下サい!」
とは言え豚丸1頭である。
まずは専門業者に頼み、革と肉とに解体する事にした。
とにかく立派な豚であるため無駄は出したくない。
ラカンでも受け取った豚は全て使い切るのが礼儀だと言う。
ならばこちらも気合いを入れて迎えなければならない。
なにはともあれ、こうしてエルムの大使館を驚かせた黒豚事件は無事に収拾され、皆が胸を撫で下ろした。
まさか黒豚の悪名を持つ相手に黒豚を送り付けてしまうとは…
ひとつ間違えれば国際問題にもなりかねなかったこの騒動。
文化の違いや相手の状況をよく知らねば、贈り物ひとつが双方の仲の亀裂となる事を知る良い機会となった。
「ところで、これもらったら本来どうするモンなんだ?」
「ラカンでは豚を受け取ったら輿を担いで町内一周を練り歩きます。」
「それはちょっと…」
「当たり前ですよ!こちらの意図を汲んで頂けただけでもありがたいのですから!」
「こっちでそれやったら、なんかお葬式みたいで余計にウブッ!!」
デイビッドは、エリックの口を塞ぎ、一睨みしてから改めて豚を運び出した。
呼んだ業者もここまで立派な黒豚初めてらしく、心して丁寧に解体すると約束してくれた。
輿はバラしてまた次の機会に使うのが通例らしいので、大使館で保管してもらう。
布や飾りはどうするのかよくわからないためこれも一時保留。
テオと大使館の面々に礼を言い、後日届く予定の豚肉を楽しみに今日の所は学園へ帰ることにした。
「しっかし驚いたな…一瞬何事かと思った…」
「宣戦布告かと思って身構えちゃいましたよ。にしても、エルムのラカンかぁ。デイビッド様もそこでなら人気出そうですね!」
「豚と同一視されても嬉しくねぇよ?!」
学園へ戻る前に、せっかくなので商会に寄り、細かい事務仕事を片付けていると、化粧品の担当者が山の様な書類を抱えてやって来た。
「デイビッド様!こちらどうなさるおつもりですか?!売り出しはいつか、早くしろと方々から問い合わせが殺到して、仕事になりません!」
「あ!忘れてた。流石モデルが良いと広まるのも早いな。」
例のヒュリスのトリートメントは、ウイニー・メイのパレードおかげで王都の女性達の注目の的らしい。
在庫もかなり確保できたので、そろそろ何処かで試験販売するのもいいだろう。
「商品名すら決まってないんですよ?!」
「候補上げてきたから適当に選んでくれよ。近い内にどっかで店舗借りて販売してみるか。」
「もう!早急にお願いしますからね!!」
瓶のデザインも決まり、後はラベルだけ。
あちこちに出したサンプルの評判もすぶる良く、久しぶりのヒット商品になりそうだ。
学園に戻り、ヴィオラが帰ってきた時用にパウンドケーキを焼いていると、事務員が手紙の束を持って来たので受け取った。
「お、エリックこれお前のだ。」
「え?僕にですか…うぇ…ラルスルの当主からだ…早く結婚して家門から外れろって催促だろうなぁ…」
エリックはハルフェン侯爵家を抜けて、母方の姓ラルスルを名乗ってはいるが名を借りているだけで、実際に家族になったわけではない。
当主としては出戻りの妹が連れて来た厄介者に過ぎず、幼い内ならいざ知らず、成人したのならハルフェン侯爵家に目を付けられない内に早く放り出したいのだろう…
「結婚かぁ…イヤだなぁ…」
「人には散々言ってきといてか?!」
「いっそ除名でも僕は構わないんですけどね。それだとラルスル側の汚点になるってんで認めてもらえなくて…どこかへ養子にって手もありますけど、それだと今の仕事続けられるかもわからないし…あーあ、こんな事なら旦那様の話、受けとけば良かったかなぁ…」
「親父の話?」
「事情があるならデュロックの子にならないかって言われて、母が恐れ多いからって辞退したんですよ。」
「ならなくて良かった…」
「僕は別にそれでも良かったんですけどね。」
「俺が嫌だって!!」
とんでもない未来もあったものだ。
次の日、ヴィオラのいない間に少し製薬作業を進めようと、デイビッドは魔法学棟のベルダの研究室へ向かった。
廊下や手洗い場の鏡を警戒したが、あれから鏡に声をかけられるなどという異常事態には出くわしていない。
それぞれの作業が最初の蒸留と中盤の結晶化、最終段階の濾過の作業に入るとようやく手が空き、少しだけ自分用のノートを進めながら古い手記に目を通していく。
かなり前の記述の中に、アルラウネと思しき植物の扱いについて書かれていたが、古語で記されているので解読を試みているも遅々として進んでいない。
ベルダに丸投げしてしまった新種の薬草ルポナスの解毒薬は、改良を経て先日やっと完成し王家へ献上された。
王家の魔術師達の手で安全が確認された後、クロードの解毒に使われるそうだ。
解毒薬以外の薬も調整は進んでいて、間もなく試験段階に入るそうだ。
ベルダは成果を出してくれた。
ではデイビッドはどうだ?
きちんと応えられているのだろうか、疑問が残る。
役に立てているのかいないのか、それすらわからないまま、今日も地道な作業に精を出す。
そしてその昼過ぎ、お待ちかねの豚が届いた。
預けた解体屋が捌いてくれた豚は、綺麗に肉になりそれぞれの部位に分けられ、骨の欠片も残らず帰って来た。
革は鞣してから届くそうだ。
しかし気になったので、生皮の一部も受け取り食材と共に届けてもらった。
「よし!まずはアレやってみるか…」
外の竈に火を入れ、大きな寸胴鍋に豚の背骨と頭にハンマーで亀裂を入れてから、まずは水に晒して血抜きをする。
水が赤くなりゴミが浮いてきたら一度よく洗い、また綺麗な水を入れ煮立てていく。
柄の長い木べらで何度もかき回しながら、浮いてきた油を救って別の容れ物に移していく。
そして今回使いたかったのが頭の中身、脳味噌だ。
(美味いんだけどな…)
見た目と内臓という印象から不人気な部位だが、滑らかでクセがなくコクがあってデイビッドは嫌いじゃない。
塩と酒で洗い、蒸し布に包んで蒸し器で軽く火を通すと、ツルンとして柔らかな感触になる。
脳味噌はそのまま冷まして、また外の鍋の底をかき回し油を掬う作業を繰り返す。
そうしていると、少し出かけていたエリックがヴィオラを連れて戻って来た。
「どういう感情で受け取ったらいいんだこれは……?」
横たわる黒豚と対面するデイビッドというシュールな絵面に、その場の全員がどうして良いかわからず、引きつったまま固まっていると、外から誰かが走り込んで来た。
「ハァッ!ハァッ!デイビッドせんせいっ!ゼェ…ゼェ…せんせっ!すびばぜんっ!!あのっ!!にもつっ!あーっ!もう届いちゃてる!!」
息を切らし、大慌てでやって来たのはテオだった。
デイビッドの前に置かれた輿を見ると、更に頭を抱えて狼狽え出した。
「申し訳ありませんっ!!これは例のクーロン商会からデイビッド先生にお礼の品として贈られた物でして…その…決っっしてそういう意味ではないんですっ!!」
「あーー……わかった。そういや向こうの習慣だっけか。」
クーロン商会のあるカラン地方の、元カラン国首都ラカンには豚を神として祀る風習がある。
特に商家は富と繁栄の象徴として豚にまつわる物を喜び、最上の感謝や慶びを表す際に豚を贈り合うそうだ。
それも色は濃ければ濃い程良いとされ、黒豚はその最たるものに当たる。
この豚も生きたままここまで連れてきて、然るべき処理を施し新鮮な肉にした後、手間を掛けてから届けてくれた物なのだろう。
決してデイビッドに喧嘩を売っているワケではない。
「気を悪くされたのでしたら謝ります!!僕がこちらの状況をしっかりユェイに伝えて置かなかったのがいけないんです!」
「クーロン商会の手紙にあった名前だな。」
「はい…僕の、婚約者です…」
「驚きはしたけどよ、まぁ真意がわかった以上気にはしねぇよ。ありがたく受け取っていいんだろ?」
「もちろんデす!クーロン商会より最上級の感謝の気持ち、是非お受け下サい!」
とは言え豚丸1頭である。
まずは専門業者に頼み、革と肉とに解体する事にした。
とにかく立派な豚であるため無駄は出したくない。
ラカンでも受け取った豚は全て使い切るのが礼儀だと言う。
ならばこちらも気合いを入れて迎えなければならない。
なにはともあれ、こうしてエルムの大使館を驚かせた黒豚事件は無事に収拾され、皆が胸を撫で下ろした。
まさか黒豚の悪名を持つ相手に黒豚を送り付けてしまうとは…
ひとつ間違えれば国際問題にもなりかねなかったこの騒動。
文化の違いや相手の状況をよく知らねば、贈り物ひとつが双方の仲の亀裂となる事を知る良い機会となった。
「ところで、これもらったら本来どうするモンなんだ?」
「ラカンでは豚を受け取ったら輿を担いで町内一周を練り歩きます。」
「それはちょっと…」
「当たり前ですよ!こちらの意図を汲んで頂けただけでもありがたいのですから!」
「こっちでそれやったら、なんかお葬式みたいで余計にウブッ!!」
デイビッドは、エリックの口を塞ぎ、一睨みしてから改めて豚を運び出した。
呼んだ業者もここまで立派な黒豚初めてらしく、心して丁寧に解体すると約束してくれた。
輿はバラしてまた次の機会に使うのが通例らしいので、大使館で保管してもらう。
布や飾りはどうするのかよくわからないためこれも一時保留。
テオと大使館の面々に礼を言い、後日届く予定の豚肉を楽しみに今日の所は学園へ帰ることにした。
「しっかし驚いたな…一瞬何事かと思った…」
「宣戦布告かと思って身構えちゃいましたよ。にしても、エルムのラカンかぁ。デイビッド様もそこでなら人気出そうですね!」
「豚と同一視されても嬉しくねぇよ?!」
学園へ戻る前に、せっかくなので商会に寄り、細かい事務仕事を片付けていると、化粧品の担当者が山の様な書類を抱えてやって来た。
「デイビッド様!こちらどうなさるおつもりですか?!売り出しはいつか、早くしろと方々から問い合わせが殺到して、仕事になりません!」
「あ!忘れてた。流石モデルが良いと広まるのも早いな。」
例のヒュリスのトリートメントは、ウイニー・メイのパレードおかげで王都の女性達の注目の的らしい。
在庫もかなり確保できたので、そろそろ何処かで試験販売するのもいいだろう。
「商品名すら決まってないんですよ?!」
「候補上げてきたから適当に選んでくれよ。近い内にどっかで店舗借りて販売してみるか。」
「もう!早急にお願いしますからね!!」
瓶のデザインも決まり、後はラベルだけ。
あちこちに出したサンプルの評判もすぶる良く、久しぶりのヒット商品になりそうだ。
学園に戻り、ヴィオラが帰ってきた時用にパウンドケーキを焼いていると、事務員が手紙の束を持って来たので受け取った。
「お、エリックこれお前のだ。」
「え?僕にですか…うぇ…ラルスルの当主からだ…早く結婚して家門から外れろって催促だろうなぁ…」
エリックはハルフェン侯爵家を抜けて、母方の姓ラルスルを名乗ってはいるが名を借りているだけで、実際に家族になったわけではない。
当主としては出戻りの妹が連れて来た厄介者に過ぎず、幼い内ならいざ知らず、成人したのならハルフェン侯爵家に目を付けられない内に早く放り出したいのだろう…
「結婚かぁ…イヤだなぁ…」
「人には散々言ってきといてか?!」
「いっそ除名でも僕は構わないんですけどね。それだとラルスル側の汚点になるってんで認めてもらえなくて…どこかへ養子にって手もありますけど、それだと今の仕事続けられるかもわからないし…あーあ、こんな事なら旦那様の話、受けとけば良かったかなぁ…」
「親父の話?」
「事情があるならデュロックの子にならないかって言われて、母が恐れ多いからって辞退したんですよ。」
「ならなくて良かった…」
「僕は別にそれでも良かったんですけどね。」
「俺が嫌だって!!」
とんでもない未来もあったものだ。
次の日、ヴィオラのいない間に少し製薬作業を進めようと、デイビッドは魔法学棟のベルダの研究室へ向かった。
廊下や手洗い場の鏡を警戒したが、あれから鏡に声をかけられるなどという異常事態には出くわしていない。
それぞれの作業が最初の蒸留と中盤の結晶化、最終段階の濾過の作業に入るとようやく手が空き、少しだけ自分用のノートを進めながら古い手記に目を通していく。
かなり前の記述の中に、アルラウネと思しき植物の扱いについて書かれていたが、古語で記されているので解読を試みているも遅々として進んでいない。
ベルダに丸投げしてしまった新種の薬草ルポナスの解毒薬は、改良を経て先日やっと完成し王家へ献上された。
王家の魔術師達の手で安全が確認された後、クロードの解毒に使われるそうだ。
解毒薬以外の薬も調整は進んでいて、間もなく試験段階に入るそうだ。
ベルダは成果を出してくれた。
ではデイビッドはどうだ?
きちんと応えられているのだろうか、疑問が残る。
役に立てているのかいないのか、それすらわからないまま、今日も地道な作業に精を出す。
そしてその昼過ぎ、お待ちかねの豚が届いた。
預けた解体屋が捌いてくれた豚は、綺麗に肉になりそれぞれの部位に分けられ、骨の欠片も残らず帰って来た。
革は鞣してから届くそうだ。
しかし気になったので、生皮の一部も受け取り食材と共に届けてもらった。
「よし!まずはアレやってみるか…」
外の竈に火を入れ、大きな寸胴鍋に豚の背骨と頭にハンマーで亀裂を入れてから、まずは水に晒して血抜きをする。
水が赤くなりゴミが浮いてきたら一度よく洗い、また綺麗な水を入れ煮立てていく。
柄の長い木べらで何度もかき回しながら、浮いてきた油を救って別の容れ物に移していく。
そして今回使いたかったのが頭の中身、脳味噌だ。
(美味いんだけどな…)
見た目と内臓という印象から不人気な部位だが、滑らかでクセがなくコクがあってデイビッドは嫌いじゃない。
塩と酒で洗い、蒸し布に包んで蒸し器で軽く火を通すと、ツルンとして柔らかな感触になる。
脳味噌はそのまま冷まして、また外の鍋の底をかき回し油を掬う作業を繰り返す。
そうしていると、少し出かけていたエリックがヴィオラを連れて戻って来た。
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カクヨムで公開したものに手を入れたものです。