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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
聖女の敗北
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「…なぁエリック。魅了ってのは実際掛かるとどうなるんだ?」
「単純に相手への好意や慕情が膨れ上がったり、無理矢理恋愛感情を植え付けられたり、崇拝に近く隷属的な精神状態に陥る場合もありますね。魔力の質や強度によって程度はそれぞれですが…」
「そうか…」
これまで自分の事を厄介な体質の面倒な生き物だと思っていたデイビッドだったが、ここへ来て初めて自分の特異体質を喜んで受け入れた。
(それが自分の意志じゃなくても、ヴィオラ以外の女になびくような事が無くて良かった…)
もしそうなったら、正気に戻った時、恐らく自責の念に駆られて今度こそ本当に壊れてしまいそうな気がして…デイビッドは安堵からうるさくなる自分の心臓を抑えた。
「デイビッド様!大丈夫ですか?スプーン持てますか?あーんしましょうか?!」
「そこまでしなくていいから!」
「でも指先震えてますよ?!」
「大丈夫だって!」
世話を焼こうとするヴィオラの手から逃れようとしていると、いつの間にか来ていたシェルリアーナが、不機嫌そうにこちらを睨みつけている。
「もう放っといて大丈夫よヴィオラ。見なさいよあの締まりのない顔…」
「あそこまで自分の唯一に心を預けられる人も珍しいもんですよね。」
「まぁ、絶対に浮気しないって言う点では安心だけど?」
何がまかり間違ってこれが女好きなどと言われているのか、シェルリアーナには理解ができなかった。
それから数日、ヴィオラの周りにはやはり噂話が纏わりついたが、明らかに空気が変わった。
家族に差別を受けていた薄幸の令嬢と、その事実にすら気が付かない間抜けな聖女。
無実の罪を着せられ、悲惨な目に遭っても折れずに耐えるひたむきな淑女。
逆境にもめげず、素晴らしい成績を納めている努力の才女。
必ず悪口を打ち消す噂が出回って、女の子達は面白おかしくそれらをぶつけ合い、当事者の事など頭から抜けてしまっているようだ。
中身の良し悪しなど考えない、共通の話題として人の噂を流行させているだけ。
貴族に限らず女性のおしゃべりとはこういう所が恐ろしい。
それがわかってヴィオラもすっかり落ち着いた。
心を砕くなら、好きな物のため、好きな人達のためでありたい。
そう考えて、関係無い声は聞かないことにした。
しかし、面と向かってやって来る問題には立ち向かわなければならない。
「あら、お姉様!ごきげんよう。」
「ミス・リリア…ごきげんよう…」
「ちょうど良かった、今度の日曜日にお姉様の婚約者をお借りしますので、予定など入れないでおいて下さいね?!」
「お借り…?何を言っているの!?」
「何って…お姉様が中々紹介して下さらないから、仕方なく私から声をかけさせて頂きましたの。」
「そんな勝手な!」
「勝手だなんて、姉の婚約者にご挨拶するのは、妹として当たり前の事ですわ?!」
「ねぇ、ミス・リリア…何度も言うけれど、私達の家族関係は1年も前に解消されているのよ?私達はもう姉妹ではないの。姉と呼ぶのはやめてちょうだい?!」
「まあ!なんて悲しいことを仰るの…私達、例え離れても世界にたった2人だけの血の繋がった姉妹ですのに!!」
大袈裟によろめいて悲しそうな顔をするリリアに、同情の声と視線が集まる。
ヴィオラはこの瞬間が大嫌いだ。
こうやって人をダシにして自分を輝かせるのが、この妹は本当に上手い。
「貴族院が認めたことですから、事実は事実です。それから、私の婚約者をお貸しすることはできません。そもそも何をなさるおつもりでしたので?」
「イヤだわお姉様、ご自分が色々な殿方と親しくされているからと言って、私をお疑いになるの?妹としてお姉様の婚約者がどんな方なのか、気になるだけですのに…お話もさせて下さらないと言うの…?」
「そもそも、私の婚約者を嫌がって先に暴言を吐いたのは貴女の方よ?たった1年前のことですのに、もうお忘れなのかしら…?ご自身の発言はきちんと覚えておいて下さらないと、今更取り消しにはなりませんわ。」
そう言ってヴィオラがリリアの前から居なくなろうとした時、魔法学棟へ向かうデイビッドが廊下の先から歩いて来るのが見えてしまった。
「暴言だなんて酷いわ…あれは王族の方に意見を合わせなければならなかっただけですのに…そんなに気になるのなら、ご本人に直接聞いたらいいのではなくて?!ほら、こちらに気が付かれましたわよ?!」
リリアは、まるでデイビッドが自分の方へ向かっているのだと言わんばかりに大きく手を振った。
「デイビッド先生、ごきげんよう!」
「あぁ?また淑女科の聖女様か…いい加減俺に絡むのは止めてもらいてぇんだけどよ…」
「そんな事仰らないで?!私は先生とお喋りしたいんです!」
「何のために?」
「それは…ほら、お姉様の婚約者ですもの、妹として気になりますもの…」
「さんざ人の事を豚だの醜男だの罵ったその口でか?悪いが俺は欠片も興味ない。ヴィオラに絡むのも止めてもらおうか?そろそろ現実見ろよ。こっちはお前らのおかげで迷惑してんだ!」
「せ…先生が生徒を差別していいんですか?!」
「ならここは教員じゃなく、ヴィオラの婚約者として言わせてもらおうか?!これ以上ヴィオラに近づくな!聖女だか何だか知らねぇが、人を勝手に断罪しといて今更虫が良すぎるんだよ。」
「そんな…どうしてそんな酷いことを仰るの…?」
「自分の発言も覚えてられないのか…ずいぶんと軽い頭だな。行こうヴィオラ、ここに居ても気分が悪くなるだけだ。無理して相手してやる必要はねぇよ。」
デイビッドは珍しく、本当に珍しく、公共の場でヴィオラの肩を抱き寄せた。
背中を向けられそうになり、逃がすまいとリリアはその反対の腕にすかさず縋り付く。
「お待ち下さい!どうか私の話も聞いて…」
「触んなよ!虫唾が走る!!そのダダ漏れた魔力どうにかしてくれ!人に向けんな気持ち悪ぃ…」
デイビッドは心底不快という顔で、リリアの手が触れた腕を引っ込めた。
ベストを着ていても、直接肌に触れる魔力の感覚までは防げないらしい。
本気で気色の悪いものに触ってしまったという顔をすると、後は見向きもせずにヴィオラを伴い、廊下を進んで行ってしまう。
「そ…そんな…」
残されたリリアはその場に崩れ落ちて見せたが、駆け寄って来るのはいつもの取り巻きばかり。
(そんな…この私が…フラれた…?!)
天性の魅了持ちは常に人を惹きつける能力を持っている。
直接身体に触れて魔力を流せば、その効果はたちどころに現れるはず。が、嫌悪感を前面に押し出して振り払われたのは初めての経験だ。
(悔しい…悔しい悔しい悔しいっ!!!)
自分の思い通りに行かなかった事がほとんどないリリアにとって、大勢の前で恥をかかされたこの一件は決して許されない事だった。
(なんで?なんで?!私に気があったんじゃないの!?豚のくせに!聖女の私がせっかく声をかけてやったのに!何よあの目…何よ…気持ち悪いですって?!…許さない許さない許さない!!)
清浄であるべき聖女の魔力が、この時どす黒く染まり、光属性の魔力に徐々に変化が起き始めていた事にリリアは気がついていなかった。
「大丈夫だったかヴィオラ!?」
「大丈夫じゃないです!!ドキドキして!デイビッド様がこんなに近くて!!」
「普段の方がもっと近くないか?!」
「皆の見てる前で!こんなに近くて!婚約者みたいに!婚約者みたいに!!」
「いや!婚約者だって!!」
「そこの2人、廊下の真ん中でいちゃつくんじゃ無いわよ!!」
イライラしたシェルリアーナが、2人のど真ん中をぶち抜いて割り込んで来た。
「シェル先輩!」
「見てたわよさっきの…何よ、人前で堂々婚約者発言なんて、少しは成長したじゃない!」
「いや、あのくらいはするだろ普通…?」
「その普通にすら手が届かなかった奴が何抜かしてんのよ?!アンタも自分が1年前どうだったか、もう忘れたっての?!」
ヘタレの中のヘタレだった1年前。
婚約者の隣にすら座れなかった臆病者が、良くここまで進歩したものだ。
「単純に相手への好意や慕情が膨れ上がったり、無理矢理恋愛感情を植え付けられたり、崇拝に近く隷属的な精神状態に陥る場合もありますね。魔力の質や強度によって程度はそれぞれですが…」
「そうか…」
これまで自分の事を厄介な体質の面倒な生き物だと思っていたデイビッドだったが、ここへ来て初めて自分の特異体質を喜んで受け入れた。
(それが自分の意志じゃなくても、ヴィオラ以外の女になびくような事が無くて良かった…)
もしそうなったら、正気に戻った時、恐らく自責の念に駆られて今度こそ本当に壊れてしまいそうな気がして…デイビッドは安堵からうるさくなる自分の心臓を抑えた。
「デイビッド様!大丈夫ですか?スプーン持てますか?あーんしましょうか?!」
「そこまでしなくていいから!」
「でも指先震えてますよ?!」
「大丈夫だって!」
世話を焼こうとするヴィオラの手から逃れようとしていると、いつの間にか来ていたシェルリアーナが、不機嫌そうにこちらを睨みつけている。
「もう放っといて大丈夫よヴィオラ。見なさいよあの締まりのない顔…」
「あそこまで自分の唯一に心を預けられる人も珍しいもんですよね。」
「まぁ、絶対に浮気しないって言う点では安心だけど?」
何がまかり間違ってこれが女好きなどと言われているのか、シェルリアーナには理解ができなかった。
それから数日、ヴィオラの周りにはやはり噂話が纏わりついたが、明らかに空気が変わった。
家族に差別を受けていた薄幸の令嬢と、その事実にすら気が付かない間抜けな聖女。
無実の罪を着せられ、悲惨な目に遭っても折れずに耐えるひたむきな淑女。
逆境にもめげず、素晴らしい成績を納めている努力の才女。
必ず悪口を打ち消す噂が出回って、女の子達は面白おかしくそれらをぶつけ合い、当事者の事など頭から抜けてしまっているようだ。
中身の良し悪しなど考えない、共通の話題として人の噂を流行させているだけ。
貴族に限らず女性のおしゃべりとはこういう所が恐ろしい。
それがわかってヴィオラもすっかり落ち着いた。
心を砕くなら、好きな物のため、好きな人達のためでありたい。
そう考えて、関係無い声は聞かないことにした。
しかし、面と向かってやって来る問題には立ち向かわなければならない。
「あら、お姉様!ごきげんよう。」
「ミス・リリア…ごきげんよう…」
「ちょうど良かった、今度の日曜日にお姉様の婚約者をお借りしますので、予定など入れないでおいて下さいね?!」
「お借り…?何を言っているの!?」
「何って…お姉様が中々紹介して下さらないから、仕方なく私から声をかけさせて頂きましたの。」
「そんな勝手な!」
「勝手だなんて、姉の婚約者にご挨拶するのは、妹として当たり前の事ですわ?!」
「ねぇ、ミス・リリア…何度も言うけれど、私達の家族関係は1年も前に解消されているのよ?私達はもう姉妹ではないの。姉と呼ぶのはやめてちょうだい?!」
「まあ!なんて悲しいことを仰るの…私達、例え離れても世界にたった2人だけの血の繋がった姉妹ですのに!!」
大袈裟によろめいて悲しそうな顔をするリリアに、同情の声と視線が集まる。
ヴィオラはこの瞬間が大嫌いだ。
こうやって人をダシにして自分を輝かせるのが、この妹は本当に上手い。
「貴族院が認めたことですから、事実は事実です。それから、私の婚約者をお貸しすることはできません。そもそも何をなさるおつもりでしたので?」
「イヤだわお姉様、ご自分が色々な殿方と親しくされているからと言って、私をお疑いになるの?妹としてお姉様の婚約者がどんな方なのか、気になるだけですのに…お話もさせて下さらないと言うの…?」
「そもそも、私の婚約者を嫌がって先に暴言を吐いたのは貴女の方よ?たった1年前のことですのに、もうお忘れなのかしら…?ご自身の発言はきちんと覚えておいて下さらないと、今更取り消しにはなりませんわ。」
そう言ってヴィオラがリリアの前から居なくなろうとした時、魔法学棟へ向かうデイビッドが廊下の先から歩いて来るのが見えてしまった。
「暴言だなんて酷いわ…あれは王族の方に意見を合わせなければならなかっただけですのに…そんなに気になるのなら、ご本人に直接聞いたらいいのではなくて?!ほら、こちらに気が付かれましたわよ?!」
リリアは、まるでデイビッドが自分の方へ向かっているのだと言わんばかりに大きく手を振った。
「デイビッド先生、ごきげんよう!」
「あぁ?また淑女科の聖女様か…いい加減俺に絡むのは止めてもらいてぇんだけどよ…」
「そんな事仰らないで?!私は先生とお喋りしたいんです!」
「何のために?」
「それは…ほら、お姉様の婚約者ですもの、妹として気になりますもの…」
「さんざ人の事を豚だの醜男だの罵ったその口でか?悪いが俺は欠片も興味ない。ヴィオラに絡むのも止めてもらおうか?そろそろ現実見ろよ。こっちはお前らのおかげで迷惑してんだ!」
「せ…先生が生徒を差別していいんですか?!」
「ならここは教員じゃなく、ヴィオラの婚約者として言わせてもらおうか?!これ以上ヴィオラに近づくな!聖女だか何だか知らねぇが、人を勝手に断罪しといて今更虫が良すぎるんだよ。」
「そんな…どうしてそんな酷いことを仰るの…?」
「自分の発言も覚えてられないのか…ずいぶんと軽い頭だな。行こうヴィオラ、ここに居ても気分が悪くなるだけだ。無理して相手してやる必要はねぇよ。」
デイビッドは珍しく、本当に珍しく、公共の場でヴィオラの肩を抱き寄せた。
背中を向けられそうになり、逃がすまいとリリアはその反対の腕にすかさず縋り付く。
「お待ち下さい!どうか私の話も聞いて…」
「触んなよ!虫唾が走る!!そのダダ漏れた魔力どうにかしてくれ!人に向けんな気持ち悪ぃ…」
デイビッドは心底不快という顔で、リリアの手が触れた腕を引っ込めた。
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本気で気色の悪いものに触ってしまったという顔をすると、後は見向きもせずにヴィオラを伴い、廊下を進んで行ってしまう。
「そ…そんな…」
残されたリリアはその場に崩れ落ちて見せたが、駆け寄って来るのはいつもの取り巻きばかり。
(そんな…この私が…フラれた…?!)
天性の魅了持ちは常に人を惹きつける能力を持っている。
直接身体に触れて魔力を流せば、その効果はたちどころに現れるはず。が、嫌悪感を前面に押し出して振り払われたのは初めての経験だ。
(悔しい…悔しい悔しい悔しいっ!!!)
自分の思い通りに行かなかった事がほとんどないリリアにとって、大勢の前で恥をかかされたこの一件は決して許されない事だった。
(なんで?なんで?!私に気があったんじゃないの!?豚のくせに!聖女の私がせっかく声をかけてやったのに!何よあの目…何よ…気持ち悪いですって?!…許さない許さない許さない!!)
清浄であるべき聖女の魔力が、この時どす黒く染まり、光属性の魔力に徐々に変化が起き始めていた事にリリアは気がついていなかった。
「大丈夫だったかヴィオラ!?」
「大丈夫じゃないです!!ドキドキして!デイビッド様がこんなに近くて!!」
「普段の方がもっと近くないか?!」
「皆の見てる前で!こんなに近くて!婚約者みたいに!婚約者みたいに!!」
「いや!婚約者だって!!」
「そこの2人、廊下の真ん中でいちゃつくんじゃ無いわよ!!」
イライラしたシェルリアーナが、2人のど真ん中をぶち抜いて割り込んで来た。
「シェル先輩!」
「見てたわよさっきの…何よ、人前で堂々婚約者発言なんて、少しは成長したじゃない!」
「いや、あのくらいはするだろ普通…?」
「その普通にすら手が届かなかった奴が何抜かしてんのよ?!アンタも自分が1年前どうだったか、もう忘れたっての?!」
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