245 / 411
黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
敵陣へ
しおりを挟む
エルムには大使館に大掛かりな転移門があるが、転移には膨大な魔力を要する上に、維持だけでも魔術師の常駐が必須で
かなりの魔石を消費するため、王族のみ使用できる。
魔法大国であるエルムだからこその荒業だ。
アデラからは特別な船に乗り、海港から直接運河を渡って王都最寄りの交易港までやって来る。
そこからは馬車に乗って移動して来ることが多い。
「イヤだぁ…」
「アリスティア殿下のデビュタントの時より酷い顔してますね。」
「あったり前だろ!?そもそも式典の主催は教会だぞ?!行ったらステーキにされましたなんてオチでもおかしくねぇんだよこっちは!!」
「その前に誰かしらブチ切れて暴れそうで怖い…」
デイビッドに手を出せば、アザーレア辺りが式典諸共破壊しそうで薄ら恐ろしいとエリックは言う。
明日はヴィオラにもこの事を伝えなければならない。
なにせ3人共の手紙には、婚約者を必ず連れて来いと念を押す一文が、それぞれ示し合わせたように入っているのだから。
デイビッドはこの夜ほとんど眠れず、憂鬱な気持ちで朝を迎えた。
急な招待のため、必要な物は全て向こうが揃えるとあるが、せめて着ていく服くらいは自前で行かねばなるまい。
エリックがまた頭を捻っていると、そこへアニスが現れた。
「ハッピーホリデー!!先生!聞きましたよ!?お城へ行くんでしょう?!ウイニー・メイより愛を込めて、先生にプレゼントです!!」
「いらん!帰れ!」
「そんなこと言わずに!!かわいい生徒の自信作ですよ!?ちょっとくらい興味持って下さいよ!」
そう言ってアニスが取り出して見せたのは、ダークブラウンに黒の縦縞のスーツ。シャツもごくシンプルな淡い紫色で、小物にスーツと同色のグローブと中折帽子が付いている。
「ええ!?雰囲気変わりましたね!ここで路線変更ですか?」
「私のデザインとイメージで作りました!全体的にシンプルで、でもカラーシャツが目を引いて、グッとお洒落度上がってません?!」
「これならループタイでも合わせれば完璧ですよ!ね!?デイビッド様?」
「…どうでもいい…」
「じゃ、こっちは?!」
深い緑の襟元に南国の刺繍をあしらい、アスコットタイで引き締めて、腰を紫のサッシェで縛り裾を緩やかに遊ばせたアデラ風の衣装。
ゆったりとした柔らかい幅広のズボンの裾だけ絞ったデザインはデイビッドも下町を歩く際に良く着ている。
「アデラの服ですか!確かに!見た目が向こうなんだから似合うのもわかります!」
「ディアナ様の普段着からヒントを貰いました!」
「だからか!この布使いは女物だ!!」
「異性物取り入れるなんて、お洒落の極みじゃないですか!?」
「ところで…この紫縛りはなんなんだ?」
「やだなぁ!覚えてないんですか?先生が注文したヴィオラのドレス!淡いラベンダー色のふわっとしたヤツ!!先週納品したじゃないですか!あれに合わせてんですよ!」
「…だったら余計にいらねぇよ…同じ色は着ない。」
「なんでぇ?!もっとアピールしたっていいのに!」
「指輪で充分だ!」
「いつもこうなんですよ。今まではヴィオラ様が黒を身に付けることでなんとなくお揃いにしてきましたけど、この人に任せると徹底的に自分の色は削っちゃうんです。」
「ヴィオラに黒は似合わないってだけだ。」
「ポイントに入れるならお洒落なのに…」
そのポイントすら気に入らないといった様子で、デイビッドは並べられた衣装を見比べると、一番地味で見立たない濃い鈍色の服を指差した。
「これでいい。」
「はーい!承りました!!」
元気よく返事するアニスは、スーツ一式を吊るしにしてエリックに差し出した。
(あ!これ裏地が紫!)
(ヴィオラのドレスの共布を使ってるんですよ!絶対に騙されてくれると思って用意しました!)
(やりますねぇアニスさん…)
知らぬは本人ばかり。
明日が楽しみになったエリックだった。
「え!?私も行くんですか!?聖女だかの式典に??」
「そういう誘いが来たんだよ…王家からと他国の王族もいるから、俺は断れない…無理にとは言わないが、アザーレアも居るし、向こうもこっちの事情は知ってるだろうから、悪い様にはされないと思う。」
「後ろから刺されちゃったりしないかしら…」
「そしたら会場が火の海になって関係者が血祭りに上がるだろうな…」
「わかりました!行きます!私をデイビッド様の隣に立たせて下さい!」
腹を決め、早速明日に備えて支度を始めるヴィオラは、何故か外で魔法結界の特訓を始めた。
「エリック様、思いっ切り打ち込んで下さい!!」
「手加減無しでいきますよ!?気を付けて!」
八方から迫る魔力の弾を、ヴィオラの結界が防ぎ、その度にガラスの割れるような音がする。
弾くだけでなく、見切った弾は結界で捕まえシャボン玉の様な膜の中で火花に変えてしまう。
「これはなかなか…お強いですねヴィオラ様!」
「はいっ!シェルリアーナ様の特訓の成果です!!」
(エリックもシェルも何してんだ…?)
戦闘系魔女が弟子でも取ろうとしているのだろうか。
次はエリックがよく使う影の蔓を使った束縛系の魔法を放つが、ヴィオラは結界を切り替え弓をつがえてそれも弾いていく。
しかしそこでヴィオラの動きが止まってしまった。
辺りに立琴のような音が響いてヴィオラの闘志を奪っていく。
「音は…まだ無理でした……」
「アハハハ!僕は音楽関係に強い分、音の扱いにはちょっと自信があるんですよ。精神系の攻撃はまだ早かったですかね。そういう時の対処も教えましょ。」
音は無意識に受け入れやすく、脳が反応してしまう分、魔力を乗せると効き目が早く浸透しやすい部類に入るらしい。
精神にガードをかける方法は魅了を退けるやり方とほとんど変わらないので、後は音に対する防壁を鼓膜にかけるという。
「なぁ、なんでファルコやムスタには効かないんだろうな?!」
「動物は楽器の音色も雑音も“音”としか認識してないのと、精神構造が違うからですね。あと貴方はそのベストを抜いだら速攻ひっくり返るので、特訓中は流れ弾に当たらないように脱がないで下さい、絶対に!」
「おっかねぇな!!」
何の備えなのか、ヴィオラが戦闘訓練を積んでいる間、デイビッドは久々にシフォンケーキを焼いていた。
紅茶、イチゴ、チョコレート、オレンジ、ラムレーズン、そして謎の味をひとつ。
ふわふわの焼き立てをひっくり返していると、明日の予定を思い出し、また憂鬱な気持ちになる。
(行きたくねぇ…)
しかし、王からの招待を受けた以上参加しなければならない。
更に追い打ちをかけるように、昼食の支度をしようと外の2人に声を掛けようと外のドアを開けると、いつの間にか現れていたアリスティアが、優雅に制服の裾を摘み挨拶して来た。
「お迎えに上がりました!」
「もう捕まってる!!」
アリスティアの後ろでは、シェルリアーナとアザーレアにがっちり腕を取られたエリックとヴィオラが、若干申し訳なさそうにしていた。
部屋の荷物と簡単に包んだ手土産も運び出され、一向は式典より一足先に王城へと連行されてしまう。
エリックとシェルリアーナ達とは別の馬車に乗せられ、デイビッドはヴィオラと共に、アリスティアとアザーレアの乗る馬車に詰め込まれた。
「ヴィオラ!!元気だったか?!いつ見てもヴィオラは可愛いな!ヴィオラのくれた髪飾り、あれは本当に素晴らしい!私の生涯の宝だ!ありがとうヴィオラ!!」
「よ…喜んで頂けて何よりです!」
例の大岩トカゲの腹から出てきたガーネットは、銀の台座に真っ赤なヒクイドリの飾り羽と黒曜魔石をあしらい、アザーレアに相応しい逸品に仕立て、ヴィオラとデイビッドの連名で贈ったが、デイビッドの名前は読み飛ばされた可能性が高そうだ。
「ヴィオラも同じ石を持っているのだろう?次は是非付けて見せてくれ!」
「わかりました…」
ヴィオラのガーネットにはクロヤマドリの羽が添えられ、アザーレアの物と対になっている。
そんな物を見せてしまったら、本当に連れて帰られてしまいそうだ。
城に着くと、直ぐにアーネストが自ら出迎えに来て、王族の迎賓室へ通された。
かなりの魔石を消費するため、王族のみ使用できる。
魔法大国であるエルムだからこその荒業だ。
アデラからは特別な船に乗り、海港から直接運河を渡って王都最寄りの交易港までやって来る。
そこからは馬車に乗って移動して来ることが多い。
「イヤだぁ…」
「アリスティア殿下のデビュタントの時より酷い顔してますね。」
「あったり前だろ!?そもそも式典の主催は教会だぞ?!行ったらステーキにされましたなんてオチでもおかしくねぇんだよこっちは!!」
「その前に誰かしらブチ切れて暴れそうで怖い…」
デイビッドに手を出せば、アザーレア辺りが式典諸共破壊しそうで薄ら恐ろしいとエリックは言う。
明日はヴィオラにもこの事を伝えなければならない。
なにせ3人共の手紙には、婚約者を必ず連れて来いと念を押す一文が、それぞれ示し合わせたように入っているのだから。
デイビッドはこの夜ほとんど眠れず、憂鬱な気持ちで朝を迎えた。
急な招待のため、必要な物は全て向こうが揃えるとあるが、せめて着ていく服くらいは自前で行かねばなるまい。
エリックがまた頭を捻っていると、そこへアニスが現れた。
「ハッピーホリデー!!先生!聞きましたよ!?お城へ行くんでしょう?!ウイニー・メイより愛を込めて、先生にプレゼントです!!」
「いらん!帰れ!」
「そんなこと言わずに!!かわいい生徒の自信作ですよ!?ちょっとくらい興味持って下さいよ!」
そう言ってアニスが取り出して見せたのは、ダークブラウンに黒の縦縞のスーツ。シャツもごくシンプルな淡い紫色で、小物にスーツと同色のグローブと中折帽子が付いている。
「ええ!?雰囲気変わりましたね!ここで路線変更ですか?」
「私のデザインとイメージで作りました!全体的にシンプルで、でもカラーシャツが目を引いて、グッとお洒落度上がってません?!」
「これならループタイでも合わせれば完璧ですよ!ね!?デイビッド様?」
「…どうでもいい…」
「じゃ、こっちは?!」
深い緑の襟元に南国の刺繍をあしらい、アスコットタイで引き締めて、腰を紫のサッシェで縛り裾を緩やかに遊ばせたアデラ風の衣装。
ゆったりとした柔らかい幅広のズボンの裾だけ絞ったデザインはデイビッドも下町を歩く際に良く着ている。
「アデラの服ですか!確かに!見た目が向こうなんだから似合うのもわかります!」
「ディアナ様の普段着からヒントを貰いました!」
「だからか!この布使いは女物だ!!」
「異性物取り入れるなんて、お洒落の極みじゃないですか!?」
「ところで…この紫縛りはなんなんだ?」
「やだなぁ!覚えてないんですか?先生が注文したヴィオラのドレス!淡いラベンダー色のふわっとしたヤツ!!先週納品したじゃないですか!あれに合わせてんですよ!」
「…だったら余計にいらねぇよ…同じ色は着ない。」
「なんでぇ?!もっとアピールしたっていいのに!」
「指輪で充分だ!」
「いつもこうなんですよ。今まではヴィオラ様が黒を身に付けることでなんとなくお揃いにしてきましたけど、この人に任せると徹底的に自分の色は削っちゃうんです。」
「ヴィオラに黒は似合わないってだけだ。」
「ポイントに入れるならお洒落なのに…」
そのポイントすら気に入らないといった様子で、デイビッドは並べられた衣装を見比べると、一番地味で見立たない濃い鈍色の服を指差した。
「これでいい。」
「はーい!承りました!!」
元気よく返事するアニスは、スーツ一式を吊るしにしてエリックに差し出した。
(あ!これ裏地が紫!)
(ヴィオラのドレスの共布を使ってるんですよ!絶対に騙されてくれると思って用意しました!)
(やりますねぇアニスさん…)
知らぬは本人ばかり。
明日が楽しみになったエリックだった。
「え!?私も行くんですか!?聖女だかの式典に??」
「そういう誘いが来たんだよ…王家からと他国の王族もいるから、俺は断れない…無理にとは言わないが、アザーレアも居るし、向こうもこっちの事情は知ってるだろうから、悪い様にはされないと思う。」
「後ろから刺されちゃったりしないかしら…」
「そしたら会場が火の海になって関係者が血祭りに上がるだろうな…」
「わかりました!行きます!私をデイビッド様の隣に立たせて下さい!」
腹を決め、早速明日に備えて支度を始めるヴィオラは、何故か外で魔法結界の特訓を始めた。
「エリック様、思いっ切り打ち込んで下さい!!」
「手加減無しでいきますよ!?気を付けて!」
八方から迫る魔力の弾を、ヴィオラの結界が防ぎ、その度にガラスの割れるような音がする。
弾くだけでなく、見切った弾は結界で捕まえシャボン玉の様な膜の中で火花に変えてしまう。
「これはなかなか…お強いですねヴィオラ様!」
「はいっ!シェルリアーナ様の特訓の成果です!!」
(エリックもシェルも何してんだ…?)
戦闘系魔女が弟子でも取ろうとしているのだろうか。
次はエリックがよく使う影の蔓を使った束縛系の魔法を放つが、ヴィオラは結界を切り替え弓をつがえてそれも弾いていく。
しかしそこでヴィオラの動きが止まってしまった。
辺りに立琴のような音が響いてヴィオラの闘志を奪っていく。
「音は…まだ無理でした……」
「アハハハ!僕は音楽関係に強い分、音の扱いにはちょっと自信があるんですよ。精神系の攻撃はまだ早かったですかね。そういう時の対処も教えましょ。」
音は無意識に受け入れやすく、脳が反応してしまう分、魔力を乗せると効き目が早く浸透しやすい部類に入るらしい。
精神にガードをかける方法は魅了を退けるやり方とほとんど変わらないので、後は音に対する防壁を鼓膜にかけるという。
「なぁ、なんでファルコやムスタには効かないんだろうな?!」
「動物は楽器の音色も雑音も“音”としか認識してないのと、精神構造が違うからですね。あと貴方はそのベストを抜いだら速攻ひっくり返るので、特訓中は流れ弾に当たらないように脱がないで下さい、絶対に!」
「おっかねぇな!!」
何の備えなのか、ヴィオラが戦闘訓練を積んでいる間、デイビッドは久々にシフォンケーキを焼いていた。
紅茶、イチゴ、チョコレート、オレンジ、ラムレーズン、そして謎の味をひとつ。
ふわふわの焼き立てをひっくり返していると、明日の予定を思い出し、また憂鬱な気持ちになる。
(行きたくねぇ…)
しかし、王からの招待を受けた以上参加しなければならない。
更に追い打ちをかけるように、昼食の支度をしようと外の2人に声を掛けようと外のドアを開けると、いつの間にか現れていたアリスティアが、優雅に制服の裾を摘み挨拶して来た。
「お迎えに上がりました!」
「もう捕まってる!!」
アリスティアの後ろでは、シェルリアーナとアザーレアにがっちり腕を取られたエリックとヴィオラが、若干申し訳なさそうにしていた。
部屋の荷物と簡単に包んだ手土産も運び出され、一向は式典より一足先に王城へと連行されてしまう。
エリックとシェルリアーナ達とは別の馬車に乗せられ、デイビッドはヴィオラと共に、アリスティアとアザーレアの乗る馬車に詰め込まれた。
「ヴィオラ!!元気だったか?!いつ見てもヴィオラは可愛いな!ヴィオラのくれた髪飾り、あれは本当に素晴らしい!私の生涯の宝だ!ありがとうヴィオラ!!」
「よ…喜んで頂けて何よりです!」
例の大岩トカゲの腹から出てきたガーネットは、銀の台座に真っ赤なヒクイドリの飾り羽と黒曜魔石をあしらい、アザーレアに相応しい逸品に仕立て、ヴィオラとデイビッドの連名で贈ったが、デイビッドの名前は読み飛ばされた可能性が高そうだ。
「ヴィオラも同じ石を持っているのだろう?次は是非付けて見せてくれ!」
「わかりました…」
ヴィオラのガーネットにはクロヤマドリの羽が添えられ、アザーレアの物と対になっている。
そんな物を見せてしまったら、本当に連れて帰られてしまいそうだ。
城に着くと、直ぐにアーネストが自ら出迎えに来て、王族の迎賓室へ通された。
47
あなたにおすすめの小説
国王一家は堅実です
satomi
恋愛
オスメーモ王国…そこは国王一家は麗しくいつも輝かんばかりのドレスなどを身につけている。
その実態は、国王一家は国民と共に畑を耕したり、国民(子供)に読み書きを教えたり庶民的な生活をしている。
国王には現在愛する妻と双子の男女の子に恵まれ、幸せに生活している。
外部に行くときは着飾るが、領地に戻れば庶民的で非常に無駄遣いをしない王族である。
国庫は大事に。何故か、厨房担当のワーグが王家の子どもたちからの支持を得ている。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
力は弱くて魔法も使えないけど強化なら出来る。~俺を散々こき使ってきたパーティの人間に復讐しながら美少女ハーレムを作って魔王をぶっ倒します
枯井戸
ファンタジー
──大勇者時代。
誰も彼もが勇者になり、打倒魔王を掲げ、一攫千金を夢見る時代。
そんな時代に、〝真の勇者の息子〟として生を授かった男がいた。
名はユウト。
人々は勇者の血筋に生まれたユウトに、類稀な魔力の才をもって生まれたユウトに、救世を誓願した。ユウトもまた、これを果たさんと、自身も勇者になる事を信じてやまなかった。
そんなある日、ユウトの元へ、ひとりの中性的な顔立ちで、笑顔が爽やかな好青年が訪ねてきた。
「俺のパーティに入って、世界を救う勇者になってくれないか?」
そう言った男の名は〝ユウキ〟
この大勇者時代にすい星のごとく現れた、〝その剣技に比肩する者なし〟と称されるほどの凄腕の冒険者である。
「そんな男を味方につけられるなんて、なんて心強いんだ」と、ユウトはこれを快諾。
しかし、いままで大した戦闘経験を積んでこなかったユウトはどう戦ってよいかわからず、ユウキに助言を求めた。
「戦い方? ……そうだな。なら、エンチャンターになってくれ。よし、それがいい。ユウトおまえはエンチャンターになるべきだ」
ユウトは、多少はその意見に疑問を抱きつつも、ユウキに勧められるがまま、ただひたすらに付与魔法(エンチャント)を勉強し、やがて勇者の血筋だという事も幸いして、史上最強のエンチャンターと呼ばれるまでに成長した。
ところが、そればかりに注力した結果、他がおろそかになってしまい、ユウトは『剣もダメ』『付与魔法以外の魔法もダメ』『体力もない』という三重苦を背負ってしまった。それでもエンチャンターを続けたのは、ユウキの「勇者になってくれ」という言葉が心の奥底にあったから。
──だが、これこそがユウキの〝真の〟狙いだったのだ。
この物語は主人公であるユウトが、持ち前の要領の良さと、唯一の武器である付与魔法を駆使して、愉快な仲間たちを強化しながら成り上がる、サクセスストーリーである。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる