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黒豚令息の領地開拓編
湖水は謎に包まれて
垂らした糸に魚はすぐに食いついた。
引き揚げようとすると、かなりの抵抗で竿がしなり、大物の予感にデイビッドは楽しくなった。
(背びれが見えた!トラウトか?!昼飯に丁度い……)
暴れる魚に水面を追いながら腰を上げると、釣れた魚の後ろから更に大きな魚影が迫ってきているのが見えた。
(なんだありゃ!?)
ぬらぬらした大きなナマズが、せっかく釣った魚を一飲みにして糸に引っかかり大暴れしている。
「あんなん釣り上がらねぇよ!糸が切れちまう!網は…ダメかぜんぜん届かねぇ!」
キリキリと音を立てて糸が限界を迎え、竿も折れそうな程弧を描く。
ついにブツンと糸が真ん中から切れ、デイビッドが弾みで草むらにひっくり返った瞬間、いつの間に飛び出していたのか、ファルコが水面に浮き上がったナマズの背を鷲掴み、陸に向かって叩き付けた。
「キュピィッ!!」
「イテテ…ファルコ、エライぞ?!こんなデカいのが釣れるなんてな!まぁ、釣ってはないけどよ…?」
草の上では1メートルはある大ナマズがのたうち回っている。
ナマズは泥抜きをしないと臭みが出るので、バケツに入れたいところだが、コレが入る入れ物は流石に無い。
仕方がないのでその場でシメて、砂をすりつけながらヌメリをこそぎ落とし、何度も洗うがとにかく大きい。
「なんでこんな大物が初っ端から釣れちまうんだ!俺はのんびり釣りがしたいんだよ!」
釣りそのものを楽しみたかったデイビッドにとって、いきなりこの釣果は少し嬉しくない。
しかし、釣れた物は必ず食べる主義のデイビッドは早くもナマズ料理のレシピをあれこれ考え出した。
(揚げ物は外せねぇな…あとはなんだ…前に食った開きの焼き物は美味かったよなぁ…)
洗ったナマズのエラを外し、そこから頭を落として腹を開くと、最初に釣った大きなマスが現れた。
「これだって充分大物のはずなのに…まさかこんなのがウジャウジャいるとかじゃねえよなぁ…?!」
ふと思い立って、デイビッドはナマズの頭を湖の真ん中向けて思い切り投げ込んだ。
すると、ボチャンという水音と同時に水面が迫り上がり、大ナマズなどとは比べ物にならない程巨大な生物の背中が、うねりながら湖を割って現れ、鱗を光らせながらまた水底へ戻って行った。
「なんだありゃ!?」
「なによ今の!!」
その様子を岸辺から見ていたシェルリアーナも素っ頓狂な声を上げている。
「ヴィオラ!早く上がって来なさい!あんなバケモノがいる湖で水遊びなんてするんじゃないわ!」
「ちょっと待って下さい!こっちにも何かいるんです! 」
膝まで水に入り、水草の間をガサガサしていたヴィオラは、指先に魔力を集中させ、細い魔力の糸を繰り出して網を作ると、水の中に素早く張り巡らせた。
「ヴィオラ!何してるの!?早くこっちに来て!!」
「もう少し…もう少し…」
ヴィオラは水の中に手を入れ、波を立てないよう静かにしていると、魔力網の中に生き物の感触を掴み、勢い良く引き上げた。
「捕れたぁっ!!デイビッド様やりまし…きゃぁぁぁ!!!」
案の定、大きな獲物はヴィオラの力では御し切れず、網ごと水の中へ引きずり込まれそうになる。
足元を砂に取られてひっくり返ったヴィオラは、ずぶ濡れになりながら体勢を整え、魔力網を引き絞り、思い切り締め上げると、大きな魚が白い腹を見せて浮かび上がって来た。
「やった!今度こそ捕まえましたよ!」
「もうっ!ずぶ濡れじゃない!乾かしてあげるから戻って来なさい!」
デイビッドが浮いてきた魚を引き上げると、かなり大きなパイクだった。
「なんだこりゃ?カワカマスか?にしちゃとんがってんな。」
「これ…ランスパイクよ!魔物だわ!」
「へぇ~、身はしっかりしてて美味そうだ。」
「私ムニエルが食べたいです!」
「当然の様に食べる方向で行くのね!」
魔物だろうと捌いてしまえば肉になる。
それは動物も魚も同じだ。
これが未知の生物なら警戒もするだろうが、パイクというならば毒の心配も無いだろう。
デイビッドはその場で残りの魚も捌いてしまい、バケツの中は魚肉でいっぱいになった。
「捌くとこんなものなのね。」
「頭やら内臓は仕掛けの餌にして来たからな。この湖、何がいるのか一度調べてみねぇと…」
「なんだったのかしらね…あの背中…」
「まぁ、今後は迂闊に近づかねぇ事だな…」
河川や沼地だって他にたくさんあるのだ。
釣りならそこで楽しめば良い。
「キュルル~」
「お、なんだ。お前コレ気に入ったのか?」
ファルコはナマズ肉がお気に召した様で、サンドイッチを食べるヴィオラ達の隣で、切り身をねだってはパクパク食べていた。
雑食のヒポグリフは嗜好の個体差が激しくこだわりも強いため食事が偏りがちになり、飼育下では栄養バランスをどう取るかが問題らしいが、ファルコは比較的なんでもよく食べる。
拠点に戻るまでにはナマズの半身を平らげてしまい、今度はご機嫌で草むらの虫を追いかけていた。
デイビッドは、捌いた魚をもう一度水で良く洗うと、パイクの半分を塩で揉んでから白ワインとレモンに漬け込み、ディルとフェンネル、パセリ、ローズマリーを合わせてマリネにした。
ナマズには塩とタイムをすり込み、サッと湯がいて水気を切り、酒を振って置いておく。
マスは半身はオレガノとタラゴン、白コショウと岩塩をすり込んでソテーにし、残りに塩とワインを振りかけたら、野菜やキノコと一緒に残ったハーブを枝ごと添えてオーブンへ。
バターを溶かしたフライパンに粉をはたいたパイクのマリネを並べ、ムニエルに。
隣では鍋にたっぷりの油を熱し、卵と小麦粉を溶いた衣に潜らせたナマズの切り身を落とし、くし切りの芋も一緒に揚げていく。
「コレはもう、飲めと言っているようなもんじゃぁないですか!ワイン冷やしといて良かったぁ!」
「エリック…貴方そのつもりで用意してきたのね?」
良く冷えた白ワインの栓を開け、エリックは早くも料理を堪能していた。
「わぁぁ!捕れ立てのお魚美味しいです!ほろほろでしっとり甘くて!」
「大味かと思ったけど、そんなことも無かったな。臭みも無いし、これなら何にしても美味そうだ。」
「ナマズがサクサクでふわふわ…マスは旨味がギュッとしてますね!パイクは始めて食べました!マリネのムニエル美味しい!」
「くっ…コレは…確かに合うわ…ワインが進んじゃう!」
「シェル様がなかなかいける口で嬉しいですよ?やはり飲むなら仲間が欲しいですからね!」
目の前で注がれるワインとグラスのかち合う涼やかな音に、ヴィオラも対抗してデイビッドの手にしている瓶に自分のカップを近づけた。
「デイビッド様!私とも乾杯して下さい!」
「え…するのか、なんで…?ほら、乾杯…」
ヴィオラの濃縮したリンゴジュースのソーダ割りと、デイビッドのレモンとライムを絞った瓶入りの炭酸水がコチンと音を立てると、ヴィオラは嬉しそうに笑った。
「明日は何をしようかな!」
「俺は…昨日の建物をもう一度見て来ようと思う。あの辺りなら魔物も出なさそうだったし、なんか残ってねぇか見回って来る。」
「私も行きたいです!」
「面白くはねぇと思うけどな。」
あれだけ釣った(?)魚はキレイに無くなり、ヴィオラが食後にマドレーヌとハーブティーを楽しんでいると、いつもは必ずいるはずのシェルリアーナの姿が見えない。
馬車の中を覗くと、ベッドの上で既にスヤスヤ眠っていた。
「どうしましょう…」
「先に帰ってろよ。後で起きれば勝手に帰るだろ。」
「わかりました…デイビッド様、また明日!お休みなさい!」
「ああ、お休みヴィオラ。」
ふわっと魔法陣に吸い込まれて行くヴィオラを見送ると、デイビッドは片付けと明日の仕込みを終え、自分の特等席に座り、月明かりの零れるマロニエの木を見上げながら、ランプの灯を落とした。
次の日は薄曇り。
しかし雨の心配は無さそうだ。
固形調味料を溶いた鍋にニンジン、タマネギ、キノコと昨日のパイクの半身を叩いて団子にして落としていき、ディルを振ってひと煮立ち。
ハックルベリーが悪くなる前に今朝はマフィンに練り込んで焼いてしまうと、ハーブティーにも加えて使い切ってしまう。
クロテッドクリームを練りながら、石窯でソーセージを包んだパンも焼き上げ、朝食の支度が整う頃、馬車の中から絶叫が聞こえてきた。
引き揚げようとすると、かなりの抵抗で竿がしなり、大物の予感にデイビッドは楽しくなった。
(背びれが見えた!トラウトか?!昼飯に丁度い……)
暴れる魚に水面を追いながら腰を上げると、釣れた魚の後ろから更に大きな魚影が迫ってきているのが見えた。
(なんだありゃ!?)
ぬらぬらした大きなナマズが、せっかく釣った魚を一飲みにして糸に引っかかり大暴れしている。
「あんなん釣り上がらねぇよ!糸が切れちまう!網は…ダメかぜんぜん届かねぇ!」
キリキリと音を立てて糸が限界を迎え、竿も折れそうな程弧を描く。
ついにブツンと糸が真ん中から切れ、デイビッドが弾みで草むらにひっくり返った瞬間、いつの間に飛び出していたのか、ファルコが水面に浮き上がったナマズの背を鷲掴み、陸に向かって叩き付けた。
「キュピィッ!!」
「イテテ…ファルコ、エライぞ?!こんなデカいのが釣れるなんてな!まぁ、釣ってはないけどよ…?」
草の上では1メートルはある大ナマズがのたうち回っている。
ナマズは泥抜きをしないと臭みが出るので、バケツに入れたいところだが、コレが入る入れ物は流石に無い。
仕方がないのでその場でシメて、砂をすりつけながらヌメリをこそぎ落とし、何度も洗うがとにかく大きい。
「なんでこんな大物が初っ端から釣れちまうんだ!俺はのんびり釣りがしたいんだよ!」
釣りそのものを楽しみたかったデイビッドにとって、いきなりこの釣果は少し嬉しくない。
しかし、釣れた物は必ず食べる主義のデイビッドは早くもナマズ料理のレシピをあれこれ考え出した。
(揚げ物は外せねぇな…あとはなんだ…前に食った開きの焼き物は美味かったよなぁ…)
洗ったナマズのエラを外し、そこから頭を落として腹を開くと、最初に釣った大きなマスが現れた。
「これだって充分大物のはずなのに…まさかこんなのがウジャウジャいるとかじゃねえよなぁ…?!」
ふと思い立って、デイビッドはナマズの頭を湖の真ん中向けて思い切り投げ込んだ。
すると、ボチャンという水音と同時に水面が迫り上がり、大ナマズなどとは比べ物にならない程巨大な生物の背中が、うねりながら湖を割って現れ、鱗を光らせながらまた水底へ戻って行った。
「なんだありゃ!?」
「なによ今の!!」
その様子を岸辺から見ていたシェルリアーナも素っ頓狂な声を上げている。
「ヴィオラ!早く上がって来なさい!あんなバケモノがいる湖で水遊びなんてするんじゃないわ!」
「ちょっと待って下さい!こっちにも何かいるんです! 」
膝まで水に入り、水草の間をガサガサしていたヴィオラは、指先に魔力を集中させ、細い魔力の糸を繰り出して網を作ると、水の中に素早く張り巡らせた。
「ヴィオラ!何してるの!?早くこっちに来て!!」
「もう少し…もう少し…」
ヴィオラは水の中に手を入れ、波を立てないよう静かにしていると、魔力網の中に生き物の感触を掴み、勢い良く引き上げた。
「捕れたぁっ!!デイビッド様やりまし…きゃぁぁぁ!!!」
案の定、大きな獲物はヴィオラの力では御し切れず、網ごと水の中へ引きずり込まれそうになる。
足元を砂に取られてひっくり返ったヴィオラは、ずぶ濡れになりながら体勢を整え、魔力網を引き絞り、思い切り締め上げると、大きな魚が白い腹を見せて浮かび上がって来た。
「やった!今度こそ捕まえましたよ!」
「もうっ!ずぶ濡れじゃない!乾かしてあげるから戻って来なさい!」
デイビッドが浮いてきた魚を引き上げると、かなり大きなパイクだった。
「なんだこりゃ?カワカマスか?にしちゃとんがってんな。」
「これ…ランスパイクよ!魔物だわ!」
「へぇ~、身はしっかりしてて美味そうだ。」
「私ムニエルが食べたいです!」
「当然の様に食べる方向で行くのね!」
魔物だろうと捌いてしまえば肉になる。
それは動物も魚も同じだ。
これが未知の生物なら警戒もするだろうが、パイクというならば毒の心配も無いだろう。
デイビッドはその場で残りの魚も捌いてしまい、バケツの中は魚肉でいっぱいになった。
「捌くとこんなものなのね。」
「頭やら内臓は仕掛けの餌にして来たからな。この湖、何がいるのか一度調べてみねぇと…」
「なんだったのかしらね…あの背中…」
「まぁ、今後は迂闊に近づかねぇ事だな…」
河川や沼地だって他にたくさんあるのだ。
釣りならそこで楽しめば良い。
「キュルル~」
「お、なんだ。お前コレ気に入ったのか?」
ファルコはナマズ肉がお気に召した様で、サンドイッチを食べるヴィオラ達の隣で、切り身をねだってはパクパク食べていた。
雑食のヒポグリフは嗜好の個体差が激しくこだわりも強いため食事が偏りがちになり、飼育下では栄養バランスをどう取るかが問題らしいが、ファルコは比較的なんでもよく食べる。
拠点に戻るまでにはナマズの半身を平らげてしまい、今度はご機嫌で草むらの虫を追いかけていた。
デイビッドは、捌いた魚をもう一度水で良く洗うと、パイクの半分を塩で揉んでから白ワインとレモンに漬け込み、ディルとフェンネル、パセリ、ローズマリーを合わせてマリネにした。
ナマズには塩とタイムをすり込み、サッと湯がいて水気を切り、酒を振って置いておく。
マスは半身はオレガノとタラゴン、白コショウと岩塩をすり込んでソテーにし、残りに塩とワインを振りかけたら、野菜やキノコと一緒に残ったハーブを枝ごと添えてオーブンへ。
バターを溶かしたフライパンに粉をはたいたパイクのマリネを並べ、ムニエルに。
隣では鍋にたっぷりの油を熱し、卵と小麦粉を溶いた衣に潜らせたナマズの切り身を落とし、くし切りの芋も一緒に揚げていく。
「コレはもう、飲めと言っているようなもんじゃぁないですか!ワイン冷やしといて良かったぁ!」
「エリック…貴方そのつもりで用意してきたのね?」
良く冷えた白ワインの栓を開け、エリックは早くも料理を堪能していた。
「わぁぁ!捕れ立てのお魚美味しいです!ほろほろでしっとり甘くて!」
「大味かと思ったけど、そんなことも無かったな。臭みも無いし、これなら何にしても美味そうだ。」
「ナマズがサクサクでふわふわ…マスは旨味がギュッとしてますね!パイクは始めて食べました!マリネのムニエル美味しい!」
「くっ…コレは…確かに合うわ…ワインが進んじゃう!」
「シェル様がなかなかいける口で嬉しいですよ?やはり飲むなら仲間が欲しいですからね!」
目の前で注がれるワインとグラスのかち合う涼やかな音に、ヴィオラも対抗してデイビッドの手にしている瓶に自分のカップを近づけた。
「デイビッド様!私とも乾杯して下さい!」
「え…するのか、なんで…?ほら、乾杯…」
ヴィオラの濃縮したリンゴジュースのソーダ割りと、デイビッドのレモンとライムを絞った瓶入りの炭酸水がコチンと音を立てると、ヴィオラは嬉しそうに笑った。
「明日は何をしようかな!」
「俺は…昨日の建物をもう一度見て来ようと思う。あの辺りなら魔物も出なさそうだったし、なんか残ってねぇか見回って来る。」
「私も行きたいです!」
「面白くはねぇと思うけどな。」
あれだけ釣った(?)魚はキレイに無くなり、ヴィオラが食後にマドレーヌとハーブティーを楽しんでいると、いつもは必ずいるはずのシェルリアーナの姿が見えない。
馬車の中を覗くと、ベッドの上で既にスヤスヤ眠っていた。
「どうしましょう…」
「先に帰ってろよ。後で起きれば勝手に帰るだろ。」
「わかりました…デイビッド様、また明日!お休みなさい!」
「ああ、お休みヴィオラ。」
ふわっと魔法陣に吸い込まれて行くヴィオラを見送ると、デイビッドは片付けと明日の仕込みを終え、自分の特等席に座り、月明かりの零れるマロニエの木を見上げながら、ランプの灯を落とした。
次の日は薄曇り。
しかし雨の心配は無さそうだ。
固形調味料を溶いた鍋にニンジン、タマネギ、キノコと昨日のパイクの半身を叩いて団子にして落としていき、ディルを振ってひと煮立ち。
ハックルベリーが悪くなる前に今朝はマフィンに練り込んで焼いてしまうと、ハーブティーにも加えて使い切ってしまう。
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