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0章
8夜 怪物二人
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時は戻って、現在。
物語の中の悪役は言っていた。
「全ては楽譜のように、筋書きが出来ている。都合よく助けは、来ない。ない筈の力は、湧いてこない。勇者ジャスティス、お前はここで死ぬのだ」
ーーと。
勇者ジャスティスは絶対絶命のピンチの時、新しい剣技や魔法を修得するのだ。
ミッズガルズの従騎士に剣は習ったが、素人に毛が生えたレベルである。
レベルニの人間が、レベル五十をしのぐ竜を倒せる訳がないのだ。
キースの眼前に居る竜は、筋書き通りに大きく口を開けている。
勝てる訳がない。
しかし今ここで退いたら、キース レイバンの物語が終わってしまう。
キースは世界の中では脇役でも、自分の人生だけは主役なのだ。
(こんな形で終わってたまるか……! まだオズウェルさんに、何の恩も返せてないんだ! 二度も助けて貰ったのに!)
キースは雄叫びをあげて、竜に突進した。
敵う相手では、ないことは分かり切っている。
竜の口からは火が吐き出され、数秒後には風に乗り炎に変わるだろう。
それでもーー退いてはならない時のような、気がした。
逃げれば手に入るのは、命一つのみ。立ち向えば手に入るのは、経験と誇りの二つ。勝てば手に入るのは、経験と誇りと信頼の三つ。
必然か偶然かーーキースは小石を蹴飛ばしてしまった。
小石は竜に当たったが、竜にとっては蚊に刺された痛みより小さいだろう。
しかし竜の意識が逸れ、竜は口を閉ざした。
その刹那の隙の間に、竜は首を斬り落とされていた。
ボトリと鈍く重い音が鳴り、竜の首は瓦礫だらけの地面に転がって行った。
キースは安堵の息を漏らしたが、すぐ様緊張の系がまた結び直されるのである。
「お兄ちゃん、竜に喧嘩売るとかアホか! すぐに、逃げろ! アホ!」
明朗で快活な声が己の精一杯殺意を放つように、この混乱極める戦場で撃ち放たれた。
(今、アホって二回言った……!?)
キースは、声の主を見上げた。
中肉中背な、肌に黄味がかかった黒髪の男性だった。
年齢はよく分からない。恐らく二十代だとは思うが、二十代の男にしては妙に落ち着きがある。
冒険物語に出て来る、老賢王のような貫禄を備えている。
言葉使いは粗暴なのに、棘を感じさせない。どこまでが、受け手にとって「不快にならないか」を分かっているのだ。
左手に握られた細い刀身の得物は、見たことがない形状をしている。
剣の類には間違いないが、刀身が横一文字ではなく反っているのである。
刀身にはやたらと画数の多い、カクカクした文字が彫られている。
武器から禍々しいただならぬ、オーラを感じる。
呼吸すら赦しが必要だと、錯覚するような「絶対的屈服」の威圧だ。
竜は頭部を斬り落とされたにも関わらず、胴体だけで暴れ回っている。
竜からすればいきなり頭を斬り落とされて、パニックに陥っているのかもしれない。
竜はその人間より遥かに勝る力で、縦横無尽にあちこちに体当たりを繰り返している。
「白凪」
黒髪の剣士は、うちわで風を起こすかのようにふわりと優しく剣を薙いだ。
こんなに優しい剣技なのに、太刀筋は剛の剣そのものである。
純白の急速かつ暴発的な空気の流れが、キースには見えた。
力技に近い剣なのに、とても静かなのだ。
竜型の魔獣は、完全に沈黙した。
言葉通りの一撃必殺。
ミッズガルズの従騎士も世界保安団マリアーク教会の魔獣退治部隊兵でもでも、こんな技を使える人間は居ない。
「貴方は、一体……」
「俺? 要塞教会の鈴星小隊の隊長、鈴星 いつき。しがいない、中間管理職さ」
鈴星が親しげに手を差し出して来たので、キースは手を握り返した。
明らかに謙遜だと、見て分かる。
マリアーク教会の精鋭隊長と、この小隊長では天地ほどの差がある。
ここで世界保安団の階級と、隊について説明しよう。
世界保安団が構える各部隊の統括者が、率いる精鋭隊がある。
言うまでもなくエリート集団であり、時には国家を動かす任務を行う隊員達である。
対する小隊は小隊長になりたい人間が人数を集めて、統括者にお願いして開かせて貰う隊だ。
精鋭隊の隊長は軍で言う少佐ほどの権限があるが、小隊長は曹長ほどだと言う。
精鋭隊がデパートに入っている高級店だとすれば、さしずめ小隊は個人でやってる商店だ。
当然実力は精鋭隊の隊長の方が上だと、キースも世間は認識している。
「小隊長。戦いが終わったなら、それ収めなよ」
若く張りのある甘い男声が、ふわりと頭上から舞い降りてきた。
しかしその声音とは裏腹に、身を灼かれそうな闘志も感じる。
全身の毛がびくりと逆立ったかのような、錯覚を覚えた。
強いなんて言葉では、この男を表し切れない。
武器を構えずとも、力を振るわずとも解る。
この男は、戦や武の神様に愛された存在だ。
キースは余りの恐ろしさに、頭を垂れるように下を向くことしか出来なかった。
何より怖いのがーーこんな男が居ながらも、全く気が付けなかった鈴星の中庸さだ。
己の擬態のみならず、この底知れぬ戦いの神をも中和していたのである。
「アンタ、馬鹿な訳!? なんの実力もない癖に、思い上がらないでくれる!? 今回はたまたま助かったけど、偶然なんてもんは神様はそう落としてくれやしないのさ」
「グランデスタ。それは違うさ」
鈴星がグランデスタと言うらしい、赤毛の青年に微笑んだ。
キースは鈴星の微笑みに釣られて、やっと空気が吸えた。
キースが顔を上げたら、容姿端麗な青年が居た。
オズウェルはどの人種からも「美しい」と認識される美の象徴であるが、グランデスタと言う男は女性が求める「格好いい男」そのものである。
航空隊員のようなゴーグルで顔の半分を、覆っているが、同じ男として分かる。
(素顔は、相当なイケメンに違いないな……オーラが違う)
王国一の劇団シルフィーネの芝居を観劇した際に感じた、スターの煌めきがこの男にはある。
何が違うのだろう? いつきに尋ねようと彼に視線を移すと、いつきの平たい手の中にはとある物があった。
「それはお母さんに貰った、魔力変換器! いつの間に!?」
さっとグランデスタの顔から、血の気が引いた。
鈴星は、微笑みを崩していない。
「グランデスタ。委員会に知られる前に、このお兄ちゃん連れて逃げてくんない?」
どうしてこの魔力変換器を持っていることが、いけないのだろうか? 魔力変換器など、金さえ払えば街の武具屋で買える物なのに。
十字架の埋め込まれた、魔力変換器。魔獣退治部隊。
キースの脳内パズルが、カチリと当てはまった。
「了解。合流地点は?」
「D-3で。追っ手はしばいて良いけど、軽傷で済むくらいにしとけ」
「はいよ。後でデザートの一つでも、奢ってよね」
「そういうのは、可愛い女子と食べなはれ」
いつきの軽口をグランデスタは無視して、キースの腕を引いた。
あの魔力変換器は、世界保安団の魔装武器を発動する物だったのだ。
(なんでそんな物を、お母さんは持ってたんだ……?!)
一口サイズのチョコレートを、キースに投げ渡すグランデスタ。
パッケージには「ホワイト・サンダー。稲妻のように走る甘さ」と、書いてある。
「俺は、ルータス グランデスタ。多分死ぬほど走り回るから、カロリー補給しときな」
今まで余裕に満ち溢れていた、ルータスの横顔から恐怖心が見えた。
「委員会? に捕まったら、まずいんですか?」
「まずいどころじゃないよ。あいつらの趣味は、拷問、折檻、禁錮だから。しかも殺さず、なぶり続けるからタチ悪ぃんだよ」
「…………」
碌な単語がなく、キースは言葉を紡げなかった。
まるで自分が受けたかのように言う、彼は言う。
キースはルータスの足について行くしか、出来なかった。
「あの……鈴星小隊長さんは、どうなるんですか?」
「ああ。大丈夫大丈夫。マナー厨モラ厨小言大魔人と、口喧嘩するだけ。いつものことだし」
また碌でもない単語のオンパレードだ。
しかしルータスはマナー厨(以下省略)のことを、本気で毛嫌いしている訳ではなさそうだ。
何がおかしいのか、歯を見せて笑っている。
「……あの」
「ん?」
「さっきから、一体いくつホワイト・サンダー食べてるんですか?! 死にますよ!」
「大丈夫大丈夫。人間は自分の体重の十パーセント分のチョコ食べたら死ぬみたいだけど、流石にそこまでは食べてないから」
「そういう話じゃないです! ポケットのパンパンの袋は、なんですか!」
あの怖さは、一体どこへ消えたのだろう? 別の意味で、キースはルータス グランデスタを恐ろしく感じてしまった。
物語の中の悪役は言っていた。
「全ては楽譜のように、筋書きが出来ている。都合よく助けは、来ない。ない筈の力は、湧いてこない。勇者ジャスティス、お前はここで死ぬのだ」
ーーと。
勇者ジャスティスは絶対絶命のピンチの時、新しい剣技や魔法を修得するのだ。
ミッズガルズの従騎士に剣は習ったが、素人に毛が生えたレベルである。
レベルニの人間が、レベル五十をしのぐ竜を倒せる訳がないのだ。
キースの眼前に居る竜は、筋書き通りに大きく口を開けている。
勝てる訳がない。
しかし今ここで退いたら、キース レイバンの物語が終わってしまう。
キースは世界の中では脇役でも、自分の人生だけは主役なのだ。
(こんな形で終わってたまるか……! まだオズウェルさんに、何の恩も返せてないんだ! 二度も助けて貰ったのに!)
キースは雄叫びをあげて、竜に突進した。
敵う相手では、ないことは分かり切っている。
竜の口からは火が吐き出され、数秒後には風に乗り炎に変わるだろう。
それでもーー退いてはならない時のような、気がした。
逃げれば手に入るのは、命一つのみ。立ち向えば手に入るのは、経験と誇りの二つ。勝てば手に入るのは、経験と誇りと信頼の三つ。
必然か偶然かーーキースは小石を蹴飛ばしてしまった。
小石は竜に当たったが、竜にとっては蚊に刺された痛みより小さいだろう。
しかし竜の意識が逸れ、竜は口を閉ざした。
その刹那の隙の間に、竜は首を斬り落とされていた。
ボトリと鈍く重い音が鳴り、竜の首は瓦礫だらけの地面に転がって行った。
キースは安堵の息を漏らしたが、すぐ様緊張の系がまた結び直されるのである。
「お兄ちゃん、竜に喧嘩売るとかアホか! すぐに、逃げろ! アホ!」
明朗で快活な声が己の精一杯殺意を放つように、この混乱極める戦場で撃ち放たれた。
(今、アホって二回言った……!?)
キースは、声の主を見上げた。
中肉中背な、肌に黄味がかかった黒髪の男性だった。
年齢はよく分からない。恐らく二十代だとは思うが、二十代の男にしては妙に落ち着きがある。
冒険物語に出て来る、老賢王のような貫禄を備えている。
言葉使いは粗暴なのに、棘を感じさせない。どこまでが、受け手にとって「不快にならないか」を分かっているのだ。
左手に握られた細い刀身の得物は、見たことがない形状をしている。
剣の類には間違いないが、刀身が横一文字ではなく反っているのである。
刀身にはやたらと画数の多い、カクカクした文字が彫られている。
武器から禍々しいただならぬ、オーラを感じる。
呼吸すら赦しが必要だと、錯覚するような「絶対的屈服」の威圧だ。
竜は頭部を斬り落とされたにも関わらず、胴体だけで暴れ回っている。
竜からすればいきなり頭を斬り落とされて、パニックに陥っているのかもしれない。
竜はその人間より遥かに勝る力で、縦横無尽にあちこちに体当たりを繰り返している。
「白凪」
黒髪の剣士は、うちわで風を起こすかのようにふわりと優しく剣を薙いだ。
こんなに優しい剣技なのに、太刀筋は剛の剣そのものである。
純白の急速かつ暴発的な空気の流れが、キースには見えた。
力技に近い剣なのに、とても静かなのだ。
竜型の魔獣は、完全に沈黙した。
言葉通りの一撃必殺。
ミッズガルズの従騎士も世界保安団マリアーク教会の魔獣退治部隊兵でもでも、こんな技を使える人間は居ない。
「貴方は、一体……」
「俺? 要塞教会の鈴星小隊の隊長、鈴星 いつき。しがいない、中間管理職さ」
鈴星が親しげに手を差し出して来たので、キースは手を握り返した。
明らかに謙遜だと、見て分かる。
マリアーク教会の精鋭隊長と、この小隊長では天地ほどの差がある。
ここで世界保安団の階級と、隊について説明しよう。
世界保安団が構える各部隊の統括者が、率いる精鋭隊がある。
言うまでもなくエリート集団であり、時には国家を動かす任務を行う隊員達である。
対する小隊は小隊長になりたい人間が人数を集めて、統括者にお願いして開かせて貰う隊だ。
精鋭隊の隊長は軍で言う少佐ほどの権限があるが、小隊長は曹長ほどだと言う。
精鋭隊がデパートに入っている高級店だとすれば、さしずめ小隊は個人でやってる商店だ。
当然実力は精鋭隊の隊長の方が上だと、キースも世間は認識している。
「小隊長。戦いが終わったなら、それ収めなよ」
若く張りのある甘い男声が、ふわりと頭上から舞い降りてきた。
しかしその声音とは裏腹に、身を灼かれそうな闘志も感じる。
全身の毛がびくりと逆立ったかのような、錯覚を覚えた。
強いなんて言葉では、この男を表し切れない。
武器を構えずとも、力を振るわずとも解る。
この男は、戦や武の神様に愛された存在だ。
キースは余りの恐ろしさに、頭を垂れるように下を向くことしか出来なかった。
何より怖いのがーーこんな男が居ながらも、全く気が付けなかった鈴星の中庸さだ。
己の擬態のみならず、この底知れぬ戦いの神をも中和していたのである。
「アンタ、馬鹿な訳!? なんの実力もない癖に、思い上がらないでくれる!? 今回はたまたま助かったけど、偶然なんてもんは神様はそう落としてくれやしないのさ」
「グランデスタ。それは違うさ」
鈴星がグランデスタと言うらしい、赤毛の青年に微笑んだ。
キースは鈴星の微笑みに釣られて、やっと空気が吸えた。
キースが顔を上げたら、容姿端麗な青年が居た。
オズウェルはどの人種からも「美しい」と認識される美の象徴であるが、グランデスタと言う男は女性が求める「格好いい男」そのものである。
航空隊員のようなゴーグルで顔の半分を、覆っているが、同じ男として分かる。
(素顔は、相当なイケメンに違いないな……オーラが違う)
王国一の劇団シルフィーネの芝居を観劇した際に感じた、スターの煌めきがこの男にはある。
何が違うのだろう? いつきに尋ねようと彼に視線を移すと、いつきの平たい手の中にはとある物があった。
「それはお母さんに貰った、魔力変換器! いつの間に!?」
さっとグランデスタの顔から、血の気が引いた。
鈴星は、微笑みを崩していない。
「グランデスタ。委員会に知られる前に、このお兄ちゃん連れて逃げてくんない?」
どうしてこの魔力変換器を持っていることが、いけないのだろうか? 魔力変換器など、金さえ払えば街の武具屋で買える物なのに。
十字架の埋め込まれた、魔力変換器。魔獣退治部隊。
キースの脳内パズルが、カチリと当てはまった。
「了解。合流地点は?」
「D-3で。追っ手はしばいて良いけど、軽傷で済むくらいにしとけ」
「はいよ。後でデザートの一つでも、奢ってよね」
「そういうのは、可愛い女子と食べなはれ」
いつきの軽口をグランデスタは無視して、キースの腕を引いた。
あの魔力変換器は、世界保安団の魔装武器を発動する物だったのだ。
(なんでそんな物を、お母さんは持ってたんだ……?!)
一口サイズのチョコレートを、キースに投げ渡すグランデスタ。
パッケージには「ホワイト・サンダー。稲妻のように走る甘さ」と、書いてある。
「俺は、ルータス グランデスタ。多分死ぬほど走り回るから、カロリー補給しときな」
今まで余裕に満ち溢れていた、ルータスの横顔から恐怖心が見えた。
「委員会? に捕まったら、まずいんですか?」
「まずいどころじゃないよ。あいつらの趣味は、拷問、折檻、禁錮だから。しかも殺さず、なぶり続けるからタチ悪ぃんだよ」
「…………」
碌な単語がなく、キースは言葉を紡げなかった。
まるで自分が受けたかのように言う、彼は言う。
キースはルータスの足について行くしか、出来なかった。
「あの……鈴星小隊長さんは、どうなるんですか?」
「ああ。大丈夫大丈夫。マナー厨モラ厨小言大魔人と、口喧嘩するだけ。いつものことだし」
また碌でもない単語のオンパレードだ。
しかしルータスはマナー厨(以下省略)のことを、本気で毛嫌いしている訳ではなさそうだ。
何がおかしいのか、歯を見せて笑っている。
「……あの」
「ん?」
「さっきから、一体いくつホワイト・サンダー食べてるんですか?! 死にますよ!」
「大丈夫大丈夫。人間は自分の体重の十パーセント分のチョコ食べたら死ぬみたいだけど、流石にそこまでは食べてないから」
「そういう話じゃないです! ポケットのパンパンの袋は、なんですか!」
あの怖さは、一体どこへ消えたのだろう? 別の意味で、キースはルータス グランデスタを恐ろしく感じてしまった。
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