19 / 47
王都への旅に向けての買い出し 3
しおりを挟む
……で、俺達は武器屋にやって来た。
「よう、ダグラス。コイツに合う剣と、コイツが使う杖、その他飛び道具が欲しいんだが……オススメはあるか?」
ギルアスさんは店に入るとカウンターにいた強面のおじさん……ダグラスさんにそう言った。
「ギルアスか……いきなり来たと思えば子守りの仕事か?」
「ちげぇよ。コイツらの武器を買いに来ただけだ。」
「そうかよ。で、武器だったな。……杖はこれでどうだ?嬢ちゃん、ちょっと試してみな。」
「ふぇ?は、はい。」
ダグラスさんから30cmくらいの杖を受け取ったエレンさんは小さな火を杖の先から出した。
「…スゴい……杖ってこんなに魔法が使いやすくなるんだ……」
エレンさんが杖を凝視しながら呟いた。
「よし、ダグラス。これ、いくらだ?」
「銀貨5枚……と言いたいところだが、生憎それは貰い物でな。売るんじゃなく、譲るぞ。」
「いいのか?」
「ああ、お前なら問題ないさ。……で、次は剣だったな。」
ダグラスさんは顎に手を当てながら、剣を並べている棚を見る。だが……俺は一つ、気になってる剣があるんだよな。
「あ、あの……ギルアスさん……あの剣は何ですか?」
俺はさっきまでダグラスさんがいた、カウンターの隣に置いてあった木箱の中にある剣を指さした。
「ん?あぁ…あれな。なぁ、ダグラス。あの剣はなんだ?」
「ギルアス?あの剣?……あぁ、あれか。あれは呪いの装備だな。絶対触るなよ。あの剣、呪いの装備のくせに持ち主を選びやがる。触れると体が燃えて死んだヤツがいたらしい。」
「お前、またそんな物騒な物を……まぁ、そういうことだ。分かったな?ヒビキもスイも絶対に触るなよ?」
「はぁい!」
……ギルアスさんがそう言うが、俺は何故かその剣に惹かれるものがあった。だから、なんとなく、剣に近づく。
「おい!ヒビキ!お前人の話聞いてたか!」
そう言って俺に近づくギルアスさんをダグラスさんが手で制した。
「待て、ギルアス。この感じ……」
剣の目の前に来ると、何故か意識は確実にあるのに、ボーッとして視界が歪んだ。誰かに指示されたわけでもないのに、剣を持てと……そう言われてる気がした。
スッと手を伸ばし、俺は剣の柄を握る。
すると、剣から黒い影が伸びて俺を包み込む。悪い物ではないような気がして、特に抵抗もせずに受け入れた。
「ヒビキ!?大丈夫か!?」
目眩がして、俺はそのまま意識を手放した。
気が付くと、俺は真っ暗な空間にいた。
……暗くて夢とは正反対だな……
――汝、我の力を欲するか?――
突然、目の前に現れた黒い狼がそう問いかけた。
「我の力って……どんな力なんだ?」
――ほう…我の力を知らずに剣に触れたか……良かろう。我の試練に打ち勝てば、我の所有者と認めよう――
「は?し、試練?」
試練って…何をするんだ?
――試練は汝の魂を見て決める。しばし待て――
魂?じゃあ人によって試練の内容は違うってことか?
――……ほう?これは……名は?――
「響だ。」
――ヒビキか……ふむ…前言撤回しよう。試練はなしだ。無条件で我の力を使うことを許可しよう――
「いいのか?」
――構わん。好きにするといい。……して、汝はこの世界の者ではないな?――
魂を見て分かったのか?だから試練がなくなったのかもな。
「あぁ。別の世界出身だ。」
――ふむ…何故この世界に来た?――
「……勇者召喚に巻き込まれて、邪魔だから口止め料を渡されて、追い出されたんだ。」
――ほう…それは災難だったな。我も昔、邪悪なものと間違われこの剣に封印されたのだ――
「邪悪なものと間違われた?」
――うむ、これでも神の使いで来たのだがな――
「神の使い?」
――ああ、そうだ。だが、そうは言っても、もう済んだことだ。汝が気にすることでもなかろう――
「まあ…それもそうだな。」
――……さあ、もう行け。汝の仲間が心配するだろう。あの光の中に入ると外に出れる――
そう言って現れたのは白く輝く光だった。
「分かった。」
――礼を言われることはしていない。……レヴィン…我の名だ。用がある時は我の名を呼ぶといい。手伝えることがあれば手伝おう――
「ありがとう。……じゃあ、またな。レヴィン。」
俺は真っ暗な空間に出来た白い光に足を踏み入れた。
「……知らない天井だ……」
次に気が付くと、俺はどこかのベッドに運ばれたようで見たことのない部屋にいた。誰もいないし……どうしたらいいんだ?ちなみに「知らない天井だ」っていうのは一回言ってみたかっただけだったりする。
ガチャリ
…と、部屋のドアが開く。
「ヒビキ!良かったぁ……大丈夫?何か変なとこない?」
部屋に入ってきたのはエレンさんで、安堵した表情で聞いてきた。
「えと…特に何もないです。」
「良かったぁ……もう!ビックリしたんだから!あれだけ触るなって言われてたでしょ!」
「う……す、すみません……」
「ホントに心配したんだから!呪いの装備って言われてたでしょ!」
「はい……」
……みたいな感じでエレンさんのお説教は少しの間、続いたのだった……
「よう、ダグラス。コイツに合う剣と、コイツが使う杖、その他飛び道具が欲しいんだが……オススメはあるか?」
ギルアスさんは店に入るとカウンターにいた強面のおじさん……ダグラスさんにそう言った。
「ギルアスか……いきなり来たと思えば子守りの仕事か?」
「ちげぇよ。コイツらの武器を買いに来ただけだ。」
「そうかよ。で、武器だったな。……杖はこれでどうだ?嬢ちゃん、ちょっと試してみな。」
「ふぇ?は、はい。」
ダグラスさんから30cmくらいの杖を受け取ったエレンさんは小さな火を杖の先から出した。
「…スゴい……杖ってこんなに魔法が使いやすくなるんだ……」
エレンさんが杖を凝視しながら呟いた。
「よし、ダグラス。これ、いくらだ?」
「銀貨5枚……と言いたいところだが、生憎それは貰い物でな。売るんじゃなく、譲るぞ。」
「いいのか?」
「ああ、お前なら問題ないさ。……で、次は剣だったな。」
ダグラスさんは顎に手を当てながら、剣を並べている棚を見る。だが……俺は一つ、気になってる剣があるんだよな。
「あ、あの……ギルアスさん……あの剣は何ですか?」
俺はさっきまでダグラスさんがいた、カウンターの隣に置いてあった木箱の中にある剣を指さした。
「ん?あぁ…あれな。なぁ、ダグラス。あの剣はなんだ?」
「ギルアス?あの剣?……あぁ、あれか。あれは呪いの装備だな。絶対触るなよ。あの剣、呪いの装備のくせに持ち主を選びやがる。触れると体が燃えて死んだヤツがいたらしい。」
「お前、またそんな物騒な物を……まぁ、そういうことだ。分かったな?ヒビキもスイも絶対に触るなよ?」
「はぁい!」
……ギルアスさんがそう言うが、俺は何故かその剣に惹かれるものがあった。だから、なんとなく、剣に近づく。
「おい!ヒビキ!お前人の話聞いてたか!」
そう言って俺に近づくギルアスさんをダグラスさんが手で制した。
「待て、ギルアス。この感じ……」
剣の目の前に来ると、何故か意識は確実にあるのに、ボーッとして視界が歪んだ。誰かに指示されたわけでもないのに、剣を持てと……そう言われてる気がした。
スッと手を伸ばし、俺は剣の柄を握る。
すると、剣から黒い影が伸びて俺を包み込む。悪い物ではないような気がして、特に抵抗もせずに受け入れた。
「ヒビキ!?大丈夫か!?」
目眩がして、俺はそのまま意識を手放した。
気が付くと、俺は真っ暗な空間にいた。
……暗くて夢とは正反対だな……
――汝、我の力を欲するか?――
突然、目の前に現れた黒い狼がそう問いかけた。
「我の力って……どんな力なんだ?」
――ほう…我の力を知らずに剣に触れたか……良かろう。我の試練に打ち勝てば、我の所有者と認めよう――
「は?し、試練?」
試練って…何をするんだ?
――試練は汝の魂を見て決める。しばし待て――
魂?じゃあ人によって試練の内容は違うってことか?
――……ほう?これは……名は?――
「響だ。」
――ヒビキか……ふむ…前言撤回しよう。試練はなしだ。無条件で我の力を使うことを許可しよう――
「いいのか?」
――構わん。好きにするといい。……して、汝はこの世界の者ではないな?――
魂を見て分かったのか?だから試練がなくなったのかもな。
「あぁ。別の世界出身だ。」
――ふむ…何故この世界に来た?――
「……勇者召喚に巻き込まれて、邪魔だから口止め料を渡されて、追い出されたんだ。」
――ほう…それは災難だったな。我も昔、邪悪なものと間違われこの剣に封印されたのだ――
「邪悪なものと間違われた?」
――うむ、これでも神の使いで来たのだがな――
「神の使い?」
――ああ、そうだ。だが、そうは言っても、もう済んだことだ。汝が気にすることでもなかろう――
「まあ…それもそうだな。」
――……さあ、もう行け。汝の仲間が心配するだろう。あの光の中に入ると外に出れる――
そう言って現れたのは白く輝く光だった。
「分かった。」
――礼を言われることはしていない。……レヴィン…我の名だ。用がある時は我の名を呼ぶといい。手伝えることがあれば手伝おう――
「ありがとう。……じゃあ、またな。レヴィン。」
俺は真っ暗な空間に出来た白い光に足を踏み入れた。
「……知らない天井だ……」
次に気が付くと、俺はどこかのベッドに運ばれたようで見たことのない部屋にいた。誰もいないし……どうしたらいいんだ?ちなみに「知らない天井だ」っていうのは一回言ってみたかっただけだったりする。
ガチャリ
…と、部屋のドアが開く。
「ヒビキ!良かったぁ……大丈夫?何か変なとこない?」
部屋に入ってきたのはエレンさんで、安堵した表情で聞いてきた。
「えと…特に何もないです。」
「良かったぁ……もう!ビックリしたんだから!あれだけ触るなって言われてたでしょ!」
「う……す、すみません……」
「ホントに心配したんだから!呪いの装備って言われてたでしょ!」
「はい……」
……みたいな感じでエレンさんのお説教は少しの間、続いたのだった……
40
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます
わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。
一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します!
大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる