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お菓子パーティー
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あれから少し話して、レヴィンの呪いの装備の認定を取り消すには王都に行く必要があるらしい。で、今回王都に行くから一緒に認定を取り消しに行くことになった。
俺達はダグラスさんの店を出て、ギルアスさんの家に向かった。すると、そこにいたのは……
「皆、何しとったんや?もう待ちくたびれたで~」
さっき、ポーションを買った店の店主のリンファさんがいた。
「いや……当たり前のように人の家の前にいる奴がおかしいんだよ。」
「ええやん、別に。アタシはもっとヒビキはんとエレンはんと仲良くなりたいねん。で?どこ行っとったんや?」
「……ダグラスの店だ。」
「ダグラスはんのとこ行っとったん?それでも遅ない?アタシ、あれからすぐ店閉めて来てんけど……」
「あー……まぁ、色々あったんだ。とりあえず中に入るぞ。…あ……ヒビキ、大丈夫か?」
「…リンファさんだけなら大丈夫…だと思います。」
リンファさんとは馴染めそうなんだよな。関西弁のせいか距離が近いような気もするけど……別に嫌じゃないって感じだな。
家の中に入って、時計を見るとちょうどおやつの時間くらいだった。
「あ…あの……お菓子…食べますか?」
「食べた~い!」
「ええやん!皆でお菓子パーティーや!アタシ紅茶淹れるわ!」
「なら私はテーブル拭いたりフォークとか出したりするね!」
「ボクもおてつだいするー!」
「いや……ここ…俺の家……」
……とのことだったので、俺は冷蔵庫から今朝作ったプリンとラスクを取り出してスイに渡す。それをスイがエレンさんが拭いてくれたテーブルの上に置く。
多めに作っといてよかったぁ……リンファさんがいきなり来たから数が足りないところだったな。
「めっちゃ美味しそうやん!はよ食べようや!」
「ボクもはやくたべたい!」
「私も!私も!」
皆が席に着いて言う。
「じゃあ…手を合わせて下さい。」
「「「合わせました!」」」
「いただきます。」
「「「いただきまーす!」」」
で、エレンさん達は食べ始めた。
こっちにはいただきますってないみたいだったからな。ほら…分かるか?小学校のお昼ごはんの時みたいな感じで言ったら皆が乗ってくれた。
「なにこれ!美味しい!」
「~ッ!!めっちゃ美味しいやん!これどこで買ったんや!?」
「それな…買ったんじゃないぞ?ヒビキの手作りだ。」
リンファさんの言葉にギルアスさんが答えた。
「ホンマかいな!ヒビキはん、将来いい嫁はんなれるで!」
「いや……お嫁さんはちょっと……」
「アハハッ!!冗談や!」
……なんでだろうな?リンファさんが言うとマジに聞こえる……
「勢いで言ったけど……いただきます…って何?」
エレンさんがプリンを食べながら問いかけた。
「さ、さあ?けど…言わないといけない気がして……」
俺は以前の記憶がないことになってるからな。知らないふりだ。
「そうなんだ?まぁいいや。」
俺はふと、スイを見た。スイはスプーンを握りしめてプリンを掬ってる。
「スイ、スプーンはな…こうやって持つんだぞ。」
「どうするの?」
スイがコテンと首を傾げる。……可愛い!
「最初に手をパーにして中指、薬指、小指を曲げる。」
「……?」
中指とかの表現が分からなかったか?
「お兄さん指とお姉さん指、赤ちゃん指を曲げるんだ。」
「まげたー!あっ!ピストルになったー!バーン!」
「うぅっ……」
スイがリンファさんに向けてピストルを撃つマネをする。それにリンファさんは心臓辺りを押さえて苦しむマネをする。
「……で、ぴすとるってなんなん?」
「……知らずに苦しむふりをしたんですか?」
「いやあ……なんか、せなアカンような気がしてん。」
「そ、そうですか……」
なんというか……ノリがいいのは関西人と同じみたいだな……ん?ちょっと待て?スイはピストルを知ってるのか?……まぁ…いいか。神の所から来たらしいし、知っててもおかしくないな。
「それで!どうするの?」
スイがピストルを作ったまま首を傾げた。……可愛い!
「それからな……ここにスプーンを置くだろ?」
俺は親指と人差し指の間にスプーンを当てた。
「で、そのまま残りの指も曲げる。これでOKだ。」
「わぁ!できた!できたよ!」
「スゴいな!よくできました!」
そう言いながらスイの頭を撫でる。
「……なぁ…ギルアスはん……ヒビキはんって……親バカなん?」
違いますよ?リンファさん?
「いや……それは違うだろ。」
ほら!ギルアスさんもそう言ってるし!
「どちらかと言えば……兄バカだな。」
うおい!
「確かに!親子くらい年離れてないもんね!スライムに年齢あるか知らないけど!」
「エレンさんも納得しないで下さい!?」
……と、そんな感じで、愉快なお菓子パーティーが始まったのだった……
俺達はダグラスさんの店を出て、ギルアスさんの家に向かった。すると、そこにいたのは……
「皆、何しとったんや?もう待ちくたびれたで~」
さっき、ポーションを買った店の店主のリンファさんがいた。
「いや……当たり前のように人の家の前にいる奴がおかしいんだよ。」
「ええやん、別に。アタシはもっとヒビキはんとエレンはんと仲良くなりたいねん。で?どこ行っとったんや?」
「……ダグラスの店だ。」
「ダグラスはんのとこ行っとったん?それでも遅ない?アタシ、あれからすぐ店閉めて来てんけど……」
「あー……まぁ、色々あったんだ。とりあえず中に入るぞ。…あ……ヒビキ、大丈夫か?」
「…リンファさんだけなら大丈夫…だと思います。」
リンファさんとは馴染めそうなんだよな。関西弁のせいか距離が近いような気もするけど……別に嫌じゃないって感じだな。
家の中に入って、時計を見るとちょうどおやつの時間くらいだった。
「あ…あの……お菓子…食べますか?」
「食べた~い!」
「ええやん!皆でお菓子パーティーや!アタシ紅茶淹れるわ!」
「なら私はテーブル拭いたりフォークとか出したりするね!」
「ボクもおてつだいするー!」
「いや……ここ…俺の家……」
……とのことだったので、俺は冷蔵庫から今朝作ったプリンとラスクを取り出してスイに渡す。それをスイがエレンさんが拭いてくれたテーブルの上に置く。
多めに作っといてよかったぁ……リンファさんがいきなり来たから数が足りないところだったな。
「めっちゃ美味しそうやん!はよ食べようや!」
「ボクもはやくたべたい!」
「私も!私も!」
皆が席に着いて言う。
「じゃあ…手を合わせて下さい。」
「「「合わせました!」」」
「いただきます。」
「「「いただきまーす!」」」
で、エレンさん達は食べ始めた。
こっちにはいただきますってないみたいだったからな。ほら…分かるか?小学校のお昼ごはんの時みたいな感じで言ったら皆が乗ってくれた。
「なにこれ!美味しい!」
「~ッ!!めっちゃ美味しいやん!これどこで買ったんや!?」
「それな…買ったんじゃないぞ?ヒビキの手作りだ。」
リンファさんの言葉にギルアスさんが答えた。
「ホンマかいな!ヒビキはん、将来いい嫁はんなれるで!」
「いや……お嫁さんはちょっと……」
「アハハッ!!冗談や!」
……なんでだろうな?リンファさんが言うとマジに聞こえる……
「勢いで言ったけど……いただきます…って何?」
エレンさんがプリンを食べながら問いかけた。
「さ、さあ?けど…言わないといけない気がして……」
俺は以前の記憶がないことになってるからな。知らないふりだ。
「そうなんだ?まぁいいや。」
俺はふと、スイを見た。スイはスプーンを握りしめてプリンを掬ってる。
「スイ、スプーンはな…こうやって持つんだぞ。」
「どうするの?」
スイがコテンと首を傾げる。……可愛い!
「最初に手をパーにして中指、薬指、小指を曲げる。」
「……?」
中指とかの表現が分からなかったか?
「お兄さん指とお姉さん指、赤ちゃん指を曲げるんだ。」
「まげたー!あっ!ピストルになったー!バーン!」
「うぅっ……」
スイがリンファさんに向けてピストルを撃つマネをする。それにリンファさんは心臓辺りを押さえて苦しむマネをする。
「……で、ぴすとるってなんなん?」
「……知らずに苦しむふりをしたんですか?」
「いやあ……なんか、せなアカンような気がしてん。」
「そ、そうですか……」
なんというか……ノリがいいのは関西人と同じみたいだな……ん?ちょっと待て?スイはピストルを知ってるのか?……まぁ…いいか。神の所から来たらしいし、知っててもおかしくないな。
「それで!どうするの?」
スイがピストルを作ったまま首を傾げた。……可愛い!
「それからな……ここにスプーンを置くだろ?」
俺は親指と人差し指の間にスプーンを当てた。
「で、そのまま残りの指も曲げる。これでOKだ。」
「わぁ!できた!できたよ!」
「スゴいな!よくできました!」
そう言いながらスイの頭を撫でる。
「……なぁ…ギルアスはん……ヒビキはんって……親バカなん?」
違いますよ?リンファさん?
「いや……それは違うだろ。」
ほら!ギルアスさんもそう言ってるし!
「どちらかと言えば……兄バカだな。」
うおい!
「確かに!親子くらい年離れてないもんね!スライムに年齢あるか知らないけど!」
「エレンさんも納得しないで下さい!?」
……と、そんな感じで、愉快なお菓子パーティーが始まったのだった……
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