くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず

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王都への帰り道

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翌日……

僕達は朝食を宿で食べて、帰りの船に乗るために港に来た。

「…これでヤマトとお別れかぁ……」

「なんだよ。一生来れなくなるわけじゃないだろ?」

僕が名残惜しそうに言った言葉にクロノスさんが僕の頭を撫でながらそう言った。

「う~ん…そうなんだけど……ちょっと寂しいなぁって。」

「ふーん……ならよ、こうしないか?」

クロノスさんが僕と優依、カイン、ノインを見て言った。

「二年後だ。二年後はお前達も初等学園卒業だろ?中等学園に上がるまでに俺とルナとまたヤマトに来る。まぁ、お前達も家族と過ごしたいだろうし、予定が開けれそうならでいいけどな。」

……と。

そんなの、僕の答えは決まってる。……でも、皆はどうなんだろう?

「「「「……行く!また二年後!このメンバーで!」」」」

皆の声がハモった。

「春休みは三週間くらいあるから!その内の二週間は必ず開けるから!」

「いやいや、逆だろ。俺達とが一週間で家族とが二週間だろ!?普通!」

「家族とは会おうと思ったらいつでも会えるから!でも、二人は違うでしょ…?会える時に会っときたいって思ったから……」

段々と語尾が弱くなる僕をクロノスさんはひょいっと持ち上げた。

「ちょっと!下ろしてよ!恥ずかしいから!」

「ハハハハッ!なんだよ!まだガキのくせによ?」

「もう十歳だもん!」

そこで、やっとクロノスさんが下ろしてくれた。

「ま、お前達の好きにすればいい。俺達もそれに合わせるからよ。」

「うん!」

帰りは皆で六人部屋に変更してもらったんだ!行きでクロノスさん達が四人部屋だったのは二人部屋が取れなかったからなんだって!



皆で船に乗り込んで、部屋に入る。

「また二年後だね!」

優依が窓の外を眺めながら言った。

「カインの王太子の儀が終わったらだね!」

「……忘れてたよ。」

ノインの言葉にカインが思い出したように言う。

「王太子の儀は春休みの一週間の間にしないといけないね。帰ったら父上に伝えておかないと。」

「国王さんの場合だと忘れちゃう気がする……」

「「……否定できない…」」

優依の言葉にカインとノインがそう言った。

「……帰ってから伝えるのと、時期が近づいてからまた伝えないといけないかな。」

「それが無難だね。」

「私達は伝え忘れないようにしないと。」

スケジュール帳に書ければいいけど、二年後のスケジュール帳はないからね……絶対覚えとかないとね!





船に乗って三日、乗り合い馬車で一日移動して、合計四日後……

僕達は今、王都に向かって移動して一つの街にいる。船の中では、わちゃわちゃと皆で遊んだり、何気ない話をしたりして過ごしたよ!この街では、馬車の移動は疲れるから一日ゆっくりして、明日の朝から二日かけて王都に向かうことになったんだ!

「なぁ、ルーク。お前、辺境出身だから戦えるよな?ちょっと、そこの森で魔物の討伐のコツ教えてくれないか?」

「いいけど……今日はゆっくりするんじゃなかったの?」

クロノスさんがゆっくりしようって言ったからクロノスさんに誘われるのは意外だなぁ……

「なら、お前はゆっくりしろって言われてゆっくり出来るか?」

「う……出来ないかも……」

開けるなって言われたら開けたくなるのと一緒だね!

「よし!なら決まりだ!準備するからちょっと待ってろよ。」

「分かった!……皆はどうする?一緒に行く?」

クロノスさんに返事をした後、優依達にも一緒に行くかどうか問いかける。

「う~ん…行ってもいいけど、今日は街でショッピングしとくよ。なんか、可愛いのいっぱいあったし。ノインはどうする?」

「私もユイとショッピング行く!」
 
「なら、私は二人に付き添うわね。」

女性陣はショッピングに行くみたい。カインはどうするんだろう?

「…私もノイン達に着いて行こうかな。男が私だけになって寂しいような気もするけど、今日の疲れが明日に響いて迷惑かけるといけないしね。」

確かに……魔法は得意でも、魔物を討伐するのは疲れるからね。慣れっぽいところもあるから、実践経験が少ないとしんどいかも。

「そっか…分かった!じゃあ、僕とクロノスさんは森に行くね!」 

……そうして、僕はクロノスさんと森へ、優依達は街でショッピングをすることになった。



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