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結局その日は出発することはできなかった。
三人に散々泣かれて私がとうとう折れてしまったのだ。
「じゃあリアちゃん、今日は僕と寝ようね。」
さっきまでは大泣きして、
「そんなに早く出たいなんて僕達のこと嫌いになっちゃったの?」
なんて言っていたのに私がまだ行かないからと宥めるつもりで言った途端に三人でなにやらじゃんけんを繰り広げていて、それに勝ったフィー父様が先ほどまで泣いていたのが嘘のように思えるほど良い笑顔で言ってきた。
「明日は俺と一緒に寝ようなぁ。」
2番目に勝ったらしいベル父様がこちらも良い笑顔で言ってきた。
「…明後日は俺とだ。」
どうやらじゃんけんに負けたらしいシル父様は少し不満気な顔をしながらもそう言って私の頭をくしゃっと撫でてくれた。
そして今日はフィー父様で明日がベル父様、明後日がシル父様と一緒に寝ることになっているみたいだ。
最初のうちはしょうがないなぁと呑気に思っていたが、そうなると自動的に出発は明々後日になってしまうことに気がついた。
しかし、決定事項のようなので今更明日には出るなどと言い出したらまたとんでもない騒ぎになることは予想がついているのでここは大人しく引き下がることにした。
「さぁ、もっとこっちにおいで。」
寝る時間になり、ベル父様とシル父様におやすみの挨拶をしてフィー父様のベッドに入り、寝ようとしたらそう言われて引き寄せられた。
おまけに両腕でがっちりとホールドされたのだが、ごきげんな様子で頭に頬ずりしてきてそれがなんだか安心できて抱きついて寝た。
次の日の夜にはベル父様のベッドで寝た。
くっつきすぎず、離れすぎずの距離で寝ようとしたら、
「恥ずかしがってんのか?」
と微笑みながら言われ、抱き寄せられた。そして背中をぽんぽんと優しく叩かれたらすぐに睡魔が襲ってきたので目の前にある胸板に擦り寄ってから寝た。
さらに次の日の夜にはシル父様と一緒のベッドに入ったら、何も言わずに抱きしめられた。
「すまんな、本当だったら俺達の方がお前を送り出してやらなきゃならないのに。」
『ううん、いいの。私ね本当はあの時あのまま旅に出るのが少し不安だった…。旅に出て戻ってきた時に居場所がなくなっていたらどうしようって思ってたの。でも引き止めてくれてこうして皆に可愛がってもらってたらなんか安心しちゃった。』
「そうか…。いつまでも子供のままで俺達を必要としてたのに、お前が急に成長してどんどん大人になっていくように見えたから俺達も焦っていたんだ。」
シル父様は、いつもよりも優しい声色で話しながら私の髪を撫でてくれていた。
「お前が旅に出たら、お前がいた場所は他のものでは埋められるはずがない。そのくらいお前の存在は俺達にとって大きいんだ。だから、安心していつでも戻ってこい。」
『うん、ありがとう…。』
シル父様が話している途中から涙が止まらなくなってきて、こう答えるのがやっとだった。
恐らくこの3日間は私にとって忘れられない日となるだろう。
三人に散々泣かれて私がとうとう折れてしまったのだ。
「じゃあリアちゃん、今日は僕と寝ようね。」
さっきまでは大泣きして、
「そんなに早く出たいなんて僕達のこと嫌いになっちゃったの?」
なんて言っていたのに私がまだ行かないからと宥めるつもりで言った途端に三人でなにやらじゃんけんを繰り広げていて、それに勝ったフィー父様が先ほどまで泣いていたのが嘘のように思えるほど良い笑顔で言ってきた。
「明日は俺と一緒に寝ようなぁ。」
2番目に勝ったらしいベル父様がこちらも良い笑顔で言ってきた。
「…明後日は俺とだ。」
どうやらじゃんけんに負けたらしいシル父様は少し不満気な顔をしながらもそう言って私の頭をくしゃっと撫でてくれた。
そして今日はフィー父様で明日がベル父様、明後日がシル父様と一緒に寝ることになっているみたいだ。
最初のうちはしょうがないなぁと呑気に思っていたが、そうなると自動的に出発は明々後日になってしまうことに気がついた。
しかし、決定事項のようなので今更明日には出るなどと言い出したらまたとんでもない騒ぎになることは予想がついているのでここは大人しく引き下がることにした。
「さぁ、もっとこっちにおいで。」
寝る時間になり、ベル父様とシル父様におやすみの挨拶をしてフィー父様のベッドに入り、寝ようとしたらそう言われて引き寄せられた。
おまけに両腕でがっちりとホールドされたのだが、ごきげんな様子で頭に頬ずりしてきてそれがなんだか安心できて抱きついて寝た。
次の日の夜にはベル父様のベッドで寝た。
くっつきすぎず、離れすぎずの距離で寝ようとしたら、
「恥ずかしがってんのか?」
と微笑みながら言われ、抱き寄せられた。そして背中をぽんぽんと優しく叩かれたらすぐに睡魔が襲ってきたので目の前にある胸板に擦り寄ってから寝た。
さらに次の日の夜にはシル父様と一緒のベッドに入ったら、何も言わずに抱きしめられた。
「すまんな、本当だったら俺達の方がお前を送り出してやらなきゃならないのに。」
『ううん、いいの。私ね本当はあの時あのまま旅に出るのが少し不安だった…。旅に出て戻ってきた時に居場所がなくなっていたらどうしようって思ってたの。でも引き止めてくれてこうして皆に可愛がってもらってたらなんか安心しちゃった。』
「そうか…。いつまでも子供のままで俺達を必要としてたのに、お前が急に成長してどんどん大人になっていくように見えたから俺達も焦っていたんだ。」
シル父様は、いつもよりも優しい声色で話しながら私の髪を撫でてくれていた。
「お前が旅に出たら、お前がいた場所は他のものでは埋められるはずがない。そのくらいお前の存在は俺達にとって大きいんだ。だから、安心していつでも戻ってこい。」
『うん、ありがとう…。』
シル父様が話している途中から涙が止まらなくなってきて、こう答えるのがやっとだった。
恐らくこの3日間は私にとって忘れられない日となるだろう。
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