48 / 68
第一部 4章 黄金の鳥籠と、最強従者たちの激昂 ―奪還編―
第46話 先代眷属への情報共有と、妖界への移送:side.巽
しおりを挟む
王城の奥まった一角に、妖界と鬼界を繋ぐ関所はあった。
堅固に守られた頑丈な扉を開けると、窓のない部屋がある。その室内、壁に面した場所に更に別の扉があり、その周囲にドーム状に結界が張られていた。扉は、人が一人通れる大きさのもの。結界を開くには、王の許可によって貸与される特別な呪物が必要になる。
相互不可侵。
悪意のある鬼を通さず、悪意のある妖を入れない。徹底した管理下に置かれた場所。
部屋に入ると、国王は蜻蛉商会の者たちと侍従である深緑の髪の男、他護衛二名だけを残して人払いをするよう伝えた。
当然、反対意見が周囲の者たちから上がり、そこでまた余計な時間が消費される。
蜻蛉商会側には、苛立ちが募っていくばかりだ。特に、奏太を抱える亘は。
時限爆弾を抱えるような心持ちでじっと耐え、ようやく必要最低限の人数だけが部屋に残ると、亘はこれ以上待てないとばかりに、国王や侍従を完全に無視して奥の扉の方に歩き出した。
「早く結界を解いてくれ」
その肩を掴んで止めたのは、国王の侍従である深緑の髪の男。
「待て、状況の把握をしておきたい」
「これ以上、主をこのままにしておけと? 状況なら、汐が伝えたんじゃないのか?」
心底不快そうな表情で言う亘に、巽は目を見開いた。
「ちょ、ちょっと、亘さん!」
巽は思わず待ったを入れる。
まずは、この場にいる者たちが、何をどこまで把握しているかを確認すべきだ。
深緑の髪の男に対して、巽が視線だけで護衛二人の確認をすると、男は巽に小さく頷いてみせた。
「この二名は事情を把握している。普段通りで構わない」
その言葉に、巽はホッと息を吐いた。
「じゃあ、態度を崩させてもらいます、玄さん」
深緑の髪の男、玄は、朱や白達と同じ先代の秩序の神の眷属だ。あと一名、靑という者が、鬼界の奏太の本来の拠点を守っている。
つい先日まで玄も鬼界の本拠地にいたのだが、朱に情報収集に動いてもらう関係で、奏太の指示でこちらに移動してきてもらっていた。国の中心部から鬼界を監視する意味合いで、国王の侍従として側についているのだ。
巽は、自分の後ろにいた妖界勢を振り返る。
「僕から説明しとくんで、妖界側に話を通しておいてもらえませんか? 主上が御通りになるからと」
「わかりました」
妖界の武官の一人がコクと頷き了承してくれた。あちらとのやりとりは、妖界の者同士でやってもらったほうがスムーズだろう。
巽はそれに続いて、黒い髪に赤い瞳の、この場で誰よりも高価な服に身を包んだ男に目を向けた。
この国の、国王に。
「マソホ、説明はするから、結界の解除を先に頼むよ。なるべく早く、主を向こうに運びたいんだ」
国王は、雑な巽の呼びかけを気にした風もなく、奏太の方に目を向けた。その表情には、心配の色が浮かぶ。
「……奏太様の御容態は、それ程悪いのか?」
マソホは、この国の国王。しかし、それ以前に奏太の眷属の一人。巽からしたら同僚だ。
巽が蜻蛉商会の商会長を押し付けられたものの拡大版と言っていい。
三百年前に滅びかけた鬼界を立て直すため、同じ鬼であるマソホに鬼界の王の役割が押し付けられた。先代の眷属達が国の中枢にいるのは、その補助でもある。
通常、眷属は鬼の世の政に直接関与できない。それもまた、制約に触れるからだ。奏太が妖界の帝でありながら、政に一切関与しないのも同じ理由。先代の眷属達は、あくまで補助以上のことはしない。
一方でマソホは、実は奏太の完全な眷属ではない。奏太の力を分け与えられてはいるが、与えられた量がそもそも少なく、不老でもなければ、立場も普通の鬼とあまり変わらない。
マソホの望みは、奏太の完全な眷属になることだが、鬼の世の国王をやっているため、扱いは保留状態だ。
これだけ大変な役割を押し付けられて三百年も奮闘しているのに、本人の望みである完全な眷属には未だしてもらえないなんて、正直、気の毒だと巽は思う。
「奏太様は今、身体の傷を自力で修復できないくらいに力を消耗してるんだ」
今、奏太は、その身体を周囲に晒さないよう、白から借りたマントに包まれている。亘の側まで行って、そっとそのマントを捲ると、先ほどと全く変わらない噛み跡と爛れだらけの腕が覗いた。
何度見ても酷い状態。マソホが息を呑んだのが分かった。
「さっきから、全く状態が改善してない。妖界の薬に頼らないと」
「……分かった。すぐに、扉を開けよう」
マソホが妖界勢と共に動くのを横目に、玄は眉根を寄せた。
「この方を害したのは鳴響商会だと聞いたが、商会長は捕えたのか?」
玄の問いに、巽は首を横に振る。
「奏太様を見つけた時には、既に逃げられた後でした。今は白さんが探してくれているはずです。それに、どうやら鳴響商会の裏に、聖教会、さらに闇の女神がいるようだと奏太様が。白さんには伝えましたが、国の方で聖教会を探っていただけると助かります」
「……聖教会か……」
渋い顔の玄に、巽は手掛かりを提示する。
「調査を入れるための大義名分がないんですよね? 僕を使ってください。この前、光耀教会に散々、酷い目に遭わされましたから。妖界の武官も殺されてしまいましたし……」
「あちらの大司教と従者、護衛が被害に遭ったからと、白日、光耀の教会間で手打ちになったんじゃないのか?」
奏太が白日教会に処理を丸投げした結果、白日教会側は、一番面倒のない落としどころを選択したと聞いた。ただし、それはあくまで鬼界側に閉じた話だ。
「教会間はそれでいいかもしれませんが、国際問題にしてしまえば、手打ちになんて到底できませんよ。妖界の者から訴えがあったことにしては? 証拠書面が必要なら、あちらで用意してもらいましょう。どうにか穏便に済ませたいから協力してほしい、と仮想敵を妖界に設定して仲間の顔をして近づくのもありかもしれません。その場合は、国ぐるみというよりは、陛下に余計な心配させないため、とか言いつつ玄さん個人で近づくのがいいと思いますけど。もちろん、その後で素知らぬフリして国の強制調査に踏み込めば、両面から探りを入れられます。ああ、そこで恩を売って、さらに近づくって手も……」
巽としては、ちょっとした提案をしただけのつもりだったのに、玄は途中から、ものすごく微妙な顔になった。
「……お前は、本当に小賢しいな」
「………………それは、褒め言葉と受け取って良いんですか?」
「………………」
玄からは、なんの回答も戻って来なかった。
「……まあ、あの一件をうまく使ってください。あの方をあんな目に遭わせたことに加担してるなら、到底許せませんから」
「蜻蛉商会に残されたガラス玉も、出どころは闇の女神に関連している可能性があると汐の報告にあったな。奴隷商、鳴響商会、聖教会、闇の女神、か。調べられるだけ、調べてみよう」
玄がそう言ったところで、関所の扉にいる武官から声がかかった。
「関所のドアを開けていただき、あちらにも話を通しました。問題なく通過できそうです」
「ありがとうございます。玄さん、マソホへの説明はお願いしますね」
説明するとは言ったが、マソホは関所の方の対応でほとんど聞いていなかっただろう。
「鬼界の方は、頼んだよ。マソホ」
挨拶もせずに足早に妖界側に抜ける亘を追って扉へ向かう途中、不安そうに主を見送る、この国の王の背を、巽はトンと軽く叩いた。
堅固に守られた頑丈な扉を開けると、窓のない部屋がある。その室内、壁に面した場所に更に別の扉があり、その周囲にドーム状に結界が張られていた。扉は、人が一人通れる大きさのもの。結界を開くには、王の許可によって貸与される特別な呪物が必要になる。
相互不可侵。
悪意のある鬼を通さず、悪意のある妖を入れない。徹底した管理下に置かれた場所。
部屋に入ると、国王は蜻蛉商会の者たちと侍従である深緑の髪の男、他護衛二名だけを残して人払いをするよう伝えた。
当然、反対意見が周囲の者たちから上がり、そこでまた余計な時間が消費される。
蜻蛉商会側には、苛立ちが募っていくばかりだ。特に、奏太を抱える亘は。
時限爆弾を抱えるような心持ちでじっと耐え、ようやく必要最低限の人数だけが部屋に残ると、亘はこれ以上待てないとばかりに、国王や侍従を完全に無視して奥の扉の方に歩き出した。
「早く結界を解いてくれ」
その肩を掴んで止めたのは、国王の侍従である深緑の髪の男。
「待て、状況の把握をしておきたい」
「これ以上、主をこのままにしておけと? 状況なら、汐が伝えたんじゃないのか?」
心底不快そうな表情で言う亘に、巽は目を見開いた。
「ちょ、ちょっと、亘さん!」
巽は思わず待ったを入れる。
まずは、この場にいる者たちが、何をどこまで把握しているかを確認すべきだ。
深緑の髪の男に対して、巽が視線だけで護衛二人の確認をすると、男は巽に小さく頷いてみせた。
「この二名は事情を把握している。普段通りで構わない」
その言葉に、巽はホッと息を吐いた。
「じゃあ、態度を崩させてもらいます、玄さん」
深緑の髪の男、玄は、朱や白達と同じ先代の秩序の神の眷属だ。あと一名、靑という者が、鬼界の奏太の本来の拠点を守っている。
つい先日まで玄も鬼界の本拠地にいたのだが、朱に情報収集に動いてもらう関係で、奏太の指示でこちらに移動してきてもらっていた。国の中心部から鬼界を監視する意味合いで、国王の侍従として側についているのだ。
巽は、自分の後ろにいた妖界勢を振り返る。
「僕から説明しとくんで、妖界側に話を通しておいてもらえませんか? 主上が御通りになるからと」
「わかりました」
妖界の武官の一人がコクと頷き了承してくれた。あちらとのやりとりは、妖界の者同士でやってもらったほうがスムーズだろう。
巽はそれに続いて、黒い髪に赤い瞳の、この場で誰よりも高価な服に身を包んだ男に目を向けた。
この国の、国王に。
「マソホ、説明はするから、結界の解除を先に頼むよ。なるべく早く、主を向こうに運びたいんだ」
国王は、雑な巽の呼びかけを気にした風もなく、奏太の方に目を向けた。その表情には、心配の色が浮かぶ。
「……奏太様の御容態は、それ程悪いのか?」
マソホは、この国の国王。しかし、それ以前に奏太の眷属の一人。巽からしたら同僚だ。
巽が蜻蛉商会の商会長を押し付けられたものの拡大版と言っていい。
三百年前に滅びかけた鬼界を立て直すため、同じ鬼であるマソホに鬼界の王の役割が押し付けられた。先代の眷属達が国の中枢にいるのは、その補助でもある。
通常、眷属は鬼の世の政に直接関与できない。それもまた、制約に触れるからだ。奏太が妖界の帝でありながら、政に一切関与しないのも同じ理由。先代の眷属達は、あくまで補助以上のことはしない。
一方でマソホは、実は奏太の完全な眷属ではない。奏太の力を分け与えられてはいるが、与えられた量がそもそも少なく、不老でもなければ、立場も普通の鬼とあまり変わらない。
マソホの望みは、奏太の完全な眷属になることだが、鬼の世の国王をやっているため、扱いは保留状態だ。
これだけ大変な役割を押し付けられて三百年も奮闘しているのに、本人の望みである完全な眷属には未だしてもらえないなんて、正直、気の毒だと巽は思う。
「奏太様は今、身体の傷を自力で修復できないくらいに力を消耗してるんだ」
今、奏太は、その身体を周囲に晒さないよう、白から借りたマントに包まれている。亘の側まで行って、そっとそのマントを捲ると、先ほどと全く変わらない噛み跡と爛れだらけの腕が覗いた。
何度見ても酷い状態。マソホが息を呑んだのが分かった。
「さっきから、全く状態が改善してない。妖界の薬に頼らないと」
「……分かった。すぐに、扉を開けよう」
マソホが妖界勢と共に動くのを横目に、玄は眉根を寄せた。
「この方を害したのは鳴響商会だと聞いたが、商会長は捕えたのか?」
玄の問いに、巽は首を横に振る。
「奏太様を見つけた時には、既に逃げられた後でした。今は白さんが探してくれているはずです。それに、どうやら鳴響商会の裏に、聖教会、さらに闇の女神がいるようだと奏太様が。白さんには伝えましたが、国の方で聖教会を探っていただけると助かります」
「……聖教会か……」
渋い顔の玄に、巽は手掛かりを提示する。
「調査を入れるための大義名分がないんですよね? 僕を使ってください。この前、光耀教会に散々、酷い目に遭わされましたから。妖界の武官も殺されてしまいましたし……」
「あちらの大司教と従者、護衛が被害に遭ったからと、白日、光耀の教会間で手打ちになったんじゃないのか?」
奏太が白日教会に処理を丸投げした結果、白日教会側は、一番面倒のない落としどころを選択したと聞いた。ただし、それはあくまで鬼界側に閉じた話だ。
「教会間はそれでいいかもしれませんが、国際問題にしてしまえば、手打ちになんて到底できませんよ。妖界の者から訴えがあったことにしては? 証拠書面が必要なら、あちらで用意してもらいましょう。どうにか穏便に済ませたいから協力してほしい、と仮想敵を妖界に設定して仲間の顔をして近づくのもありかもしれません。その場合は、国ぐるみというよりは、陛下に余計な心配させないため、とか言いつつ玄さん個人で近づくのがいいと思いますけど。もちろん、その後で素知らぬフリして国の強制調査に踏み込めば、両面から探りを入れられます。ああ、そこで恩を売って、さらに近づくって手も……」
巽としては、ちょっとした提案をしただけのつもりだったのに、玄は途中から、ものすごく微妙な顔になった。
「……お前は、本当に小賢しいな」
「………………それは、褒め言葉と受け取って良いんですか?」
「………………」
玄からは、なんの回答も戻って来なかった。
「……まあ、あの一件をうまく使ってください。あの方をあんな目に遭わせたことに加担してるなら、到底許せませんから」
「蜻蛉商会に残されたガラス玉も、出どころは闇の女神に関連している可能性があると汐の報告にあったな。奴隷商、鳴響商会、聖教会、闇の女神、か。調べられるだけ、調べてみよう」
玄がそう言ったところで、関所の扉にいる武官から声がかかった。
「関所のドアを開けていただき、あちらにも話を通しました。問題なく通過できそうです」
「ありがとうございます。玄さん、マソホへの説明はお願いしますね」
説明するとは言ったが、マソホは関所の方の対応でほとんど聞いていなかっただろう。
「鬼界の方は、頼んだよ。マソホ」
挨拶もせずに足早に妖界側に抜ける亘を追って扉へ向かう途中、不安そうに主を見送る、この国の王の背を、巽はトンと軽く叩いた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
★第9回キャラ文芸大賞エントリー中!
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
幽縁ノ季楼守
儚方ノ堂
キャラ文芸
「季楼庵当主の代理を務めてもらう」
幼少期、神隠しにあった過去を待つ青年ユメビシ。
迷い込んだ先で、事件に巻き込まれ両手を失い、生死を彷徨うことに。
ただ「死にたくない」と望んだ願いは、ある故人の手を移植することで実現した。
これを境に不死の体質へと変貌したユメビシは、約70年の時を経て、因縁の土地『瞑之島(みんのとう)』へ帰還する。
しかし、どうして今自分がここにいるのか、その理由となる記憶がすっぽり抜け落ちた状態で……。
奇妙な忘却に焦りを抱えながら、手がかりを求め探索するさなか、島の中枢を担う組織『季楼庵(きろうあん)』の面々と関わりを持ち、次々と巻き起こる騒動に身を投じていくのだった。
現代において、人と人ならざる者が共存する瞑之島を舞台に、半ば強制的に当主代理に据えられたユメビシの非日常。
異色の現代ファンタジー✖️和風奇譚✖️ミステリー
様々な思惑が交錯する中、彼の帰還を以て、物語は一つの結末へ動き出す。
その約束は、何十年何百年経ち、たとえ本人達が覚えていなくとも。
幽かな縁で繋がり続け、決して解けない糸となる。
それを人は、因縁――またの名を『呪い』と呼ぶのだった。
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
あやかし警察おとり捜査課
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
キャラ文芸
※第7回キャラ文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
二十三歳にして童顔・低身長で小中学生に見間違われる青年・栗丘みつきは、出世の見込みのない落ちこぼれ警察官。
しかしその小さな身に秘められた身体能力と、この世ならざるもの(=あやかし)を認知する霊視能力を買われた彼は、あやかし退治を主とする部署・特例災害対策室に任命され、あやかしを誘き寄せるための囮捜査に挑む。
反りが合わない年下エリートの相棒と、狐面を被った怪しい上司と共に繰り広げる退魔ファンタジー。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる