14 / 14
シーフのライラさん
しおりを挟む
シーフのライラさんは、俺と同じ登録したてのシーフだった。山間の農村で成人の儀を受けた後、たまたま買い出しに出かけたタイミングで農村が小規模スタンピートに合い全滅絵したことを知った。そして、ただ一人の生き残りとして、両親、そして村の敵討ちを目指して冒険者になったということだった。
そして、レベル上げと装備を充実するために、稼ぎの良いパーティを組みたいと思っていたと。
「そんなことが・・・」
言葉をなくしていると、ライラさんは話を続けてくれた。
その表情からはかなりつらそうにしていたが。
「私がいた村は、亜人が多かったこともあり、国の保護を受けられなかった。そして、スタンピートも落ち着いたからとギルドも討伐をしていない・・・
私は、強くならなくてはいけない。そして、早く村を取り戻し、両親を弔いたい。」
そう言いながら頭にかぶった帽子をとると、そこにはウサギの耳がぴょんと・・・
「あぁ、ライラさんはラビット族だったんだね。」
「そう、だからかもしれない、私が亜人と知ると協力をお願いすると皆、パーティやコンビを断ってくる・・・」
亜人というだけで、国の保護、冒険者ギルドの支援、そして同じ冒険者からの差別・・・
そういう俺は孤児院出身として、共に過ごした孤児には亜人もおり、院長先生からも差別や人を見下すこと、裏切ったり騙したりすることはダメだと教えられてきた。
前世の記憶でも人権運動をはじめ、国や宗教、肌の色などによる差別が戦争、テロにつながったことも知っており、害悪であると理解している。
そう理解しているだけ・・・自分がそうなっていたわけではない。
「俺は、協力をしたい。俺は孤児だ。この町の孤児院で育った。親のことは知らないが、もし親が何者かに殺されたとしたらその敵を、そして弔いたいとおもう。」
「ショウさん・・・あり、ありがとう」
涙が止まらないようなライラさんに自分の正直な思いを伝えた。
もちろん、協力すると口でいうだけの曖昧な答えでは、その想いが挫折する。だからこそ、具体的な行動をとるため、俺の考えを伝え、ライラさんの村の奪還に向けた話し合いをすることにした。
「ライラさん、ここが第一歩だと思う。
ただ、2人とも駆け出しの冒険者に過ぎない。
ここから村の奪還に向けて、次のことをしたいと思う。」
俺の考えはこうだ。
1. 村の現在の状況を知ること
2. 状況に対し、2人のレベルを必要なだけ上げ、戦える力を高めこと
3. 装備を強力なものにし、万全の体制をつくること
4. ライラさんの思いに共感し、共闘してくれる仲間を増やすこと
5. ギルドに依頼を出し、討伐隊を組むための資金を集めること
「・・・私、とりあえずやらなきゃってだけで、強くなってってしか・・・仲間を増やすしか・・・って。」
「それでもいいと思うけど、その目的を達成するためには、必要なことを具体的にしていくと目指しやすいと思ったんだけど、ダメかな?」
「だめじゃないっ!
ショウさん、私そういうの苦手だから・・・
でも、ショウさん、コンビ組んでくれる?」
「・・・ああ」
苦手と言われてもとは思うが頑張るという気持ちはあるからと言葉を替えて、すぐ出来ることをすることにした。
「ライラさん、装備とかちょっと強化しようか?」
「?、付与してくれるの?」
「ここじゃ無理だけど、そうだよ」
ライラさんを促し、装備の確認などをするため、食べ終わった定食屋を後にすることにした。
そして、レベル上げと装備を充実するために、稼ぎの良いパーティを組みたいと思っていたと。
「そんなことが・・・」
言葉をなくしていると、ライラさんは話を続けてくれた。
その表情からはかなりつらそうにしていたが。
「私がいた村は、亜人が多かったこともあり、国の保護を受けられなかった。そして、スタンピートも落ち着いたからとギルドも討伐をしていない・・・
私は、強くならなくてはいけない。そして、早く村を取り戻し、両親を弔いたい。」
そう言いながら頭にかぶった帽子をとると、そこにはウサギの耳がぴょんと・・・
「あぁ、ライラさんはラビット族だったんだね。」
「そう、だからかもしれない、私が亜人と知ると協力をお願いすると皆、パーティやコンビを断ってくる・・・」
亜人というだけで、国の保護、冒険者ギルドの支援、そして同じ冒険者からの差別・・・
そういう俺は孤児院出身として、共に過ごした孤児には亜人もおり、院長先生からも差別や人を見下すこと、裏切ったり騙したりすることはダメだと教えられてきた。
前世の記憶でも人権運動をはじめ、国や宗教、肌の色などによる差別が戦争、テロにつながったことも知っており、害悪であると理解している。
そう理解しているだけ・・・自分がそうなっていたわけではない。
「俺は、協力をしたい。俺は孤児だ。この町の孤児院で育った。親のことは知らないが、もし親が何者かに殺されたとしたらその敵を、そして弔いたいとおもう。」
「ショウさん・・・あり、ありがとう」
涙が止まらないようなライラさんに自分の正直な思いを伝えた。
もちろん、協力すると口でいうだけの曖昧な答えでは、その想いが挫折する。だからこそ、具体的な行動をとるため、俺の考えを伝え、ライラさんの村の奪還に向けた話し合いをすることにした。
「ライラさん、ここが第一歩だと思う。
ただ、2人とも駆け出しの冒険者に過ぎない。
ここから村の奪還に向けて、次のことをしたいと思う。」
俺の考えはこうだ。
1. 村の現在の状況を知ること
2. 状況に対し、2人のレベルを必要なだけ上げ、戦える力を高めこと
3. 装備を強力なものにし、万全の体制をつくること
4. ライラさんの思いに共感し、共闘してくれる仲間を増やすこと
5. ギルドに依頼を出し、討伐隊を組むための資金を集めること
「・・・私、とりあえずやらなきゃってだけで、強くなってってしか・・・仲間を増やすしか・・・って。」
「それでもいいと思うけど、その目的を達成するためには、必要なことを具体的にしていくと目指しやすいと思ったんだけど、ダメかな?」
「だめじゃないっ!
ショウさん、私そういうの苦手だから・・・
でも、ショウさん、コンビ組んでくれる?」
「・・・ああ」
苦手と言われてもとは思うが頑張るという気持ちはあるからと言葉を替えて、すぐ出来ることをすることにした。
「ライラさん、装備とかちょっと強化しようか?」
「?、付与してくれるの?」
「ここじゃ無理だけど、そうだよ」
ライラさんを促し、装備の確認などをするため、食べ終わった定食屋を後にすることにした。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる