29 / 46
第29話~魔力補充は温泉で、再び~
しおりを挟む「あぁ、生き返りますねぇ」
ピエタ村の温泉施設、来客用の露天風呂に二人の女がいた。リスタルト王国、白の騎士団の先遣隊であり。つり眉のほうの名はミオン、ポニーテールを下ろした童顔の騎士はマナと言った。
「それにしてもミオンさん、よかったんですか? 中央教会、いやメリダの神官の滞在を認めて」
「フィリー様が着任するまでだ。もし本当に魔族が出るのであれば、神官の力があるに越したことはない。まぁ、実
際に魔族を見たという話も怪しいものだがな」
「そうですよね。私、魔族なんて見るのも嫌です。気持ち悪い」
そんな二人の会話をアンジェは脱衣室に忍び込んで聞いていた。
「何よ、魔族のナニも知らないくせに……それで、どうするんですか?」
胸元から一方の顔を魔王蛇がのぞかせる。
「合図をしたら、この間と同じように、闇を落とすのだ。ただし、いきなりではなく、ゆっくりとな」
「でも、相手は騎士ですよ。しかも二人」
「心配するな、こちらも頭が二つ。丁度よかろう」
魔王蛇はアンジェの法衣の中から出ると、隙間に潜り込み、音もなく二人の女騎士の元へと向かった。
身体を洗っているミオンの姿を、湯船から見ていたマナは、湯船からあがってミオンの背後に座った。
「背中、流してあげる」
「ああ、すまない。頼む」
ミオンからタオルを受け取ると、石鹸を取って泡立て始めた。
「やっぱミオンって、スタイル良いよね」
「何を言いだすんだ!」
「私だって、もう少しこう、出るとこ出てさぁ」
その時、闇が落ちた。周囲が突如として深淵の暗さに染まる。
「ふえっ?」
「なっ!」
魔王蛇は背後からマオに飛び掛かると、二人に巻き付いた。魔王蛇は、器の能力闇の中でも二人の裸体が見えていた。蛇に巻き付かれ、ミオンとマナの身体が密着する。そのまま、魔王蛇は両方の頭をマナの腕に絡ませた。
「マナ! 何をするの」
両腕に絡みついた魔王蛇はマナの腕を操り、ミオンの乳房にその手の平を添えて動かした。
「な、何って、何かが巻き付いてて」
「やっ、やめなさい。あっ!」
泡でぬるぬるした手の平が、胸の突起を上下に擦る。暗闇の中での突然の刺激に、ミオンは呼吸を荒くした。
魔王蛇の拘束から抜け出そうとマオが身体を動かす。しかし、腰に巻き付いた力は強く、もがくほどマオの胸の突起がミオンの背中をくすぐる。その動きは両方に刺激を与えることになった。
「や、やめてマオ、、動かないで!」
「そんな事言っても、何がどうなってるのぉ」
《常闇(ダークネス)》の魔法は《光球(ライト)》で打ち消すことができる。少し冷静になればわかることだった。しかし、突然の暗闇と身体の自由を奪われたことから、二人の騎士はパニックになっていた。そんな好機を見逃す魔王ではなかった。
双頭の蛇の二つの頭が口を開けてミオンの双丘にむしゃぶりつく。蛇の舌が突起に絡まる。
「やッ! な、なにぃ! んあっ!」
「どうしたのミオン?」
身体を襲う快感にミオンは耐えた。先輩騎士として感じてる声をマオに聞かれるわけにはいかない。
「な、何でもないわ。それより、これはおそらく……んんっ、魔法による闇ー」
魔法を使用するには、意識の集中が必要になる。できそうにないミオンは、まだ余裕のありそうなマオに頼もうとした。しかし、先の先を制するのが得意な魔王は、そのまま《振動(バイブレーション)》の魔法を発動させた。
「ふあっ! むぅぅぅ、うぅぅ」
ミオンは唇を噛んで襲い掛かる快楽に耐える。その振動はマオの腕にも伝わる。
「ねぇ、ミオン。大丈夫なの?」
リスタルの女騎士達もメリダの神官と同様に、日常では魔力の漏出を抑える事が課せられていた。その為か、こうした刺激に耐性はない。
「ダメ、力が……」
ミオンの身体が脱力する。その好機を逃す魔王ではなかった。口を離すと、マオの腕から離れ、スルスルと身体を伝わりミオンの足の間に頭を滑り込ませた。
「あはぁ!、だ、ダメ、そこは!」
耐えきれず、声を張り上げるミオン。
「どうしたの!」
解放された腕で、ミオンを背後から支えようとしたマオのお尻を、もう片方の頭が這った。
「へっ……やっ、なに、これっ!」
「あっ、ダメ、はいっちゃう!」
もう片方の頭も同じようにマオの足の間に滑り込んだ。双頭の蛇は、二つの頭を二人の女騎士の胎内に同時に潜りこませた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる