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第41話 はい、CM行きま~す
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その日、市場の真ん中にある一番いい土地周辺にはまったく店のテントが立っていなかった。
何に使うのか分からない木箱がいくつも置かれているだけである。
だが、買い物に来た客らはその事を何も不審になど思っていない。それどころか何か始まる事を期待してこの周辺を見に来てはがっかりして帰るという妙な行動をとっていた。
それもそのはず、この日のためにある仕掛けをしていたのだ。
あちこちでライブを行う事を流してもらい、私やグラジオス、エマにハイネの着飾った絵姿を配置し、期待感を煽りまくったのだ。
おかげで、路上ライブで貯めたお金のほとんどを使ってしまい、すっからかんになってしまったのだが、みんな快く協力してくれた。
私が自分の為にこういう事をしているのではないと理解していてくれたからだ。
そんなにまでして私がしようとしていたこと、それは……。
「流行を作るの」
控室代わりになっているテントの中、よく理解できていなかったハイネに、私の仕掛けたことを噛み砕いて解説していた。
「流行ってそんなもの作れるもんなんすか?」
ハイネの疑問も、もっともな物で、普通は何が流行るかなんてわからないし、何が受けるかも未知数だ。
画家の人気が無くて、せっかく描いた絵が、鳥かごの穴を塞ぐために使われることもあれば、その画家の人気が出て、鳥かごの壁に使われていた絵が何億円にも化けたりする。
そんなあやふやな流行なんてものを作るだなんて言われても雲をつかむような話にしか聞こえないだろう。
だがこの流行、僅かながら意図的に作る事が出来る方法があるのだ。
もちろんある程度高品質である事は大前提ではあるが。
「ハイネは私の音楽を聴いて、これがやってみたいって強く思ったから私の舎弟になるなんて言い出したのよね?」
「そうっす」
「それと似たようなものかなぁ」
そう言いながら、私は着ているアッカマン商会で作られた、商会のロゴ入りの服を指さす。
ちなみにこの場に居る全員が同じロゴの入った服で全身を固め、身に着けているアクセサリーもアッカマン商会からレンタルされたものだ。控室のテントにもロゴがでかでかと書いてある。
私のした事、それは、私達がアッカマン商会というブランドの広告塔になる事だった。
「有名な人や、カッコ良い人が服をカッコよく着こなしてたら、自分も真似してみたいって思うのが人間でしょ」
「……そんなもんすかねぇ?」
「そんなもんよ」
自信満々に言っている私だが、実は内心ドッキドキである。でもここで実は自信ないんですぅなんて言ったら間違いなくみんなが動揺してしまうし、作戦もうまくいかないだろう。
だからあえて私は自信があるふりをしていた。
「あ、エマ。今日はそんなに揺らさなくていいからね」
「突然何の話をしてるんですかぁっ」
唐突に胸の話題を振られ、それまで真面目な顔で頷いていたエマの顔が羞恥に歪む。
「むしろ見ている女性に、あんな綺麗な人になりたいなって思わせないといけないから揺らしちゃダメ。さらし巻きなさい、さらし」
私は白い布を手に、自らの胸を必死に防御しているエマに襲い掛かった。
「ひ~んっ! ちょっ、待ってくださいぃ! あ、ダメっ。そこさわりゃないでぇぇぇっ」
「チッ、なんてこと。おっぱいが私の手から逃げる!? 意思を持ったおっぱいだとでもいうの?」
「まっ、やっ……。服に手をかけないでぇぇっ! 見ないでください、殿下ぁぁっ! ハイネさんん~~っ!!」
エマの悲鳴に押される形で慌ててハイネとグラジオスはテントを逃げ出したのだった。
チョットしたトラブルはあったものの(モデルは胸が小さい方が良いという話をチラリと思い出したからであって、決して私怨が理由ではない)、私達の準備は完全に整った。
後は歌って盛り上げるだけ。
周りに視線を向けてみれば、ハイネは目を瞑ってドラムを叩き、エマは一回り小さくなった胸を押さえて歌詞をつぶやいている。
グラジオスだけが私と視線を合わせ、小さく微笑んでくれた。
大丈夫だ。
グラジオスは何も言っていないはずなのに、そんな声が聞こえた気がした。
「あ、あの。しょ、商会の準備もできた、そうです」
年相応のあどけなさを残したピーターが、テントの入り口から頭だけ出して教えてくれる。
それを合図に、全員の顔が緊張で引き締まった。
「じゃ、行こう」
「ああ」
「うっす」
「はいっ」
各々の返事を、私はしっかりと受け止めてから歩き出す。
「ピーター、ありがと」
すれ違いざまに、色々と走り回ってくれた少年の肩を叩いたのだが、
「ありがとうって、言われる覚え、ありません。だって、僕は、やってもらっててばっかりで……なにも……」
ピーターは思いもかけない幸運に戸惑っている様だった。
でもそれは私からしたら受け取って当然の幸運だ。
ピーターは自分の好きな事を貫いて、自分で進もうとした。一生懸命内気な自分を奮い立たせて私にいらっしゃいませと声をかけてくれた。
なら私はその手を掴んであげなきゃいけない義務がある。
私は、この世界の人みんなに、そうしてもらったのだから。
「大丈夫、ピーターは自分の事をきちんとやってるよ。だからこれは神様がくれたご褒美なんだ、位に思っとけばいいよ。それでも貰い過ぎだって思うなら、将来誰かの夢を応援してあげればいいじゃない」
「そうっすよ~。ガキは遠慮なんかするもんじゃないっす」
ハイネが手を伸ばしてピーターの頭をグシグシと撫でる。
「民が自分の夢を追える。そのために俺が居るのだからな」
自分で言っててちょっと恥ずかしかったのか、グラジオスは言い終わった後軽く咳払いをする。
「私は、主の補佐をするのがお仕事ですから」
エマはとてもメイドらしい理由なのだが、お仕事なんて義務的な理由じゃない事はみんなが知っている。
今日という日が来るまで、領主館でピーターの世話を一番焼いていたのはエマなのだから。
「というか姉御。実はピーターをダシにして自分が大きな舞台で歌いたいだけっすよね」
「あ、バレた?」
私は笑いながら小さく舌を出しておどけてみせた。
うん、いい具合に肩の力が抜けたかも。
「そういうわけだからピーターは私達の歌を楽しんで聴いてくれると嬉しいな。というかそんな辛気臭い顔して聴かれると迷惑かも」
私はピーターの頬をつまんで無理やり引っ張り上げる。
うっ、ピーターちょっとだけど私より背が高い……。
「笑って、ね? それが一番私達にとって嬉しい事だから」
そう言ってから、私はゆっくりと手を離す。
ピーターの両頬は、やや不格好ながらも私の助けなしに笑顔の形を保っていた。
――たった一つの想い――
私は用意された即席の舞台に向かいながら歌を口ずさみ始める。
静かに、しかし力強く、魂の奥底から沸き上がってくる感情を言の葉に変えて。
それを追いかける様にエマが同じ旋律を同じ音程で歌い始める。
重なった歌声はより深く響き、広がっていく。
グラジオスの奏でるヴァイオリンの音色が重なり、ハイネの小さくシャンシャンと鳴らすシンバルの音が添えられる。
その二つは、楽器であるはずなのにどこか語り掛ける様な音色で、聴く者の感情を揺さぶった。
歌に呑み込まれ、時が止まった様な世界の中を、私達は進む。
道行く人々は、息をするのもはばかるというように、私達が通り過ぎるのをただただ見つめていた。
そして私たちは舞台にたどり着いた。それと同時に歌も終わる。
それでも人々は静かに私達を見つめている。
分かっているからだ。
歌は終わった。でも、まだ舞台は終わっていない。否、始まってすらいないと。
幕が上がるまでの神聖な時間を自分たちが穢してはいけないと。
私達は針を落としても聞こえそうなくらいの静寂の中、舞台へと上がって各々の楽器をセットしていく。
それが終わった時――。
「いっくよぉーーっ!!」
人々の時間は動き出し、ファンファーレのごとく歓声が鳴り響いた。
何に使うのか分からない木箱がいくつも置かれているだけである。
だが、買い物に来た客らはその事を何も不審になど思っていない。それどころか何か始まる事を期待してこの周辺を見に来てはがっかりして帰るという妙な行動をとっていた。
それもそのはず、この日のためにある仕掛けをしていたのだ。
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「流行ってそんなもの作れるもんなんすか?」
ハイネの疑問も、もっともな物で、普通は何が流行るかなんてわからないし、何が受けるかも未知数だ。
画家の人気が無くて、せっかく描いた絵が、鳥かごの穴を塞ぐために使われることもあれば、その画家の人気が出て、鳥かごの壁に使われていた絵が何億円にも化けたりする。
そんなあやふやな流行なんてものを作るだなんて言われても雲をつかむような話にしか聞こえないだろう。
だがこの流行、僅かながら意図的に作る事が出来る方法があるのだ。
もちろんある程度高品質である事は大前提ではあるが。
「ハイネは私の音楽を聴いて、これがやってみたいって強く思ったから私の舎弟になるなんて言い出したのよね?」
「そうっす」
「それと似たようなものかなぁ」
そう言いながら、私は着ているアッカマン商会で作られた、商会のロゴ入りの服を指さす。
ちなみにこの場に居る全員が同じロゴの入った服で全身を固め、身に着けているアクセサリーもアッカマン商会からレンタルされたものだ。控室のテントにもロゴがでかでかと書いてある。
私のした事、それは、私達がアッカマン商会というブランドの広告塔になる事だった。
「有名な人や、カッコ良い人が服をカッコよく着こなしてたら、自分も真似してみたいって思うのが人間でしょ」
「……そんなもんすかねぇ?」
「そんなもんよ」
自信満々に言っている私だが、実は内心ドッキドキである。でもここで実は自信ないんですぅなんて言ったら間違いなくみんなが動揺してしまうし、作戦もうまくいかないだろう。
だからあえて私は自信があるふりをしていた。
「あ、エマ。今日はそんなに揺らさなくていいからね」
「突然何の話をしてるんですかぁっ」
唐突に胸の話題を振られ、それまで真面目な顔で頷いていたエマの顔が羞恥に歪む。
「むしろ見ている女性に、あんな綺麗な人になりたいなって思わせないといけないから揺らしちゃダメ。さらし巻きなさい、さらし」
私は白い布を手に、自らの胸を必死に防御しているエマに襲い掛かった。
「ひ~んっ! ちょっ、待ってくださいぃ! あ、ダメっ。そこさわりゃないでぇぇぇっ」
「チッ、なんてこと。おっぱいが私の手から逃げる!? 意思を持ったおっぱいだとでもいうの?」
「まっ、やっ……。服に手をかけないでぇぇっ! 見ないでください、殿下ぁぁっ! ハイネさんん~~っ!!」
エマの悲鳴に押される形で慌ててハイネとグラジオスはテントを逃げ出したのだった。
チョットしたトラブルはあったものの(モデルは胸が小さい方が良いという話をチラリと思い出したからであって、決して私怨が理由ではない)、私達の準備は完全に整った。
後は歌って盛り上げるだけ。
周りに視線を向けてみれば、ハイネは目を瞑ってドラムを叩き、エマは一回り小さくなった胸を押さえて歌詞をつぶやいている。
グラジオスだけが私と視線を合わせ、小さく微笑んでくれた。
大丈夫だ。
グラジオスは何も言っていないはずなのに、そんな声が聞こえた気がした。
「あ、あの。しょ、商会の準備もできた、そうです」
年相応のあどけなさを残したピーターが、テントの入り口から頭だけ出して教えてくれる。
それを合図に、全員の顔が緊張で引き締まった。
「じゃ、行こう」
「ああ」
「うっす」
「はいっ」
各々の返事を、私はしっかりと受け止めてから歩き出す。
「ピーター、ありがと」
すれ違いざまに、色々と走り回ってくれた少年の肩を叩いたのだが、
「ありがとうって、言われる覚え、ありません。だって、僕は、やってもらっててばっかりで……なにも……」
ピーターは思いもかけない幸運に戸惑っている様だった。
でもそれは私からしたら受け取って当然の幸運だ。
ピーターは自分の好きな事を貫いて、自分で進もうとした。一生懸命内気な自分を奮い立たせて私にいらっしゃいませと声をかけてくれた。
なら私はその手を掴んであげなきゃいけない義務がある。
私は、この世界の人みんなに、そうしてもらったのだから。
「大丈夫、ピーターは自分の事をきちんとやってるよ。だからこれは神様がくれたご褒美なんだ、位に思っとけばいいよ。それでも貰い過ぎだって思うなら、将来誰かの夢を応援してあげればいいじゃない」
「そうっすよ~。ガキは遠慮なんかするもんじゃないっす」
ハイネが手を伸ばしてピーターの頭をグシグシと撫でる。
「民が自分の夢を追える。そのために俺が居るのだからな」
自分で言っててちょっと恥ずかしかったのか、グラジオスは言い終わった後軽く咳払いをする。
「私は、主の補佐をするのがお仕事ですから」
エマはとてもメイドらしい理由なのだが、お仕事なんて義務的な理由じゃない事はみんなが知っている。
今日という日が来るまで、領主館でピーターの世話を一番焼いていたのはエマなのだから。
「というか姉御。実はピーターをダシにして自分が大きな舞台で歌いたいだけっすよね」
「あ、バレた?」
私は笑いながら小さく舌を出しておどけてみせた。
うん、いい具合に肩の力が抜けたかも。
「そういうわけだからピーターは私達の歌を楽しんで聴いてくれると嬉しいな。というかそんな辛気臭い顔して聴かれると迷惑かも」
私はピーターの頬をつまんで無理やり引っ張り上げる。
うっ、ピーターちょっとだけど私より背が高い……。
「笑って、ね? それが一番私達にとって嬉しい事だから」
そう言ってから、私はゆっくりと手を離す。
ピーターの両頬は、やや不格好ながらも私の助けなしに笑顔の形を保っていた。
――たった一つの想い――
私は用意された即席の舞台に向かいながら歌を口ずさみ始める。
静かに、しかし力強く、魂の奥底から沸き上がってくる感情を言の葉に変えて。
それを追いかける様にエマが同じ旋律を同じ音程で歌い始める。
重なった歌声はより深く響き、広がっていく。
グラジオスの奏でるヴァイオリンの音色が重なり、ハイネの小さくシャンシャンと鳴らすシンバルの音が添えられる。
その二つは、楽器であるはずなのにどこか語り掛ける様な音色で、聴く者の感情を揺さぶった。
歌に呑み込まれ、時が止まった様な世界の中を、私達は進む。
道行く人々は、息をするのもはばかるというように、私達が通り過ぎるのをただただ見つめていた。
そして私たちは舞台にたどり着いた。それと同時に歌も終わる。
それでも人々は静かに私達を見つめている。
分かっているからだ。
歌は終わった。でも、まだ舞台は終わっていない。否、始まってすらいないと。
幕が上がるまでの神聖な時間を自分たちが穢してはいけないと。
私達は針を落としても聞こえそうなくらいの静寂の中、舞台へと上がって各々の楽器をセットしていく。
それが終わった時――。
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