始まりの村で武器屋やってますが何か?

ああああ

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「そろそろニ年か…」
短剣を整理しながらふとにきた時のことを思い出す。


「…ここはどこだ…?」
真っ先にそう思った。明らかに日本でないことは目の前に生える見たこともない植物から理解できた。ただどこであるかなど検討もつかなかった。
俺は確か徹夜明けでやっときた休日を前に戦略的睡眠をとっていたはずでは…?
あぁ、夢か…。
ただ、夢にしてはリアル過ぎる。こんなにもしっかりとした感覚があるものだったか?
そんなことを考えていた最中、目の前にが飛び出してきた。
ヌメっとした見た目、丸い体…。
スライムか…?これ?
こんなのRPGでしかみたことねえぞ。
そのスライム?はこっちに謎の液体を吐いてきた。不意をつかれその液体を浴びてしまった。その刹那、体に激痛が走った。
痛みを感じてる…!
その瞬間、計り知れない恐怖を感じた。死という人間の考える最大限の恐怖。逃げ出そうと思うが恐怖で足が動かない。
だめだ…逃げなければ…!
「フレイム!!」
魔法陣が現れ、目の前のスライムが焼きつく。
「危ないところでしたね…」
後ろを振り返るといかにも魔女ですって感じの少女が立っていた。
「私はノエル。ノエル・レイエス。あなたは?」
「信だ。斎藤信。ここはどこだ?」
「どこだって…迷いの森じゃないですか?」
迷いの森…?なんだその変な地名は…
「すまない、知らない。」
「自分で来たのに知らないなんて。もしかして記憶喪失ってやつですか?」
「まぁ、そんなのかもしれないなぁ…」
「とりあえず、うちに来ますか?記憶がないと変に行動もできないでしょう。」
「助かる、ありがとう。」
ノエルは家まで案内してくれた。どうやら彼女は道具屋をやってるらしい。森を抜け、栄えた町が見えてきた。
「おい、あんちゃん。寄ってかねぇか?安くしてやるぜ!」
「そこの坊や。おまけしてあげるから、少し買っていきんなさいな。」
「すごい賑わってますねぇ。」
「ええ。何せここは王国街の町エルタリアですからね。あっそこの店が私の店です。」
そこには古めかしくつたが生え茂った店が建っていた。
「すみません、少し散らかっているので片付けますね。」
彼女はせわしく机の上に乗ってる本や砂時計などを片した。
「はいっ、紅茶でもどうぞ!」
「ありがとう。」
熱すぎずちょうど良い温度の紅茶はなんとも味わったことのないような絶妙な味だった。
「記憶もないんじゃどうすればいいか分からないから、とりあえずステータスを見てもいいですか?」
彼女は店の奥から水晶玉と紙、筆を持ってきた。
「じゃここに手を。」
「おっおう。」
手を置いた瞬間、水晶玉が光り出した。そして筆が宙へ浮き、紙に文字が綴られていく。
本当にこの世界はなんでもありだな…。
「さて結果が出ました。えっと、レベル1……ですか?」
「レベル1…?なんだそれは。」
「この世界にはレベルというものがあります。レベルは基本的にモンスター…さっきのスライムみたいなのを倒すことで上がります。それ以外にも基本的な生活をするだけでも上がるはずです。それなのにあなたのレベルは1…。おかしいですね。」
「その話の答え、わしが教えてやろう。」
店の奥から細い声が聞こえる。
「お前さん、さては異世界人じゃな。」
「しっ、師匠!?」
「師匠…?」
「20年前にもこんなことがあったのう。懐かしい。前にあったもレベル1じゃった。」
「このばあさんは一体?誰だ?」
「ああ、申し遅れた。わしはツベル。ここの店主じゃ。」
「そして私の師匠です…!」
「ノエル、ステータス表を見せてくれんか。異世界人ならスキルを取得してるはず…。どれどれ…。なんじゃこれ?〝結合〟?聞いたことがないのう。」
「〝結合〟…?防御系統でしょうか?」
「この毛色、おそらく変化系統じゃな。」
「変化系統ってなんだんだ、ばあさん。」
「変化系統ってゆうのはな、簡単に言うと戦闘に適してない能力のことじゃ。」
なんだそのゴミみたいな能力は。
「まぁ、残念賞じゃ。しょうがない。」
「前の異世界人はそんなことなかったんじゃがな。」
「前の異世界人ってどんなやつだっんだんだ?」
「前の異世界人は無口な女でのう。助けてやんだんだが、すぐに店を出て行ってしまった。迷惑をかけたくなかったんじゃろうなぁ。その後会うことはなかったが、あいつのスキルは最強クラスじゃったんじゃよ。」
「なるほどなぁ。」
「まぁでもそんな聞いたことのないスキルじゃ。案外使えるかもしれん。」
「…フォローありがとよ。まぁなんとか状況は分かってきた。すげぇ世界だな。ここは。」
「普通に暮らせるようになるまではわしが面倒を見てやるから安心せい。その代わり、店を手伝ってもらうぞ。」

それからは月日が飛ぶように流れた。店番を任せたり、魔道具を作らされたり、忙しい毎日だった。充実していた日々だったと思う。ただ、さすがにここまで面倒を見てもらうのは悪いような気がしてある日の夜、手紙を残して店を出た。前のの気持ちもなんとなくわかった。とりあえず、この町から離れたかったので王国街から一番遠い町ビクトルまで馬車を乗り継ぎ、建物を借り、武器屋を作った。ノエルやツベルに武器の作り方は教えられていたため、それなりの生活を送ることができた。


そしてまた日々は過ぎていき今に至る。
つくつぐ、俺は何をしているんだろうって気持ちになる。異世界にも来て俺は何をやってるんだか。
扉が開く音をした。
「武器を売って…欲しい。できれば鎌を。今すぐ。」
血に滲んだ服、半分欠けてぼろぼろの鎌、黒髪の少女。

この夜から彼の日々は傾き始める。










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