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監禁
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「アラン。どこへ行くの?」
家へ帰してもらえるのだろうと思っていたリリーは、見たことのない外の景色に困惑していた。
残念ながら、リリーはもう実家へは帰れない。
完全に僕だけのものとなったのだ。
リリーの両親からは婚約どころか婚姻の許可も得ている。学園での殿下とあの女の不義が社交界でも噂されるようになった頃、僕は彼女の両親の元へ婚約の話をしに行っていた。勿論リリーは知る由もないだろうが。
第2王子の不義の決定的証拠と傷心して弱っているリリーの学園での様子を伝えれば、彼女の両親はその場で快諾してくれた。今までの信頼関係がある分、殿下よりも僕にリリーを任せたほうが彼女も幸せになれるだろうと考えたのだ。そして彼女を自分の屋敷に引き取りたいという提案も、時間はかかったが結果的に受け入れてもらえた。
「僕達がこれから生活する別邸だよ。リリーの両親も、ほとぼりが冷めるまではそこでおとなしくしてって…。」
「そんな…。」
少し気まずく、言いづらいことを言うかのように…。
まるでリリーの両親が、婚約破棄された彼女には帰ってきてほしくないかのような言い方をすると彼女は驚きと悲しみの表情を隠せずにいた。実際はそんなこと全くないのだが、勿論真実は伝えない。
今まで仲良くしていた婚約者や友だけでなく深い絆で結ばれた両親にすら見捨てられ、彼女の心はとてつもなく深い傷を負っただろう。本来ならば彼女がそんな言葉を信じる筈もないのだが、今は心が不安定なのだ。疑う余裕もない筈だ。
全て僕のせいだ。あの第2王子のせいにはさせない。僕がリリーを救うのだから。
お願いだから、僕だけを見て。
僕は君に大切に思われている両親にだって嫉妬してしまう程器の小さい男なんだ。
「大丈夫。僕が絶対に幸せにするから。」
あと数か月で学園は卒業する。そうすれば僕は公爵家の当主となり、リリーを守る十分な力を手に入れることができる。
正直今すぐ父親に冤罪をかけて領地に幽閉させてもいいのだが、その前にリリーの心の傷を癒さなければならない。
そして僕だけを信じ、愛してくれるようになって欲しい。
リリーの華奢な体を抱き締めれば、まるでそれに応えるかのようにリリーの手が僕の腕を握った。
彼女が今信用できるのは僕だけなのだ。
「アラン…。愛してるわ。」
まるで自分自身に言い聞かせるかのように、深い悲しみと慈愛をもって呟かれた言葉。
そんな言葉でも長年の片想いで歪んだ僕の心を満たすには十分だった。
◇◆◇
誰も信用できない。
お父様もお母様も、今まで仲良くしていた学友達も皆、陰で私を疎んでいたのだ。だから私は捨てられた。
私は皆を愛していたけれど、私自身は誰からも愛されてなどいなかったのだ。
…人が怖い。そして深い悲しみと絶望に押しつぶされそうな程苦しい。
誰か、助けて…。
「…リー、リリー。」
優しい温もりに包まれて、私の意識は呼び起こされた。
もう感じないと思っていたはずの人の温もり。
霞む視界に映るのは、心配そうな表情をしたアランの整った顔。
「ぁらん…?」
――全て悪い夢だったらよかったのに。
しかし彼の悲痛な表情と、その奥にある見慣れない部屋の景色は昨日の出来事が全て現実であることを示していた。
悪夢のせいか昨日の出来事のせいか私の頬は涙で濡れており、今もこの涙は止まりそうにない。
安易に人を信じてしまった私が愚かだったのだろうか。
「嗚呼、泣かないでリリー。」
アランの声は酷く穏やかで慈愛に満ちていた。
私の目尻にたまる涙を指で優しく拭い、彼は私の頬にキスを落とす。
私がこんなに落ちぶれても尚、彼は私のそばにいてくれる。
…けれど内心は、ほかの人達と同じように私のことを嫌っているのではないだろうか。
アランに抱き締められた状態で、私の手足からは血の気が引いていく。
もしこれでアランからも疎まれていると知ってしまえば、私の心は完全に壊れてしまうような気がした。
答えを聞くのが怖くてこのことには触れられない。
けれどもしアランが純粋に私を好いているならば、不信感を抱いたまま接すると彼を傷つけてしまうことになる。
やはり素直に聞くべきなのだろうか。
正直とても怖い。そんなつもりはないのに体が震えてしまう。
「あの、アラン…。」
「リリー。」
涙も震えも止まらない私の言葉を、アランは優しい声色で遮った。
なんて哀れな女だろうか。ただ幼馴染に質問をしたいだけなのに、そんなことも満足にできないなんて。
…人から疎まれることがこんなに恐ろしいことだなんて知らなかった。
アランは私の頬を両手で包み込むと慈愛に満ちた笑顔を浮かべる。
まるで全てを見透かしているかのように。
「僕はリリーのことが一目会ったときから好きなんだ…。リリーがどんな姿になっても、周りからなんて言われようとも僕だけはずっと君を愛してる。絶対にリリーのことを裏切らない。…この気持ちは嘘じゃないよ。」
アランの言葉は甘い紅茶のように、いとも簡単に私の心を満たしていった。
彼の豊富な睫毛に隠された紫色の瞳は愛おしそうに私の姿を映している。
――アランは私のことを裏切らない。
ずっと愛してくれる。
私が今一番求めていた言葉をくれるアランは、本当に私のことを想ってくれているように思えた。
彼のことを信じよう。
きっと彼は純粋に私のことを愛してくれているのだ。
私はアランの温もりにすがるように、彼の背中に腕をまわした。
不思議と先程までの苦しさは消えていた。
◇◆◇
別邸には公爵家から選りすぐりの使用人を必要最低限の人数だけ用意した。
それはリリーの存在を外界から隠すため、僕が屋敷にいない間に彼女の身が危険に晒されないようにするためだ。
リリーと面識のない使用人たちには彼女を屋敷から出さず、無駄な会話もしないように命じた。また、彼女に呼ばれた時以外は彼女の前に姿を出さないようにとも。
リリーを外に出すつもりも、ましてや他人の目に触れさせるつもりもない。使用人とて例外ではないのだ。
まあ暫くは僕が一人で面倒を見るので、彼女たちが別邸にやってくるのは数か月後の話なのだが。
あの婚約破棄の件から数日が経った。
僕は学園での成績が優秀だったこともあり、卒業課題をこなすために登校すれば良い程度には休むことができる。
リリーも今までの成績が優秀のため、また今回の件を考慮した結果心身衰弱による休学という扱いながらも卒業課題さえ提出すれば卒業できることとなった。
そしてあの第2王子の処罰は王位継承権の剥奪のみにとどまった。正直除籍するべきだとも思うが、殿下がもともと賢く、今は改心して公務に臨んでいること。結果的に僕とリリーが婚姻できたことに両公爵家が喜んでいることから殿下の処罰は軽いものとなった。だからと言って僕達公爵家が王子を許したわけではないのだが。
今後は僕達両家の両親が王族に対して何らかの制裁を加えていくのだろう。まだ跡を継いでいない僕には関係のない話だ。
別邸に来た僕らは言葉通り一日中共に過ごしていた。最初の頃はだいぶ不安定だった彼女も、今は僕によって作られた環境で僕と共に過ごしているため精神は大分安定している。
しかしたまに悪夢にうなされており、涙を流す彼女は美しかった。勿論本人に伝えるつもりことはないが。
件のことがあったせいで、彼女の精神は今までよりも脆くなった。
常に僕を求めるようになり、一人を嫌うのだ。
今までの完璧な淑女の姿は消え、どんな時も笑顔を浮かべていた彼女の表情はコロコロと変わるようになった。
きっともう着飾る必要はないと本能で理解したのだろう。彼女はいままで抑えていた感情を開放するかのように無垢な笑顔をよく浮かべるようになった。けれど元々純真な彼女の心には怒りや憎しみといった感情はないようで、驚きや喜びにのみ表情を変えていた。恐らく無意識であろう甘える姿も本当に愛らしいのだ。
だからその分、たまに悲しみを押し殺したかのような笑顔を浮かべている姿はとても痛々しい。
彼女は僕と、僕の手によって幸せになって欲しいのだ。
勿論邪魔者は排除する。
家へ帰してもらえるのだろうと思っていたリリーは、見たことのない外の景色に困惑していた。
残念ながら、リリーはもう実家へは帰れない。
完全に僕だけのものとなったのだ。
リリーの両親からは婚約どころか婚姻の許可も得ている。学園での殿下とあの女の不義が社交界でも噂されるようになった頃、僕は彼女の両親の元へ婚約の話をしに行っていた。勿論リリーは知る由もないだろうが。
第2王子の不義の決定的証拠と傷心して弱っているリリーの学園での様子を伝えれば、彼女の両親はその場で快諾してくれた。今までの信頼関係がある分、殿下よりも僕にリリーを任せたほうが彼女も幸せになれるだろうと考えたのだ。そして彼女を自分の屋敷に引き取りたいという提案も、時間はかかったが結果的に受け入れてもらえた。
「僕達がこれから生活する別邸だよ。リリーの両親も、ほとぼりが冷めるまではそこでおとなしくしてって…。」
「そんな…。」
少し気まずく、言いづらいことを言うかのように…。
まるでリリーの両親が、婚約破棄された彼女には帰ってきてほしくないかのような言い方をすると彼女は驚きと悲しみの表情を隠せずにいた。実際はそんなこと全くないのだが、勿論真実は伝えない。
今まで仲良くしていた婚約者や友だけでなく深い絆で結ばれた両親にすら見捨てられ、彼女の心はとてつもなく深い傷を負っただろう。本来ならば彼女がそんな言葉を信じる筈もないのだが、今は心が不安定なのだ。疑う余裕もない筈だ。
全て僕のせいだ。あの第2王子のせいにはさせない。僕がリリーを救うのだから。
お願いだから、僕だけを見て。
僕は君に大切に思われている両親にだって嫉妬してしまう程器の小さい男なんだ。
「大丈夫。僕が絶対に幸せにするから。」
あと数か月で学園は卒業する。そうすれば僕は公爵家の当主となり、リリーを守る十分な力を手に入れることができる。
正直今すぐ父親に冤罪をかけて領地に幽閉させてもいいのだが、その前にリリーの心の傷を癒さなければならない。
そして僕だけを信じ、愛してくれるようになって欲しい。
リリーの華奢な体を抱き締めれば、まるでそれに応えるかのようにリリーの手が僕の腕を握った。
彼女が今信用できるのは僕だけなのだ。
「アラン…。愛してるわ。」
まるで自分自身に言い聞かせるかのように、深い悲しみと慈愛をもって呟かれた言葉。
そんな言葉でも長年の片想いで歪んだ僕の心を満たすには十分だった。
◇◆◇
誰も信用できない。
お父様もお母様も、今まで仲良くしていた学友達も皆、陰で私を疎んでいたのだ。だから私は捨てられた。
私は皆を愛していたけれど、私自身は誰からも愛されてなどいなかったのだ。
…人が怖い。そして深い悲しみと絶望に押しつぶされそうな程苦しい。
誰か、助けて…。
「…リー、リリー。」
優しい温もりに包まれて、私の意識は呼び起こされた。
もう感じないと思っていたはずの人の温もり。
霞む視界に映るのは、心配そうな表情をしたアランの整った顔。
「ぁらん…?」
――全て悪い夢だったらよかったのに。
しかし彼の悲痛な表情と、その奥にある見慣れない部屋の景色は昨日の出来事が全て現実であることを示していた。
悪夢のせいか昨日の出来事のせいか私の頬は涙で濡れており、今もこの涙は止まりそうにない。
安易に人を信じてしまった私が愚かだったのだろうか。
「嗚呼、泣かないでリリー。」
アランの声は酷く穏やかで慈愛に満ちていた。
私の目尻にたまる涙を指で優しく拭い、彼は私の頬にキスを落とす。
私がこんなに落ちぶれても尚、彼は私のそばにいてくれる。
…けれど内心は、ほかの人達と同じように私のことを嫌っているのではないだろうか。
アランに抱き締められた状態で、私の手足からは血の気が引いていく。
もしこれでアランからも疎まれていると知ってしまえば、私の心は完全に壊れてしまうような気がした。
答えを聞くのが怖くてこのことには触れられない。
けれどもしアランが純粋に私を好いているならば、不信感を抱いたまま接すると彼を傷つけてしまうことになる。
やはり素直に聞くべきなのだろうか。
正直とても怖い。そんなつもりはないのに体が震えてしまう。
「あの、アラン…。」
「リリー。」
涙も震えも止まらない私の言葉を、アランは優しい声色で遮った。
なんて哀れな女だろうか。ただ幼馴染に質問をしたいだけなのに、そんなことも満足にできないなんて。
…人から疎まれることがこんなに恐ろしいことだなんて知らなかった。
アランは私の頬を両手で包み込むと慈愛に満ちた笑顔を浮かべる。
まるで全てを見透かしているかのように。
「僕はリリーのことが一目会ったときから好きなんだ…。リリーがどんな姿になっても、周りからなんて言われようとも僕だけはずっと君を愛してる。絶対にリリーのことを裏切らない。…この気持ちは嘘じゃないよ。」
アランの言葉は甘い紅茶のように、いとも簡単に私の心を満たしていった。
彼の豊富な睫毛に隠された紫色の瞳は愛おしそうに私の姿を映している。
――アランは私のことを裏切らない。
ずっと愛してくれる。
私が今一番求めていた言葉をくれるアランは、本当に私のことを想ってくれているように思えた。
彼のことを信じよう。
きっと彼は純粋に私のことを愛してくれているのだ。
私はアランの温もりにすがるように、彼の背中に腕をまわした。
不思議と先程までの苦しさは消えていた。
◇◆◇
別邸には公爵家から選りすぐりの使用人を必要最低限の人数だけ用意した。
それはリリーの存在を外界から隠すため、僕が屋敷にいない間に彼女の身が危険に晒されないようにするためだ。
リリーと面識のない使用人たちには彼女を屋敷から出さず、無駄な会話もしないように命じた。また、彼女に呼ばれた時以外は彼女の前に姿を出さないようにとも。
リリーを外に出すつもりも、ましてや他人の目に触れさせるつもりもない。使用人とて例外ではないのだ。
まあ暫くは僕が一人で面倒を見るので、彼女たちが別邸にやってくるのは数か月後の話なのだが。
あの婚約破棄の件から数日が経った。
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リリーも今までの成績が優秀のため、また今回の件を考慮した結果心身衰弱による休学という扱いながらも卒業課題さえ提出すれば卒業できることとなった。
そしてあの第2王子の処罰は王位継承権の剥奪のみにとどまった。正直除籍するべきだとも思うが、殿下がもともと賢く、今は改心して公務に臨んでいること。結果的に僕とリリーが婚姻できたことに両公爵家が喜んでいることから殿下の処罰は軽いものとなった。だからと言って僕達公爵家が王子を許したわけではないのだが。
今後は僕達両家の両親が王族に対して何らかの制裁を加えていくのだろう。まだ跡を継いでいない僕には関係のない話だ。
別邸に来た僕らは言葉通り一日中共に過ごしていた。最初の頃はだいぶ不安定だった彼女も、今は僕によって作られた環境で僕と共に過ごしているため精神は大分安定している。
しかしたまに悪夢にうなされており、涙を流す彼女は美しかった。勿論本人に伝えるつもりことはないが。
件のことがあったせいで、彼女の精神は今までよりも脆くなった。
常に僕を求めるようになり、一人を嫌うのだ。
今までの完璧な淑女の姿は消え、どんな時も笑顔を浮かべていた彼女の表情はコロコロと変わるようになった。
きっともう着飾る必要はないと本能で理解したのだろう。彼女はいままで抑えていた感情を開放するかのように無垢な笑顔をよく浮かべるようになった。けれど元々純真な彼女の心には怒りや憎しみといった感情はないようで、驚きや喜びにのみ表情を変えていた。恐らく無意識であろう甘える姿も本当に愛らしいのだ。
だからその分、たまに悲しみを押し殺したかのような笑顔を浮かべている姿はとても痛々しい。
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