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そらくんといちごのパーティー
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そらくんは、ちいさいおとこのこです。
きょうは、いちろうおじさんの、いちごばたけで、いちごつみのおてつだい。
「そらくん、きょうは、たくさんてつだってくれて、たすかったよ。さあ、これは、そらくんとおかあさんへ、おすそわけだよ」
そういって、いちろうおじさんは、いちごがたくさんはいったカゴを、そらくんへ、てわたしました。
「おすそわけ?」
そらくんは、カゴをうけとりながら、なんのことだろう、とおもいました。
「おいしいものを、みんなにわけてあげることを、『おすそわけ』っていうんだよ」
いちろうおじさんは、わらっていいました。
「おじさん、ありがとう。おかあさんといっしょにたべるね」
かえりみち、そらくんが、もりのいりぐちまでやってくると、
ぴょんぴょんぴょん
うさぎのおやこに、であいました。
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごですね」
「うさぎさん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、うさぎさんに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、うさぎのおかあさんと、こどもたちにひとつずつ、いちごをわけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
しばらくいくと、
ちゅんちゅんちゅん
ことりさんたちにであいました。
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごですね」
「ことりさん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、ことりさんたちに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、もっていたそらいろのハンカチをいわのうえに、ひろげると、そこへいちごをのせて、ことりさんたちに、わけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
またしばらくいくと、
のっしのっしのっし
くまさんにであいました。
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごだね」
「くまさん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、くまさんに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、くまさんのりょうていっぱいに、いちごをわけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
もりをぬけて、しばらくいくと、おともだちのミミちゃんのいえのまえに、やってきました。
にわで、おままごとをしていたミミちゃんが、かけよってきて、
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごね」
「ミミちゃん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、ミミちゃんに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、ミミちゃんがもっていた、おままごとの、おさらいっぱいに、いちごをわけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
そらくんは、じぶんのいえがみえてきたところで、おもわず、はしりだしました。
おかあさんに、はやくいちごをみせてあげたかったからです。
ところが、いしにつまづいて、
おっとっと
ころんでしまいました。
もっていたカゴが、ひっくりかえり、いちごが、つぎつぎに、じめんをころがっていきました。
ころころころころ、ぽとん、ぽとん、ぽとん
いちごは、じめんにぽっかりあいていたあなのなかに、おちてしまいました。
そらくんは、すりむいたひざのいたみも、きにせずに、すぐにたちあがると、あなへかけよりました。
あなは、まっくらで、なかがみえません。
「どうしよう、せっかくのいちごが、おっこちちゃった」
するとそのとき、
ぴょこんと、あなから、もぐらくんが、かおをだしました。
「そらくん、いちごをくれたのは、きみかい?」
「ここは、もぐらさんのおうちだったんだね」
そらくんは、ほっとして、いいました。
「いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ、もぐらさんに、おすそわけ」
「そらくん、どうもありがとう」
そらくんは、からっぽのカゴをかかえて、いえにかえりました。
そして、おかあさんにいいました。
「いちろうおじさんに、いちごをたくさんもらったけど、みんなにおすそわけしたら、
ぜんぶ、なくなっちゃった」
「みんなって、だあれ?」
おかあさんが、たずねました。
「うさぎさんおやこと、ことりさんと、くまさんと、ミミちゃんと、もぐらさん」
と、そらくんは、ゆびをおりながら、こたえました。
おかあさんは、びっくりして、でも、にこにこして、いいました。
「みんなよろこんだでしょうね。とってもいいことをしたわね、そらくん」
しばらくして、トントントン
そらくんのいえのドアを、だれかがノックしました。
そらくんが、ドアをあけると、そこには、
うさぎさんおやこと、ことりさんたちと、くまさんと、ミミちゃんと、もぐらさんがいたのです。
「そらくんに、おすそわけ」
みんな、こえをそろえて、いいました。
そらくんは、みんなから、いろんなものをもらいました。
うさぎさんおやこからは、おおきなにんじん。
とりさんたちからは、そらいろのハンカチにつつまれた、たくさんのブルーべりー。
くまさんからは、つぼにはいった、はちみつ。
「そらくんにもらったいちごで、ママがケーキをつくってくれたのよ」
ミミちゃんからは、おいしそうなイチゴのケーキ。
もぐらさんからは、つちからほりたての、さつまいも。
「みんな、どうもありがとう」
そらくんは、うれしくて、みんなに、おれいをいいました。
それから、そらくんのおうちでは、みんながもってきてくれたたべものを、みんないっしょに、りょうりしました。
にんじんとはちみつのジュース。
ブルーベリーソースがかかったスイートポテト。
そしてミミちゃんがもってきてくれたいちごのケーキも、テーブルにならべて、
おすそわけパーティの、はじまりです。
そらくんはおもいました。
『おすそわけ』って、うれしくって、おいしくって、とってもたのしい!
しばらくすると、いちろうおじさんも、やってきました。
「そらくんが、ぶじにいえについたかどうか、しんぱいでね」
と、さらに、いちごがたくさんはいった、カゴをもってきてくれました。
おしまい。
きょうは、いちろうおじさんの、いちごばたけで、いちごつみのおてつだい。
「そらくん、きょうは、たくさんてつだってくれて、たすかったよ。さあ、これは、そらくんとおかあさんへ、おすそわけだよ」
そういって、いちろうおじさんは、いちごがたくさんはいったカゴを、そらくんへ、てわたしました。
「おすそわけ?」
そらくんは、カゴをうけとりながら、なんのことだろう、とおもいました。
「おいしいものを、みんなにわけてあげることを、『おすそわけ』っていうんだよ」
いちろうおじさんは、わらっていいました。
「おじさん、ありがとう。おかあさんといっしょにたべるね」
かえりみち、そらくんが、もりのいりぐちまでやってくると、
ぴょんぴょんぴょん
うさぎのおやこに、であいました。
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごですね」
「うさぎさん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、うさぎさんに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、うさぎのおかあさんと、こどもたちにひとつずつ、いちごをわけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
しばらくいくと、
ちゅんちゅんちゅん
ことりさんたちにであいました。
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごですね」
「ことりさん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、ことりさんたちに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、もっていたそらいろのハンカチをいわのうえに、ひろげると、そこへいちごをのせて、ことりさんたちに、わけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
またしばらくいくと、
のっしのっしのっし
くまさんにであいました。
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごだね」
「くまさん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、くまさんに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、くまさんのりょうていっぱいに、いちごをわけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
もりをぬけて、しばらくいくと、おともだちのミミちゃんのいえのまえに、やってきました。
にわで、おままごとをしていたミミちゃんが、かけよってきて、
「そらくん、こんにちは。おいしそうないちごね」
「ミミちゃん、これは、いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ。はい、ミミちゃんに、おすそわけ」
そらくんは、そういって、ミミちゃんがもっていた、おままごとの、おさらいっぱいに、いちごをわけてあげました。
「そらくん、どうもありがとう」
そらくんは、じぶんのいえがみえてきたところで、おもわず、はしりだしました。
おかあさんに、はやくいちごをみせてあげたかったからです。
ところが、いしにつまづいて、
おっとっと
ころんでしまいました。
もっていたカゴが、ひっくりかえり、いちごが、つぎつぎに、じめんをころがっていきました。
ころころころころ、ぽとん、ぽとん、ぽとん
いちごは、じめんにぽっかりあいていたあなのなかに、おちてしまいました。
そらくんは、すりむいたひざのいたみも、きにせずに、すぐにたちあがると、あなへかけよりました。
あなは、まっくらで、なかがみえません。
「どうしよう、せっかくのいちごが、おっこちちゃった」
するとそのとき、
ぴょこんと、あなから、もぐらくんが、かおをだしました。
「そらくん、いちごをくれたのは、きみかい?」
「ここは、もぐらさんのおうちだったんだね」
そらくんは、ほっとして、いいました。
「いちろうおじさんのはたけでつんだ、とってもおいしいいちごだよ、もぐらさんに、おすそわけ」
「そらくん、どうもありがとう」
そらくんは、からっぽのカゴをかかえて、いえにかえりました。
そして、おかあさんにいいました。
「いちろうおじさんに、いちごをたくさんもらったけど、みんなにおすそわけしたら、
ぜんぶ、なくなっちゃった」
「みんなって、だあれ?」
おかあさんが、たずねました。
「うさぎさんおやこと、ことりさんと、くまさんと、ミミちゃんと、もぐらさん」
と、そらくんは、ゆびをおりながら、こたえました。
おかあさんは、びっくりして、でも、にこにこして、いいました。
「みんなよろこんだでしょうね。とってもいいことをしたわね、そらくん」
しばらくして、トントントン
そらくんのいえのドアを、だれかがノックしました。
そらくんが、ドアをあけると、そこには、
うさぎさんおやこと、ことりさんたちと、くまさんと、ミミちゃんと、もぐらさんがいたのです。
「そらくんに、おすそわけ」
みんな、こえをそろえて、いいました。
そらくんは、みんなから、いろんなものをもらいました。
うさぎさんおやこからは、おおきなにんじん。
とりさんたちからは、そらいろのハンカチにつつまれた、たくさんのブルーべりー。
くまさんからは、つぼにはいった、はちみつ。
「そらくんにもらったいちごで、ママがケーキをつくってくれたのよ」
ミミちゃんからは、おいしそうなイチゴのケーキ。
もぐらさんからは、つちからほりたての、さつまいも。
「みんな、どうもありがとう」
そらくんは、うれしくて、みんなに、おれいをいいました。
それから、そらくんのおうちでは、みんながもってきてくれたたべものを、みんないっしょに、りょうりしました。
にんじんとはちみつのジュース。
ブルーベリーソースがかかったスイートポテト。
そしてミミちゃんがもってきてくれたいちごのケーキも、テーブルにならべて、
おすそわけパーティの、はじまりです。
そらくんはおもいました。
『おすそわけ』って、うれしくって、おいしくって、とってもたのしい!
しばらくすると、いちろうおじさんも、やってきました。
「そらくんが、ぶじにいえについたかどうか、しんぱいでね」
と、さらに、いちごがたくさんはいった、カゴをもってきてくれました。
おしまい。
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