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不審な香り
第二話
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「東宮、ご自分の立場に合った素行をなさった方がよろしいかと」
チクリと嫌みを言ったのだが、それが通じない相手だということは昔からよく知っている。
わかってはいるが、一応苦言はしておく。
目の前の東宮は私の畏まった態度が気に入らないようで、何度も心揺さぶるような言葉を投げてくる。
「恋を知らぬと思っていた敦正が、まさかまさかだなぁ!」
「……」
ニヤニヤと意地悪く笑う様は、本当に殴りたくなるほどだ。さすがに今は身分の差が歴然としているのでできないが、幼い頃ならとっくの昔にぶん殴っていただろう。
素知らぬ顔をして話半分を聞くことにする。
黙ったままの私に、東宮はすり寄ってきた。そしてもったいぶったように小声で話しかけてくる。
「のぅ、敦正。どんな恋文を書いているのか。私にも見せてみろ」
「……」
冗談じゃない。どうして人の恋文を東宮に見せなくてはいけないのか。
見せたが最後、散々人をおちょくって弄り倒して楽しまれるだけだ。
自分で言うのもなんだが、あれだけ熱烈な恋文だ。東宮が読んだりしたら、ひっくり返ってしまうだろう。
あの恋文は、常の私のキャラでは絶対に書かない代物だ。
それだけ香姫は私を狂わせる何かを持っているということなのだろう。
とにかく、何が何でも東宮には見られたくない。
それより何より、相変わらず東宮は耳聡い。
ツンとそっぽを向く私に、東宮はまだ続ける様子だ。
「少納言家の姫は、変人の宮の心を奪ってしまうほど魅力的な姫なのか?」
「……」
無視だ、無視。そう心に言い聞かせていたのだが、我慢も限界かもしれない。
最初こそ聞く耳持たないという態度をしてきたのだが、だんだんと腹が立ってきた。
いい加減、畏まっているのもバカらしい。
私はわざと東宮にわかるように大きく息を吐いたあと、目の前の従兄弟を見つめた。
「何を仰りたいのか、わかりかねますね」
さてさて何のことでしょうか? ととぼけてみる。
白を切る私に、東宮は肩を竦めて笑った。
「よく言う。私が何を言いたいのか、何を聞いたのか。敦正はわかっているであろう?」
わかっているが言うつもりはない、と私は心の中でごちていると、東宮はフンと鼻で笑った。
こういう時、幼い頃からお互いを知り尽くしていると相手の気持ちなんてすぐにわかってしまう。
それは、東宮にも同じことが言えるのだろうけど。
未だに素知らぬふりをし続ける私に、東宮は興味津々と言った様子で言う。
「お前の利きすぎる鼻でも、傍にいることができる女。それはもう、この世では薫の少納言の娘しかいないであろうな」
「……」
やっぱりすべてお見通しのようだ。全くそんなゴシックネタを東宮に誰が流したのだろう。
チッと心の中で舌打ちをしてしまう。
不機嫌に顔を歪める私に、東宮はフッと力を抜いて笑った。
「お前のことだ。狙った獲物は逃がさないんだろう?」
ニヤニヤと笑いながら私を見つめる東宮には、私の心をすっかり読まれている。
白を切るのもバカバカしくなってきた私は、もう一度大きく息を吐き出した。
この人には開き直りというのも有効な手段だ、と幼い頃からよく知っている。
私は肩をすくめたあと、不敵に笑う。
「ええ、逃がしませんよ」
いきなり素直になった私に驚いたのか。
東宮は一瞬息を呑んで私をジッと見つめたが、すぐに破顔した。
「ああ、絶対に逃がすなよ。やっとお前にも遅い春がやってきたんだ。何が何でもお香の名手、香姫を捕まえろ。私は、お前の幸せな顔を早く見たい」
この従兄弟は兄弟がいないせいか、私を昔から弟のようにかわいがってくれた。
それも時には度が過ぎるような可愛がりさだった。
それは、東宮の従姉妹でもある私の妹たちにも当てはまることなのだが、特に可愛がってくれているのは自分であろう。
こんなふうにからかいながらも、ずっと私のことを東宮は心配していたのは知っている。
なんせ、特殊体質だと言っていいほど利きすぎる鼻を私が持っていることを知っている数少ない一人だ。
だからこそ、心配もしていることだろう。
鼻がきくというのは良いことのように思えるかもしれないが、本人にしてみたらとんでもなく厄介なものだ。
いい香りなら良い。しかし、人には好む香り、好まぬ香りというものがある。
好まぬ香りが強烈に匂ったとしたら、鼻につくどころか、気分まで悪くなってしまう。それが私は特に感じてしまうのだから困り果ててしまう。
今までに興味を抱いた女がいなかったわけではない。
文を書いて、その返事に纏う香りを嗅いで、そこで恋が終わってしまう。
このまま恋もせず、女を抱くこともできずに一生が終わってしまうのかもしれないと絶望を抱いていた。
私は匂いがダメなだけで、健全な男子だ。
好きな女に触れたい、抱きたいと常々思っている。
しかし、その機会はすべて香りという高すぎる妨害のために叶う日はやってこなかった。
そんなふうにやさぐれていた私に、香姫のことを教えてくれたのは他でもない東宮御自らだった。
『一度、薫の少納言の娘に文でも送ってみたらどうだ?』
そう提案してきたのは、ほかでもない東宮だ。
東宮が愛用しているお香は、薫の少納言が作ったものだ。
その香りはさすが『薫の少納言』と唸るほどに、麗しき香りだった。
その練り香を褒めた私に、東宮は確信して太鼓判を押していたのだ。
『この練り香を作る薫の少納言の娘なら大丈夫だと思うぞ』
そうですね、とその時は流した私だったが、ずっと香姫のことは気にかかっていた。
香姫の兄である清貴とは昔からの付き合いで、お互い家の行き来はしている。
その縁で、遠目で香姫を見たことがあった。
それはかなり昔のことで、彼女がどんな女性に成長しているのか。それはわからないでいた。
清貴にお願いすれば、香姫が作った練り香を手に入れることは簡単であっただろう。
しかし、それをしなかったのは、どこかで諦めていたからだ。
香の名手と誉れ高い薫の少納言の娘といえど、自分の鼻に香しい香りを作ることはできないだろう、と。
もし作ることができたとしても、彼女に触れることができるのか。
きっと無理だろうと諦めていた。
そんなとき、このまま独身で一生を過ごすことを、どこかで覚悟していた自分に転機が訪れたのだ。
我が妹、三の姫が、お香の指南にと香姫を我が邸に呼んだと聞いてチャンスだと思った。
その事実を耳に入れた私の身体は、本能のまま動き出していた。
頭では、こんなふうに突然香姫の前に現れたら驚かれるだけで、敬遠されてしまうだろうことはわかっていたことだ。
それなのに感情のまま動きだしていた。もう止めることなどできなかった。
三の姫の部屋の前まで行くと、いつもの練り香の香りではなく、とてもさわやかで軽やかな香りが漂っている。
このお香は間違いなく香姫が作ったものだ。
直感でそう思ったときには、すでに失礼を承知で部屋の中に入っていた。
そのあとの自分の行動は、実はあまり覚えていない。
ただ、気がついたら香姫を半ば脅して、結婚の申し込みをしていた。
きっとそのことについては三の姫から聞いて、東宮はすでに知っているのだろう。
興味深々の瞳が物語っている。
「で、突然面と向かって求愛をしたらしいが、その後はどうだ? なんとか香姫は靡いてくれそうか?」
「……楽しそうですね」
身を乗り出して香姫とのことを聞く東宮は、それはもう目の輝きが尋常ではない。
苦笑している私に、東宮は胸を張って言い切った。
「楽しいに決まっているであろう。こんな楽しいこと、独り占めになんてさせないぞ。三の姫とも連携をとって、お前の行動を逐一見張るつもりだ」
「お願いですから、黙って見ていてくださいよ」
色々と東宮の耳に情報が入っていたのは、我が妹の仕業だったようだ。
まさか三の姫にまで応援要請をしているとは思っていなかった。
ガックリと項垂れると、東宮はフンと鼻を鳴らす。
「当たり前だ。私の力をもってすれば、お前に香姫を嫁がせることなど他愛もないこと。だけど、それではお前は納得しないであろう?」
ジッと私を見つめる東宮に大きく頷いて答える。
それを見て、東宮はより一層嬉しそうに頬を緩ませた。私も東宮にほほ笑み返す。
「今は通常どおり、段階を踏んで求愛していますよ」
「おお! それで手ごたえはどうだ?」
目をキラキラと輝かせている東宮を見て、私は微かに笑った。
いつもは威厳がある振る舞いをしている東宮だが、今はその片鱗もない。
まったく今上がこの有様を見たら、なんとおっしゃるだろうか。
私はハァと小さく息を吐き出す。
チクリと嫌みを言ったのだが、それが通じない相手だということは昔からよく知っている。
わかってはいるが、一応苦言はしておく。
目の前の東宮は私の畏まった態度が気に入らないようで、何度も心揺さぶるような言葉を投げてくる。
「恋を知らぬと思っていた敦正が、まさかまさかだなぁ!」
「……」
ニヤニヤと意地悪く笑う様は、本当に殴りたくなるほどだ。さすがに今は身分の差が歴然としているのでできないが、幼い頃ならとっくの昔にぶん殴っていただろう。
素知らぬ顔をして話半分を聞くことにする。
黙ったままの私に、東宮はすり寄ってきた。そしてもったいぶったように小声で話しかけてくる。
「のぅ、敦正。どんな恋文を書いているのか。私にも見せてみろ」
「……」
冗談じゃない。どうして人の恋文を東宮に見せなくてはいけないのか。
見せたが最後、散々人をおちょくって弄り倒して楽しまれるだけだ。
自分で言うのもなんだが、あれだけ熱烈な恋文だ。東宮が読んだりしたら、ひっくり返ってしまうだろう。
あの恋文は、常の私のキャラでは絶対に書かない代物だ。
それだけ香姫は私を狂わせる何かを持っているということなのだろう。
とにかく、何が何でも東宮には見られたくない。
それより何より、相変わらず東宮は耳聡い。
ツンとそっぽを向く私に、東宮はまだ続ける様子だ。
「少納言家の姫は、変人の宮の心を奪ってしまうほど魅力的な姫なのか?」
「……」
無視だ、無視。そう心に言い聞かせていたのだが、我慢も限界かもしれない。
最初こそ聞く耳持たないという態度をしてきたのだが、だんだんと腹が立ってきた。
いい加減、畏まっているのもバカらしい。
私はわざと東宮にわかるように大きく息を吐いたあと、目の前の従兄弟を見つめた。
「何を仰りたいのか、わかりかねますね」
さてさて何のことでしょうか? ととぼけてみる。
白を切る私に、東宮は肩を竦めて笑った。
「よく言う。私が何を言いたいのか、何を聞いたのか。敦正はわかっているであろう?」
わかっているが言うつもりはない、と私は心の中でごちていると、東宮はフンと鼻で笑った。
こういう時、幼い頃からお互いを知り尽くしていると相手の気持ちなんてすぐにわかってしまう。
それは、東宮にも同じことが言えるのだろうけど。
未だに素知らぬふりをし続ける私に、東宮は興味津々と言った様子で言う。
「お前の利きすぎる鼻でも、傍にいることができる女。それはもう、この世では薫の少納言の娘しかいないであろうな」
「……」
やっぱりすべてお見通しのようだ。全くそんなゴシックネタを東宮に誰が流したのだろう。
チッと心の中で舌打ちをしてしまう。
不機嫌に顔を歪める私に、東宮はフッと力を抜いて笑った。
「お前のことだ。狙った獲物は逃がさないんだろう?」
ニヤニヤと笑いながら私を見つめる東宮には、私の心をすっかり読まれている。
白を切るのもバカバカしくなってきた私は、もう一度大きく息を吐き出した。
この人には開き直りというのも有効な手段だ、と幼い頃からよく知っている。
私は肩をすくめたあと、不敵に笑う。
「ええ、逃がしませんよ」
いきなり素直になった私に驚いたのか。
東宮は一瞬息を呑んで私をジッと見つめたが、すぐに破顔した。
「ああ、絶対に逃がすなよ。やっとお前にも遅い春がやってきたんだ。何が何でもお香の名手、香姫を捕まえろ。私は、お前の幸せな顔を早く見たい」
この従兄弟は兄弟がいないせいか、私を昔から弟のようにかわいがってくれた。
それも時には度が過ぎるような可愛がりさだった。
それは、東宮の従姉妹でもある私の妹たちにも当てはまることなのだが、特に可愛がってくれているのは自分であろう。
こんなふうにからかいながらも、ずっと私のことを東宮は心配していたのは知っている。
なんせ、特殊体質だと言っていいほど利きすぎる鼻を私が持っていることを知っている数少ない一人だ。
だからこそ、心配もしていることだろう。
鼻がきくというのは良いことのように思えるかもしれないが、本人にしてみたらとんでもなく厄介なものだ。
いい香りなら良い。しかし、人には好む香り、好まぬ香りというものがある。
好まぬ香りが強烈に匂ったとしたら、鼻につくどころか、気分まで悪くなってしまう。それが私は特に感じてしまうのだから困り果ててしまう。
今までに興味を抱いた女がいなかったわけではない。
文を書いて、その返事に纏う香りを嗅いで、そこで恋が終わってしまう。
このまま恋もせず、女を抱くこともできずに一生が終わってしまうのかもしれないと絶望を抱いていた。
私は匂いがダメなだけで、健全な男子だ。
好きな女に触れたい、抱きたいと常々思っている。
しかし、その機会はすべて香りという高すぎる妨害のために叶う日はやってこなかった。
そんなふうにやさぐれていた私に、香姫のことを教えてくれたのは他でもない東宮御自らだった。
『一度、薫の少納言の娘に文でも送ってみたらどうだ?』
そう提案してきたのは、ほかでもない東宮だ。
東宮が愛用しているお香は、薫の少納言が作ったものだ。
その香りはさすが『薫の少納言』と唸るほどに、麗しき香りだった。
その練り香を褒めた私に、東宮は確信して太鼓判を押していたのだ。
『この練り香を作る薫の少納言の娘なら大丈夫だと思うぞ』
そうですね、とその時は流した私だったが、ずっと香姫のことは気にかかっていた。
香姫の兄である清貴とは昔からの付き合いで、お互い家の行き来はしている。
その縁で、遠目で香姫を見たことがあった。
それはかなり昔のことで、彼女がどんな女性に成長しているのか。それはわからないでいた。
清貴にお願いすれば、香姫が作った練り香を手に入れることは簡単であっただろう。
しかし、それをしなかったのは、どこかで諦めていたからだ。
香の名手と誉れ高い薫の少納言の娘といえど、自分の鼻に香しい香りを作ることはできないだろう、と。
もし作ることができたとしても、彼女に触れることができるのか。
きっと無理だろうと諦めていた。
そんなとき、このまま独身で一生を過ごすことを、どこかで覚悟していた自分に転機が訪れたのだ。
我が妹、三の姫が、お香の指南にと香姫を我が邸に呼んだと聞いてチャンスだと思った。
その事実を耳に入れた私の身体は、本能のまま動き出していた。
頭では、こんなふうに突然香姫の前に現れたら驚かれるだけで、敬遠されてしまうだろうことはわかっていたことだ。
それなのに感情のまま動きだしていた。もう止めることなどできなかった。
三の姫の部屋の前まで行くと、いつもの練り香の香りではなく、とてもさわやかで軽やかな香りが漂っている。
このお香は間違いなく香姫が作ったものだ。
直感でそう思ったときには、すでに失礼を承知で部屋の中に入っていた。
そのあとの自分の行動は、実はあまり覚えていない。
ただ、気がついたら香姫を半ば脅して、結婚の申し込みをしていた。
きっとそのことについては三の姫から聞いて、東宮はすでに知っているのだろう。
興味深々の瞳が物語っている。
「で、突然面と向かって求愛をしたらしいが、その後はどうだ? なんとか香姫は靡いてくれそうか?」
「……楽しそうですね」
身を乗り出して香姫とのことを聞く東宮は、それはもう目の輝きが尋常ではない。
苦笑している私に、東宮は胸を張って言い切った。
「楽しいに決まっているであろう。こんな楽しいこと、独り占めになんてさせないぞ。三の姫とも連携をとって、お前の行動を逐一見張るつもりだ」
「お願いですから、黙って見ていてくださいよ」
色々と東宮の耳に情報が入っていたのは、我が妹の仕業だったようだ。
まさか三の姫にまで応援要請をしているとは思っていなかった。
ガックリと項垂れると、東宮はフンと鼻を鳴らす。
「当たり前だ。私の力をもってすれば、お前に香姫を嫁がせることなど他愛もないこと。だけど、それではお前は納得しないであろう?」
ジッと私を見つめる東宮に大きく頷いて答える。
それを見て、東宮はより一層嬉しそうに頬を緩ませた。私も東宮にほほ笑み返す。
「今は通常どおり、段階を踏んで求愛していますよ」
「おお! それで手ごたえはどうだ?」
目をキラキラと輝かせている東宮を見て、私は微かに笑った。
いつもは威厳がある振る舞いをしている東宮だが、今はその片鱗もない。
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私はハァと小さく息を吐き出す。
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