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第五話
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「えっと……尚先生?」
「私の名前、覚えていてくださったのですね」
嬉しいです、とキラキラな笑顔を私に向けてくる尚先生。
いや、ちょっと待ってください。こんなに近い距離で、その笑顔は反則です。
きっと私の顔は今、真っ赤に染まっていることだろう。
周りには気づかれていないと思うが、私の身体も真っ赤になっていること間違いない。
慌てふためく私により近づく尚先生。窓と尚先生に挟まれた私は右往左往するしかできない。
周りの視線と声にもやられ、それよりなにより尚先生のキラキラすぎる笑顔にやられてしまった。
クラクラと甘い目眩を感じた私に、尚先生は追い打ちをかけてくる。
「珠美さんは和装がよくお似合いですね」
「えっと、その……」
私なんかより、よっぽど尚先生の方が似合っているし、色気たっぷりなんですけど。
声に出したいのに、それができない。
全く、脳内妄想ではペラペラと尚先生に話しかけていたくせに、実際にはまったく会話もできない。
脳内妄想であれだけ練習しているのに、だ。
まったく使えない脳内妄想恋愛機である。
しかし、次の瞬間。尚先生の言葉を聞いて、沸騰していた頭が一瞬にして冷めていく。
「そういえば、この前一緒にいた方は?」
「彼女は諸事情で今日は来ることはできません」
先ほどまではこの状況に驚いて何も言えなかった私だったが、この質問には自分でもびっくりするほどスルリと答えることができた。
ああ、そうか。私に接近してきたのはフジコのことを聞きたかったからだ。
最初からおかしいと思っていたのだ。何の取り柄もない私に急接近して声をかけてくるなんて普通で考えたらあり得ないこと。
あんなに取り乱してバカみたいだ。尚先生だって「なんだコイツ、一人で真っ赤になって」と内心笑っているかもしれない。
一気に冷めた熱。そうしたら自分が今、どうするべきかはっきりとわかった。
とにかく尚先生から離れよう。まずはそれからだ。
スミマセン、離れてください。そう伝えようとしたのだが、それを阻止するすごい言葉を尚先生は私に言い放った。
「それは好都合」
「へ?」
何故に好都合なのだろう。尚先生はフジコに会いたかったから私に接近してきたんじゃなかったのか。
あ然としている私に、眩しいほどのイケメンスマイルを尚先生は打ち出してきた。
それを間近で浴びてしまった私は、再びゆでだこ状態になるしかない。
「君と二人きりでこうしてお話したいとずっと思っていました」
「っ!」
ずっとってどういうことだ。この前の練習会のときからだろうか。その前なのだろうか。
いやいや、尚先生とは市民総おどりの練習会で初めて会ったのだ。
その前ということはないだろう。
前回の練習会は十日前だった。その日からずっと私と話したいと思っていたというのだろうか。
このイケメンが? とくに目立って秀でたところがない私を?
あのときはフジコがいた。それも美人で積極的な彼女である。
そんな目立つ彼女より、私と話したかったということなのだろうか。それってなんだか嘘っぽい。
フジコとの仲を取り持ってほしくて、こうして私に接近してきたのだろう。
疑いの目で尚先生を見つめる私に、彼は困ったように肩を竦めた。
そんな仕草でさえ、素敵に見えてしまうのだからイケメンって得だ。
こんな状況だというのに見惚れている自分に活を入れたくなる。自分を戒めるようにクッと唇を引く。
すると尚先生は腰をかがめ、私の耳元で囁いた。
「何か勘違いをしていそうですね」
「え?」
「顔に書いてある」
クスクスと笑う尚先生の声がくすぐったい。身を捩らせる私に尚先生は真剣な声で囁く。
「珠美さんに興味があるんです」
「へっ!?」
思わず仰け反り大声を出してしまった。
声を出した本人である私も、目の前の尚先生も、そして周りにいた人たちも目を丸くする。
パチパチと目を瞬かせる私に、尚先生の真顔はより近づいてくる。
ちょっと近すぎです、と声を上げたいのに、上げられない。
驚きすぎると人間声が出なくなるようだ。
「勘違いしてほしくないですから、もう一度言いますよ?」
「っ!?」
これ以上は近づけないという距離まで私に近づいた尚先生は、ニッコリとほほ笑む。
「私は木佐珠美さんに興味があるのです。他の女性に興味はないです」
「な、な、な!」
声が出せない私に対し、周りは騒然としている。
尚先生に興味津々だった女の子たちは、フレッシャーズといった感じで若々しい。
それにどの子も可愛くて、スタイルもいい。
そんな彼女たちを押しのけ、所謂そろそろお局さんだと言われてもおかしくない私に尚先生は興味があるとのたまったのだ。
私自身信じられないのに、若くてキレイな女子たちが納得いくはずもない。
私ではなくフジコが選ばれたのなら納得がいくだろうが、どうして私なのか。
彼女たちの顔に書かれている気がする。
(そんなの、私が一番聞きたいわよ!!)
ここには私の気持ちを代弁してくれ、なおかつ窮地を助けてくれるであろうフジコが不在。これは痛い。
キョロキョロと見回しても、私を助けてくれるような強者は存在しないだろう。
背中に冷や汗がツゥーと走るのがわかる。手にも尋常じゃない汗が……
どうやってこの局面を脱出しようか、グルグルと頭の中で考えるが、半ばパニックを起こしている頭では妙案など浮かぶわけもない。
ざわつく大ホール。しかし、誰も私を助けてはくれない。
尚先生はこれ以上近づくのは無理だという距離にいたはずなのに、さらに私との距離を詰めていく。
お互いの息づかいまで聞こえるほどの距離になったときだった。
「では、そろそろ総おどり開催時間が近づいてきましたので、ご準備の整った方から順に下へ降りていただき―――」
館内アナウンスが入ったところで、尚先生の動きもピタリと止まる。
これ幸いと、私は尚先生の隙を狙いって抜け出すことに成功した。
もうあとは逃げるだけだ。周りの視線からも、そして意味不明なこの状況からも、そしてそして―――― 元凶である尚先生からも。
だがしかし。残念ながら今の私は着慣れた服でもなければ、パンプスでもない。
浴衣と下駄である。一年に一度、この総おどりの時にしか着ることがない和装。
身のこなしを熟練していれば問題ないのだろうけど、残念ながら毎年四苦八苦状態だ。
もちろん今年も素早い動きができるほど、浴衣と下駄に慣れていない。
人混みになんとか潜りこんでしまえば大丈夫だろう、と半ばやけっぱちで飛び込んでいったが、すぐさまその動きを止める人物が現れた。それはもちろん尚先生だ。
私の手首をさりげなく握り、あのキラキラの笑みを浮かべている。
思わず叫びそうになった声が、寸でのところで出なくなってしまった。
「珠美さん、そんなに急ぐと危ないですよ」
「えっと、大丈夫ですから。手を……」
離してくれとお願いしようとすると、尚先生はスルリと手首から手を離した。
そのことに安堵していると、今度は尚先生が指を絡めてきたのだ。所謂恋人繋ぎというヤツだ。
確かに何度かこんなシーンを脳内で妄想していたことは間違いない。間違いないのだが、妄想だからキャアキャア言って楽しんでいられたのだ。
実際に起きてしまったら、どうしていいのかわからなくなってしまう。
まさか音声再生機能に続き、今度は妄想再生機能まで搭載されてしまったのか。
凄すぎないだろうか、私の脳内妄想恋愛機は!!
現実と妄想が行き交う仲、パニックを起こしている私の耳に残ったのは、色気ダダ漏れの尚先生の声だった。
「逃げようとしたって無駄ですよ。私に目を付けられた自分を呪いなさい」
「っ!!」
今まさに、尚先生の手によって呪いの呪文を言い放た私は、ただただ彼の手に導かれるまま大通りに出るしか術はなかった。
「私の名前、覚えていてくださったのですね」
嬉しいです、とキラキラな笑顔を私に向けてくる尚先生。
いや、ちょっと待ってください。こんなに近い距離で、その笑顔は反則です。
きっと私の顔は今、真っ赤に染まっていることだろう。
周りには気づかれていないと思うが、私の身体も真っ赤になっていること間違いない。
慌てふためく私により近づく尚先生。窓と尚先生に挟まれた私は右往左往するしかできない。
周りの視線と声にもやられ、それよりなにより尚先生のキラキラすぎる笑顔にやられてしまった。
クラクラと甘い目眩を感じた私に、尚先生は追い打ちをかけてくる。
「珠美さんは和装がよくお似合いですね」
「えっと、その……」
私なんかより、よっぽど尚先生の方が似合っているし、色気たっぷりなんですけど。
声に出したいのに、それができない。
全く、脳内妄想ではペラペラと尚先生に話しかけていたくせに、実際にはまったく会話もできない。
脳内妄想であれだけ練習しているのに、だ。
まったく使えない脳内妄想恋愛機である。
しかし、次の瞬間。尚先生の言葉を聞いて、沸騰していた頭が一瞬にして冷めていく。
「そういえば、この前一緒にいた方は?」
「彼女は諸事情で今日は来ることはできません」
先ほどまではこの状況に驚いて何も言えなかった私だったが、この質問には自分でもびっくりするほどスルリと答えることができた。
ああ、そうか。私に接近してきたのはフジコのことを聞きたかったからだ。
最初からおかしいと思っていたのだ。何の取り柄もない私に急接近して声をかけてくるなんて普通で考えたらあり得ないこと。
あんなに取り乱してバカみたいだ。尚先生だって「なんだコイツ、一人で真っ赤になって」と内心笑っているかもしれない。
一気に冷めた熱。そうしたら自分が今、どうするべきかはっきりとわかった。
とにかく尚先生から離れよう。まずはそれからだ。
スミマセン、離れてください。そう伝えようとしたのだが、それを阻止するすごい言葉を尚先生は私に言い放った。
「それは好都合」
「へ?」
何故に好都合なのだろう。尚先生はフジコに会いたかったから私に接近してきたんじゃなかったのか。
あ然としている私に、眩しいほどのイケメンスマイルを尚先生は打ち出してきた。
それを間近で浴びてしまった私は、再びゆでだこ状態になるしかない。
「君と二人きりでこうしてお話したいとずっと思っていました」
「っ!」
ずっとってどういうことだ。この前の練習会のときからだろうか。その前なのだろうか。
いやいや、尚先生とは市民総おどりの練習会で初めて会ったのだ。
その前ということはないだろう。
前回の練習会は十日前だった。その日からずっと私と話したいと思っていたというのだろうか。
このイケメンが? とくに目立って秀でたところがない私を?
あのときはフジコがいた。それも美人で積極的な彼女である。
そんな目立つ彼女より、私と話したかったということなのだろうか。それってなんだか嘘っぽい。
フジコとの仲を取り持ってほしくて、こうして私に接近してきたのだろう。
疑いの目で尚先生を見つめる私に、彼は困ったように肩を竦めた。
そんな仕草でさえ、素敵に見えてしまうのだからイケメンって得だ。
こんな状況だというのに見惚れている自分に活を入れたくなる。自分を戒めるようにクッと唇を引く。
すると尚先生は腰をかがめ、私の耳元で囁いた。
「何か勘違いをしていそうですね」
「え?」
「顔に書いてある」
クスクスと笑う尚先生の声がくすぐったい。身を捩らせる私に尚先生は真剣な声で囁く。
「珠美さんに興味があるんです」
「へっ!?」
思わず仰け反り大声を出してしまった。
声を出した本人である私も、目の前の尚先生も、そして周りにいた人たちも目を丸くする。
パチパチと目を瞬かせる私に、尚先生の真顔はより近づいてくる。
ちょっと近すぎです、と声を上げたいのに、上げられない。
驚きすぎると人間声が出なくなるようだ。
「勘違いしてほしくないですから、もう一度言いますよ?」
「っ!?」
これ以上は近づけないという距離まで私に近づいた尚先生は、ニッコリとほほ笑む。
「私は木佐珠美さんに興味があるのです。他の女性に興味はないです」
「な、な、な!」
声が出せない私に対し、周りは騒然としている。
尚先生に興味津々だった女の子たちは、フレッシャーズといった感じで若々しい。
それにどの子も可愛くて、スタイルもいい。
そんな彼女たちを押しのけ、所謂そろそろお局さんだと言われてもおかしくない私に尚先生は興味があるとのたまったのだ。
私自身信じられないのに、若くてキレイな女子たちが納得いくはずもない。
私ではなくフジコが選ばれたのなら納得がいくだろうが、どうして私なのか。
彼女たちの顔に書かれている気がする。
(そんなの、私が一番聞きたいわよ!!)
ここには私の気持ちを代弁してくれ、なおかつ窮地を助けてくれるであろうフジコが不在。これは痛い。
キョロキョロと見回しても、私を助けてくれるような強者は存在しないだろう。
背中に冷や汗がツゥーと走るのがわかる。手にも尋常じゃない汗が……
どうやってこの局面を脱出しようか、グルグルと頭の中で考えるが、半ばパニックを起こしている頭では妙案など浮かぶわけもない。
ざわつく大ホール。しかし、誰も私を助けてはくれない。
尚先生はこれ以上近づくのは無理だという距離にいたはずなのに、さらに私との距離を詰めていく。
お互いの息づかいまで聞こえるほどの距離になったときだった。
「では、そろそろ総おどり開催時間が近づいてきましたので、ご準備の整った方から順に下へ降りていただき―――」
館内アナウンスが入ったところで、尚先生の動きもピタリと止まる。
これ幸いと、私は尚先生の隙を狙いって抜け出すことに成功した。
もうあとは逃げるだけだ。周りの視線からも、そして意味不明なこの状況からも、そしてそして―――― 元凶である尚先生からも。
だがしかし。残念ながら今の私は着慣れた服でもなければ、パンプスでもない。
浴衣と下駄である。一年に一度、この総おどりの時にしか着ることがない和装。
身のこなしを熟練していれば問題ないのだろうけど、残念ながら毎年四苦八苦状態だ。
もちろん今年も素早い動きができるほど、浴衣と下駄に慣れていない。
人混みになんとか潜りこんでしまえば大丈夫だろう、と半ばやけっぱちで飛び込んでいったが、すぐさまその動きを止める人物が現れた。それはもちろん尚先生だ。
私の手首をさりげなく握り、あのキラキラの笑みを浮かべている。
思わず叫びそうになった声が、寸でのところで出なくなってしまった。
「珠美さん、そんなに急ぐと危ないですよ」
「えっと、大丈夫ですから。手を……」
離してくれとお願いしようとすると、尚先生はスルリと手首から手を離した。
そのことに安堵していると、今度は尚先生が指を絡めてきたのだ。所謂恋人繋ぎというヤツだ。
確かに何度かこんなシーンを脳内で妄想していたことは間違いない。間違いないのだが、妄想だからキャアキャア言って楽しんでいられたのだ。
実際に起きてしまったら、どうしていいのかわからなくなってしまう。
まさか音声再生機能に続き、今度は妄想再生機能まで搭載されてしまったのか。
凄すぎないだろうか、私の脳内妄想恋愛機は!!
現実と妄想が行き交う仲、パニックを起こしている私の耳に残ったのは、色気ダダ漏れの尚先生の声だった。
「逃げようとしたって無駄ですよ。私に目を付けられた自分を呪いなさい」
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