2 / 181
Layer2 把握
何これ?
あれ?
あたし、どうなったの?
たしか……つまずいて階段から思い切り転んで、玉宮にぶつかちゃったんだ。
「ッ! 」
ぶつかったことを自覚したせいか、あたしはおでこにジンジンと激しい痛みがあるのに気付いた。
そうだ! 玉宮は!? 大丈夫かな?
あたしがこれだけ痛いってことは玉宮も相当痛いよね。
ジンジンとするおでこにたんこぶが出来ていないか気にしてさすりながら、玉宮のいる方へチカチカとする視界のなか目を向けた。
すると、あたしがあたしを見ていた。
……
あれ?
おかしいな?
頭をぶつけたから幻覚とか見ちゃっているのかな?
こういう時、どうすればいいのかな?
目を閉じて一度落ち着いて、ゆっくりと目を開ければ元に戻るのかな?
そう思って、深呼吸をしながら目を閉じて自分を落ち着かせ、ゆっくりと目を開けてみた。
すると、あたしがあたしを見ていた。
まだ、治ってないのかな?
でも、さすがに深呼吸もしてだいぶ落ち着いたから治ってないことはないと思うんだけど……
あ! もしかして鏡か! だからあたしがあたしを見てるんだよ!
そうだよ、そうに決まってる!
だってそうじゃなきゃおかしいもん!
こんなところに鏡なんてあると思わなかったから、びっくりしたよ。
自分の結論に納得したあたしは、不意に自分の体の下の方に違和感を感じたのでうつむいた。
ジッと見ていたら、自然と手を伸ばしていた。
この行動はあたしが知りたくなかった現実をたたきつけられることになった。
手を伸ばそうとした時、本当はしちゃいけないってわかっていた。
あたしの本能がしてはいけないと警報を鳴らしていた。
けれど、あたしは手を伸ばすことをやめることはできなかった。
体の下の方にある違和感を確かめずにはいられなかった。
フニャッとナマコを踏んだような感触が手から伝わってきた……
「ひゃあああああ! 」
と叫んだ声があまりにも低い声だったので、
「ひゃあああああ! 」
とあたしは二度叫ぶことになった。
--------------------------
俺が、自分で立てた突拍子もない仮説に確信を持ち始めた時、ようやく姫石がこちらに気付いた。
姫石はぼーっとしながら俺を見つめていた。
それも無理もない話だ。
気が付いて顔をあげた時に自分の顔が目の前にあれば、誰だって呆然とするし、思考がフリーズする。
たぶん姫石は、この嘘みたいな状況を理解できずに混乱しているに違いない。
視覚が情報を正しく認識していても、その情報を演算して処理するはずの脳が固定観念というフィルターに引っかかって、上手く機能できていないのだろう。
もしかしたらパニック状態に陥るかもしれないと心配していたが、姫石は今のところある程度は落ち着いているようだ。
急に姫石は目を閉じて深呼吸をした。
精神統一をするための儀式でもしているのだろうか。
気持ちはわからなくもないが、ぼーっとしてるくせによくそんな儀式で落ち着こうだなんていう思考が働くな。
ゆっくりと目を開けた姫石が怪訝な顔をしたと思ったら、すぐに納得したような顔をした。
いったいこの状況を姫石はどう納得したのだろうか。
すると姫石は、うつむいて下をジッと見始めた。
何をしてるんだ? こいつは?
なんだかとても嫌な予感がした。
不意に姫石が手を、いや俺の体だから俺が手をと表現した方が正しいのか?
なんだか、どうでもいいようなことで思考が少し混乱した。
とりあえず、人格を中心に物事を考えよう。
そうした方が、思考もまとまりやすいだろう。
つまり、不意に姫石が手を下の方に向かって伸ばそうとしたということだ。
……
俺の体の下の方に手を伸ばそうとしているだと!?
あわてて姫石の行動を止めようとしたが、余計な事を考えていたせいで、時すでに遅し。
触った感触が伝わったのか、姫石はみるみるうちに顔を赤くして……大きな悲鳴をあげた。
本当に何してんだ! こいつは!
一拍おいて姫石はもう一度悲鳴をあげた。
俺は、自分の体が女々しく悲鳴を上げる姿を二度も見るはめになった。
なんで二回も悲鳴をあげるんだよ。
その姿は、それはもう気色の悪いものだった……それ以前にいろいろな意味で自尊心をえぐられた気がする。
普通こういうことって、入れ替わった男側の俺がすることじゃないのか?
何でそれを女側の姫石がやるんだよ!
なんだか納得がいかない。
こうなったら俺も姫石の(ない)胸を揉んでやる! と思いそっと胸に手を置こうとした時、廊下の方からパタパタとこちらに駆け寄ってくる足音がした。
すぐに、少し小柄なボブヘアの女子生徒が廊下から駆け寄って来た。
俺は胸に置こうとしていた手をそっと下におろした。
……見られてはないよな?
その女子生徒は雰囲気的に下級生のようだった。
どことなく幼さのある顔に、平均より少し低い身長のせいか後輩感がすごいある。
だが、局地的に大人びているところもある。
これは……かなり大きいんじゃないか?
少し目線を上げると目が合ってしまった。
ヤバい! もしかしてじっくり見てしまっていたのか……
しかし、その女子生徒は俺のことを心配するような顔していたため、不審には思われていないみたいだ。
女子生徒が俺に向かって何かを言おうとしてきた、その時
「歩乃架ちゃあ~ん! 」
と姫石が女子生徒に抱き着いた。
俺の声で、俺の体で抱き着いた。
もちろん、俺はその歩乃架と呼ばれた女子生徒と面識なんてない。
ようは、見知らぬ男子がいきなり自分の名前を叫びながら抱き着いてきたわけだ。
そんなことされたら、当然
「ひゃあ! 」
このように悲鳴を上げる。
これでは俺はただの変態だ。
このままでは先が思いやられる……あ、そういえば、ようやくまともな悲鳴を聞いた気がする。
あれ?
あたし、どうなったの?
たしか……つまずいて階段から思い切り転んで、玉宮にぶつかちゃったんだ。
「ッ! 」
ぶつかったことを自覚したせいか、あたしはおでこにジンジンと激しい痛みがあるのに気付いた。
そうだ! 玉宮は!? 大丈夫かな?
あたしがこれだけ痛いってことは玉宮も相当痛いよね。
ジンジンとするおでこにたんこぶが出来ていないか気にしてさすりながら、玉宮のいる方へチカチカとする視界のなか目を向けた。
すると、あたしがあたしを見ていた。
……
あれ?
おかしいな?
頭をぶつけたから幻覚とか見ちゃっているのかな?
こういう時、どうすればいいのかな?
目を閉じて一度落ち着いて、ゆっくりと目を開ければ元に戻るのかな?
そう思って、深呼吸をしながら目を閉じて自分を落ち着かせ、ゆっくりと目を開けてみた。
すると、あたしがあたしを見ていた。
まだ、治ってないのかな?
でも、さすがに深呼吸もしてだいぶ落ち着いたから治ってないことはないと思うんだけど……
あ! もしかして鏡か! だからあたしがあたしを見てるんだよ!
そうだよ、そうに決まってる!
だってそうじゃなきゃおかしいもん!
こんなところに鏡なんてあると思わなかったから、びっくりしたよ。
自分の結論に納得したあたしは、不意に自分の体の下の方に違和感を感じたのでうつむいた。
ジッと見ていたら、自然と手を伸ばしていた。
この行動はあたしが知りたくなかった現実をたたきつけられることになった。
手を伸ばそうとした時、本当はしちゃいけないってわかっていた。
あたしの本能がしてはいけないと警報を鳴らしていた。
けれど、あたしは手を伸ばすことをやめることはできなかった。
体の下の方にある違和感を確かめずにはいられなかった。
フニャッとナマコを踏んだような感触が手から伝わってきた……
「ひゃあああああ! 」
と叫んだ声があまりにも低い声だったので、
「ひゃあああああ! 」
とあたしは二度叫ぶことになった。
--------------------------
俺が、自分で立てた突拍子もない仮説に確信を持ち始めた時、ようやく姫石がこちらに気付いた。
姫石はぼーっとしながら俺を見つめていた。
それも無理もない話だ。
気が付いて顔をあげた時に自分の顔が目の前にあれば、誰だって呆然とするし、思考がフリーズする。
たぶん姫石は、この嘘みたいな状況を理解できずに混乱しているに違いない。
視覚が情報を正しく認識していても、その情報を演算して処理するはずの脳が固定観念というフィルターに引っかかって、上手く機能できていないのだろう。
もしかしたらパニック状態に陥るかもしれないと心配していたが、姫石は今のところある程度は落ち着いているようだ。
急に姫石は目を閉じて深呼吸をした。
精神統一をするための儀式でもしているのだろうか。
気持ちはわからなくもないが、ぼーっとしてるくせによくそんな儀式で落ち着こうだなんていう思考が働くな。
ゆっくりと目を開けた姫石が怪訝な顔をしたと思ったら、すぐに納得したような顔をした。
いったいこの状況を姫石はどう納得したのだろうか。
すると姫石は、うつむいて下をジッと見始めた。
何をしてるんだ? こいつは?
なんだかとても嫌な予感がした。
不意に姫石が手を、いや俺の体だから俺が手をと表現した方が正しいのか?
なんだか、どうでもいいようなことで思考が少し混乱した。
とりあえず、人格を中心に物事を考えよう。
そうした方が、思考もまとまりやすいだろう。
つまり、不意に姫石が手を下の方に向かって伸ばそうとしたということだ。
……
俺の体の下の方に手を伸ばそうとしているだと!?
あわてて姫石の行動を止めようとしたが、余計な事を考えていたせいで、時すでに遅し。
触った感触が伝わったのか、姫石はみるみるうちに顔を赤くして……大きな悲鳴をあげた。
本当に何してんだ! こいつは!
一拍おいて姫石はもう一度悲鳴をあげた。
俺は、自分の体が女々しく悲鳴を上げる姿を二度も見るはめになった。
なんで二回も悲鳴をあげるんだよ。
その姿は、それはもう気色の悪いものだった……それ以前にいろいろな意味で自尊心をえぐられた気がする。
普通こういうことって、入れ替わった男側の俺がすることじゃないのか?
何でそれを女側の姫石がやるんだよ!
なんだか納得がいかない。
こうなったら俺も姫石の(ない)胸を揉んでやる! と思いそっと胸に手を置こうとした時、廊下の方からパタパタとこちらに駆け寄ってくる足音がした。
すぐに、少し小柄なボブヘアの女子生徒が廊下から駆け寄って来た。
俺は胸に置こうとしていた手をそっと下におろした。
……見られてはないよな?
その女子生徒は雰囲気的に下級生のようだった。
どことなく幼さのある顔に、平均より少し低い身長のせいか後輩感がすごいある。
だが、局地的に大人びているところもある。
これは……かなり大きいんじゃないか?
少し目線を上げると目が合ってしまった。
ヤバい! もしかしてじっくり見てしまっていたのか……
しかし、その女子生徒は俺のことを心配するような顔していたため、不審には思われていないみたいだ。
女子生徒が俺に向かって何かを言おうとしてきた、その時
「歩乃架ちゃあ~ん! 」
と姫石が女子生徒に抱き着いた。
俺の声で、俺の体で抱き着いた。
もちろん、俺はその歩乃架と呼ばれた女子生徒と面識なんてない。
ようは、見知らぬ男子がいきなり自分の名前を叫びながら抱き着いてきたわけだ。
そんなことされたら、当然
「ひゃあ! 」
このように悲鳴を上げる。
これでは俺はただの変態だ。
このままでは先が思いやられる……あ、そういえば、ようやくまともな悲鳴を聞いた気がする。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。