転生したから楽しく生きたい

イサ

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どうやら異世界のようだ

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 朝になっても眠くならなかった。
 どうやらこの体は異常なようだ。
 それと、体の中にある何かを動かすことに成功した。
 それは全身にあって、その量をどこかから取り出して多くしたり、逆に少なくしてみたり、体の外に出してみた。
 見えないが減っているのがわかる。
 どこから取り出しているのかはあまりわからない。
 ただ、指先やお腹、足などから取り出すことが出来た。
 その何かを流して強くするイメージを作ると、そこが軽くなって便利になった。
 きっと魔力とか言われるやつだろう。
 だが、思ったよりも魔力は多いようだ。
 流しても流しても減らない。
 いや、減ってはいるんだが、すぐに回復というか、補充されているような感じだ。

 まあ今はどうでもいいか。
 とりあえずぼーっとしているが暇すぎる。
 それに外は朝から騒がしい。
 人の声や、カンカンと金属同士をぶつけているような音。
 どこなんだここは。
 工場か?
 でも、何か違うような気がする。
 はぁ、早く動けるようにならないかな。



 一年後⋯⋯



 普通に走れるようになった。
 移動の面では、2ヶ月くらいで転がれるようになった。
 しかし、転がって移動は明らかにおかしい。
 言葉も覚えれたし、魔法もバレないようにしょぼ⋯⋯いやいや。
 しょぼくなんかない。
 水を集めれるのとか凄いだろ。
 いつか地球に行けるならマジシャンになって大金持ち目指すぜ!  もちろん研究者に目をつけられない範囲で。

 いやー、俺の魔法しょぼい気がする。
 もし魔法が普通に使える世界⋯⋯っていうか、普通に使われてるんだよね。
 母親に抱っこされて市場で買い物したときとか、普通に見かけたんだよね。
 水出してる人。
 それも結構多く⋯⋯。
 俺の場合は空気中にあるのを集めてやってるんだけど、なんかその人詠唱して出てたんだよ。
 ⋯⋯何も無いところから。
 火を出してる人もいたし、土を動かしたりしてる人もいた。
 俺もやってみようとしたけど、無理。
 地面は砂場で山を作る程度。
 遅すぎる。
 それに火はつかない。
 熱を周りから移動させるのは出来るんだけど、火を付けるのは無理。
 はぁ、大人は全く何を考えてるんだ。
 子供の夢と心を無茶苦茶にしようとして。

 ん?  母親のことを流そうとするなって?
 それはもう忘れようよ。
 だってさ、ほら?  いきなり赤ちゃんになってるんだぜ?  勘違いしても仕方ないよ、うん、ほんとに。  なんたって僕子供だもん!

 それにしても、赤ちゃんっていいよなぁ。
 あ、別に欲情とかしてる訳じゃなくてね?  ほら、ママ友に会う時に他の赤ちゃんとも会うわけですよ。  その時に指を口元に近づけると咥えて来てですね⋯⋯。

 まあこの話は置いておこう。
 俺の魔法なんだが、どうやら時空魔法のようだ。
 最近喋れるようになったため、この世界のことについて母親に聞いてみた。
 どうやら属性があるようで、魔法はその属性が無いと生み出せないようだ。
 属性の種類は火、水、風、土、光、闇、時空の7つのようで、その属性を持っているから、なになにの属性のダメージを多く受けたり、効果は抜群だ、なんてことは無いようだ。
 複数属性を持っている人もいるようで、その人は俺の嫉妬の対象になることだろう。
 だが、そんなことよりもやばいのがある。
 それは、勇者や魔王、そして異世界人が普通にいるという事だ。
 なんか生まれつきやばいやつが何人もいるそうで、そいつらは戦闘狂⋯⋯ではなく勇者と言われるそうだ。
 それから魔王も何人?もいるらしく、強いから魔王だとか、国の王だから魔王だとか、魔物をたくさん使役するから魔王、だとかいろんな魔王がいるようだ。
 異世界人は⋯⋯そのままでいいだろう。
 なんか召喚されたり、空間に歪みが出来て落ちてきたりするそうで、呼ばれたやつは強いやつが多いらしく、勇者と呼ばれることが多いらしい。

 それから世界のことだが、なんか大きいみたいだ。
 時間も、一日24時間よりも明らかに長い。
 だいたい30時間ぐらいだろうか。
 娯楽が少なそうな世界では夜も長い方が良さそうだ。
 それから成人は12歳かららしい。
 うん、この世界は逞しいね。
 12歳の頃なんて⋯⋯うん、2年前だ。
 いやー、暇すぎて悟りを開いていたのかもしれない。
 仙人目指しちゃおうかな?  ⋯⋯仙人って何する人なんだろうか。

 まぁそんなことは置いておいて、次は種族についてだ。
 なんか種族という言葉から分かるだろうけど、色々いる。
 人間に獣人、ドワーフにエルフに魔族。
 他にも色々いるようだけど、今はこのくらいでいいだろう。
 これらは、そう⋯⋯なんだろう?
 会ったことないからわかんないや。
 まあそれは置いておいて。

 この星は広い。
 そう、広いんだよ。
 ドラゴンがたくさんいるような場所や魔族の暮らす大陸、エルフの暮らす大陸に獣人の暮らす大陸。
 未到達地やらいろいろと。
 もうほんとね、国が多いこと多いこと。
 小国やら連合国やら宗教国やらいろいろある。
 地理だけで大変そうだ。

 しかし!  しかし問題ない。
 なんと、この世界には魔物が溢れていて、冒険者なるものがある。
 あ、別に俺が冒険者になるわけじゃないよ?
 冒険者には何が必要か?
 たくさんあるだろう。
 その中に、なくてはならないもの⋯⋯。
 そう武器だ。
 いやいや必要ない。
 俺には拳があれば充分さキラーん、とか言ってる奴は放っておいて、冒険者には武器が必要なのだ。
 そして、俺の家はなんと武器屋で、俺の父親は鍛冶師なのだ!
 こんな安全な職業が他にあるか?
 いや、ない!(すいません、あります)
 これはなるしかないだろう。
 俺には幸いか不幸か魔法がヘボい。
 まあそれはあってもなくても変わらないだろう。
 だが、俺には特別な力がある!
 それは怪我が治る力だ!
 この力は本当なのだ。
 別に厨二病なわけじゃない。
 この間熱を集めて実験していた時に、アツってなっただけで何も起こらなかった。(かなり熱かったです)
 鍛冶師は腕を痛めるだろう。
 だが、俺にはその心配はない。
 あぁ、これはもうあれだろう。
 そう、神は俺に鍛冶師になれと言っているのだ。
 ならない訳にはいかないだろう。
 だから、最近は将来を見据えて、俺は父親の仕事を見学している。
 だから、別に暇潰しに見ている訳では無いのだ。
 それから頭がおかしくなった訳でも⋯⋯多分ない。
 まあ、そんなわけで、これからは鍛冶師を目指そうと思う(キリッ)。
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