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chapter,5 Australia
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* * *
ピンク・レイクとはバクテリアや塩分などの影響で色づいている湖のことで、ここオーストラリアだけでなくメキシコやセネガルなど世界各地に点在している。
飛行機に乗り込んだふたりはピンク色の湖と真っ青な海の色のコントラストを空のうえから眺めていた。
「そういえば、塩分濃度が高いから湖に入ると太っているひとでもプカプカ浮かべるってきいたことがあるわ」
「ピンク色の水のなかに入る勇気はないなぁ」
「そう? シンガポールの海だって灰色ぽかったじゃない」
「たしかに透明度はなかったかもな。ハワイやバリの澄んだ紺碧の海と比べると、日本海みたいな感じがしたっけ」
「鳥海海運って日本海側でも船動かしてたっけ」
「長距離カーフェリーの航路を持ってるよ。そういえばキャッスルシーは新潟から佐渡島へ渡るジェットフォイルを所有しているよね」
「うん。シンガポールから日本に戻った夏に家族で佐渡島に行ったことがあるんだけど、楽しかったなあ……」
マツリカが懐かしそうに口にするのを、カナトが複雑な表情できいている。ここでいう彼女の家族とは、母と城崎清一郎と義弟マイルのことだ。幼い頃のマツリカとマイルは仲がよかったのだろうか。
「そういうカナトは子どもの頃、どこで過ごしていたの? マイくんと同じ高専に通っていたってことは下宿でもしていたの?」
アメリカへ留学したマツリカと同時期にマイルは父の跡を継ぐため瀬戸内海沿いに位置している海洋商船高専へ進学している。県外からの進学者が多い専門性の高い学校ゆえ、独り暮らしをしている学生が多く、マイルも清一郎に紹介された漁師の夫婦のもとで約五年世話になっていた。カナトはどんな風に学校に通っていたのだろうとふと疑問に思い、マツリカがはなしをふれば、彼の返事はあっさりしたものだった。
「母校は父方の実家から近いんだ。もともと四国のちいさな造船所がルーツだから。俺は進学するまでは母と向こうの祖父母が暮らしている東京にいたんだ。けど、父は忙しいひとだから世界各地を飛び回っていて……」
「いまのカナトみたいに?」
「うん、海運業界に身を置く人間の宿命だな。母は身体が弱いから父についていけなくて、単身赴任状態だったよ……母はいまも四国の家には戻ってなくて、東京にいる」
「じゃあ、このクルーズが終わったらカナトはお母さんに逢いに行くのね」
「ああ」
ふいに、淋しそうな表情を見せるカナトに、マツリカは瞳をしばたかせる。
「カナト?」
「――俺の初恋を彼女は愚かだと言い切って、夢など諦めて早く結婚しろと顔を合わせる都度文句を言うんだ。俺は、ようやく初恋に手が届くところまで来たのに」
「あ……」
シートベルトをしているから、身体は動かせないけれど、隣同士で座っているふたりの距離はとても近い。カナトがマツリカの方へ腕を伸ばし、彼女の手をとり、忠誠を誓うように手の甲へキスをする。
唇がふれた場所から、じんわりと熱が走る。飛行機のなかで落ち着かない気持ちに陥るマツリカを追い詰めるように、彼の指が彼女の手のひらを撫でさする。手を撫でられているだけなのに淫らな気分になってしまうのはなぜだろう。窓の向こうから見えるピンク・レイクの鮮やかな色彩が、非現実的で、まるで夢の世界にいるかのよう。
「マツリカ。俺は父親みたいにはならない。俺は貴女をけして手放さないよ。仕事のときもともに海のうえにいてほしいし、陸でも常に一緒にいたい」
「でも」
「母に逢ってほしい。彼女だけだって伝えたいんだ。俺が真実、結婚したいと想いつづけている女性は」
真剣な表情に気圧されて、マツリカはなにも言えなくなる。
やがて彼は彼女の左手の薬指の爪先にキスをして、名残惜しそうに顔を背けた。
気まずい沈黙が、互いのタイムリミットを示しているかのようだった。
* * *
ピンク・レイクの観光を終えた後、ハゴロモに戻ったマツリカはカナトから逃げるように使用人控え室へ入ってしまった。ちょうど月の障りに入ったからしばらくはおあずけだよという余計な捨て台詞と一緒に。
プレミアムスイートルームでひとり取り残されたカナトは、はぁ、とため息をつきながらクローゼットをひらき、貴重品をしまい込んでいる小型ロッカーの鍵をまわす。カチャカチャという耳障りな音が室内に響き渡ったが、マツリカが戻ってくる気配はない。
――次の寄港地になるバリ島で、真実をはなしてこれを渡そう。
南太平洋クリスマスクルーズのメインとなっている紺碧の海原を楽しめるインド洋でのクルージングを経て、豪華客船ハゴロモはインドネシアのバリ島へ到着する。到着予定日はクリスマス・イブ。その日は知り合いのヴィラを借りて、外泊の計画を立てている。
マツリカに本気のプロポーズをするために。
ナガタニの指輪を見せればきっと、彼女もわかってくれると信じたい。「Dear my fastival flower」と刻まれたお守りのサファイアリングを、あの左手薬指にはめてあげたい。きっとぶかぶかだと思うけど。
しげしげと指輪を眺めれば、英字だけでなく模様のような言語が刻まれている。その言葉がきっと、“マリカー”、ナガタニが彼女を呼んだという“祭祀の花”なのだろう。
――ヒンディー語? マツリカはサンスクリット語って言っていたっけ。彼女に見せればわかるだろうか。
そして年越しはフィリピン海クルージングを終えた後の日本、沖縄だ。
一足早い婚前旅行になればいい。
そして、東京でクルーズが終わってからも俺の花嫁として傍に……
ピンク・レイクとはバクテリアや塩分などの影響で色づいている湖のことで、ここオーストラリアだけでなくメキシコやセネガルなど世界各地に点在している。
飛行機に乗り込んだふたりはピンク色の湖と真っ青な海の色のコントラストを空のうえから眺めていた。
「そういえば、塩分濃度が高いから湖に入ると太っているひとでもプカプカ浮かべるってきいたことがあるわ」
「ピンク色の水のなかに入る勇気はないなぁ」
「そう? シンガポールの海だって灰色ぽかったじゃない」
「たしかに透明度はなかったかもな。ハワイやバリの澄んだ紺碧の海と比べると、日本海みたいな感じがしたっけ」
「鳥海海運って日本海側でも船動かしてたっけ」
「長距離カーフェリーの航路を持ってるよ。そういえばキャッスルシーは新潟から佐渡島へ渡るジェットフォイルを所有しているよね」
「うん。シンガポールから日本に戻った夏に家族で佐渡島に行ったことがあるんだけど、楽しかったなあ……」
マツリカが懐かしそうに口にするのを、カナトが複雑な表情できいている。ここでいう彼女の家族とは、母と城崎清一郎と義弟マイルのことだ。幼い頃のマツリカとマイルは仲がよかったのだろうか。
「そういうカナトは子どもの頃、どこで過ごしていたの? マイくんと同じ高専に通っていたってことは下宿でもしていたの?」
アメリカへ留学したマツリカと同時期にマイルは父の跡を継ぐため瀬戸内海沿いに位置している海洋商船高専へ進学している。県外からの進学者が多い専門性の高い学校ゆえ、独り暮らしをしている学生が多く、マイルも清一郎に紹介された漁師の夫婦のもとで約五年世話になっていた。カナトはどんな風に学校に通っていたのだろうとふと疑問に思い、マツリカがはなしをふれば、彼の返事はあっさりしたものだった。
「母校は父方の実家から近いんだ。もともと四国のちいさな造船所がルーツだから。俺は進学するまでは母と向こうの祖父母が暮らしている東京にいたんだ。けど、父は忙しいひとだから世界各地を飛び回っていて……」
「いまのカナトみたいに?」
「うん、海運業界に身を置く人間の宿命だな。母は身体が弱いから父についていけなくて、単身赴任状態だったよ……母はいまも四国の家には戻ってなくて、東京にいる」
「じゃあ、このクルーズが終わったらカナトはお母さんに逢いに行くのね」
「ああ」
ふいに、淋しそうな表情を見せるカナトに、マツリカは瞳をしばたかせる。
「カナト?」
「――俺の初恋を彼女は愚かだと言い切って、夢など諦めて早く結婚しろと顔を合わせる都度文句を言うんだ。俺は、ようやく初恋に手が届くところまで来たのに」
「あ……」
シートベルトをしているから、身体は動かせないけれど、隣同士で座っているふたりの距離はとても近い。カナトがマツリカの方へ腕を伸ばし、彼女の手をとり、忠誠を誓うように手の甲へキスをする。
唇がふれた場所から、じんわりと熱が走る。飛行機のなかで落ち着かない気持ちに陥るマツリカを追い詰めるように、彼の指が彼女の手のひらを撫でさする。手を撫でられているだけなのに淫らな気分になってしまうのはなぜだろう。窓の向こうから見えるピンク・レイクの鮮やかな色彩が、非現実的で、まるで夢の世界にいるかのよう。
「マツリカ。俺は父親みたいにはならない。俺は貴女をけして手放さないよ。仕事のときもともに海のうえにいてほしいし、陸でも常に一緒にいたい」
「でも」
「母に逢ってほしい。彼女だけだって伝えたいんだ。俺が真実、結婚したいと想いつづけている女性は」
真剣な表情に気圧されて、マツリカはなにも言えなくなる。
やがて彼は彼女の左手の薬指の爪先にキスをして、名残惜しそうに顔を背けた。
気まずい沈黙が、互いのタイムリミットを示しているかのようだった。
* * *
ピンク・レイクの観光を終えた後、ハゴロモに戻ったマツリカはカナトから逃げるように使用人控え室へ入ってしまった。ちょうど月の障りに入ったからしばらくはおあずけだよという余計な捨て台詞と一緒に。
プレミアムスイートルームでひとり取り残されたカナトは、はぁ、とため息をつきながらクローゼットをひらき、貴重品をしまい込んでいる小型ロッカーの鍵をまわす。カチャカチャという耳障りな音が室内に響き渡ったが、マツリカが戻ってくる気配はない。
――次の寄港地になるバリ島で、真実をはなしてこれを渡そう。
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マツリカに本気のプロポーズをするために。
ナガタニの指輪を見せればきっと、彼女もわかってくれると信じたい。「Dear my fastival flower」と刻まれたお守りのサファイアリングを、あの左手薬指にはめてあげたい。きっとぶかぶかだと思うけど。
しげしげと指輪を眺めれば、英字だけでなく模様のような言語が刻まれている。その言葉がきっと、“マリカー”、ナガタニが彼女を呼んだという“祭祀の花”なのだろう。
――ヒンディー語? マツリカはサンスクリット語って言っていたっけ。彼女に見せればわかるだろうか。
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