身代わり聖女は「君を孕ますつもりはない」と言われたのに死に戻り王子に溺愛されています

ささゆき細雪

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chapter,1

02. 第二王子の興味関心《1》

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 ハーヴィック王国の現国王ロブレヒト・ステラデ・ハーヴィックにはふたりの息子がいる。そのうちのひとりが先日聖女ジゼルフィアを娶ったばかりの第一王子リシャルトで、もうひとりが妾腹から生まれた第二王子シュールトだ。同い年でありながら正妃と妾腹という生まれによって身分を隔てられたふたりは王命によって別々に育てられていた。
 リシャルトからすればシュールトは存在感の薄い弟王子だが、実際のところは王立騎士団で団長を勤める実力を持っており、騎士団所属の騎士たちの多くは優秀な第二王子に憧憬の念を抱いている。
 正統な第一王子リシャルトのどこか人並外れた神々しさを持つ銀髪碧眼と異なり、シュールトの見た目は王族らしからぬ焦げ茶色のクセの強い髪とまんまるな栗色の瞳が特徴的で、人懐っこい仔犬のようだと国民から親しまれていた。人を寄せ付けない雰囲気を持つリシャルトよりも身近な王族ということもあり、女性受けも良い。ただ、本人に結婚願望はなく、騎士団長として一生王家を支えたいと考えていた。
 冥穴の綻びによって魔物が出現し、近隣諸国が魔法や精霊を欲して領土紛争を起こしている現状を危惧している彼は、膨大な魔力を持つ兄が聖女と婚姻を結んだことでハーヴィックが安定するものだと信じている。
 だが、王国を守護する結界のちからに変化は見られない。結婚して間もないから仕方ないと思っていたが、側近のはなしを聞くとどうやらそれだけではないらしい。

「……では、兄上は聖女に膨大な魔力を注いでいない、と?」
「聖女ジゼルフィアさまは生まれつき病弱とのことですので。殿下も結婚してすぐにはがっつけないのでしょう」
「それは理解できなくもないが……兄上が持て余す魔力を受け止めて還元できるはずの聖女がそのような状態で大丈夫なのか」
「わかりかねます」
「――兄上が持つ偏っている魔力を分散させれば精霊たちによる結界も強化される。大魔女タマーラは聖女を器にして兄上の魔力を後世へ遺したいのだ。冥穴から這い出る魔物が蔓延る戦乱の世からハーヴィックを滅ぼさないために」
「陛下も同じようなことをおっしゃっておりました。早く聖女とのあいだに後継者を作ればハーヴィックは安泰だと」
「結婚してすぐに子作りを強要される兄上も難儀なものだな」
「市井で浮名を流しまくっているシュールトさまからすれば些細なことかもしれませんが、あのリシャルトさまですから」
「ああ見えて童貞だしな」

 俺と違って、と冗談交じりに呟いて、シュールトはため息をつく。
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