16 / 123
chapter,1
05. 聖女ジゼルフィアの初夜(後編)《2》
しおりを挟む
「!? あんっ」
「口づけをしてもいいだろうか……ジゼ」
「こ、こんなときまで許可をとらなくても……大丈夫ですよ、リシャルトさま……――ンっ」
リシャルトはジゼルフィアを傷つけないよう口づけをしながら、ゆっくりと挿入を開始していく。舌先を絡めた濃厚な接吻にジゼルフィアがうっとりした表情で溺れているのを確認しながら、熱杭を彼女の内側へ押し込んでいく。
みちみちと隘路を拡げていけば、ジゼルフィアがすこし苦しそうに顔を歪める。一息に貫いた方が辛くなかっただろうか、だが、彼女の膣壁はリシャルトの熱楔を絡めとるように蠢き、彼の思考を溶かしていく。
「ぁあ……ジゼ、君のなかは、あたたかくて、心地よいのだな」
「んっ……はぁっ、りしゃると、さまっ」
「あと少しで、いちばん奥に、届く……っ」
「は、ぃ、あぁぁっ――!」
完全に最奥まで挿入できたと、リシャルトは安堵の表情でジゼルフィアの髪を撫でる。気づかぬうちにぽろぽろと涙を溢していた彼女もまた、はにかむような微笑を浮かべ、彼の首に腕を巻き付ける。
「よかった」
ひとつに繋がって、リシャルトを感じられることが嬉しいのだとジゼルフィアは声をあげる。
「――きつい、な。ジゼ、痛くはないか」
「大丈夫、です。だから、もっと――して」
「こら、煽るな……!」
深みのあるガーネットの瞳がリシャルトを誘惑する。身体を重ねた状態のまま、腰を動かそうとするジゼルフィアに、彼の理性は限界を迎える。
「きゃっ、んっ!? あっ、あぁぁっ……!」
「大切に抱こうと思っていたのに、ジゼがいけない。俺を、こんな、風にして……っ!」
「あぁ……、アンっ、りしゃ、ると、さま……アッ、~~!」
リシャルトが腰をつかんでガツガツと振れば、彼の熱杭で官能を呼び覚まされたジゼルフィアがむせび啼く。宝石のように澄んだ涙を散らして、彼に与えられる悦楽に絶叫している。その、聖女らしからぬ淫靡な姿にリシャルトは更に己自身を硬くさせていた。
「……きれいだ。俺の聖女さまっ、俺の、運命っ」
「ひあぁ、激し、ぃです、へん、なの、なんか、へんっ!?」
「俺に貫かれてナカでも達すればいい。ジゼ、俺の形を覚えるんだ」
「あぁぁぁっ! い、イ……っちゃ、うぅ~~!」
「俺も、出る……っ!!」
リシャルトの律動にされるがまま、ジゼルフィアの身体は快楽を拾い上げ、初めてとは思えないほどに乱れ咲く。
ジゼルフィアが絶頂を迎える都度、リシャルトの分身も彼女のなかでキツく締め付けられ、魔力とともに子種を放出していた。
彼女の声にならない悲鳴が途切れ、一瞬、周囲からすべての五感が姿を消す。
気持ちよすぎると、すべてが漂白されてしまうのだと、リシャルトは我に却る。魔力を受け止めたジゼルフィアは、あまりの衝撃に失神し、髪と瞳の色を元に戻していた。
「あぁ……、ジゼ。愛するひとと結ばれるというのは、こんなにも気持ちが良いのだな」
このときはまだ、強大な魔力とともに子を孕ますという危険性にリシャルトは気づいていなかった。ただ、ようやく手にいれた花嫁を自分のものにしたという満足感だけが、傲慢な独占欲とともに彼のなかに昏く根付いてしまったのである。
「口づけをしてもいいだろうか……ジゼ」
「こ、こんなときまで許可をとらなくても……大丈夫ですよ、リシャルトさま……――ンっ」
リシャルトはジゼルフィアを傷つけないよう口づけをしながら、ゆっくりと挿入を開始していく。舌先を絡めた濃厚な接吻にジゼルフィアがうっとりした表情で溺れているのを確認しながら、熱杭を彼女の内側へ押し込んでいく。
みちみちと隘路を拡げていけば、ジゼルフィアがすこし苦しそうに顔を歪める。一息に貫いた方が辛くなかっただろうか、だが、彼女の膣壁はリシャルトの熱楔を絡めとるように蠢き、彼の思考を溶かしていく。
「ぁあ……ジゼ、君のなかは、あたたかくて、心地よいのだな」
「んっ……はぁっ、りしゃると、さまっ」
「あと少しで、いちばん奥に、届く……っ」
「は、ぃ、あぁぁっ――!」
完全に最奥まで挿入できたと、リシャルトは安堵の表情でジゼルフィアの髪を撫でる。気づかぬうちにぽろぽろと涙を溢していた彼女もまた、はにかむような微笑を浮かべ、彼の首に腕を巻き付ける。
「よかった」
ひとつに繋がって、リシャルトを感じられることが嬉しいのだとジゼルフィアは声をあげる。
「――きつい、な。ジゼ、痛くはないか」
「大丈夫、です。だから、もっと――して」
「こら、煽るな……!」
深みのあるガーネットの瞳がリシャルトを誘惑する。身体を重ねた状態のまま、腰を動かそうとするジゼルフィアに、彼の理性は限界を迎える。
「きゃっ、んっ!? あっ、あぁぁっ……!」
「大切に抱こうと思っていたのに、ジゼがいけない。俺を、こんな、風にして……っ!」
「あぁ……、アンっ、りしゃ、ると、さま……アッ、~~!」
リシャルトが腰をつかんでガツガツと振れば、彼の熱杭で官能を呼び覚まされたジゼルフィアがむせび啼く。宝石のように澄んだ涙を散らして、彼に与えられる悦楽に絶叫している。その、聖女らしからぬ淫靡な姿にリシャルトは更に己自身を硬くさせていた。
「……きれいだ。俺の聖女さまっ、俺の、運命っ」
「ひあぁ、激し、ぃです、へん、なの、なんか、へんっ!?」
「俺に貫かれてナカでも達すればいい。ジゼ、俺の形を覚えるんだ」
「あぁぁぁっ! い、イ……っちゃ、うぅ~~!」
「俺も、出る……っ!!」
リシャルトの律動にされるがまま、ジゼルフィアの身体は快楽を拾い上げ、初めてとは思えないほどに乱れ咲く。
ジゼルフィアが絶頂を迎える都度、リシャルトの分身も彼女のなかでキツく締め付けられ、魔力とともに子種を放出していた。
彼女の声にならない悲鳴が途切れ、一瞬、周囲からすべての五感が姿を消す。
気持ちよすぎると、すべてが漂白されてしまうのだと、リシャルトは我に却る。魔力を受け止めたジゼルフィアは、あまりの衝撃に失神し、髪と瞳の色を元に戻していた。
「あぁ……、ジゼ。愛するひとと結ばれるというのは、こんなにも気持ちが良いのだな」
このときはまだ、強大な魔力とともに子を孕ますという危険性にリシャルトは気づいていなかった。ただ、ようやく手にいれた花嫁を自分のものにしたという満足感だけが、傲慢な独占欲とともに彼のなかに昏く根付いてしまったのである。
15
あなたにおすすめの小説
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる