枢軸国

よもぎもちぱん

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独コ戦争

この世界でのクルスク

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1940年8月
史実よりも早く進撃した中央軍集団のモーデル元帥とその主力である第9軍ペールマン ホトと南方軍集団のバーシュタインはフェルスクへ侵入。コミー軍は我々の力強い進撃を止められずジリジリと戦線を後退させる

「Я убью тебя!」

「蹂躙してやれ!」

コミンテルン兵の叫びと第1SS装甲師団ライプシュタンダルテ レルバフ ヘンケラーの指揮官ミヒャエル ヴィットマン中将が叱咤する声が響く。優秀な総統の親衛隊が愚かにも我々に反撃する

ドイッテスト軍III号 IV号戦車4000両の戦車に対して、コミンテルン軍5000両 約1万の戦車が戦う史上最大の決戦 フェルスクの戦いが発生した

航空機も大量に投入され、この戦いを制せば、我々の進撃は早くなり、負ければ我が祖国が滅ぶ。フェアプレーにして欲しいものだ

「ハインツ!行くぞ!」

「はい!ロケット弾を敵に献上する準備は出来てます!」

「全中隊!これより我々は先に攻撃を仕掛ける!師団長によればどうやら機密で開発された物も出てくるらしいが…我々が出る幕を奪えば良いだけだ!やれ!押し潰せ!共産主義者を通すな!」

ソフィアの指揮する勇猛な中隊は恐れることも無く敵戦車軍に突撃。大量のロケット弾を撃ち込み、無くなれば機銃で、それも無くなれば補給。と、効率良く戦える最大限で戦い続ける
ソフィア中隊に倣い、他の中隊や部隊も攻撃を始める。
その中にはこの戦いで、おかしい戦果を挙げたものも居た。そのものはタンクキラーと呼ばれ、日本語では魔王と呼ばれた。彼の説明はまた別の機会にしよう

ソフィア達が離れた時、どうやら他の部隊も弾薬が尽きたらしく、こちらへ向かってくる。残骸だけみたら敵の全軍の半分を削った気もするが…

そう思いながらソフィアは撤収。視線は地上へ移る


「ってぇええ!!」

無線内に怒号が響き渡れば大量の戦車が吠える。
敵の戦車に命中するも弾は跳弾する。どうやら傾斜装甲という物を採用しているらしい

「撃てるだけ撃て!勝たなければ我々の未来は無いぞ!」

ヴィットマンが隷下の部隊に叱咤する。戦車師団は勇猛に攻撃を敢行する。敵の装甲を撃ち抜き敵も擱座するが、傾斜装甲のせいで思うように撃破することが出来ない。損害はこちらも増すばかり。

「撃ち抜け無い…クソ!あの斜めの装甲をどうにかして撃ち抜けないのか!?」

諦めかけたその時、突如として奇跡は起きる。
後ろから砲を放つ音が聞こえ、後ろを確認すればそこには9cmはあるだろうか?巨大な戦車が凛々しく12両程並んでいた。III IV号戦車の群れは何とか道を開き、そこを化け物は通る。コミンテルンも砲撃を止めていた

「Да ладно... что это было, черт возьми?」
(おいおい…なんだよあれ?)

困惑する声や、恐れ戦く声が入りまじる。

「第502重戦車大隊、合流完了。指揮権をミヒャエル ヴィットマン中将に委ねます」

「援軍か…いや、まてたった12両だと!?」

「指揮官、砲撃命令を」

「12両で撃破など…いや、了解。砲撃開始!奴らをだいちの栄養分にしてやれ!」


12両の化け物は吠え、敵に全て命中。擱座か、爆発四散した。

「Какая разрушительная сила!」

完全に戦意喪失した敵は必死に逃亡を図るが、大量の戦車でつっかえ、戦わざるを得なかった。

(コミンテルンの戦車の情報が入ってきた。どうやらあれはK-34といい、傾斜装甲を備え持つ頑丈な戦車のようだ。しかしそんな戦車を…いとも容易く…あれは…)

後ろからIII IV号戦車も射撃するが、化け物の足元にも及ばない。

「撃てぇ!」

「了解!撃てぇ!」

「砲撃!」

「Что это было, черт возьми?」
(なんなんだあれは!)

「Мы обязательно вернемся!」
(また来るぞ!)

「Убегайте! Убегайте! Отступаем!」
(撤退だ!撤退だ!逃げろ!)

結局、敵戦車軍団は潰走。5000両いた戦車は撤退時には既に1000両を下回っていた。が、我々も1000両を超える手痛い被害を受けた

_________________

詳しくは
独コ戦争(時系列順)を閲覧ください。かなり見やすいです
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