機龍世紀3rdC:暗黒時代~黒髪の騎狼猟兵

武無由乃

文字の大きさ
27 / 58
Episode 1 始まりの冒険

Chapter 14 黒髪の少女

しおりを挟む
 海岸線に面する小さな都市国家ガノン、それは漁業で生計を立てる漁師たちの住む海洋国家である。ラシドに比べてもかなり規模の小さい小国であり、交易船が寄港することはあるものの、明確な交易の拠点にはなっていない辺境の港町である。
 鉤爪の夢魔号は、ガノンから見えない距離の海に停泊すると小舟を下してそれにアスト達をのせた。

「すまない……我々はなるべく港には停泊したくないんだ、いろいろ調べられる可能性もあるのでね。君たちとはこれでお別れになる……」
「いえ……ここまで送っていただいただけでもありがたいです。それに、いろいろな話を聞けて良かったですよ」
「そういてくれると助かる……。しかし、縁があればまた君たちをのせることもあるだろう……、我々はまだしばらくこちらに居るのでね……」
「はい……その時はお願いします」

 アスト達はネモスに礼を言ってから小舟を海岸に向けて動かし始めた。
 ネモスたちはいつまでもアスト達に向かって手を振っていた。

「しかし、この時代に別大陸から渡ってきてる人がいるなんて……」

 リディアがそう言ってアストを見る。

「そうだな……、この大陸の調査だって言っていたが……、アークさんの歴史研究もその一環なんだろうな」

 そのアストの言葉にリックルが笑いながら言う。

「そんな事より! 技術だよ!! あの船に使われている技術はすごいもんだったね!! あれなら最強最速なのも頷ける!」

 そのリックルの言葉にリディアが答える。

「そうね……別大陸ってあそこまで進んだ技術を持っているんだって感心しちゃった……」
「うん!! 見てみたいな……セイアーレス大陸か……」
「これは……リックルの、パック族としての血が燃えちゃってるのかな? まだ、旅に出ちゃダメだからね」

 そのリディアの言葉にリックルは笑う。

「大丈夫だよ!! 私はアシュト達の旅に付き合うって決めてるから、他大陸への旅はそれが終わってからにするさ!」
「もしかしたら。私たちも他大陸へ行くかもしれないしね?」
「そうだね!! アシュト! そうしようよ!!」

 そのリックルの言葉にアストは笑って答える。

「そうだな……姉さんのことが終わったらそれもいいかもしれないな」

 そのアストの答えにリックルは笑顔で言った。

「やった!! 決まりだね! 約束したぞ?!」

 リックルのその言葉にリディアが突っ込む。

「こら……まだ決まってないよ。まだこの大陸でやることは沢山あるんだからね?」

 そうしたリディアとリックルのやり取りを聞きながらアストは考えていた。

(ネモス艦長は言っていた……。100年の間に『狂神』が復活して世界は滅ぶと……。それが正しいとすると、今ソーディアン大陸を襲っている魔龍アールゾヴァリダがその『狂神』なのか? ……おそらく、そう考えるのが普通なんだろうが、何か違和感を感じる……。予言を残したセイアーレスの魔龍が出現したのは今から50年前……、だから『これから狂神が復活する……』という意味なら、今から100年前にすでに出現していた魔龍アールゾヴァリダは該当しないことになる。もし……俺の想像が正しいなら……、魔龍と呼ばれる存在は『狂神』の前座……。『狂神』はそれ以上にヤバい存在ということになる。そんな存在とどうやって戦う? この世界は滅びるしかないのか? そんなこと……)

 アストはいつの間にか怖い顔になっていた、それを見てリディアが心配そうに聞いてくる。

「どうしたのお兄ちゃん? 何かあった?」
「え? いや、ごめん。何でもないよ」

 アストは慌てて取り繕う。それでもリディアは心配そうな顔をやめなかった。

「お兄ちゃん……悩んでるなら言ってね? 私はお兄ちゃんの妹なんだから、何でも相談に乗るからね?」
「ありがとうリディア……」

 アストはそう言ってため息を付いた。大切な妹に心配をかけてしまう自分に少し腹が立った。

「とにかく……このガノンでこれからのことが決まる。目撃された女性が、俺の姉さんなのかどうなのか……確かめに行こう!」

 そう言ってアストは近づいてくる港を指さす。
 果たして、この街で待つ黒髪・黒い瞳の女性はアストの姉・カナデなのか? ――その結果が今にも判明しつつあった。


◆◇◆


「……」

 その時、バルディ・ムーアは怖い顔をして酒を飲んでいた。それを隣の女性が見とがめる。

「どうしたのバルディ? そんな怖い顔でお酒を飲むもんじゃないわ」
「いや、最近お前の周りを探っているものがいるようでな……、もうそろそろここも潮時かもなって……」
「そうなの? バルディの調査が終わったんなら、私はすぐにでも出発できるけど?」
「ふむ……そうするかな。どうやら聖バリス教会の活動はカディルナ中部地方に移っているようだし、そっちへ移動するか……」
「そうね……でも、そうなると寂しくなるわね。ここのお酒結構気にいっていたんだけど……」
「……あのな。そもそも、お前が俺についてくる意味はないんだぞ? いい加減城に戻るか?」
「いやよ……あそこ窮屈だし……退屈だし……」
「ふう……困ったお姫様だな」

 そう言ってバルディは隣の女性をジト目で見る。その女性は黒髪をなでながらお酒を飲んで澄まし顔である。

「それじゃあ、その酒を飲んだら。出立の準備をするぞ……、なるべく急いだ方がいい」
「せっかちねぇ……」

 そう言って女性は黒い瞳で笑ったのである。


◆◇◆


 ガノンの港へ着いたアスト達は、さっそく討伐士組合で聞いた宿へと直行することにした。その宿はガノンでも有名な老舗であり、それを探すだけなら特に時間を食うこともなかった。

「急ごう……」

 アストがそう言って皆の先頭を走っていく。アストはここにきて目に見えて焦り始めていた。やっと姉のカナデに会えるかもしれない――、そのことがアストの心を逸らせていた。

「お兄ちゃん……、そんなに走らなくても……」
「……」

 このときには、すでにリディアの言葉すら耳に届いてはいなかった。
 リディアたちは仕方なく、黙ってアストの後を追った。そして――、

「ここが……姉さんがいるかもしれない宿か……」

 アスト達はとうとう、最初の目的地である、ガノンの宿・夕暮れの黄昏亭にたどり着いたのである。
 アスト達がゲルダの集落を旅立ってから、すでに一月が経ってしまっていた。

「長かったけど……やっと」
「そうだね……、ここに来るのが旅の目的だったから……」

 アストとリディアは感無量の気持ちで宿を見つめる。
 アストは少し頷いてから宿の扉に手をかける。

「いくぞ……」

 アストはそうして宿の扉を押し開けたのである。

「いらっしゃい……」

 宿の玄関先の受付で主人が声をあげる。

「お泊りかな?」
「あ……いえ……そうではなく……」

 宿の主人の言葉にアストがそう返すと、宿の主人が不審そうな顔になる。

「なんだい? 食事なら向かいの酒場にいてくれないと……。ここは宿泊だけの宿だよ?」
「あ……すみません。実は知り合いを探していまして……」
「知り合い?」

 アストの言葉に宿の主人が不審げにそう答える。

「黒髪で黒い瞳の女性がここに泊まっていると聞きまして……」
「ふむ……」

 そのアストの問いに主人は一瞬考えて。

「名前は?」
「え?」
「名前だよ……知り合いなんだろ?」
「う……」

 主人の言葉にアストが言い淀む。
 果たしてここに泊まっていたのはカナデなのか? そもそもカナデという名を名乗っていたのか?
 しばらく考えたアストは、意を決して名を答えた。

「カナデって名前ですが?」
「……」

 そのアストの言葉を聞いて、主人は一瞬ため息を付いて答えた。

「知らないね……。そもそも黒髪で黒い瞳の女性なんか泊まっていないよ……」
「え?」

 アストはそれはおかしいと思った。
討伐士組合の調べでは、名前はわからないが、この宿に黒髪で黒い瞳の女性が確かに泊まっていたはずなのだ。
 すると、不意にリックルがアストに小声で声をかける。

「アシュト……まずいよ……。こっち来て……」

 そう言ってリックルはアストの手を引いて宿を出る。
 それを宿の主人は明らかに警戒した目で見送ったのである。

「リックル? どうして?」

 そのアストの言葉にリックルが答える。

「宿の主人に明らかに警戒されているよ。どうやら、アシュトはここに泊まっていた女性の名前を間違えたらしいね」
「え? それじゃあ……」
「うん……ここに泊まっていた女性はカナデという名前じゃないんだ……。アシュトが名前を間違えたから、宿の主人は警戒して嘘を教えた……。ここにはそもそも泊まっていないって……」

 アストはリックルのその言葉にしばらく考え込む。

(カナデじゃない? 姉さんじゃないのか? そもそも、姉さんは本名を名乗っているのか?)

 そう考え込むアストを見てリディアが言う。

「お兄ちゃん……ここで考え込んでても意味ないよ……。向かいの酒場に行ってみよう? 今度は何か聞けるかもしれない」

 そのリディアの言葉に、アストは小さく頷いてため息を付いた。

「ここは止まるだけの宿だ……、食事時は向かいの酒場に行くということだから……。そこで情報を集めよう……」

 出鼻をくじかれたアスト達は、そうして向かいの酒場へと入っていったのである。


◆◇◆


 リックルは涙ながらに酒場の主人に話を続ける。

「そうして、離れ離れになった姉弟は八年たった現在その行方を捜して旅をしているということです!」
「そうかい、それは大変だったね……」

 リックルの話に、目に涙をためて聞き入る酒場の主人。
 アストとリディアは少し苦笑いしながらそのやり取りを見つめている。

「そうか……、そう言えばそこの君も黒髪で黒い瞳だね……、よく見ると目元も似てるかも?」

 酒場の主人は、リックルの口車にころりと乗ってそう口走る。

「そうなんですよ! その……女性……」

 リックルがわざと言いよどむ。すると酒場の主人は、あっさりと口を滑らせた。

「そう……フィリスさんの弟さんか……君が……」
「そう! フィリスはアシュトのお姉さんナンデス!!」
「そう言えば、前に言っていたよ……。『そんな弟もいた……』って……」

 その酒場の主人の言葉にアストが確信を得る。

(姉さんだ……やはり姉さんがここに……)

 リックルはそのアストを尻目に主人と会話を続ける。

「それで……フィリスさんはどこに?」
「ああ!! それは残念だったね!! でも急げば間に合うかも!!」
「え?」

 リックルが驚いた声をあげる。主人は言う。

「フィリスさんなら、御付きの人とついさっき旅立ったよ。港で船に乗ってカディルナ中部地方のゲイブラッドへ向かうって言っていたぜ。早く港へ行きな! 間に合わなくなるぜ!!」

 その主人の言葉にアスト達は慌てた。どうやら入れ違いになってしまったらしい。

「アシュト!」「お兄ちゃん!」

 リックルとリディアが叫ぶ。アシュトは酒場から外に駆けだした。
 すぐに、アストは狼笛を取り出して吹く。すぐにゲイルが駆けてきた。

「ゲイル!! 急げ!!」

 そう叫んでゲイルに飛び乗るアスト。
 そのまま、街中を港へ向けて疾走した。

「「……!!」」

 そのはるか後方を叫びながら駆けるリディアとリックル。
 二人はしばらく走ったあと、荒い息を吐きながらアストを見送ったのである。

(間に合って……)

 リディアは、ただひたすらそれだけを思っていた。


◆◇◆


「ほら……急いで……船が出るよ」

 水夫がそう言って、その二人を促す。
そう――、その水夫が声をかけたものこそ、フィリスとバルディであった。

「しかし、今時カディルナ中部地方へ渡ろうって、奇特な人間がいるとはね……。大金をもらったからどうでもいいことだが……」

 バルディは努めてにこやかに水夫に対応する。

「こっちも仕事なんでな……。ホントは行きたくないんだけど……」

 そのバルディの言葉をフィリスが聞きとがめる。

「なに? 私の所為?」

 その言葉にバルディが笑いながら答えた。

「ははは!! そんな事これっぽっちも思っていないさ!! さあ!! お姫様お手を……」

 そう言ってバルディがフィリスに手を差し伸べる。
 フィリスは一瞬バルディの手を見つめた後、パシリと平手でその手を叩いた。

「いらない……」

 そう言ってフィリスは頬を膨らませる。
 バルディはその頬を指でつついて言った。

「急ごうぜ……船長が困ってる……」
「わかってるわよ……」

 フィリスはため息を付くと、船に乗るための板に脚をかけた。その時――、

オウウウウウウウウウウ!!

 どこからか狼の声が響く。
 フィリスとバルディは何事かと港を振り返った。

「まさか……」

 バルディがそう呟く。
 その呟きを聞いたフィリスがバルディに聞く。

「どうしたの? バルディ……」

 その言葉にバルディは一瞬ため息を付いて、水夫の方に向いてそちらに答えた。

「すまん……、どうやら彼らが追いついてきたらしい。少し出発を待ってくれ……」

 そのバルディの言葉を、フィリスと水夫は呆然として聞いていた。


◆◇◆


「姉さん!!」

 アストはゲイルの遠吠えに負けないくらいの声で叫ぶ。
 港を人の波を避けて疾走する。そうするうちに、港の一角にその姿を見た。

「姉さん!!」

 それは黒髪の女性であった。その女性はこちらを向いていないので顔を見ることはできなかった。しかし、

「バルディさん?!」

 その隣に見知った顔を見つけてアストは驚きの声をあげる。
 その言葉が届いたのか、バルディは笑いながら手を振る。アストはその場に急いだ。

「なに?」

 黒髪の女性フィリスが、何事かとアストの方を向く。アストと目が合った。

「!!」

 アストは絶句した。それは――、

「姉さん!!」

 それは確かにカナデであった。見違えるはずもない姉の顔であった。

「?」

 フィリスはその言葉に疑問符を飛ばす。アストを知らない者のような、警戒する目で見つめ返した。

「姉さん!!」
「よう! アスト」

 そのアストの叫びにバルディが答える。

「やっと来たようだな……ここまで……」
「バルディさん? なんであなたがここに?」

 そのアストの問いにバルディが笑って答える。

「このお姫様の護衛兼教育係さ……」
「お姫様って……姉さん?」

 そのアストの言葉に、一瞬考えを巡らせたバルディは口を開く。

「フィリスがそう見えるのかい?」
「フィリスって……姉さんですよ……どう見てもそこに居るのはカナデ姉さんだ……」
「ふむ……なるほど……」

 バルディは合点が言った表情で笑う。すると――、

「貴方……いい加減にしなさい?」
「え?」

 そう言葉を発したのはフィリスであった。

「私はカナデなどと言う名ではありません!! この無礼者!!」
「え?」

 そのフィリスの言葉に呆然とするアスト。
その顔を――姿をしばらく眺めたフィリスは、上から見下ろすかのような物言いで答えた。

「貴方……黒の部族……騎狼猟兵ですか? その貴方が……自分の主人の顔すら知らないのですか?」
「え……」

 そのフィリスの物言いに声を詰まらせるアスト。

「この私を誰だと心得るか!! 私こそ、ボーファス帝国は天帝領の主人……、天帝フィリガナムなるぞ!!」
「え?!!」

 アストはそのフィリスの言葉を聞いて驚愕の表情を見せる。
 その表情を横目で見つつバルディが答えた。

「そう……この人は、残念ながら君の姉ではないよ……。このお転婆こそ、ボーファス帝国の現在の天帝様……、なんだなこれが……」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

処理中です...