機龍世紀3rdC:暗黒時代~黒髪の騎狼猟兵

武無由乃

文字の大きさ
33 / 58
Episode 2 聖バリス教会の脅威

Chapter 4 ギフト

しおりを挟む
 デンバートの北部に存在するプロスタン砦。それは、山肌に石と木材で築かれた前線基地である。
 兵たちが生活するためのテントや小屋が多く設置され、その中心に指揮所兼司令官宅である大きな居宅が作られている。砦の周囲には木組みの城壁が張り巡らされ、いたるところに見張り台が設置されていた。

 現在、プロスタン砦は、前線から敵を引き付けて帰ってくる部隊を迎えるために慌ただしくなっていた。今月に入って数度目の防衛戦が始まろうとしていたのである。

 砦内の指揮所で待機しているユーベルに向かってカッツが語る。

「どうやら部下たちをうまく説得していただけたようですね?」
「当然だ……私に逆らうものなどこの砦には存在しない」

 ユーベルは自慢のカイゼル髭を撫でながらそう答えた。

「それに……だな」
「なにか?」
「うむ……このまま帰ったのでは、私の野望は達成されないのだ」
「それは……弟君の事ですかな?」

 そのカッツの言葉に、ユーベルは今までにない凶悪な表情を浮かべる。

「そうだ!! 私が継ぐべきだった侯爵の地位と、ヘルム侯国を奪ったあのクズを追い落とすためには、明確な手柄が必要なのだよ!!」

 その剣幕にさすがのカッツも一歩引く。

「このままデンバートを攻め落とし……、このカディルナ東部地方に橋頭保を築いて、南東部制圧の足がかりとする。そうすれば、統一使徒軍内でも地位が向上し、奴を追い落とす後ろ盾となるだろう。なあ、カッツよ!!」
「はい……そうですね」

 カッツは興味なさそうに返す。それを特に気にもせずにユーベルは笑う。

「ははははは……!! さあ!! 戦争をしよう!! 黄の民どもには、私が返り咲くための糧となってもらおうではないか!!」


◆◇◆


 ちょうどそのころ、アスト達はプロスタン砦の近くの森に潜んでいた。

「なんか砦の方が騒がしいよね……」

 リディアがアストに問いかける。アストは少し考えた後、言葉を返した。

「おそらく、戦闘が始まるんだろう」
「それって!」
「むう……」

 リディアの指摘にアストは唸る。
 戦闘が始まると言うことは、ソーニャたちも前線に出てくると言うことであり――、

「とにかく……。戦闘準備に気を取られている今のうちに砦に潜入しよう。奴らの秘密を探り出すんだ」
「うん……」

 アストの言葉に、リディアとリックルが頷いた。


◆◇◆


 その日のちょうど昼頃、とうとうプロスタン砦にて両軍が衝突した。
 両軍ともに300人前後の兵力であり、攻城側であるデンバート軍の戦況は思わしくはなかった。しかし、それはデンバート軍指揮官にとって想定内であった。
 彼らの本来の目的は、アスト達が砦へ潜入するための陽動であったからである。
 そして、それの甲斐あってアスト達は、睨み合いの続く前線の反対側から砦に潜入を果たした。
 さらに、今回のデンバート軍には、もう一つの目的があった。それは、強化甲殻兵に随伴する歩兵の正体を探ることであった。アスト達の予想通りなら、随伴歩兵を排除することによって、強化甲殻兵をある程度弱体化出来るはずである。
 この戦争の行く末を決める重要な戦いが始まった。


◆◇◆


 アスト達は、ゲイルを前の警戒に、リックルを後の警戒において砦内を探っていった。
 砦内の兵士の大半は前線のデンバート軍に気を取られており、探索は敵に見つかることもなく順調に進んでいった。そして――、

「ギヨーム様? 次週の定期補給の件なのですが……」

 そう言う兵士の声が、ある木造の建物の中から聞こえてきた。
 アスト達は耳を澄ませてそれを盗み聞く。

「ポータルの調整は順調ですよ。次週も特に問題はありませんよ」
「そうですか……。次週に関しては補充人員も運ぶので、調整は特に慎重にお願いしますね?」
「分かって居ますよ。そのための私ですから……」

 そのやり取りを聞いて、始めに反応したのはリックルであった。

「ポータル? 転移門ポータル? それって古代統一文明の遺物じゃん……」
「分かるのか?」

 アストの質問にリックルは答える。

「たまに遺跡にあるんだよね……。遠くにある二点間を結ぶ転移装置ってやつが……。まさか聖バリス教会って、それを実用化しているの?」
「まさか……」

 アストは考え込む。
 そう言えば、かのカシムの塔にいた聖バリス教会の人間も、古代統一文明の技術を研究・起動させていた。

「そうか……転移装置……ポータル……。それで本国から補給物資を移送していたんだな」

 ――と、再び小屋の中か会話が聞こえてくる。

「しかし、今回のギフトはなかなか強力ですね」
「ああ、強化外骨格のことか……。まあ、まだまだ課題は残っているがな」
「稼働時間が短いんでしたっけ?」
「うむ……それと起動のために陣を敷く必要があるしな」
「それさえ克服できれば、もはや我々に敵なしなんですが……」
「そう上手くはいかんさ……。ギフトは超技術の塊だからな」

 その会話を聞いたアストは心の中でつぶやく。

(ギフト? 強化外骨格? まさか強化甲殻兵のことか……)

 会話は続く。

「強化外骨格は不安定で、定期的な冷却材補給も必要だからな……。どうしても調整役を随伴さねねばならん……」
「課題は山積みですね……」
「そうだな……、だがそれを乗り越えれば、我ら聖バリス教会の栄光……。大陸統一も夢ではなくなるのだ」

 アストはこれまでの会話から、この建物の中にいるものが、ポータルを初めとする技術関係のリーダーだろうと推測した。それを確保すれば……。
 アスト達の判断は素早かった。

 ドン!!

 その小屋の扉を開けて、アスト達が中に躍り込む。中に二人の男がいた。

「何だ?! 貴様ら!」

 男のうちの一人が叫ぶがもう遅かった。

「はい黙ってね……」

 リックルが楽しそうにナイフを男の喉に突きつける。
 アストが二人の男たちに向かって言う。

「それじゃあ……ギフトとやらについて、すべて吐いてもらえるかな?」

 男たちは黙って頷くしかなかったのである。


◆◇◆


 ちょうどそのころ、戦場ではいつもとは違う戦況が展開し始めていた。

「強化外骨格が押されているだと?」

 ユーベルは困惑気味に前線からの報告を聞いた。

「はい! デンバート軍は、強化外骨格には目もくれず、随伴兵を排除しているようで。そのために強化外骨格の活動限界が短くなり、撤退を余儀なくされています」
「これは……むう」

 伝令の報告に、カイゼル髭をなでるユーベル。カッツの方を向いて言った。

「これは……まずいんじゃないのか? 我が主力が対策され始めているようだぞ?」
「ふむ……」

 カッツは心の中で考える。

(まあ当然でしょうな……。こんな小競り合いを長々と続けていれば、未知の新兵器に対する対策も生まれると言うものです)

 黙り込むカッツをユーベルは苛立ちの籠った目で睨む。

「どうするつもりだ? アレが対策され始めたら、ここに長期間籠って防戦するのも難しくなるだろう?」
「心配ありません閣下」

 カッツが恭しくユーベルに告げる。

「我々にはまだ、本国との補給線……ポータルがあるので問題ないかと」
「しかし……」
「大丈夫ですよ。それにこちらが少し積極的に出れば問題はないでしょう?」
「それはどういうことだ?」
「簡単な話ですよ……」

 その後の言葉を口にしたカッツは、心底不気味な笑顔を顔に張り付けていた。

「敵の後方支援部隊を、強化外骨格で潰せばよろしい……」


◆◇◆


 こうして、後方支援部隊にいるソーニャ達に危機が迫っていた時、アスト達は古代兵器――ギフト研究者であるギヨームから様々な情報を入手していた。

「それじゃあ……赤の民は……聖バリス教会は大陸各地の古代統一文明の遺跡から古代兵器を発掘して、それを実用化して戦力にしているのか。それが『ギフト』……」

 そのあまりの事実にアスト達は黙り込む。
 古代統一文明の兵器群は強力なものが多い。かつての鋼鉄巨人しかり、今回の強化外骨格しかりである。
 それを次々に実用化しているとなると――、

「このまま技術開発が進めば、確実に聖バリス教会の戦力は数倍にもなるだろう……。そうなれば黒の部族ですら対抗できるかわからない……」
「そうだ……我々の本国は多くの技術を獲得し、着実に強化されている。我々に反抗することは無駄なのだ……」

 アストの言葉にそう答えてにやりと笑うギヨーム。それをアストは黙って睨み付けた。

「言っておくが……それだけではないぞ? 古代統一文明を研究した我々は、かの魔龍アールゾヴァリダの真実にも近づきつつある。もはやかの魔龍すら我々にとって脅威ではなくなる日が近いのだ……」
「アールゾヴァリダの真実だと?」

 アストの問いにギヨームは笑うだけで答えない。
 その代わりに別の言葉を吐いた。

「さあ、お前たちは抵抗するだけ無駄だ……。黒の部族どもも近いうちに攻略される。我々の言葉に従い人類統一を進めようではないか」

 明らかに拘束されている者とは思えないその物言いにアスト達は唖然とする。

「さあ……あきらめて我々に従え……。今ならまだ間に合うぞ」
「言いたいことはそれだけか?」

 あまりの物言いに、アストはイライラした表情で睨み付けた。

「とにかく……ポータルの場所を教えろ……。敵の補給線を潰す……」

 そう言ってアストはギヨームを無理やりに立ち上がらせた。
 とりあえずは、この戦争を止めるのが先決だと判断したのである。

「無駄なことだ……」

 ギヨームはそんなアスト達を嘲笑う。
 アストはその嘲笑を正面から受け止めた。

(たとえ本当に無駄でも、今はやるべきことをやろう……)

 アストはそう心の中で呟いたのである。


◆◇◆


 そのころ、デンバート軍後方では、次々に運び込まれる負傷兵の治療が行われていた。
 討伐士としては能力の劣るノービスであるソーニャだが、治療士としては大人顔負けの活躍を見せた。たとえ足を失った者であっても、それを再生してしまう高度な治療術は、多くの負傷者を救って見せた。すぐにソーニャは、治療士たちのリーダーに抜擢され、その腕を十分に振るうこととなった。
 そのおかげもあって、かの強化甲殻兵に対しても圧倒し始めたデンバート軍の士気は、これまでにないほど最高潮に高まっていた。
 しかし――、

「嫌な予感がする……」

 ソーニャの助手を務めていたグウィリムがそう呟く。

(果たして、敵はこのまま圧倒されるだけなのか? いや……そうはなるまい。私が敵将なら……)

 グウィリムは心の中で敵の次にとるであろう策略を予想する。そして――、

「これは……少し警戒した方がいいかもしれん」

 そう呟いて天を仰いだのである。

 ――そして、その心配は現実のものとしてソーニャとグウィリムに襲い掛かってくる。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

処理中です...