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西暦2091年
小さき巨人~チイサキキョジン~
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西暦2091年5月14日――、ファンダム基地郊外にある森林地帯。そこに、基地に所属する野外演習場が存在している。
その深い森の奥に潜みつつ、ATS1A2『スカルヘッドA2』に搭乗するジュリエット・ゴーベル特技兵は、全身に小さな震えを得ながらその機体の手にMK2A1、25mmアサルトライフルを構えている。
周囲には友軍の姿はなく、そして『敵』はほぼこちらが見えているかのように、油断も手加減もなく迫ってくるのが理解できた。ジュリエットは涙目でただかつての自分たちの考えを後悔していた。
「アンヘリタ……、エマ……」
あの二人が衝突して正体の統制が乱れることは今まででもあったことである。しかしながら、ここまで致命的になった事は未だ嘗てなかった。
『敵』は――、まさしく油断すべき相手ではなかった。自分たちをあまりに過大評価していた。
――普段から自分を過小評価しがちな自分ですらこうなのだから。当然、あの二人が現在抱いている想いは普通に予測できるものであった。
「――!」
TRAの音響センサーが他のTRAの駆動音を拾ってくる。それを聞いた途端、ジュリエットの震えは大きくなり、そしてただ見つからぬように祈るだけになった。
ドン!
――不意に炸裂音が響く。それと同時にTRAの駆動音が大きく激しいものへと変化した。そこに他のTRAの駆動音が重なる。
「アンヘリタ?!」
遮蔽物から頭部を出して確認するとアンヘリタのTRAが『敵』と格闘戦を演じていた。
「アンヘリタ!!」
どこからかさらなる駆動音が聞こえてくる。それはエマの乗るTRAのものであり――。
「いつまで隠れているのかと思っていたけど。……やっと出てきたね――、アメリカ軍最強のTRA部隊の皆さん……」
その『敵』が操るTRAから嘲笑を帯びた幼い少女の声が聞こえてくる。それを聞いて――
「――言ってろ糞が!!」
アンヘリタが外部スピーカーの絶叫で返した。
エマが手にするアサルトライフルが弾丸を吐き出す。それは『敵』へと殺到し――
「え?!」
『敵』はアンヘリタ機と格闘戦を演じながら、その自機とエマ機の間にアンヘリタ機を挟み込んで、それを盾に銃撃を防いだのである。
「な?!」
友軍へのFFを理解しそのまま銃撃の手を止めるエマ機――、その足元に何かが転がってきた。
「――手榴弾!!」
どこからかジョフィエの叫びが機内通信として聞こえてくる。炸裂音が鳴り響いた。
ドン!!
その一撃でエマ機はデータ上で撃墜判定を下した。――そのまま機体が動かなくなる。
あまりの事態にアンヘリタが悪態をつきながら『敵』に組み付こうとする。
「――アンヘリタ……、これでTRAの正しい戦い方を理解できたかしら?」
『敵』の外部スピーカーの声に、その場の全員が悔しさを得る。
我々は――、この『敵』を侮りすぎた。そして――、その彼女の言葉の正しさを全く理解できていなかった。
「……くそ!!」
それでもアンヘリタは必死ですがりつこうともがく。――先の戦いで武器を奪われているアンヘリタにはそれしか戦うすべがなかったからである。
「無茶だよアンヘリタ!!」
ジョフィエの言葉に自分も頷く――。しかし……
「――無茶じゃないよ? まだ理解出来てないかな?」
そう答えたのは『敵』の方だった。
「ほら……、ハンデあげる」
そう言って『敵』は手にしたアサルトライフルをアンヘリタへ向けて投げ捨てる。一瞬驚くアンヘリタだったが、――一瞬の躊躇いの後にそのアサルトライフルを手にした。
「TRAの利点その一。武装の多くが固定武装ではない、という事……」
そう言いながら『敵』はアンヘリタ機との間合いを調整しつつ、そのアサルトライフルからの銃撃を回避してゆく。
「くそ……、当たらねえ?! 何でだ?!」
『敵』は周辺の樹木すら利用しつつ回避運動をする。その動きにアンヘリタの射撃技術が追いついていない。
そして――。
「……はい」
「な?!」
『敵』が球状のものを投げてよこしてくる。アンヘリタはそれを手榴弾と考えてその場に伏せた。が――、
「え?! 岩?!」
――その通り。手榴弾に見えたのはただの岩であり。伏せて身動き出来る体勢ではなくなったアンヘリタ機に向かって『敵』が奔った。
その手に握られたM1、Cal.50ハンドガンが数発発砲された。
――ピー!
アンヘリタ機内に警告音が鳴り響いて撃墜判定となる。その事を理解してアンヘリタはコックピットのモニターを殴って悔しがった。
「TRAの利点その二。自身の戦闘経験や訓練、そして過去の知識を最大限に利用した戦術を、そのままダイレクトに実行可能である……」
「……」
ジョフィエも、――そしてジュリエットもただ呆然とその言葉を聞いている。
その間にも『敵』はこちらへと言葉を投げかけてくる。
「武器は実行する戦術によって選択するものよ。それは戦車や戦闘ヘリ、戦闘機や攻撃機、艦船みたいな『大型兵器』だって同じこと――、それらはいわば集団で扱う武器に等しい」
『敵』はアンヘリタ機からアサルトライフルを取り戻して言う。
「TRAはそうじゃない。――そこには、根本的な勘違いがある。それは――」
――TRAは武器じゃない。
――TRAは搭乗者の各種機能を拡張するだけのツールなのよ。
「――機能の拡張」
TRAから這い出てきたエマが静かに呟く。
「TRAは搭乗者を強固な殻に内包することで死ににくくする。――その手足は搭乗差と同じ動きを、自身を超える速度と力で実行し、――そのセンサーは人間に無い知覚を与えてくれる。手足がもげて傷を受けても、それは内包する搭乗者に影響することなく、生身では無理な戦闘継続すら可能――」
静かにアンヘリタもその言葉を聞く。
「そして――、その手にする武器によって……、ヒトのものを大型化して威力が増大したソレを、ヒトと同じ扱い方で扱うことが出来る。――それは、そのまま自分の培ってきた歩兵戦術をそのまま流用できるということであり――、そしてそこには元の肉体的ハンデは全く影響しない」
ジョフィエとジュリエットは黙って機体から外へと出てくる。
「――戦争で手足を失ったヒトでさえ。TRAを利用すれば戦車に対抗しうる戦力に変わる。それは戦車だって同じでしょうが――、TRAにはTRA独自の利点がある――、それは……」
――車両を扱うためなどの長い訓練を必要とせず、そのまま歩兵をTRA搭乗者に出来る――、という事。それこそがかつてのフラメス共和国の抵抗を支えた。
「――さて、あなた達は――」
『敵』がそのコックピットを開けて出てくる。それは十代前半にしか見えない幼い少女。
「そのまま負け続けるつもり?」
その言葉にアンヘリタが答える。
「何だと?!」
その怒りの表情をまっすぐ受け止めてその少女――、桃華は不敵に笑う。
「……あなた達が、しっかりとした戦術のもとで立ち向かってくれば。私も苦戦したでしょうね……。でも今のあなた達は――、……戦車にも劣るわ」
その言葉にその場の皆が息を呑む。
「戦術を考えずに突っ込んで来るだけの兵士未満が……、戦場でどれだけ役に立つの? 戦術の扱えないTRAは――、ただの玩具の人形よ? ――まさかお人形遊びがしたい歳なのかしら?」
「……てめえ」
アンヘリタは悔しそうに唇を噛みながら桃華を睨むが――、それだけで黙って俯いた。
「……このまま、無駄なお人形遊びを続けたいならそうするといいわ。――そうでないなら、……せめて小隊として私に抗ってきなさいな……」
「……」
その場の四人が黙って俯く。今回の敗北は――、まさに、自分たちの小隊としての動きが悪かったからである。それはその場の皆が理解していた。
桃華はそう言葉を残して、TRAコックピットに戻って機体を動かし、――皆に背を向けた。
その場の誰もが、彼女を黙って見送るしか無かった。
◆◇◆
桃華が、藤原やオリヴィア、マシューの待つ指揮所へと戻ってくると、藤原が満面の笑顔で出迎えてくれた。
「ご苦労さまモモ……」
「……こんな感じかしらね? 私の悪役はどうだった?」
「さすがはモモ……、堂に入った演技だったよ。っていうかかなり本気だったんじゃ……」
その言葉に桃華は頬をふくらませる。
「何? 『おじさん』――、私が根っからの悪役気質だっていいたいの?」
「ははは……、まさか――」
そう言って苦笑いする藤原にため息を返してから、今度はマシューへと顔を向けた。
「……あれは中々にもったいないチームですね」
「……もったいない、ですか? 弱いではなく?」
「もったいない……です。彼女らはおそらく日本の精鋭TRA乗りとも遜色無いほどのパイロットたちです」
その言葉をオリヴィアやマシューは驚いた表情で聞いた。
「彼女らの力を削いでいる最大の理由は――」
――チームとしての結束の弱さ。
「……私は、この訓練で、彼女らの結束をより強くすべきだと考えます。彼女らはすでにTRA乗りとして熟成していますから……」
その桃華の言葉に藤原は満足そうに頷き、――オリヴィアは期待の眼差して桃華を眺め、――そしてマシューは困惑の表情でただ黙り込んだ。
――こうして、桃華とアメリカ軍の四人の、短くも長い衝突と交流が始まるのである。
その深い森の奥に潜みつつ、ATS1A2『スカルヘッドA2』に搭乗するジュリエット・ゴーベル特技兵は、全身に小さな震えを得ながらその機体の手にMK2A1、25mmアサルトライフルを構えている。
周囲には友軍の姿はなく、そして『敵』はほぼこちらが見えているかのように、油断も手加減もなく迫ってくるのが理解できた。ジュリエットは涙目でただかつての自分たちの考えを後悔していた。
「アンヘリタ……、エマ……」
あの二人が衝突して正体の統制が乱れることは今まででもあったことである。しかしながら、ここまで致命的になった事は未だ嘗てなかった。
『敵』は――、まさしく油断すべき相手ではなかった。自分たちをあまりに過大評価していた。
――普段から自分を過小評価しがちな自分ですらこうなのだから。当然、あの二人が現在抱いている想いは普通に予測できるものであった。
「――!」
TRAの音響センサーが他のTRAの駆動音を拾ってくる。それを聞いた途端、ジュリエットの震えは大きくなり、そしてただ見つからぬように祈るだけになった。
ドン!
――不意に炸裂音が響く。それと同時にTRAの駆動音が大きく激しいものへと変化した。そこに他のTRAの駆動音が重なる。
「アンヘリタ?!」
遮蔽物から頭部を出して確認するとアンヘリタのTRAが『敵』と格闘戦を演じていた。
「アンヘリタ!!」
どこからかさらなる駆動音が聞こえてくる。それはエマの乗るTRAのものであり――。
「いつまで隠れているのかと思っていたけど。……やっと出てきたね――、アメリカ軍最強のTRA部隊の皆さん……」
その『敵』が操るTRAから嘲笑を帯びた幼い少女の声が聞こえてくる。それを聞いて――
「――言ってろ糞が!!」
アンヘリタが外部スピーカーの絶叫で返した。
エマが手にするアサルトライフルが弾丸を吐き出す。それは『敵』へと殺到し――
「え?!」
『敵』はアンヘリタ機と格闘戦を演じながら、その自機とエマ機の間にアンヘリタ機を挟み込んで、それを盾に銃撃を防いだのである。
「な?!」
友軍へのFFを理解しそのまま銃撃の手を止めるエマ機――、その足元に何かが転がってきた。
「――手榴弾!!」
どこからかジョフィエの叫びが機内通信として聞こえてくる。炸裂音が鳴り響いた。
ドン!!
その一撃でエマ機はデータ上で撃墜判定を下した。――そのまま機体が動かなくなる。
あまりの事態にアンヘリタが悪態をつきながら『敵』に組み付こうとする。
「――アンヘリタ……、これでTRAの正しい戦い方を理解できたかしら?」
『敵』の外部スピーカーの声に、その場の全員が悔しさを得る。
我々は――、この『敵』を侮りすぎた。そして――、その彼女の言葉の正しさを全く理解できていなかった。
「……くそ!!」
それでもアンヘリタは必死ですがりつこうともがく。――先の戦いで武器を奪われているアンヘリタにはそれしか戦うすべがなかったからである。
「無茶だよアンヘリタ!!」
ジョフィエの言葉に自分も頷く――。しかし……
「――無茶じゃないよ? まだ理解出来てないかな?」
そう答えたのは『敵』の方だった。
「ほら……、ハンデあげる」
そう言って『敵』は手にしたアサルトライフルをアンヘリタへ向けて投げ捨てる。一瞬驚くアンヘリタだったが、――一瞬の躊躇いの後にそのアサルトライフルを手にした。
「TRAの利点その一。武装の多くが固定武装ではない、という事……」
そう言いながら『敵』はアンヘリタ機との間合いを調整しつつ、そのアサルトライフルからの銃撃を回避してゆく。
「くそ……、当たらねえ?! 何でだ?!」
『敵』は周辺の樹木すら利用しつつ回避運動をする。その動きにアンヘリタの射撃技術が追いついていない。
そして――。
「……はい」
「な?!」
『敵』が球状のものを投げてよこしてくる。アンヘリタはそれを手榴弾と考えてその場に伏せた。が――、
「え?! 岩?!」
――その通り。手榴弾に見えたのはただの岩であり。伏せて身動き出来る体勢ではなくなったアンヘリタ機に向かって『敵』が奔った。
その手に握られたM1、Cal.50ハンドガンが数発発砲された。
――ピー!
アンヘリタ機内に警告音が鳴り響いて撃墜判定となる。その事を理解してアンヘリタはコックピットのモニターを殴って悔しがった。
「TRAの利点その二。自身の戦闘経験や訓練、そして過去の知識を最大限に利用した戦術を、そのままダイレクトに実行可能である……」
「……」
ジョフィエも、――そしてジュリエットもただ呆然とその言葉を聞いている。
その間にも『敵』はこちらへと言葉を投げかけてくる。
「武器は実行する戦術によって選択するものよ。それは戦車や戦闘ヘリ、戦闘機や攻撃機、艦船みたいな『大型兵器』だって同じこと――、それらはいわば集団で扱う武器に等しい」
『敵』はアンヘリタ機からアサルトライフルを取り戻して言う。
「TRAはそうじゃない。――そこには、根本的な勘違いがある。それは――」
――TRAは武器じゃない。
――TRAは搭乗者の各種機能を拡張するだけのツールなのよ。
「――機能の拡張」
TRAから這い出てきたエマが静かに呟く。
「TRAは搭乗者を強固な殻に内包することで死ににくくする。――その手足は搭乗差と同じ動きを、自身を超える速度と力で実行し、――そのセンサーは人間に無い知覚を与えてくれる。手足がもげて傷を受けても、それは内包する搭乗者に影響することなく、生身では無理な戦闘継続すら可能――」
静かにアンヘリタもその言葉を聞く。
「そして――、その手にする武器によって……、ヒトのものを大型化して威力が増大したソレを、ヒトと同じ扱い方で扱うことが出来る。――それは、そのまま自分の培ってきた歩兵戦術をそのまま流用できるということであり――、そしてそこには元の肉体的ハンデは全く影響しない」
ジョフィエとジュリエットは黙って機体から外へと出てくる。
「――戦争で手足を失ったヒトでさえ。TRAを利用すれば戦車に対抗しうる戦力に変わる。それは戦車だって同じでしょうが――、TRAにはTRA独自の利点がある――、それは……」
――車両を扱うためなどの長い訓練を必要とせず、そのまま歩兵をTRA搭乗者に出来る――、という事。それこそがかつてのフラメス共和国の抵抗を支えた。
「――さて、あなた達は――」
『敵』がそのコックピットを開けて出てくる。それは十代前半にしか見えない幼い少女。
「そのまま負け続けるつもり?」
その言葉にアンヘリタが答える。
「何だと?!」
その怒りの表情をまっすぐ受け止めてその少女――、桃華は不敵に笑う。
「……あなた達が、しっかりとした戦術のもとで立ち向かってくれば。私も苦戦したでしょうね……。でも今のあなた達は――、……戦車にも劣るわ」
その言葉にその場の皆が息を呑む。
「戦術を考えずに突っ込んで来るだけの兵士未満が……、戦場でどれだけ役に立つの? 戦術の扱えないTRAは――、ただの玩具の人形よ? ――まさかお人形遊びがしたい歳なのかしら?」
「……てめえ」
アンヘリタは悔しそうに唇を噛みながら桃華を睨むが――、それだけで黙って俯いた。
「……このまま、無駄なお人形遊びを続けたいならそうするといいわ。――そうでないなら、……せめて小隊として私に抗ってきなさいな……」
「……」
その場の四人が黙って俯く。今回の敗北は――、まさに、自分たちの小隊としての動きが悪かったからである。それはその場の皆が理解していた。
桃華はそう言葉を残して、TRAコックピットに戻って機体を動かし、――皆に背を向けた。
その場の誰もが、彼女を黙って見送るしか無かった。
◆◇◆
桃華が、藤原やオリヴィア、マシューの待つ指揮所へと戻ってくると、藤原が満面の笑顔で出迎えてくれた。
「ご苦労さまモモ……」
「……こんな感じかしらね? 私の悪役はどうだった?」
「さすがはモモ……、堂に入った演技だったよ。っていうかかなり本気だったんじゃ……」
その言葉に桃華は頬をふくらませる。
「何? 『おじさん』――、私が根っからの悪役気質だっていいたいの?」
「ははは……、まさか――」
そう言って苦笑いする藤原にため息を返してから、今度はマシューへと顔を向けた。
「……あれは中々にもったいないチームですね」
「……もったいない、ですか? 弱いではなく?」
「もったいない……です。彼女らはおそらく日本の精鋭TRA乗りとも遜色無いほどのパイロットたちです」
その言葉をオリヴィアやマシューは驚いた表情で聞いた。
「彼女らの力を削いでいる最大の理由は――」
――チームとしての結束の弱さ。
「……私は、この訓練で、彼女らの結束をより強くすべきだと考えます。彼女らはすでにTRA乗りとして熟成していますから……」
その桃華の言葉に藤原は満足そうに頷き、――オリヴィアは期待の眼差して桃華を眺め、――そしてマシューは困惑の表情でただ黙り込んだ。
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