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西暦2091年
心の旅路~ココロノタビジ~
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西暦2092年6月2日――。
アメリカ大陸合衆国ノースカロライナ州ファンダム基地。
「ちょっとニュース見た?!
アンヘリタ!!」
「うん? なんだよいきなり」
「何って――、やっぱり見てないのね?
日本の国会議事堂がRONの特殊部隊による攻撃を受けたって――」
「フン――、それがどうしたんだ?」
親友であり部下であるジュリエットのその言葉にアンヘリタはつまらなそうに返した。
「日本の事だろう?
こっちには関係あるまい?」
「――それはそうだけど。
もしその攻撃を防衛した部隊に、”Peach Pie”が参加してたって言ったらどうする?」
「!!! ――それは本当なのか?!」
「――フフ。
やっぱり”Peach Pie”の事になると、本当にアンヘリタは分かり易い表情をするね」
「――そんなことはどうでもいい!
それで?! ”Peach Pie”は?!」
「――見事に、敵部隊を撃滅して防衛して見せたみたいよ」
「――そ、そうか」
そのジュリエットの言葉を聞いたアンヘリタは安堵の笑みを浮かべて、かつての事を思い出した。
(”Peach Pie”――。モモ――。
お前はやはりすごいな――。
――まだ、あの時から1年ほどしか経っていないが、長く離れているように感じるよ――)
アンヘリタは思い出す――。
かつて、モモと出会い――、
モモと意地をぶつけ合い――、
モモに自分の弱さを暴露され、対立し――、
――そして、最後に分かり合った日々の事を。
西暦2091年――、5月11日から3ヶ月にわたって行われた”日米特殊交流訓練”。
第211任務部隊”Task Force 211”としての日々の事を――。
(モモ――、あたしも自分なりに頑張ってる――。
お前と同じ空の下で――、きっと同じ目標に向かって――な)
アンヘリタはそう言って目を瞑る。
その瞼の裏に桃華の怒り顔と笑顔がはっきりと思い出せるのだった。
――そして、時間は西暦2091年に戻る。
◆◇◆
「フン――、日本人がこぞってアメリカに何の用だ?」
「――隊長。そんなこと言っちゃだめですよ」
ファンダム基地内の小隊待機所にて、アンヘリタは部下のジュリエットに悪態をつく。
ジュリエットは困った顔でアンヘリタをなだめた。
「――とりあえず、名目上は、TRA戦術で一日の長がある日本が、アメリカの新規TRA部隊に訓練をつけてくれるって話ですから」
「何が一日の長だ――。
アメリカは日本なんぞの講釈は受けん。
――連中から何を学ぶって言うんだ?」
「――まあ、それはその通りなんですけど」
ジュリエット自身も実はアンヘリタと同じ考えである。
TRA技術で遅れをとっていると言っても、日本などに教えを乞う意味が彼女には理解できなかった。
しかし、それはアメリカ軍上層部からの命令であり、すでに特殊交流訓練用任務部隊の結成も決定されていた。
「上層部からの命令には逆らえませんし――、ここは潔く参加した方が――」
「気に入らん――、あたしの仕事はテロリスト殲滅だ。
そもそも、日本なんぞの講釈を受けるためにアメリカ軍に入ったわけじゃない」
「――隊長」
ジュリエットは心底困った表情でため息をつく。
目の前のこの隊長はいつも怒り続けている。
――特にテロリストに対しては強烈な憎悪を抱き、その殲滅の為だけにアメリカ軍に籍を置いていると言っても過言ではなかった。
まあ、その理由については――、自分は知らないし知りたいとも思わないが。
(――はあ、なんで私はこんな部隊に入っちゃったんだろ――。
後方任務の方がよかったのに――)
ジュリエットはかつての自分が恨めしくなる。
――必要以上に優秀であった自分が。
「隊長? それにゴーベル。
こんなところにいたんですか?
マシュー中隊長が呼んでいますよ?」
そう言って、不意に二人に話しかけてきたのは小隊副長であるエマであった。
それを嫌なものを見たという表情でアンヘリタは睨んだ。
「――エマ。
まさか日本人との顔見せのために呼んでいるっていうんじゃないだろうな?」
「その通りですが何か? 隊長もいいかげん子供のような言動はおやめください」
「なんだと貴様――」
エマの言葉にアンヘリタが殺気の籠った目をする。
当のエマはそれを軽く受け流して言った。
「隊長だけが恥をかくなら私もそのまま放置いたしますが――、
今回は小隊全体の恥になります。――いい加減にした方がよろしいかと」
その物言いは明らかに目上の者への態度ではなかった。
アンヘリタはエマの側へと歩いていくとその襟首を掴んだ。しかし――、
「!!! う!!」
エマはその腕を簡単に振りほどき、綺麗にアンヘリタをその場にひっくり返した。
そのまま冷たい目でアンヘリタを見下ろす。
「子供じみた行いはやめなさい――。
それでも栄光あるアメリカ軍の士官殿ですか?」
「――く」
アンヘリタはエマを睨みながらその場でうめいた。
現状、歴戦の勇士であるエマに格闘でかなわないのは自身が理解していた。
――それでも、悔しくてその場でこぶしを握った。
「あれ? まだこんなところで油売ってんの?
隊長? みんなも――、かわいい子が来てるぞ!!」
そう言って待機所へと入ってきたのは、部隊の下っ端であるジョフィエであった。
何が楽しいのか、満面の笑顔を張り付けて全員を見回す。
「かわいい子?」
ジュリエットがそう聞き返すと、ジョフィエは笑顔で答えた。
「そうだよ!! あたしたちにTRA戦術訓練をつけてくれるって言う教官は――、
あのS級超能力者を撃退したあのTRA乗り――、
コードネーム”Peach Pie”――、藤原 桃華――なんだよ?」
その言葉を聞いて、アンヘリタは驚愕の表情を浮かべたのである。
◆◇◆
「これはMr.藤原――、今回のお願いを受け入れていただいてありがとうございます」
アメリカ軍・第四特殊任務工兵大隊(4th Special Mission Pioneer Battalion)の大隊長・オリヴィア・E・ブラッドバーン中佐は、その大隊長室にて笑顔で藤原達を迎えた。
「――どうも中佐。
こちらとしても勉強をするつもりで来たので、お礼は必要ないですよ」
「――いえいえ。
あなたとそちらのMiss.桃華の御高名はこちらにまで響いておりますので、こちらとしては願ったり叶ったりなのですわ」
「あはは――」
その女性大隊長の言葉に少し照れた表情を浮かべる藤原。
それを桃華は隣に立って睨みつけた。
(――”おじさん”。
相手が美人だからって鼻の下伸ばしすぎ――)
そう小さく呟きつつ、藤原の脇腹を指で抓る桃華。
藤原は「う…」とうめいてから桃華に困ったような笑顔を向けた。
(いや別に俺は――)
(――”おじさん”)
ここ最近、桃華は自分の事を”トシ”と呼んでくれていた。
――それが今は”おじさん”に戻っている。
(――ごめんモモ)
藤原は痛む脇腹をさすりつつ桃華に謝った。
「――フフ」
その二人の様子を見ていたブラッドバーン中佐は微笑ましいものを見る目ような笑顔を向ける。
「お二人は仲がよろしいのですね?」
「え? ――あ、いや――」
不意にうろたえる藤原と桃華に――。
「うちもそうなってくれるとありがたいのですが――」
そう言って困った表情を向けた。
「何か――あるんですか?」
藤原がそう言って中佐に尋ねると、心底困った顔で中佐は答えた。
「うちが今回の訓練に志願したのは他でもありませんわ――。
新設の部隊内の空気があまりにも悪いため、それが改善されればと、あえて外部の空気を入れてみようと考えたからです」
「ほう――」
藤原はそれを聞いて、奇しくも同じ考えであったことを理解した。
(――実は、モモ――。
あの”十河 遥”との交戦後から、自身の能力をうまく発揮できないでいるんだよね。
スランプ――ていうのかな? それを改善できればと、あえて外の空気を吸わせるためにここに来たが――)
そう心の中で回想していると、不意に大隊長室の扉が叩かれる。
「入りなさい――」
そう中佐が扉の向こうへと声をかけると、その向こうから五人の人物があらわれた。
「第三中隊長マシュー・G・ストークス―――、及び第三特務工兵小隊――全員集合いたしました」
現れた一人は二十代前半と思われる若い男性――、
そして、その後ろに控えるのは四人の若い女性たち――。
(――ふむ、彼女らが――)
藤原は心の中で呟きつつ、それら四人の女性を見つめた。
――心底不満げな顔をする褐色肌の女性は、アンヘリタ・カステジャノス少尉――、小隊長。
――生真面目に直立不動で佇む金髪碧眼の女性は、エマ・ファン・アールテン軍曹――、小隊副長。
――ため息をついてアンヘリタを見つめる茶色の髪の女性は、ジュリエット・ゴベール特技兵。
――ただ一人、目を輝かせて笑顔を向ける銀髪の女性が、ジョフィエ・ムルクヴィチュコヴァー特技兵。
その四人の様々な表情が、彼女らが一筋縄ではいかない存在であることを示していた。
――かくして、後のアメリカ最強のTRA小隊となる”アンヘリタ小隊”――、
いまだ問題児揃いの最低小隊とみなされていた時代の――、
――桃華との心の旅路が始まろうとしていた。
アメリカ大陸合衆国ノースカロライナ州ファンダム基地。
「ちょっとニュース見た?!
アンヘリタ!!」
「うん? なんだよいきなり」
「何って――、やっぱり見てないのね?
日本の国会議事堂がRONの特殊部隊による攻撃を受けたって――」
「フン――、それがどうしたんだ?」
親友であり部下であるジュリエットのその言葉にアンヘリタはつまらなそうに返した。
「日本の事だろう?
こっちには関係あるまい?」
「――それはそうだけど。
もしその攻撃を防衛した部隊に、”Peach Pie”が参加してたって言ったらどうする?」
「!!! ――それは本当なのか?!」
「――フフ。
やっぱり”Peach Pie”の事になると、本当にアンヘリタは分かり易い表情をするね」
「――そんなことはどうでもいい!
それで?! ”Peach Pie”は?!」
「――見事に、敵部隊を撃滅して防衛して見せたみたいよ」
「――そ、そうか」
そのジュリエットの言葉を聞いたアンヘリタは安堵の笑みを浮かべて、かつての事を思い出した。
(”Peach Pie”――。モモ――。
お前はやはりすごいな――。
――まだ、あの時から1年ほどしか経っていないが、長く離れているように感じるよ――)
アンヘリタは思い出す――。
かつて、モモと出会い――、
モモと意地をぶつけ合い――、
モモに自分の弱さを暴露され、対立し――、
――そして、最後に分かり合った日々の事を。
西暦2091年――、5月11日から3ヶ月にわたって行われた”日米特殊交流訓練”。
第211任務部隊”Task Force 211”としての日々の事を――。
(モモ――、あたしも自分なりに頑張ってる――。
お前と同じ空の下で――、きっと同じ目標に向かって――な)
アンヘリタはそう言って目を瞑る。
その瞼の裏に桃華の怒り顔と笑顔がはっきりと思い出せるのだった。
――そして、時間は西暦2091年に戻る。
◆◇◆
「フン――、日本人がこぞってアメリカに何の用だ?」
「――隊長。そんなこと言っちゃだめですよ」
ファンダム基地内の小隊待機所にて、アンヘリタは部下のジュリエットに悪態をつく。
ジュリエットは困った顔でアンヘリタをなだめた。
「――とりあえず、名目上は、TRA戦術で一日の長がある日本が、アメリカの新規TRA部隊に訓練をつけてくれるって話ですから」
「何が一日の長だ――。
アメリカは日本なんぞの講釈は受けん。
――連中から何を学ぶって言うんだ?」
「――まあ、それはその通りなんですけど」
ジュリエット自身も実はアンヘリタと同じ考えである。
TRA技術で遅れをとっていると言っても、日本などに教えを乞う意味が彼女には理解できなかった。
しかし、それはアメリカ軍上層部からの命令であり、すでに特殊交流訓練用任務部隊の結成も決定されていた。
「上層部からの命令には逆らえませんし――、ここは潔く参加した方が――」
「気に入らん――、あたしの仕事はテロリスト殲滅だ。
そもそも、日本なんぞの講釈を受けるためにアメリカ軍に入ったわけじゃない」
「――隊長」
ジュリエットは心底困った表情でため息をつく。
目の前のこの隊長はいつも怒り続けている。
――特にテロリストに対しては強烈な憎悪を抱き、その殲滅の為だけにアメリカ軍に籍を置いていると言っても過言ではなかった。
まあ、その理由については――、自分は知らないし知りたいとも思わないが。
(――はあ、なんで私はこんな部隊に入っちゃったんだろ――。
後方任務の方がよかったのに――)
ジュリエットはかつての自分が恨めしくなる。
――必要以上に優秀であった自分が。
「隊長? それにゴーベル。
こんなところにいたんですか?
マシュー中隊長が呼んでいますよ?」
そう言って、不意に二人に話しかけてきたのは小隊副長であるエマであった。
それを嫌なものを見たという表情でアンヘリタは睨んだ。
「――エマ。
まさか日本人との顔見せのために呼んでいるっていうんじゃないだろうな?」
「その通りですが何か? 隊長もいいかげん子供のような言動はおやめください」
「なんだと貴様――」
エマの言葉にアンヘリタが殺気の籠った目をする。
当のエマはそれを軽く受け流して言った。
「隊長だけが恥をかくなら私もそのまま放置いたしますが――、
今回は小隊全体の恥になります。――いい加減にした方がよろしいかと」
その物言いは明らかに目上の者への態度ではなかった。
アンヘリタはエマの側へと歩いていくとその襟首を掴んだ。しかし――、
「!!! う!!」
エマはその腕を簡単に振りほどき、綺麗にアンヘリタをその場にひっくり返した。
そのまま冷たい目でアンヘリタを見下ろす。
「子供じみた行いはやめなさい――。
それでも栄光あるアメリカ軍の士官殿ですか?」
「――く」
アンヘリタはエマを睨みながらその場でうめいた。
現状、歴戦の勇士であるエマに格闘でかなわないのは自身が理解していた。
――それでも、悔しくてその場でこぶしを握った。
「あれ? まだこんなところで油売ってんの?
隊長? みんなも――、かわいい子が来てるぞ!!」
そう言って待機所へと入ってきたのは、部隊の下っ端であるジョフィエであった。
何が楽しいのか、満面の笑顔を張り付けて全員を見回す。
「かわいい子?」
ジュリエットがそう聞き返すと、ジョフィエは笑顔で答えた。
「そうだよ!! あたしたちにTRA戦術訓練をつけてくれるって言う教官は――、
あのS級超能力者を撃退したあのTRA乗り――、
コードネーム”Peach Pie”――、藤原 桃華――なんだよ?」
その言葉を聞いて、アンヘリタは驚愕の表情を浮かべたのである。
◆◇◆
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アメリカ軍・第四特殊任務工兵大隊(4th Special Mission Pioneer Battalion)の大隊長・オリヴィア・E・ブラッドバーン中佐は、その大隊長室にて笑顔で藤原達を迎えた。
「――どうも中佐。
こちらとしても勉強をするつもりで来たので、お礼は必要ないですよ」
「――いえいえ。
あなたとそちらのMiss.桃華の御高名はこちらにまで響いておりますので、こちらとしては願ったり叶ったりなのですわ」
「あはは――」
その女性大隊長の言葉に少し照れた表情を浮かべる藤原。
それを桃華は隣に立って睨みつけた。
(――”おじさん”。
相手が美人だからって鼻の下伸ばしすぎ――)
そう小さく呟きつつ、藤原の脇腹を指で抓る桃華。
藤原は「う…」とうめいてから桃華に困ったような笑顔を向けた。
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(――”おじさん”)
ここ最近、桃華は自分の事を”トシ”と呼んでくれていた。
――それが今は”おじさん”に戻っている。
(――ごめんモモ)
藤原は痛む脇腹をさすりつつ桃華に謝った。
「――フフ」
その二人の様子を見ていたブラッドバーン中佐は微笑ましいものを見る目ような笑顔を向ける。
「お二人は仲がよろしいのですね?」
「え? ――あ、いや――」
不意にうろたえる藤原と桃華に――。
「うちもそうなってくれるとありがたいのですが――」
そう言って困った表情を向けた。
「何か――あるんですか?」
藤原がそう言って中佐に尋ねると、心底困った顔で中佐は答えた。
「うちが今回の訓練に志願したのは他でもありませんわ――。
新設の部隊内の空気があまりにも悪いため、それが改善されればと、あえて外部の空気を入れてみようと考えたからです」
「ほう――」
藤原はそれを聞いて、奇しくも同じ考えであったことを理解した。
(――実は、モモ――。
あの”十河 遥”との交戦後から、自身の能力をうまく発揮できないでいるんだよね。
スランプ――ていうのかな? それを改善できればと、あえて外の空気を吸わせるためにここに来たが――)
そう心の中で回想していると、不意に大隊長室の扉が叩かれる。
「入りなさい――」
そう中佐が扉の向こうへと声をかけると、その向こうから五人の人物があらわれた。
「第三中隊長マシュー・G・ストークス―――、及び第三特務工兵小隊――全員集合いたしました」
現れた一人は二十代前半と思われる若い男性――、
そして、その後ろに控えるのは四人の若い女性たち――。
(――ふむ、彼女らが――)
藤原は心の中で呟きつつ、それら四人の女性を見つめた。
――心底不満げな顔をする褐色肌の女性は、アンヘリタ・カステジャノス少尉――、小隊長。
――生真面目に直立不動で佇む金髪碧眼の女性は、エマ・ファン・アールテン軍曹――、小隊副長。
――ため息をついてアンヘリタを見つめる茶色の髪の女性は、ジュリエット・ゴベール特技兵。
――ただ一人、目を輝かせて笑顔を向ける銀髪の女性が、ジョフィエ・ムルクヴィチュコヴァー特技兵。
その四人の様々な表情が、彼女らが一筋縄ではいかない存在であることを示していた。
――かくして、後のアメリカ最強のTRA小隊となる”アンヘリタ小隊”――、
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