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西暦2092年
赤き目の女神~アカキメノドゥルガー~
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呂 颯懍は、それまで感じたことのない感情を心に得ていた。
彼は、RONに所属する超能力者の中でも最高峰の”五大龍神”の一人であり、それが動けばもはや勝利は間違いない”勝利の象徴”でもある。
しかし、目の前の”女神”に対しては――、
(なんだ――? この女神から感じる異様な圧力――、いやこれは俺が感じている”何か”?!)
それは、生まれた時から最強であり今も最強を誇る、本当の意味での”敵”を持ったことのない彼にとって、全く感じたことのなかった新しい感情であった。
そう――、その名を”恐怖”という――。
”女神”が一歩前に出ると”呂 颯懍”の足は自然に一歩下がる。
さらに二歩前に出ると、それに反応して足が二歩下がっていく。
それは、人が持つ生命本来の本能としての感覚がそうさせていた。
「どうしたの? そちらから来ないの?」
そう言う”女神”に”呂 颯懍”は――、
「あなたは”アーツデバイス”を持っていないのですね?」
そう、無意味ともとれる言葉を発した。
それに対し”女神”は――、
「私は必要ないからね――」
その言葉だけを発して首をかしげる。
「そっちが来ないなら行くよ?」
その行動は、傍から見ると若い少女が愛らしい顔で媚びを売っているようにも見えるが――、
(!!!)
”呂 颯懍”の顔には一瞬のうちに緊張が走り、その手の”アーツデバイス”の機能を開放するに至った。
その手にしている”アーツデバイス”の名は、”神槍の軍神”命中すれば体組織を崩壊させる無双の槍を生み出す対人最強のデバイスである。
そして、そのサブスキルは――、
”アクティブスキル『念動力軽減領域』”=展開することによって領域内に対する念動力の効果を90%削減。
”アクティブスキル『対人高速適応』”=使用すると敵の高速戦闘に対する適応感覚を獲得する。
”パッシブスキル『対物理障害無効』”=肉体に対するあらゆる物理的障害を無効(ソレが超能力によるものであろうが)。
――という、凶悪極まりないものであり、アーツデバイスを持たないただの超能力者である”女神”を恐れる要素は存在しないはずであった。
しかし――、
「それ――」
そんな力のこもらない掛け声とともに、その”女神”の手が横凪にされる、それによって巨大な力場の刃が発生して”呂 颯懍”へ向かって飛ぶ。
「効きません!!!」
”呂 颯懍”がその手の槍を横凪にすると、巨大な力場刃はそのまま消滅してしまった。
「それって――、アーツデバイスの効果ね?」
「そうですが? ――だったらどうします?」
「ふーん、結局アーツデバイスって、その特殊効果はまだしも、各スキル能力の純粋出力はもともとの能力者に依存するんだよね。
だから――」
「?」
その”女神”の言葉に疑問符を飛ばす”呂 颯懍”。次の瞬間――、
ズン!!!!!!!
”女神”のその手が振られた瞬間に、”呂 颯懍”はすさまじい衝撃を受けて吹き飛んでいった。
「がは!!!!!!!」
”呂 颯懍”はしこたま血反吐を吐いて突っ伏す。
それはありえない出来事であった。
(なんで? 対物理障害無効が効かない?
まさか――、スキルの許容範囲を超えている?)
それは、あまりに非現実的な状況である。
スキル出力は元の能力者の超能力に依存する――、それは事実だが、それが適用されるのはC級対A級などの格差のある場合に限定されることだ、S級同士の戦いでありえない現象なのである。
もしあり得るとしたら――、
(まさか――、”女神”はS級を越えているのですか?)
それは、超S級とも呼べる存在である。
「そんな――、馬鹿なことが――」
「どうしたの? 何か言いたいことがある?」
そう言って首を傾げえる”女神”に”呂 颯懍”は血を吐きながら答えた。
「あなた――まさかS級を越えているのですか?
それは、まさしく世界を滅ぼしえる存在――、
そんな存在を日本が保有しているなら、それは世界を敵に回すことに――」
「何か勘違いしている?」
「?」
不意に”女神”が困った顔をする。
「私は超S級じゃないよ? そもそもA級からS級になりたてで、S級下位の能力しかないし――」
「な?! 馬鹿な? ならなぜ?」
さっきの衝撃は明らかに自分を越えるS級能力者の念動力によるものだったハズである。
それに対し、”女神”は衝撃的な答えを返す。
「――これが私のコンプレックスだからね」
「!!!!!」
”呂 颯懍”は突然起こった強烈な殺気に慄く、その視線の先にいたのは――。
「黒い――獅子――?」
それは、深紅の脈動する光線が全身に走っている漆黒の獅子であった。
その口は凶悪に開かれ、その口へと周囲の”何か”が吸い込まれていっている。
「この子は私のコンプレックス――、
昔は意志のない球体だったんだけど、四年前に進化してね――、
その口で周囲の意識力――、超能力の根源を吸い込んで、超能力者の能力出力を大幅に下げることができるのよ」
「馬鹿な――、それが事実だとして――、どうして普通の念動力を行使しながらコンプレックスが使えるのです?!
超能力の根源である”第三の目”は、一人の人間に一つのみ、同種の超能力でない異なる超能力は”同時使用できない”ハズ――。
あ――」
その時、”呂 颯懍”は信じられない事実に到達する。それは――、
「まさか――”女神”――、”第四の目”?」
「あらら――、その事実に到達しちゃったか」
「なに?」
「それを知ったら、ごめんね?
”生かしておけないのよ”――」
「な――」
”女神”はニコリともせずにその手を”呂 颯懍”に向ける。
その瞬間――、
「がは!!!!!」
”呂 颯懍”は思い切りその場に押し潰されてその意識を喪失する。
「まあ――超能力者は心底大っ嫌いだけど――、
人を殺すのって――、やっぱり嫌なものだね?」
無表情で”呂 颯懍”を薄い肉片に変えながら”女神”はそう呟いたのである。
◆◇◆
同時刻――。
一人、”鹿嶋 蓮司”は部屋の椅子に座って薬タバコをふかしている。
戦闘能力の皆無な自分には、正直やることが無いからである。
そんな時、不意に部屋の扉が開いた。
「――」
一瞬ため息をついた”鹿嶋 蓮司”は扉の方を向いて言う。
「まさか君が――俺の死神なのかい?」
「そうだな総理大臣――、着任早々申し訳ないんだが――な」
そう答えたのはたくさんのピアスをした金髪女”十河 遥”であった。
「そうか――、RONではなく君が――。
たしか”十絶旺陣・十河 遥”――」
「よく知っているな――」
「まあ、国民の事だからね」
「あたしはあんたの国民になったつもりはないが?」
「今は――、それにとっては同じだよ」
その”鹿嶋 蓮司”の言葉に鼻を鳴らす”十河 遥”。
「フン――、どうでもいい話だな。
死ぬ前に言い残すことはあるか?」
「いいや?」
「なんでもいいんだぞ? 死ぬ前に何か言っておけよ」
その遥の言葉に、いきなり蓮司は笑い始める。
「なんだ?」
突然のことに困惑顔の遥に向かって、とうの蓮司は遥に銃を向けつつこう言ったのである。
「俺は死なないからね――」
その言葉を聞いて遥は舌打ちをする。
「そんなものが――、銃ごときがあたしに効くと思ているのか?」
「効かないだろうね――」
「だったら」
「”だったら”じゃないよ――、俺は”それでも”抵抗をやめない。
俺はまだ証明していないからね。俺がやることの正しさを――」
「馬鹿か?」
「そうかもね――」
蓮司はそう言ってニヤリと笑う。
自分というS級超能力者を前にして、これほどの啖呵を言えた”一般人”を遥は見たことが無かった。
(フン――、どうであろうとあたしの力に前に屈服するんだ)
そう考える遥だが――、なぜか蓮司に死刑を下す意識が薄れていくのを感じていた。
(何を考えている遥? こいつはあたしが吹けば飛ぶだけの”一般人”――、生かしておく意味なんてない)
そのハズだが――。
「お前――本当の馬鹿か?
あたしに逆らってどうなるか――」
「どうなる? ――俺は絶対に国会議事堂では死なない」
「抵抗しても無理だぞ?」
「やってみなければわからん」
「真性の馬鹿か――」
そのやり取りをするたびに遥は、目の前の蓮司に興味がわいてくる自分を感じていた。
(ち――、急がないと”女神”が来るって言うのに――。
いや――、あたしは”女神”に隠れてこそこそと何やってるんだ?)
そう考えた時、もはやどうしようもないくらいに、遥は自分の行為に萎えてしまった。
だから、遥はこういったのである。
「――もしお前が、あたしら超能力者すら国民というなら――、
今の超能力者への迫害はどういう事か、あたしに語ってみろ。
納得できない答えなら――、あたしはお前を遠慮なく殺す」
彼は、RONに所属する超能力者の中でも最高峰の”五大龍神”の一人であり、それが動けばもはや勝利は間違いない”勝利の象徴”でもある。
しかし、目の前の”女神”に対しては――、
(なんだ――? この女神から感じる異様な圧力――、いやこれは俺が感じている”何か”?!)
それは、生まれた時から最強であり今も最強を誇る、本当の意味での”敵”を持ったことのない彼にとって、全く感じたことのなかった新しい感情であった。
そう――、その名を”恐怖”という――。
”女神”が一歩前に出ると”呂 颯懍”の足は自然に一歩下がる。
さらに二歩前に出ると、それに反応して足が二歩下がっていく。
それは、人が持つ生命本来の本能としての感覚がそうさせていた。
「どうしたの? そちらから来ないの?」
そう言う”女神”に”呂 颯懍”は――、
「あなたは”アーツデバイス”を持っていないのですね?」
そう、無意味ともとれる言葉を発した。
それに対し”女神”は――、
「私は必要ないからね――」
その言葉だけを発して首をかしげる。
「そっちが来ないなら行くよ?」
その行動は、傍から見ると若い少女が愛らしい顔で媚びを売っているようにも見えるが――、
(!!!)
”呂 颯懍”の顔には一瞬のうちに緊張が走り、その手の”アーツデバイス”の機能を開放するに至った。
その手にしている”アーツデバイス”の名は、”神槍の軍神”命中すれば体組織を崩壊させる無双の槍を生み出す対人最強のデバイスである。
そして、そのサブスキルは――、
”アクティブスキル『念動力軽減領域』”=展開することによって領域内に対する念動力の効果を90%削減。
”アクティブスキル『対人高速適応』”=使用すると敵の高速戦闘に対する適応感覚を獲得する。
”パッシブスキル『対物理障害無効』”=肉体に対するあらゆる物理的障害を無効(ソレが超能力によるものであろうが)。
――という、凶悪極まりないものであり、アーツデバイスを持たないただの超能力者である”女神”を恐れる要素は存在しないはずであった。
しかし――、
「それ――」
そんな力のこもらない掛け声とともに、その”女神”の手が横凪にされる、それによって巨大な力場の刃が発生して”呂 颯懍”へ向かって飛ぶ。
「効きません!!!」
”呂 颯懍”がその手の槍を横凪にすると、巨大な力場刃はそのまま消滅してしまった。
「それって――、アーツデバイスの効果ね?」
「そうですが? ――だったらどうします?」
「ふーん、結局アーツデバイスって、その特殊効果はまだしも、各スキル能力の純粋出力はもともとの能力者に依存するんだよね。
だから――」
「?」
その”女神”の言葉に疑問符を飛ばす”呂 颯懍”。次の瞬間――、
ズン!!!!!!!
”女神”のその手が振られた瞬間に、”呂 颯懍”はすさまじい衝撃を受けて吹き飛んでいった。
「がは!!!!!!!」
”呂 颯懍”はしこたま血反吐を吐いて突っ伏す。
それはありえない出来事であった。
(なんで? 対物理障害無効が効かない?
まさか――、スキルの許容範囲を超えている?)
それは、あまりに非現実的な状況である。
スキル出力は元の能力者の超能力に依存する――、それは事実だが、それが適用されるのはC級対A級などの格差のある場合に限定されることだ、S級同士の戦いでありえない現象なのである。
もしあり得るとしたら――、
(まさか――、”女神”はS級を越えているのですか?)
それは、超S級とも呼べる存在である。
「そんな――、馬鹿なことが――」
「どうしたの? 何か言いたいことがある?」
そう言って首を傾げえる”女神”に”呂 颯懍”は血を吐きながら答えた。
「あなた――まさかS級を越えているのですか?
それは、まさしく世界を滅ぼしえる存在――、
そんな存在を日本が保有しているなら、それは世界を敵に回すことに――」
「何か勘違いしている?」
「?」
不意に”女神”が困った顔をする。
「私は超S級じゃないよ? そもそもA級からS級になりたてで、S級下位の能力しかないし――」
「な?! 馬鹿な? ならなぜ?」
さっきの衝撃は明らかに自分を越えるS級能力者の念動力によるものだったハズである。
それに対し、”女神”は衝撃的な答えを返す。
「――これが私のコンプレックスだからね」
「!!!!!」
”呂 颯懍”は突然起こった強烈な殺気に慄く、その視線の先にいたのは――。
「黒い――獅子――?」
それは、深紅の脈動する光線が全身に走っている漆黒の獅子であった。
その口は凶悪に開かれ、その口へと周囲の”何か”が吸い込まれていっている。
「この子は私のコンプレックス――、
昔は意志のない球体だったんだけど、四年前に進化してね――、
その口で周囲の意識力――、超能力の根源を吸い込んで、超能力者の能力出力を大幅に下げることができるのよ」
「馬鹿な――、それが事実だとして――、どうして普通の念動力を行使しながらコンプレックスが使えるのです?!
超能力の根源である”第三の目”は、一人の人間に一つのみ、同種の超能力でない異なる超能力は”同時使用できない”ハズ――。
あ――」
その時、”呂 颯懍”は信じられない事実に到達する。それは――、
「まさか――”女神”――、”第四の目”?」
「あらら――、その事実に到達しちゃったか」
「なに?」
「それを知ったら、ごめんね?
”生かしておけないのよ”――」
「な――」
”女神”はニコリともせずにその手を”呂 颯懍”に向ける。
その瞬間――、
「がは!!!!!」
”呂 颯懍”は思い切りその場に押し潰されてその意識を喪失する。
「まあ――超能力者は心底大っ嫌いだけど――、
人を殺すのって――、やっぱり嫌なものだね?」
無表情で”呂 颯懍”を薄い肉片に変えながら”女神”はそう呟いたのである。
◆◇◆
同時刻――。
一人、”鹿嶋 蓮司”は部屋の椅子に座って薬タバコをふかしている。
戦闘能力の皆無な自分には、正直やることが無いからである。
そんな時、不意に部屋の扉が開いた。
「――」
一瞬ため息をついた”鹿嶋 蓮司”は扉の方を向いて言う。
「まさか君が――俺の死神なのかい?」
「そうだな総理大臣――、着任早々申し訳ないんだが――な」
そう答えたのはたくさんのピアスをした金髪女”十河 遥”であった。
「そうか――、RONではなく君が――。
たしか”十絶旺陣・十河 遥”――」
「よく知っているな――」
「まあ、国民の事だからね」
「あたしはあんたの国民になったつもりはないが?」
「今は――、それにとっては同じだよ」
その”鹿嶋 蓮司”の言葉に鼻を鳴らす”十河 遥”。
「フン――、どうでもいい話だな。
死ぬ前に言い残すことはあるか?」
「いいや?」
「なんでもいいんだぞ? 死ぬ前に何か言っておけよ」
その遥の言葉に、いきなり蓮司は笑い始める。
「なんだ?」
突然のことに困惑顔の遥に向かって、とうの蓮司は遥に銃を向けつつこう言ったのである。
「俺は死なないからね――」
その言葉を聞いて遥は舌打ちをする。
「そんなものが――、銃ごときがあたしに効くと思ているのか?」
「効かないだろうね――」
「だったら」
「”だったら”じゃないよ――、俺は”それでも”抵抗をやめない。
俺はまだ証明していないからね。俺がやることの正しさを――」
「馬鹿か?」
「そうかもね――」
蓮司はそう言ってニヤリと笑う。
自分というS級超能力者を前にして、これほどの啖呵を言えた”一般人”を遥は見たことが無かった。
(フン――、どうであろうとあたしの力に前に屈服するんだ)
そう考える遥だが――、なぜか蓮司に死刑を下す意識が薄れていくのを感じていた。
(何を考えている遥? こいつはあたしが吹けば飛ぶだけの”一般人”――、生かしておく意味なんてない)
そのハズだが――。
「お前――本当の馬鹿か?
あたしに逆らってどうなるか――」
「どうなる? ――俺は絶対に国会議事堂では死なない」
「抵抗しても無理だぞ?」
「やってみなければわからん」
「真性の馬鹿か――」
そのやり取りをするたびに遥は、目の前の蓮司に興味がわいてくる自分を感じていた。
(ち――、急がないと”女神”が来るって言うのに――。
いや――、あたしは”女神”に隠れてこそこそと何やってるんだ?)
そう考えた時、もはやどうしようもないくらいに、遥は自分の行為に萎えてしまった。
だから、遥はこういったのである。
「――もしお前が、あたしら超能力者すら国民というなら――、
今の超能力者への迫害はどういう事か、あたしに語ってみろ。
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