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進化が開始されるようです
しおりを挟む結論から言うと、今日イエローラビットが10羽も取れた。
何をやったかっていうと、要は待ち伏せ作戦ってことだよね。
弟君がイエローラビットを追いかけて、私はその追い込む先に待ち伏せする。
でも、ただ待っているだけだと恐らく逃げられるので、そこで出てくるのが――
――秘技:アイテムボックス隠れの術
気配も完全に隠せるから、タイミングを見計らって外に出て、一気にガブリって戦法だね。
まあ、時間制限があるから何でもかんでもうまくいくってことはないんだけど、30秒もあるからね。
ちなみに、住居で食事をすることにしたんだけど、アイテムボックスの本来の用途としても大活躍してくれた。
本当にアイテムボックス様様だよね。
と、まあ――そんな感じで、住居の外に並んだイエローラビットを頂くことにした。
そうしてイエローラビットに口をつけようとしたところで……あれ? 弟君が食べないというか、全く食べる動作に移ってないよ?
凄いお腹が空いているはずなのに、何でだろう? と、そこで私は「あっ」と気づいた。
で、案の定……私が食べ始めるのを確認してから弟君が食べ始めたんだ。
なるほど、どうやら弟君の中では群れのボス……っていっても二人しかいないんだけど、ともかく彼の中でボスは私になってるみたいだね。
食事中に失礼と思いながら、その額をぺろりと舐めると尻尾を振り振りして返事をしてきた。
ふふ、可愛い奴め。
と、それはさておき、私もお腹が減っている。
ってことで、バクバクバクと食べてみる。
うん、なんかめっちゃ美味しい。ゴブリンの牢屋で食べていた謎肉とはエラい違いだ。
調味料も使ってないし、焼いたり煮たりしてないんだけど……とにかくめっちゃ美味しい。
なんていうか、肉の味がとにかく濃い感じで、脂が甘いんだよね。
しかし、本当に味付け皆無なんだけど、なんでこんなに美味しいんだろうか?
舌が魔獣のものだからってことなんだろうか?
あるいは、生まれたばかりで舌が肥えてないから?
今の舌で人間の料理を食べたらどうなるかは謎なんだけど……ともかく、イエローラビットはめっちゃうまい。
その時、口の中でジャリっと石のようなものが歯に当たった。
慌てて吐き出すと……なんか黄色くて小さい石が見えた。
サイズ的には直径2センチくらいかな? ちょっと光り輝いている感じもして、ただの石ではないと思い鑑定を使ってみた。
・【土の魔石(極小)】解説
レア度:E
土の精霊の力を宿す魔石。力の弱い魔物の核でもある。
数を集めて精錬し、魔道具や魔法武具に使われる。魔物の進化素材。
ん? 魔物の進化素材?
と、その時、弟君がバリボリという感じで、なんか固いものを食べている音が聞こえてきた。
ってことはひょっとして……と、私も吐き出した石を舌ですくって食べてみた。
バリ、ボリ。
うん、やっぱ食べられるね。
ってか、お、お、おおおおおお!? 何じゃこりゃ!?
美味しい! なんか、めっちゃ甘い! 口の中に広がる甘味! 広がる香り、お菓子の香り、いい匂い!
うおおおお、これ、これは……長らく忘れていた砂糖の味だよコレ!
っていうか本当にクッキーみたいな感じだ!
いやー、これはまさかだよね。
実は私は糖尿病を心配されるほどの甘党のお菓子好きなんだよね。
大森林サバイバルにあたって、絶望的な甘味成分はぶっちゃけ物凄く心配だった。
【スキル:危険察知を取得しました】
【スキル:小回りを取得しました】
ん? 何かスキルを覚えたっぽいよ?
あ、これは……魔石を食べると相手のスキルを奪える的な、そんな感じなのかな?
――と、まあそんなこんなで。
私と弟君は5羽ずつのウサギを食べて、川でたくさん水を飲んで、掘った穴の中で身を寄せ合って眠りについたのだった。
【魔石の摂取を確認。条件達成につき進化します】
【初の戦闘にて【大物食らい】の称号付与を確認。魔女特性【ヴァルプルギス・ゲノムバースト】発動……進化先が希少種となります】
【夜想曲参加権利保有者の【ヴァルプルギス・ゲノムバースト】の発動を確認。壊死現象が発生し、事象の地平面 (シュバルツシルト)まで1ゲージの深度増加を確認しました】
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