動物好きだとは言いましたが、犬に転生させろとは言ってません! ~チートフェンリルさんによる101匹ワンワン領地運営&軍団形成~

白石新

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弟君と二人で外の世界に出ました

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さて、外に出た。
ゴブリンの集落は洞窟の中だけにある感じだったみたいで本当に僥倖だったね。
外に出るとそこはゴブリンランドでしたってんじゃあ、ちょっと洒落にならんないし。
まあ、森につながっていたので私と弟君は逃げた。
それはもうスタコラ逃げた。
で、走り続けること2時間あまり、夜も空けて朝方の時間となった。
ここまで逃げればあの洞窟のゴブリンはもう心配ないだろう。
都合の良いことに綺麗な川を見つけたので、ここを水場として生活拠点にしようか。





そして翌日。
良い感じの土の崖があったので、竪穴式住居みたいな感じで【引っかく】のスキルを最大限に活用して、私と弟君で半日かけて穴を掘った。
あんまり知られてないんだけど、犬って穴を掘ったりは得意なんだよね。
ネズミとかウサギの巣穴の対策に進化した能力だと思うんだけど、今回はそれを有効活用させてもらった。

ミソはちょっとだけ上に向けて掘ることで、これなら雨の時も穴の中に水は入ってこないし雨風は何とかしのげそう。
あとは草を集めてきて天日干しにしたワラを入れると当面の住居としては完璧かな。

ちなみに、穴掘りの時に種族念話で私の考えていることを理解した弟君は目をパチクリさせて驚いていたんだよね。
……あ、ワラのことも伝わったみたいで、何か凄い尊敬のまなざしでみられてる。
更に補足しておくと、あまりにも高度なことは弟君には理解不能で伝わらないみたい。
まあ、穴を上に向けて掘ったりとか天日干しとか、ここらが以心伝心の限界ってところだろうね。
ステータスとかそういうことを考えても、そもそもからして弟君には伝わってないみたいだし。

ちなみに、進化可って出てたんだけど……待てど暮らせど進化の気配がない。
成長ボーナスの時の例からすると、寝れば勝手に進化してると思ったんだけど、どういうことなんだろうなんだろうか?

まあ、それは良しとしてぐぎゅるるーと、弟君のお腹が鳴った。

うん、お腹空いちゃったよね。実は私もなんだけど……。

ってことで、拠点を手に入れた私と弟君は狩りにいそしむことにしたんだ。

で、狩りの方法なんだけど、実を言うと本能でなんとなく分かるんだよね。

つまりは、地面の臭いを嗅いで、美味しそうな香りがするほうへ向かっていくってことだ。

そうして拠点から歩いて、どんどん美味しそうな香りが強くなって、はたしてそこには――ウサギがいた。

良し、まだ相手はこっちに気づいてないみたいだね。

ってことで、スキル鑑定を行使だ。



・【イエローラビット】解説
 広く食用に使われる草食魔獣。マーチス地方では香草焼きが有名。
 常闇の大森林に生える魔草を常食する。通常の森よりも危険地域に生息しているため、普通のウサギとは次元の違うその逃げ足の速さは狩人の頭を悩ませる。
 常闇の大森林では最弱の魔物である。

 ※ 危険度Eランク



 マーチス地方?
 この辺りの地方名のことなのかな? 
 そんなことを考えていると弟君は風下に移動して、そのまま足音と気配を消して背後から忍び寄っていった。

 え? 私は何もしないのかって? 
 だって、私たちの俊敏ってせいぜいがドーベルマンくらいだからね。
 この説明文からするとおそらく……と、10メートル程度のところまで弟君が近づいたところで、イエローラビットは危険を察知して逃げ出してしまった。

 文字通りに脱兎のごとくに逃げるウサギ。
 慌てて追う弟君。
 そして、そんな光景を静観する私。

 はたして、私の予想通りにウサギは弟君よりも遥かに素早かった。
 単純な速度なら恐らく弟君なんだけど、やたら小回りが利く上にここは森で、あっという間に茂みの奥に消えていったんだよね。

 まあ、単純に小回りも含めたスピード……つまりは俊敏性が足りてないってところかな。
 それに、本能である程度狩りの仕方がわかるって言っても、やっぱ経験が絶望的に足りていないのもあると思う。

 で、見ていて笑っちゃうくらいに肩を落として弟君が戻ってきた。

 種族念話で察するに、獲物を取って私に良いところを見てもらいたかったみたいだね。
 で、めっちゃ凹んでるってわけさ。

 それで――。
 私は周囲の臭いを嗅ぎまわったんだけど、美味しそうな香りがするのはこのウサギのモノだけだ。
 他にも動物や魔物の香りはいくつもあるんだけど、それについては――

 ――危険な臭いがする

 この辺りもやっぱり本能的なものなんだけど、恐らくこの近辺で私たちが安全に狩れるのはあのウサギってことなんだろうね。
 ちなみに、他の臭いについての危険度も何となく……分かる。
 具体的に言うと、臭いを嗅いだ瞬間に《ヤバい》ってなったり、ギリギリ美味しそうに感じないこともない……と、そういう臭いもあったりする。

 そう、今、私と弟君がドン引きの表情で眺めている、あの大きな闘牛みたいにね。



名称:なし

種族:デビルホーン

レベル:3/5

職業:デビルホーン(最終進化済)

HP:32/32

MP:0/0

攻撃力:15

防御力:17

敏捷 :6



あ、これアカン奴や。
敏捷以外は私たちは全部ボロ負けしてる。
こっちは二人なので何とかなるかもだけど、ちょっとこれは……真正面から戦うと大怪我か、下手すれば死ぬ奴だ。

幸い、向こうはまだこっちに気づいていないので、私と弟君はスタコラサッサと逃げることにした。


【熟練地が一定に達しました。スキル:弱者の法理(ランナウェイ)を習得しました】






 どうやら熟練値なるものをためることでもスキルを覚えることはできるようだ。
 と、それはさておき、そういうわけで今のところ私たちはあのウサギの種族を何とかして狩ったほうが良さそうだね。
 だけど……弟君がやったみたいに普通にやったら無理そうだよね。
 まあ、もちろん方法はあるんだけどさ。

 獣としての狩りなら無理だと思う。
 けど、私の頭の中身は人間だからね。
 この前のゴブリンのコックの時と同じで、獣の力を人間が運用すればどうとでもなる……と、思う。
 でも、そのためには弟君と高度な意思疎通を図る必要があるんだけど、種族念話でイケるかな?

【スキル:種族念話が発動しました】

 はたして、私の伝えたいことも伝わるかな?

 と、そこで弟君は「ワン!」と大きな声で返事をしてくれた。

 うんうん、どうにかこうにか連係プレイの趣旨は理解してくれたみたいだよ。

 ってことで、さあ……狩猟を始めますか。

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