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ワンワンの群れに入りました。ざまあして欲しそうに新参に辛く当たってくる子たちがいます。 その4
しおりを挟むガリガリ組に肉を与え続けて10日が経った。
生気がなかった瞳に光が戻り、肋骨が見えていた体にもうっすらと肉が付いた。
まあ、若いから食べれば食べるだけ血肉になるってことだろう。
で、ケガをしてる子も魔獣の特性か知らないけど、よほど酷い感じだった子を除いて、狩りにも出れる感じになったみたいだね。
そうして私は今日も10体を引き連れて、大名行列のごとくに狩りにでかけることになったわけさ。
いや、来るなっていってもついてくるんだもん。
えーっと……念話で伝わってくるイメージを言語化するとこんな感じかな。
「貴女様は動かずとも、我々が見事に獲物を捕らえて差し上げましょう!」
「もしもの時は我々を捨て駒にしてお逃げください!」
いや、捨て駒にはしないけどね。
で、まあ私たちは狩りにいそしんでいるわけさ。
10体くらいいる所帯なので色々な方法があるわけなんだけど、私が採用したのは追い込み漁だ。
まず、岩肌の崖と崖に挟まれた道があるんだけど、そこに大きな穴を掘る。
あとはそこにイエローラビットを追い込んで任務完了ってわけね。
いやはや、こんな単純なので大丈夫なの? と思ったけど、大丈夫だった。
っていうか、むしろ引くほどに効果テキメンだった。
しかし、自然界における人間って本当に凄いんだなー。
人間って飛び道具や罠で、本来なら……この世界で言うステータス的な意味では絶対に敵わない相手をボコボコにしちゃうんだもんね。
熊でも、象でも、ライオンでも、本気出した人間にかかれば瞬殺でカタにハメられてお肉にされちゃうわけで。
と、そんなことを考えている時、弟君が私に向けてワンと吠えた。
うん、分かってるとばかりに私は道の向こうに見えた敵に向けて駆けだしていく。
つまりは、前回に私がカタにハメた巨大亀が現れたってことなんだけど……ん? どうにも弟君以外のみんなはビビりまくってるようだね。
ってことは、本来であればこっちが10体いても数の暴力ではどうにもならない相手ってことなのか。
ま、こっちには必殺のアイテムボックス岩牢獄と毒牙のコンボがあるけどね。
ってことで、瞬殺でいかさせてもらいますよ!
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