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小学生編
第10話 授業参観
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瞳は学校へアルバムを持っていき、道徳の授業ではその写真を見ながら両親への感謝の手紙を書いた。
そして、それは授業参観の日に発表することが先生から知らされる。
「あのね、今度の授業参観の日は両親への手紙を読むの。おばちゃんに聞いて貰いたいから絶対に来てね!」
「そうなんだね。うん、絶対に行くから楽しみにしているね!」
家に帰ってから瞳は朋花に念押しする。
その言葉を聞いて毎回授業参観には行っていたが、今回は特に欠席にならないように体調管理を気を付けようと朋花は心の中で誓った。
授業参観当日、教室に到着した朋花が瞳の姿を探していると、同じく後ろを時々振り返りながら朋花を探していた瞳と目が合った。
そして、瞳が手を振ったため、朋花も手を振り返す。
やがて、始業を知らせるチャイムが教室に鳴り響く。
朋花は教室の後ろから授業を受けている瞳の姿を見つめていた。
授業教科は勿論道徳で、児童達は順番に両親への感謝の手紙を読み上げていく。
あっ、瞳ちゃんが立ったから次は瞳ちゃんの番だ。
瞳が起立したのを見て、先程よりも耳を澄ませて朋花は瞳の声に耳を傾ける。
瞳は少し緊張しながらもいつもの明るい声で手紙を読み始めた。
「私の名前はパパとママが名付けてくれて「瞳」といいます。名前の由来は物事の真実の姿を見抜く目を持ち、まっすぐに育ってほしいからです」
名前の由来はアルバムに書いてあり、それは朋花も一緒に見たため知っていた。
そして、瞳は次に両親との思い出を語る。
「熱が出た時にパパが手を握ってくれたことが嬉しかったです。体調が悪いとママはネギたっぷりの卵粥を作ってくれました。いつもパパとママが看病をしてくれるから熱が出てもすぐに治りました」
姉夫婦の話を瞳の口から聞いた朋花は目頭が熱くなる。
瞳ちゃんの中でお兄さんもお姉ちゃんも生き続けているんだ。
瞳ちゃんの話を聞いていると2人の姿が思い浮かんでくるなあ。
お姉ちゃんに会いたい……。
そんな気持ちは瞳も同じようで背中を見ている朋花は気付いていないが、次第に瞳も涙を浮かべるようになっていた。
それでもまだ伝えたいことのある瞳は懸命に手紙を読み上げる。
「今、パパとママは天国だけど、私にはお母さんがいるから寂しくありません。熱が出た時にお母さんもママと同じ卵粥を作ってくれました。すごく嬉しかったです。大好きだよ、お母さん」
そう言って瞳が振り向いた。
瞳と目が合った瞬間、瞳が自分のことをお母さんと呼んでいることを理解した朋花の涙腺が決壊する。
そんな朋花を見て自分の思いが伝わったことが分かった瞳も涙を流しながら笑っていた。
そして、それは授業参観の日に発表することが先生から知らされる。
「あのね、今度の授業参観の日は両親への手紙を読むの。おばちゃんに聞いて貰いたいから絶対に来てね!」
「そうなんだね。うん、絶対に行くから楽しみにしているね!」
家に帰ってから瞳は朋花に念押しする。
その言葉を聞いて毎回授業参観には行っていたが、今回は特に欠席にならないように体調管理を気を付けようと朋花は心の中で誓った。
授業参観当日、教室に到着した朋花が瞳の姿を探していると、同じく後ろを時々振り返りながら朋花を探していた瞳と目が合った。
そして、瞳が手を振ったため、朋花も手を振り返す。
やがて、始業を知らせるチャイムが教室に鳴り響く。
朋花は教室の後ろから授業を受けている瞳の姿を見つめていた。
授業教科は勿論道徳で、児童達は順番に両親への感謝の手紙を読み上げていく。
あっ、瞳ちゃんが立ったから次は瞳ちゃんの番だ。
瞳が起立したのを見て、先程よりも耳を澄ませて朋花は瞳の声に耳を傾ける。
瞳は少し緊張しながらもいつもの明るい声で手紙を読み始めた。
「私の名前はパパとママが名付けてくれて「瞳」といいます。名前の由来は物事の真実の姿を見抜く目を持ち、まっすぐに育ってほしいからです」
名前の由来はアルバムに書いてあり、それは朋花も一緒に見たため知っていた。
そして、瞳は次に両親との思い出を語る。
「熱が出た時にパパが手を握ってくれたことが嬉しかったです。体調が悪いとママはネギたっぷりの卵粥を作ってくれました。いつもパパとママが看病をしてくれるから熱が出てもすぐに治りました」
姉夫婦の話を瞳の口から聞いた朋花は目頭が熱くなる。
瞳ちゃんの中でお兄さんもお姉ちゃんも生き続けているんだ。
瞳ちゃんの話を聞いていると2人の姿が思い浮かんでくるなあ。
お姉ちゃんに会いたい……。
そんな気持ちは瞳も同じようで背中を見ている朋花は気付いていないが、次第に瞳も涙を浮かべるようになっていた。
それでもまだ伝えたいことのある瞳は懸命に手紙を読み上げる。
「今、パパとママは天国だけど、私にはお母さんがいるから寂しくありません。熱が出た時にお母さんもママと同じ卵粥を作ってくれました。すごく嬉しかったです。大好きだよ、お母さん」
そう言って瞳が振り向いた。
瞳と目が合った瞬間、瞳が自分のことをお母さんと呼んでいることを理解した朋花の涙腺が決壊する。
そんな朋花を見て自分の思いが伝わったことが分かった瞳も涙を流しながら笑っていた。
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