クラスメイトのなかで僕だけ異世界転移に耐えられずアンデッドになってしまったようです。

大前野 誠也

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22:初回報酬

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 サイクロプスが消えた後、部屋の中央に宝箱が出現した。

 「あ、宝箱が出たわ!」
 『……あれは初回クリア報酬と呼ばれるものだな……そのフロアボスを始めて倒した者にのみ与えられる宝箱だ……本来2度目の我がパーティにいれば初回クリア報酬は出ないのだが……今回我は戦闘には一切参加しなかったからな……』
 『中身はなんですか?』
 『……流石に覚えておらん……開けてみるがよかろう……ちなみに、あの手の宝箱には罠はないし……鍵が掛かっている事もない……』
 「そうなの?ねぇアンディ、私が開けてみても良い?実はちょっと開けてみたかったのよね」
 『もちろん構わないよ』
 「やった!」

 灰田さんが鼻歌混じりで宝箱を開ける。
 中から出て来たのは腕輪だった。

 『これって、死神さんが付けている物を収納出来る腕輪かな』

 だったら非常に助かるのだが―――

 『……いや……違うな……どれ……【鑑定】……ふむ……これは【筋力向上】の効果が付与された魔道具だな……その名の通り装備していると力が強くなる……効果は5%上昇だそうだ……どうりで記憶にないわけだ……』
 「ハズレってこと?結構良さそうに聞こえたけど?」
 『……腕輪はそれぞれの腕に1つまでしか効果が得られん……我は収納の魔道具と……投擲武器無効の魔道具を……それぞれ付けておる……まぁ……他の腕輪が手に入るまで……付けていて損は無いだろう……』
 『なるほど、そう聞くと確かに貴重な装備枠を潰して迄ほしい効果では無いですね』
 「といっても今は付け得でしょ。という事で、はいアンディ。直接戦闘をするアンディが装備しておいて」
 『わかった』

 灰田さんから腕輪を受け取りそれを左腕にはめる。

 「ねぇ、これって私も戦闘に参加してたら、腕輪は2つだったて事?」
 『……いや……フロアボスには1~6人で挑めるが……何人で倒そうと初回報酬は1つだ……もし2つ欲しいなら……今度は灰田亜紀1人で戦う必要がある……』
 「うわぁ、えげつない。揉め事の火種にしかならないわね。あと、あんな化け物と1人で戦うなんて絶対無理」
 『……レベル的には十分すぎるのだがな……』
 『割合で上昇するなら基礎ステが大事だよね。頑張ってもっとレベルを上げないと』
 『……その頃にはもっと良い腕輪が手に入っているだろうがな……さて、ここにはもう用はないな……さっさと進むぞ……』

 そんな会話を見計らったように、入ってきた位置とは反対側に突如として扉が現れ、それがゆっくりと開いた。
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