5 / 13
5:漆黒の堕落
しおりを挟む俺は何処にでもいる一般男子高校生。
光谷・照輝。
………であった男。
ひょんな事からレギュラー化しつつあった
陽菜の皮を雫の皮と交換して
スライム娘の清水・雫となった男だ。
スマホの画面を見ると相変わらず
スローロリス(神)がニヤニヤしている。
「何が面白ぇんだよ淫獣。」
「いやぁー、陽菜ちゃんの皮を
あんなに気に入ってたのにすぐ捨てるとか
僕も予想を遥か斜め上行ったね光谷少年。
ん、清水少年の方が適切かい?」
「てるっち!
私をすぐに捨てるんて酷いッス!
どんな理由で私を捨てたんすかぁ!?」
陽菜が画面内で騒ぎ立てる。
「捨てたなんて人聞きの悪い。
俺は自分の正しいと思った事しかやらねぇ。
どう考えたって俺よりも平生の方が
陽菜適正がある。そうだろ淫獣。」
「おやまぁ、清水少年は鋭いね。」
「え? え?」
「俺は今後もっと大きなTS現象をしでかす。
それこそ人間体じゃ
耐えきれないような大事をな。
いくら自分の身体といっても
陽菜を傷つけるのは流石に気が引ける。
これからは触手プレイよりも遥かに
危険な世界が待ってるんだ。
でも、人間じゃないなら安心出来る。」
「まさか、私を大事に思って………」
「あぁそうだ。
それに、アイツは俺よりもずっと陽菜を
大事に思ってる。
だから俺は任せる事にした。」
「………勘違いで怒ってごめんなさいッス!」
陽菜がぺこりと頭を下げる。
「分かってくれりゃいいんだよ。」
その返答を待ってたかのように、
淫獣は指を鳴らして彼女を光の粒子として霧散させ追い出す。
「で、本音は何だい清水少年。」
「まず一つ、美少女の姉との同居に憧れてる。
2つ、自分と真逆の人間を演じるのダルい。
3つ、スライム娘の可能性。
スライム娘は何が出来る?」
「素直になってくれて嬉しいよ清水少年。
君がスライム娘になったおかげで
皮ガチャは廃止してもよさそうだ。」
「それってどういう事だよ。」
「君に侵入した対象の身体を改造できる
能力を与えたのさ。」
「すげーじゃんか!」
「他にも色々能力があるよ。例えばね………」
*
丁寧に聞き出す事一時間。
能力名を纏めるとこんな感じだ。
【液化憑依】【憑依改造】
【脳解脳固】【存在上書き】【液体肉体自在】
の5つ。
液化憑依、液体肉体自在については、
文字通りなので説明を省く。
憑依改造は、憑依した対象の身体を
内側から改造する能力らしく。
これによって女体化可能なので
皮ガチャが廃止になったようだ。
改造した身体に合わせて存在を上書きする能力、存在上書きも便利だ。
そして、今回最も注目してるのは脳解脳固。
意外な事に憑依した
対象の脳を溶かすだけではないらしい。
溶かした脳を再生する能力もあるそうだ。
早速優香姉さんで試したが本当だった。
この力があれば
入れ替わりTSを起こすのも簡単だ。
他にも記憶を都合良く弄ったり
できるそうだが、そんなのは
その時が来たら考える事にしよう。
「楽しいのはマジでこっからだなぁ。」
俺は黒き心で口角を上げた。
###
私は、何処にでもいる女子高生。
長那・梨美
現在私には意中の男の子がいます。
明らかな両想いなのに、
貴殿には我より相応しい騎士がおるだろう。
とか言って踏み出せずにいる痛い子です。
どんなにアプローチしようともこのセリフ一点張りです。
「はぁ、今日も失敗しちゃうのかなぁ。」
「溜息なんてついてらしくないねぇ、
梨ちゃん。」
「えっ、雫ちゃん?」
「そんな驚く事なくない?
クラスメートの女の子同士仲良くしようよ。」
「あ、うん。ごめんね。」
「謝る必要はないよ。
困ってるなら相談乗るよ……友達でしょ?」
「雫ちゃんがそれでいいなら。」
放課後の下校中、私は意を決して
公園のベンチへと座り事情を話した。
「うんうんなる程なる程ぉ。
梨ちゃんの幼馴染君は女の子の様な
容姿や声がコンプレックスで
厨二病に目覚めて。
明らかな両想いなのに
釣り合わないと決めつけて拒んでいると。」
「はい。」
「分かりました。
では明日の放課後、旧校舎7号室に来てね。
私がしっかり解決してあげるよ!」
自信満々で言い張る彼女に
少し気圧されながら私は承諾の頷きで応えた。
*
翌日。
あまりの緊張に頭を巡らせていると、
時間もあっという間に過ぎて。
指定通りの場所までついて私はそこへ入った。
ガラガラと扉を開けて入ると、
予想通り黒木君と雫ちゃんがいる。
「やっと来ましたか、梨ちゃん。
じゃあ早速ですけど、そこに着席して。」
私は言われるがままに、黒木君の隣席に座る。
それを見届けた雫ちゃんがスイッチに
手をかける。
「スイッチおーふ!!」
カチッという音とともに証明が消える。
「な、なに。どういう事。うぷっ。」
何これ、私の口の中にヌメッとした液体が!
まるで意志のあるヨーグルトが口に!
……そこで私の意識は途切れた。
カチッと再び音が鳴り目を開くと、
私は下半身に違和感を覚える。
気になるソコに手を当てると
もっこりした何かに当たる。
「こ、これってーー」
自分で上げる驚嘆の声も聞き慣れている
声ではあったが、自分の声じゃない。
黒木君の声で私は驚いたんだ。
と言う事は。
このもっこりしてるのは黒木君の………。
「くっ、魔女め!」
憎たらしい顔で拳を握る私の身体からは
絶対出ないセリフを言う黒木君。
「魔女、雫ちゃん事?」
「決まってるだろう!!
どんな思惑かは知らんが
我らの魂魄を入れ替えた!
完全に我らは魔女の策略に嵌められたのだ!」
確かに、こんな奇怪な現象に会えば
雫ちゃんを危険な存在として疑うのは当然。
だけど雫ちゃんは意味もなくこのような事を
する子じゃないのは私がよくわかってる。
考えられるとしたら、
雫ちゃんからのチャンスだ。
この機を逃すもんですか!
「魔女が何を企んでるか、
私なんとなくだけど分かるよ。」
「本当か梨美!」
「うん、多分私達をセックスさせる
つもりなんだよ。」
「なる程、確かに性交であるならば
ーーって待てぇい!
これは貴殿の身体であろう!
そんな愚行を行っていいのかァ!?」
「こうなってしまった以上は、
しょうがないよ黒木君。
だからさ、私の大きくなったコレ。
お口で気持ちよくしてね。」
私は肥大化したおちんちんを
黒木君に晒す。
意外と素直に行動に移してくる黒木君。
そういうところが好きなんだよね。
ぎこちないけど、最高にイイ♡
私が黒木君のおちんちんを咥えて
ペロペロしてる。
でもおちんちんを舐められてるのは私の方で。
不思議と興奮する。
その沸き立つ感情に呼応するように
下半身から何かが込み上げてくる。
「な、なんか出ちゃうよ! 黒木君!」
びゅるるぅう!
ハァ……これが男の子の快感。
一瞬だけど、凝縮された快楽。
なのに、まだまだ黒木君のおちんちんは
留まる事を知らないね。
それとも、私がエッチな女の子だからかな?
「もう本番いいよね? 黒木君。」
私は質問したまま彼の、いや、
彼女のパンツを下ろした。
この状況で興奮してたのは私だけじゃない。
黒木君もだったんだ。
私のパイパンおまんこトロトロにさせてるよ。
「何これぇ♡ 黒木君もその気が
あるなら素直に言えばいいのにぃ♡」
「ち、違うんだ梨美。
これはお前の身体が勝手に反応してだな。
そ、そうだ! あの魔女の仕業だ!」
「大丈夫、言い訳はプレイ後にいくら
でも聞くよぉ♡♡」
ずんっと私は黒木君の中に挿入する。
「ーー痛ぁあっ!!」
あはは、私、黒木君の処女奪っちゃったぁ♡
すんごい血で痛そうだけど興奮するよ。
支配感って奴かなぁ。
「少しずーつ解して気持ちよくなりましょ。」
私はゆっくりと腰を振る。
苦痛の表情で歪んでた顔も、
次第にほぐれて嬌声を
我慢する乙女の顔になっていく。
「もうそろそろ気持ち
よくなってきたのかな黒木君。」
「んなっ♡ 訳っ♡ ないだろっ♡」
「その顔じゃ説得力ないからぁ、
本番いくね。」
ぱんっ……パンパンパンッ!!
「速すぎるぞっ♡
ちょっとは遠慮しろよ梨美っ♡」
「気持ち良いからいいでしょ。
ほら、一緒にイこ♡♡」
「やめろぉ♡ 気持ち良すぎて我が
何者か分からなくなってしまう♡♡」
「いいんですよソレで♡
イキ果てたら黒木君は身体だけじゃなくてぇ、
記憶も心も精神も全部全部『私』になるの♡
私だけの黒木君になるの。最高でしょ♡」
「目をさまへぇ♡ 梨美。
私達は魔女にぃ……魔女?」
「あまりの気持ちよさに同化が大分
進んだようね。仕上げに行くわよ黒木君♡」
「や、やめへぇ♡♡
女の子の身体でイッちゃうよぉぉ♡♡♡」
「私もイクよっ!!」
びゅるるるるるるぅぅうう!!!!
「ふぅ………これが中出しかぁ。
さっきの射精よりも気持ち良かったなぁ。
さて、イキ果てた梨美ちゃんを
保健室に運ぼっか。」
私は黒木君が目覚めるまで、
椅子を借りて読み途中の小説に耽る。
100ページほど進んだところで、
彼のーーいや、彼女の目が覚める。
「あれ? 私はどうしてここに?
んっ!? 黒木君どうしちゃったのその格好!
眼帯は!?」
「似合ってるでしょ、女の子の格好。
私って天然の男の娘みたい。」
「そうじゃないよ、漆黒騎士としての
貴方は何処行ったのよ!?」
「やめた。だって、梨美ちゃんと
お付き合いした方が100倍楽しいもん。」
「え、え。ぇぇえ!?」
あたふたと顔を紅潮させて混乱する梨美。
私はすかさず彼女へと顔を寄せ
顎をクイッとあげさせる。
「2度も言わせないで。
………可愛くなった私と付き合ってよ。」
「は、はいぃ。」
それ以降。
私達は激カワ男の娘×美少女JKのカップル
として学校で有名になった。
ーーそう。
これからの私は、
可愛くて優しい男の娘彼氏。
黒木・誠として生きていくのだ。
1
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる