アルカディア・クロノクル ゲーム世界に囚われた俺を救うのは、妹か、かつての仲間か

織部

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スキル

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  レベル4になりましたので、ガチャが一部解放されます。

  アキラ
  レベル4
  HP 28/28
  MP 10/10
  Exp 51/80
  スキルポイント(sp) 5
  G 255
  保護時間 残 11日

 アキラは自分の成長を実感する一方で、少し緊張も覚えていた。

「つまり、リバーサーペントは死んだってことか?」と呟いた。

「はい、そしてレベル4に到達です」ラピスが嬉しそうに答える。その声には、どこか誇らしげな響きがあった。

 彼はステータス詳細画面を開き、職業欄をクリックした。選択肢は三つ。

「戦士、盗賊、魔術師」それぞれの職業が自分に何をもたらすのか、考えが巡る。

「盗賊かな……」と試しに聞いてみたが、「そのジョブはあまりおすすめしないです」ラピスは少し嫌そうな声で返事をした。

「やはり、戦士か?」と考え直すも、ラピスは「そうですか?」と冷たく答えるだけだった。

 アキラは、ラピの反応に流されるように、「うーん、魔術師かな……」と口にした。

「はい、そうですね」ラピの声には、ほっとしたような響きがあった。

 ラピスは、アキラが前線で戦うことを恐れていた。危険度は大きく変わらないことを知ってはいたが、蛇の毒で彼が死にかけたとき、本当に彼を失うかもしれないという恐怖が心に刻まれたのだ。

 アキラは、実際には戦士と魔術師の間で迷っていたが、ラピすの反応から魔術師を選ぶべきだと悟った。

 迷いを断ち切り、魔術師を選択する。すると、ステータスが変化した。

 STR(力) 5 → 7
 AGI(敏捷性) 6 → 8
 INT(知力) 9 → 31
 END(耐久力) 6 → 8
 LUK(運) 51 → 53
 CHA(魅力) 9 → 21
 
 ジョブを選んだことでステータスが増え、特に知力が上がった。そういえば、頭の回転がいつもより少し早くなっている気がする。

 ほんの少しだが、まるで思考が冴える感覚だ。前世ではどうだっただろうか? 決して頭が良いとは思えなかったのだが……
 
 彼は次に、メニューから新たに解放された強化画面を開いた。取得可能なスキルをじっくりと眺める。

 しかし、今のレベルでは選べる魔法はまだ多くなく、スキルポイントが足りないため、選択肢は限られていた。

 獲得できるスキルは、以下だ。

 火魔法:ファイアーボール(5sp、MP2 )
 水魔法:ウォーターボール(5sp、MP2 )
 土魔法:アーススパイク(5sp、MP2 )
 風魔法:ウインドブラスト(5sp、MP2 )
 生活:ライト(5sp、1回使用時 MP2 )

 アキラはラピスに魔法について尋ねた。ラピスは丁寧に説明してくれ、その説明を聞くうちに、彼は次第にファイアーボールに魅了された。

 威力がありそうだというのもあるが、何より直感的にこれが自分に合っていると感じたのだ。アキラはファイアーボールの魔法を選び、画面を閉じた。

「それじゃ、ナイフの回収だ」と静かに立ち上がった。本当は、新たに習得したファイアーボールを試してみたかったが、今はそんな余裕はなかった。

 リバースネイクと格闘した場所に戻ると、水蛇の血痕が川上の林へと続いているのを見つけた。

 そして、林に入る手前の野原で、息絶えたリバースネイクの死骸を発見した。

 死体と分かっていても、アキラは恐怖にかられ、慎重にリバースネイクに刺さったナイフを回収しようとゆっくり近づいた。

 そのとき、視界の端に小さなゴブリンが林から走ってきて、アキラよりも先にナイフを抜き取ろうとするのが見えた。

「おい! それは俺のナイフだ!」 もちろんそんな抗議が通じるわけもないが、思わず声を上げてしまった。

 このままではゴブリンに唯一の武器を奪われてしまう。

 しかし、こちらは素手であり、近づくのは危険だ。

 アキラはファイアーボールでゴブリンを遠距離攻撃し、成功すればラッキー、失敗すれば逃げると決心した。

 半身に構えると、全身に魔力がみなぎるのを感じた。深く息を吸い込み、静かに呪文を唱える。

「ファイアーボール!」

 手のひらを天に向かって広げると、周囲の空気が一瞬ひんやりとした。次の瞬間、手のひらの中心に赤光が現れ、それが燃え上がる炎の小球体へと変わっていった。

「成功だ!」

 揺れる火の玉はアキラの意志に応え、彼が左手を振り下ろすと、炎の球はゴブリンに向かって放たれた。

 しかし、狙いが外れ、火の玉は林の中に飛び込み、瞬く間に炎が広がった。

 その瞬間、ゴブリンは攻撃を察知し、ナイフを手にこちらへと向かってきた。思ったより速い。

「まずいな……」

 アキラはリュックを背中から下ろし、盾の代わりに使おうとした。ゴブリンが近づくと、その大きさはアキラの腰ほどしかなかった。

 左手でリュックを低く構え、再び呪文を唱える。

 ゴブリンが一直線に突っ込んできたため、アキラはリュックでナイフを受け止めた。

 右手で再び作り出した火の玉をゴブリンに叩き込むと、ゴブリンは悲鳴を上げる間もなく、炎に包まれて倒れた。

 リュックに刺さったナイフを取り、ゴブリンを確認しようとしたが、すでに事切れていた。

 再び静寂が戻る。アキラの右手にはまだ熱が残っていた。

※※※

「それで、ついでにもう一つ調べてほしい」 黒神は封筒を机の上に置いた。

 山吹はキッチンでお湯を沸かし、インスタントコーヒーを二つ入れて、一つを彼に手渡した。封筒の中身を確認すると、彼女は満足げに微笑んだ。

「何かしら? バイトの報酬は十分だから、話だけは聞いてあげる」

 長い髪をポニーテールにまとめ、耳のイヤリングがリビングの光に反射して輝く。

「ああ、お前の友達が、何故そんな都市伝説の話をしているのか調べてほしい」

 猫舌らしい彼は、コーヒーに息を吹きかけながら、慎重に飲んでいる。

「確かに。わかったわ」 気が重いが、調べる必要があるだろうと彼女は思った。

「大学はどうだ?面白いのか?」

 黒神のありきたりな質問に、山吹は驚き、思わずコーヒーを吹き出しそうになった。彼がそんなことに関心を示すとは思いもよらなかった。

「どうしたの? 気になるの? 理系は女の子が少ないから、紹介できる子もあまりいないけど」

「そういう意味じゃない。ただ……」

 あの子も病気じゃなければ違う選択をしたのかなと。
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