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ドラゴニア金貨
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アズーリア村に到着した時には、すでに日は沈んでいた。村の建物はすべて破壊され、何かを探し回った跡があったが、人影はどこにも見当たらなかった。
「これは大変だ。一体何があったんだろう? 村人たちは無事なのか」
ハートフェルトは、村用に買ってきた商品が無駄になったこと以上に、村人たちの安全を心配していた。
「オーガの襲撃のようですね」
「魔物が人の村を襲うとは、大問題だ。私が小さい頃に起きた事件以来、こんなことはなかった」
「実は、ここだけの話にしてほしいのですが、村人の何人かは安全な場所で保護しています」
アキラの言葉には、嘘は感じられなかった。
「それは良かった。しかし、魔物襲来の話を公にしてもいいですか?」
ハートフェルトは、子供の頃に起きた魔物の大襲来で両親を亡くしているだけに、この問題に敏感だった。
「はい、構いません。私たちでは信頼が足りないので」アキラが言った。
アキラの「信頼が足りない」という言葉に、ハートフェルトは、あれほど強いパーティが国家レベルの仕事をしており、表立って動けないのだろうと勝手に解釈した。
アキラはマップ機能で周囲に問題がないことを確認すると、村人が書いた村の地図と回収希望品リストを取り出した。
「セレナとノクスは、地図に丸を付けた家でリストの品があれば優先的に集めてください。他にも、使える衣類、毛布、食品、キッチン道具も集めてください。ルナは周辺の人の捜索をお願いします」
アキラは指示を出し終わると、ハートフェルトに言った。
「村の人たちへの販売予定の商品はすべて私が買い取ります。支払いが可能であれば、ですが」
「確か、かなりのゴールドが溜まっていたはずです」
その時、アキラの服のポケットからコインが落ちた。
「これは、ドラゴニア金貨!」商人は思わず声を上げた。師匠からの餞別としてもらった金貨と同じ、信頼性の高い希少な金貨だ。
「ご存知ですか?」アキラは尋ねる。ラピスがわざと落としたのだ。
※
「もちろん。商人としての常識です。もしよろしければ、その一枚分だけでも助かります」
師匠からもらった退職金で実物を見たことを、師匠に感謝している。
「わかりました。ちなみに、荷馬車の荷物で、どれくらいの金額になりますか?」
「4枚、いや、3枚と少しです」利益がほとんど出ないので、できれば4枚で買ってもらえると助かると、ハートフェルトは考えた。
商人はアキラたちに対して借りがある。この世界では、助けた際にかかった費用や労力は請求されないというルールがある。
しかし、今回与えられた高級ポーションは、一生かかっても払えない金額のものである。助けたことによる借りは返さなくとも、恩は何らかの形で返さなければならない。
「そうですか。それでは、5枚で全て買い取ります。また、色々と買ってきてほしい物があるので、別に金貨10枚をお渡しします」
「……」
「少ないでしょうか?」アキラは商人の利益を上乗せしたつもりだったので、ハートフェルトの反応に驚いた。
「いえ、十分です。それで、荷物はどこに運べばいいのでしょうか?」商人は、どこに運ばされるのかと戦々恐々としながら尋ねた。
「この場で大丈夫です。これから収納魔法を使いますが、他言厳禁ですからね」
「アキラ、いろいろ持ってきたよ」山のように積み上げられた雑貨や衣服、保存食料を見て、アキラが集めたものをしまう準備を始めた。
「じゃあ、しまいますね」そう言うと、集めた村の物と荷馬車の荷物が一瞬で消えた。
ハートフェルトは商人であり、商人の固有スキルとして収納魔法を取得している者もいる。しかし、これほど大きく、一瞬で消えるのは見たことがなかった。
やはり、ただ者ではない。ハートフェルトは緊張しながら質問を続けた。
「何をご用意しましょうか?大したものは準備できないかと……」彼は自分の力の無さを恥じながらも、何とかしようと考えた。
「今日買ったものとほぼ同じものです。小麦、豆類、トウモロコシ、芋、干し肉、チーズ、衣類、金具、釘、タオル、調理道具、皿、野菜の種、苗、灯油、調味料、香辛料、お茶は必ずお願いします。鶏や牛は難しいかもしれませんが、それらも欲しいです。ここら辺はその次でいいですが、建築資材も必要です……」
どんどんと要望が溢れ、本当に何が必要かわからない気もした。
「みんな、欲しいものがないのか?」アキラが聞くと、要望が上がった。
「よく切れるナイフと美味しいパン!あと、ルナには美味しい干し肉を。苗は町に行った時に自分で見る」
「矢と弓弦。できるだけ良いものを。それと、寝衣」
「寝衣ですか? 準備しましょう。可愛いのを。アキラを誘惑するようなのは駄目です」
なぜかラピスが反応している。聞こえているはずのセレナは知らんぷりをしている。
「わかりました。それでは、5日後、お昼過ぎにここでよろしいでしょうか?」
「いえ、森は危険なので。こちらが町に取りに行きます。どちらに行けばよろしいですか?」
「ウエストグレンの冒険者ギルドでお待ちしております」
「では、いろいろ増えたので、ドラゴニア金貨だけで悪いのですが、とりあえず105枚渡しておきます」
ハートフェルトの半年分の商売が一瞬で決まった。嬉しいはずのハートフェルトの顔は、なぜか青ざめていた。
※
アキラ 魔術師 レベル10
セレナ 魔法剣士 レベル10 ノクス 魔法射手 レベル6
ゴールド: 11,165
保護時間: 5日
「これは大変だ。一体何があったんだろう? 村人たちは無事なのか」
ハートフェルトは、村用に買ってきた商品が無駄になったこと以上に、村人たちの安全を心配していた。
「オーガの襲撃のようですね」
「魔物が人の村を襲うとは、大問題だ。私が小さい頃に起きた事件以来、こんなことはなかった」
「実は、ここだけの話にしてほしいのですが、村人の何人かは安全な場所で保護しています」
アキラの言葉には、嘘は感じられなかった。
「それは良かった。しかし、魔物襲来の話を公にしてもいいですか?」
ハートフェルトは、子供の頃に起きた魔物の大襲来で両親を亡くしているだけに、この問題に敏感だった。
「はい、構いません。私たちでは信頼が足りないので」アキラが言った。
アキラの「信頼が足りない」という言葉に、ハートフェルトは、あれほど強いパーティが国家レベルの仕事をしており、表立って動けないのだろうと勝手に解釈した。
アキラはマップ機能で周囲に問題がないことを確認すると、村人が書いた村の地図と回収希望品リストを取り出した。
「セレナとノクスは、地図に丸を付けた家でリストの品があれば優先的に集めてください。他にも、使える衣類、毛布、食品、キッチン道具も集めてください。ルナは周辺の人の捜索をお願いします」
アキラは指示を出し終わると、ハートフェルトに言った。
「村の人たちへの販売予定の商品はすべて私が買い取ります。支払いが可能であれば、ですが」
「確か、かなりのゴールドが溜まっていたはずです」
その時、アキラの服のポケットからコインが落ちた。
「これは、ドラゴニア金貨!」商人は思わず声を上げた。師匠からの餞別としてもらった金貨と同じ、信頼性の高い希少な金貨だ。
「ご存知ですか?」アキラは尋ねる。ラピスがわざと落としたのだ。
※
「もちろん。商人としての常識です。もしよろしければ、その一枚分だけでも助かります」
師匠からもらった退職金で実物を見たことを、師匠に感謝している。
「わかりました。ちなみに、荷馬車の荷物で、どれくらいの金額になりますか?」
「4枚、いや、3枚と少しです」利益がほとんど出ないので、できれば4枚で買ってもらえると助かると、ハートフェルトは考えた。
商人はアキラたちに対して借りがある。この世界では、助けた際にかかった費用や労力は請求されないというルールがある。
しかし、今回与えられた高級ポーションは、一生かかっても払えない金額のものである。助けたことによる借りは返さなくとも、恩は何らかの形で返さなければならない。
「そうですか。それでは、5枚で全て買い取ります。また、色々と買ってきてほしい物があるので、別に金貨10枚をお渡しします」
「……」
「少ないでしょうか?」アキラは商人の利益を上乗せしたつもりだったので、ハートフェルトの反応に驚いた。
「いえ、十分です。それで、荷物はどこに運べばいいのでしょうか?」商人は、どこに運ばされるのかと戦々恐々としながら尋ねた。
「この場で大丈夫です。これから収納魔法を使いますが、他言厳禁ですからね」
「アキラ、いろいろ持ってきたよ」山のように積み上げられた雑貨や衣服、保存食料を見て、アキラが集めたものをしまう準備を始めた。
「じゃあ、しまいますね」そう言うと、集めた村の物と荷馬車の荷物が一瞬で消えた。
ハートフェルトは商人であり、商人の固有スキルとして収納魔法を取得している者もいる。しかし、これほど大きく、一瞬で消えるのは見たことがなかった。
やはり、ただ者ではない。ハートフェルトは緊張しながら質問を続けた。
「何をご用意しましょうか?大したものは準備できないかと……」彼は自分の力の無さを恥じながらも、何とかしようと考えた。
「今日買ったものとほぼ同じものです。小麦、豆類、トウモロコシ、芋、干し肉、チーズ、衣類、金具、釘、タオル、調理道具、皿、野菜の種、苗、灯油、調味料、香辛料、お茶は必ずお願いします。鶏や牛は難しいかもしれませんが、それらも欲しいです。ここら辺はその次でいいですが、建築資材も必要です……」
どんどんと要望が溢れ、本当に何が必要かわからない気もした。
「みんな、欲しいものがないのか?」アキラが聞くと、要望が上がった。
「よく切れるナイフと美味しいパン!あと、ルナには美味しい干し肉を。苗は町に行った時に自分で見る」
「矢と弓弦。できるだけ良いものを。それと、寝衣」
「寝衣ですか? 準備しましょう。可愛いのを。アキラを誘惑するようなのは駄目です」
なぜかラピスが反応している。聞こえているはずのセレナは知らんぷりをしている。
「わかりました。それでは、5日後、お昼過ぎにここでよろしいでしょうか?」
「いえ、森は危険なので。こちらが町に取りに行きます。どちらに行けばよろしいですか?」
「ウエストグレンの冒険者ギルドでお待ちしております」
「では、いろいろ増えたので、ドラゴニア金貨だけで悪いのですが、とりあえず105枚渡しておきます」
ハートフェルトの半年分の商売が一瞬で決まった。嬉しいはずのハートフェルトの顔は、なぜか青ざめていた。
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アキラ 魔術師 レベル10
セレナ 魔法剣士 レベル10 ノクス 魔法射手 レベル6
ゴールド: 11,165
保護時間: 5日
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