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武器屋とケイオス商会 ※邂逅
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「おじさん、こんにちは」冒険者ギルドの受付嬢、リアナに案内され、アキラたちは武器屋に入った。
「どうした?」店主は机に伏せていた顔を上げた。
「お客さんを連れてきたよ。ここが、知る人ぞ知る迷店」リアナは軽やかに背の高い椅子に飛び乗ると、テーブルに置かれた小皿のナッツを食べ始めた。彼女は、兄と暗いエルフの里が嫌で出てきたが、木の実は大好物だった。
ノワも同じように飛ぼうとしたが届かず、ノクスに抱えられて椅子に座る。そして彼女やノクスもナッツをぼりぼりつまみ始める。
すぐに小皿のナッツは売り切れた。成長期だから仕方ない。王女には見せない、本当の姿は食いしん坊キャラだったのだろうか。
「喉乾くでしょ、フルーツジュースもどうぞ!」リアナは自分の店のように振る舞い、飲み物をみんなに配った。
「折角来てもらって悪いんだが、魔物騒動で武器や防具、小道具まであらかた売れちまった。開店休業だが、在庫一掃で大儲けしたよ。わっはっは」店主は大笑いした。
「魔術師用の服や杖なら残ってるけど、見るかい?」
ノクスの装備は一級品だし、ノワールはまだ子供のフリをしている。お客になりそうなのはアキラだろうと見当をつけたのだろう。
「そうですね」
「じゃあ、ちょっと羽織ってみるか?倉庫から取ってくるよ」
「それと、魔物除けの柵とかもありますか?」
「もちろんあるよ。ただ、小さな魔物向けだけどな」
「じゃあ、それもお願いします」
「わかった。両方とも倉庫にあるから少し待ってな」
しばらくして店主が持ってきたのは、ピエロでも着そうな奇抜な服と、くねくねと折れ曲がった杖だった。
「これはちょっと…合わない気がします」アキラはやんわりと断った。女子たちも笑いを堪えきれない様子だ。
「そうか?男前が上がるんだがな。安くするからお買い得だぞ」店主も含み笑いをしている。
「アキラ、私がちゃんとしたものを用意します。買わなくていいです。防御力も攻撃力も今のと変わりません。私の基本デザインの影も形もない。どうしてこんなものになるのか…!」ラピスはなぜか怒り心頭だった。
「買いません」アキラはきっぱりと断った。
「実はな、ドワーフの親父が来なくて、武器が補充できてないんだ。そのうち来るだろう。あいつら、酒がないと干からびちまうからな」店主はドワーフの親父をチラリと語る。
「あ!」お酒、大量に買っておかないと。
「どうした?それとこれが柵だ。ただし、ひとつ問題がある。魔石が必要なんだ。この繋ぎ目に嵌める。ウエストグレンの鉱山でも取れるが、高いんだよ。 」
「いくらぐらいするんですか?」
「一番安い魔石で金貨5枚だ」
「え?」アキラはチョコが一箱金貨10枚もしたのを思い出し、その高さにいまさら驚いた。
「そうだろう。でも、俺は正直な商人だからな」店主は胸を張った。
「では、柵だけお願いします。あるだけ買います。おいくらですか?」
「本当か!じゃあ、定価金貨200枚だが、安くして金貨100枚でどうだ?」
「今すぐケイオス商会に運んでいただきたいのですが」アキラは、フェルトに両替してもらった王国金貨を渡した。
「わかった、すぐに手配するよ」店主は店の看板を閉店にした。
「リアナ、いい客を連れてきてくれた。ナッツ一袋やるよ」彼はカウンターの下から袋を取り出し、リアナに投げ渡した。
店を出て、アキラたちはリアナと別れることにした。これ以上ついて来られると困る。
「それじゃあ、ケイオス商会に寄って帰るわね」
「どちらにお帰りになるのですか?」リアナが尋ねてきた。ルーカスに指示されているのだろう。
アキラが目で合図すると、リュックからノルドがチョコの箱を取り出し、リアナに手渡した。
「また来るわね。ハイエルフの里には帰るから」リアナはチョコを受け取り、目を輝かせた。その瞬間、彼女の元気な笑顔がさらに明るくなり、彼女の快活な性格が一層際立った。
「じゃあ、またね」リアナはチョコを片手に、軽やかに去って行った。
※
間違いない、義父の字だ。つまり、そのアキラって人に囲われてるんだな」
「そうです。これを見てください」ハートフェルトは手のひらに載せたドラゴニアコインの山を見せた。
「ドラゴニアコイン……しかも新しいものがこんなに?」
「さらに、彼の空間魔法は、この荷物すべてが入ります」ハートフェルトは、数台の荷台に積まれた品物を指す。
「なんだって?一流の荷運び人でも、一台が限界だぞ」
「それに、恐ろしく強い狼族の娘を従えています」
「狼族の娘だと?どこかで見たような……まあ、義父が無事でよかった。さすがダリオス師匠だな」
「はい。」ハートフェルトは静かに頷いた。
「おじゃまします」敷居の低そうな商会の扉をアキラは開けた。
「いらっしゃいませ。あら、先日お会いした大食いの冒険者さん達。アーセノノルさん」ケイオスが来客を迎えた。
「アキラ様ですよ、兄者」
「ああ、そうでしたか。山の峠の食堂でお会いしましたね。私はダリオスの息子、ケイオスです」
「また兄者、食べ歩きしていたのか?」
「仕事の合間だよ」ケイオスは慌てて表情を引き締めた。
「さっそくで悪いんですが、お酒をあるだけお願いします。ついでに、フルーツジュースとナッツ、それから魔石も」
「すでに荷台に積んでありますが、追加しますね」フェルの言葉を受け、ケイオスは手際よく伝票を切り、店の在庫をすべて荷台に積み直した。彼の動きはいつもながら速い。
「費用は、追加分も含めて足りてますか?」
「大丈夫だと思いますが、まだちゃんと計算してなくて……」大商いに不慣れなハートフェルトは、赤面しながら答えた。
「今すぐじゃなくても大丈夫です。逐一渡されるのも手間ですよね。袋をお借りしますね」アキラは手をかざし、袋の中身が風船のように膨らんだ。
「ドラゴニア金貨1,000枚です。渡しておきます」固まっているハートフェルトの代わりに、ケイオスが袋を開けて金貨を真贋鑑定の機械にかけ、問題ないことを確認した。
「両替手数料を引いて、王国金貨10,000枚分ですね。確かにお預かりしました。フェル、サインをお願いします」ケイオスは金貨を地下の大金庫に運び、預かり書を作成してハートフェルトに手渡した。
「すみません、こちらが預かり証文です」
「ところで、柵は届いていますか?」
「はい、武器屋が台車で運んできました」
「では、生き物以外の物はすべて空間倉庫に取り込みます。」アキラが手をかざすと、荷台に積まれていた物は一瞬で消え去った。
「荷馬車で、ある場所まで送っていただけますか?」
「アズーリア村ですか?」
「いえ、今回行く場所は秘密です」
「では、私とフェルで向かいましょう。私が家畜を運びます。それと、伝書鳩を2羽お渡ししますので、今後の連絡に使ってください」
「ケイオス兄さん!」
「大事なお前のお客様だ。手伝わせてもらうよ」
こうして、ケイオスとハートフェルトは二台の馬車で峠へと走り始めた。
※※※
その様子を画面越しに見ていたのは、ラピスだけでは無かった。
「どうした?」店主は机に伏せていた顔を上げた。
「お客さんを連れてきたよ。ここが、知る人ぞ知る迷店」リアナは軽やかに背の高い椅子に飛び乗ると、テーブルに置かれた小皿のナッツを食べ始めた。彼女は、兄と暗いエルフの里が嫌で出てきたが、木の実は大好物だった。
ノワも同じように飛ぼうとしたが届かず、ノクスに抱えられて椅子に座る。そして彼女やノクスもナッツをぼりぼりつまみ始める。
すぐに小皿のナッツは売り切れた。成長期だから仕方ない。王女には見せない、本当の姿は食いしん坊キャラだったのだろうか。
「喉乾くでしょ、フルーツジュースもどうぞ!」リアナは自分の店のように振る舞い、飲み物をみんなに配った。
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「魔術師用の服や杖なら残ってるけど、見るかい?」
ノクスの装備は一級品だし、ノワールはまだ子供のフリをしている。お客になりそうなのはアキラだろうと見当をつけたのだろう。
「そうですね」
「じゃあ、ちょっと羽織ってみるか?倉庫から取ってくるよ」
「それと、魔物除けの柵とかもありますか?」
「もちろんあるよ。ただ、小さな魔物向けだけどな」
「じゃあ、それもお願いします」
「わかった。両方とも倉庫にあるから少し待ってな」
しばらくして店主が持ってきたのは、ピエロでも着そうな奇抜な服と、くねくねと折れ曲がった杖だった。
「これはちょっと…合わない気がします」アキラはやんわりと断った。女子たちも笑いを堪えきれない様子だ。
「そうか?男前が上がるんだがな。安くするからお買い得だぞ」店主も含み笑いをしている。
「アキラ、私がちゃんとしたものを用意します。買わなくていいです。防御力も攻撃力も今のと変わりません。私の基本デザインの影も形もない。どうしてこんなものになるのか…!」ラピスはなぜか怒り心頭だった。
「買いません」アキラはきっぱりと断った。
「実はな、ドワーフの親父が来なくて、武器が補充できてないんだ。そのうち来るだろう。あいつら、酒がないと干からびちまうからな」店主はドワーフの親父をチラリと語る。
「あ!」お酒、大量に買っておかないと。
「どうした?それとこれが柵だ。ただし、ひとつ問題がある。魔石が必要なんだ。この繋ぎ目に嵌める。ウエストグレンの鉱山でも取れるが、高いんだよ。 」
「いくらぐらいするんですか?」
「一番安い魔石で金貨5枚だ」
「え?」アキラはチョコが一箱金貨10枚もしたのを思い出し、その高さにいまさら驚いた。
「そうだろう。でも、俺は正直な商人だからな」店主は胸を張った。
「では、柵だけお願いします。あるだけ買います。おいくらですか?」
「本当か!じゃあ、定価金貨200枚だが、安くして金貨100枚でどうだ?」
「今すぐケイオス商会に運んでいただきたいのですが」アキラは、フェルトに両替してもらった王国金貨を渡した。
「わかった、すぐに手配するよ」店主は店の看板を閉店にした。
「リアナ、いい客を連れてきてくれた。ナッツ一袋やるよ」彼はカウンターの下から袋を取り出し、リアナに投げ渡した。
店を出て、アキラたちはリアナと別れることにした。これ以上ついて来られると困る。
「それじゃあ、ケイオス商会に寄って帰るわね」
「どちらにお帰りになるのですか?」リアナが尋ねてきた。ルーカスに指示されているのだろう。
アキラが目で合図すると、リュックからノルドがチョコの箱を取り出し、リアナに手渡した。
「また来るわね。ハイエルフの里には帰るから」リアナはチョコを受け取り、目を輝かせた。その瞬間、彼女の元気な笑顔がさらに明るくなり、彼女の快活な性格が一層際立った。
「じゃあ、またね」リアナはチョコを片手に、軽やかに去って行った。
※
間違いない、義父の字だ。つまり、そのアキラって人に囲われてるんだな」
「そうです。これを見てください」ハートフェルトは手のひらに載せたドラゴニアコインの山を見せた。
「ドラゴニアコイン……しかも新しいものがこんなに?」
「さらに、彼の空間魔法は、この荷物すべてが入ります」ハートフェルトは、数台の荷台に積まれた品物を指す。
「なんだって?一流の荷運び人でも、一台が限界だぞ」
「それに、恐ろしく強い狼族の娘を従えています」
「狼族の娘だと?どこかで見たような……まあ、義父が無事でよかった。さすがダリオス師匠だな」
「はい。」ハートフェルトは静かに頷いた。
「おじゃまします」敷居の低そうな商会の扉をアキラは開けた。
「いらっしゃいませ。あら、先日お会いした大食いの冒険者さん達。アーセノノルさん」ケイオスが来客を迎えた。
「アキラ様ですよ、兄者」
「ああ、そうでしたか。山の峠の食堂でお会いしましたね。私はダリオスの息子、ケイオスです」
「また兄者、食べ歩きしていたのか?」
「仕事の合間だよ」ケイオスは慌てて表情を引き締めた。
「さっそくで悪いんですが、お酒をあるだけお願いします。ついでに、フルーツジュースとナッツ、それから魔石も」
「すでに荷台に積んでありますが、追加しますね」フェルの言葉を受け、ケイオスは手際よく伝票を切り、店の在庫をすべて荷台に積み直した。彼の動きはいつもながら速い。
「費用は、追加分も含めて足りてますか?」
「大丈夫だと思いますが、まだちゃんと計算してなくて……」大商いに不慣れなハートフェルトは、赤面しながら答えた。
「今すぐじゃなくても大丈夫です。逐一渡されるのも手間ですよね。袋をお借りしますね」アキラは手をかざし、袋の中身が風船のように膨らんだ。
「ドラゴニア金貨1,000枚です。渡しておきます」固まっているハートフェルトの代わりに、ケイオスが袋を開けて金貨を真贋鑑定の機械にかけ、問題ないことを確認した。
「両替手数料を引いて、王国金貨10,000枚分ですね。確かにお預かりしました。フェル、サインをお願いします」ケイオスは金貨を地下の大金庫に運び、預かり書を作成してハートフェルトに手渡した。
「すみません、こちらが預かり証文です」
「ところで、柵は届いていますか?」
「はい、武器屋が台車で運んできました」
「では、生き物以外の物はすべて空間倉庫に取り込みます。」アキラが手をかざすと、荷台に積まれていた物は一瞬で消え去った。
「荷馬車で、ある場所まで送っていただけますか?」
「アズーリア村ですか?」
「いえ、今回行く場所は秘密です」
「では、私とフェルで向かいましょう。私が家畜を運びます。それと、伝書鳩を2羽お渡ししますので、今後の連絡に使ってください」
「ケイオス兄さん!」
「大事なお前のお客様だ。手伝わせてもらうよ」
こうして、ケイオスとハートフェルトは二台の馬車で峠へと走り始めた。
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その様子を画面越しに見ていたのは、ラピスだけでは無かった。
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