37 / 238
祝祭チャリティ 前
しおりを挟む
「だから、なんで私が、付き合わなきゃいけないの?」
その声の主は、この島から逃げ延びた強盗団の生き残り、刺青の女だった。
無謀な計画に巻き込まれ、命をつなぐためにまた男たちに引きずられることに、彼女はすでに嫌気が差していた。
「お前が、あの島のことをよく知ってるからだ。この仕事はしくじれない。この前は逃したが、今度は必ず仕留める」
首領の言葉は冷徹で、目に容赦のない光が宿っている。腕力も頭も一流の彼が率いるのは有名な暗殺集団だ。
強盗団を脱けたと思えば、今度は殺し屋たちとの危険な日々が待っていた。
自分の男を見る目のなさに、彼女は改めて嫌気を覚えていた。ちなみに、例の商人は彼らにあっさり始末されている。
「断る余地はないの?」
「ああ、依頼主は相当な地位の持ち主だ。察しがつくだろう? まあ、俺たちの腕を信じておけ」
「わかったわ。けど、船に忍び込むの? 私は島を出るだけでも一苦労だったわ」
「そこは心配いらない。依頼主が手はずを整えている。さあ、準備しろ。シシルナ島に向かうぞ」
彼は周囲の部下たちに号令をかけた。刺青の女は腕を組み、ため息をつきながら黙っていた。明日の朝にはシシルナ島に到着する予定だ。
それはちょうど、セラたちがこの島に着いた八年前と同じ日、同じ船だった。
通常、この島に向かう定期便だけでは輸送量が足りないため、この季節には特別な許可を受けた船だけが入港を許される。
ニコラが運営する通常便では、船員による厳しい監視と入港時の審査が徹底されている。
特別に寄港を許された船舶であっても、船内の立ち入り検査や入港時の審査は避けられない。
だが、この船は聖王国の貴族専用の特別船であり、形式的な簡易検査で済まされるのが通例だ。
「俺たちが船員ですか?」
「仕方ないだろう。武器や装備は依頼主が運び込んでいるはずだ。安心しろ!」
「へい」
「いいか、ちゃんと船員の仕事をこなせよ!」
数人の男たちが船員服に着替えると、もともと着ていた服や装備を次々と海へ投げ捨てた。そのうちの一人が、苦笑いをしながら言った。
「……この服、サイズ合わねぇな」
「お前もか」と別の男がつぶやきながら肩をすくめた。
「まあ、着られるだろ。心配すんな、こんなことでバレるわけねぇよ」
笑いながら、みんなが服を着替え、気を紛らわす。
「お前もだ!」
刺青の女も、すでに無駄に迷っている暇はないと思い、指示通りに服を、みんなの前で見せつけるように着替えてやった。
※
島主は一人寂しく、部屋から入港する船を見つめていた。夜が明ける前、誰もが眠る時間帯である。
「やはり怪しいのは聖王国の船かな。こんな時間に入港するとはな」
しかし、聖王国の船はいつもこの時刻に到着するし、この国との関係は悪くない。
特に今年は無理をお願いしているので、手荒な真似もできないのだが、何か引っ掛かるものがある。
とんとんと、扉を叩く音とともに、ローカンの声が響く。
「入れ。珍しく早いな!」
「ははは、祝祭ですからね」 ローカンは寝癖をつけたまま、慌てて起きた様子で答える。
「緊急事態か?」
「いえ、来客です」 扉から小狼が入ってきた。
「ヴァル君、どうした?」
小狼は、彼の背中にあるポーチを顔で示した。
「おおお!」 島主は思わず叫び声を上げる。
セラの手作りのふかふかマフラーとお菓子が、セラ家族の祝祭メッセージカードとともに入っていた。
ヴァルは用事が済んだ様子で帰ろうとするが、島主は慌てて告げた。
「ローカン、ヴァル君に食事を!」
ヴァルの顔は、にやりと笑っていた。
※
祝祭六日目の夜になった。ノルドは昨日貰ったスーツに着替え、セラは黒衣とスカーフを纏い、グラシアスの馬車でリコとヴァレンシア孤児院にやってきた。
丘を登る道には、次々と馬車が到着し、ヴァレンシア孤児院はチャリティ会場と化していた。
本土から招待された富豪や貴族たちが華やかな装いで集まっている。普段は開かない歴史ある建物の正門が開かれ、大広間も社交の場として輝きを放っていた。
「思ったよりも立派な催しですね」
セラが感嘆する一方で、ノルドは顔が青ざめ、足元が重く感じられた。
「それじゃあ、また後でね」
リコは孤児院の準備に向かっていった。やることが多いらしい。
「受付はこちらです。グラシアス様。ノルド君とお母様は、出演者控え室へどうぞ」
受付にはメグミとリジェが正装して立っており、案内をしていた。ノルドとセラは、控え室へ向かう。
途中で調理場を通ると、美味しそうな匂いが鼻をくすぐった。島主のシェフやノシロたちが慌ただしく動いている。
しかし、彼らはこんな大規模な催しには慣れていないようだった。
「おい、そっちの盛り付け間に合ってないぞ!」
「参加者が予定より多いんだ!」
混乱の声が飛び交い、調理場は一層慌ただしくなっている。
「ノルド、手伝ってきますね」
セラがそう言って調理場に入ろうとする。
「僕も……」
「あなたは出演者よ。控え室に行って、打ち合わせを済ませなさい」
ノルドは言われるまま控え室へ向かったが、足が震えて全身に冷や汗が流れた。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう……)
控え室の扉を開けると、中から賑やかな声が飛び込んできた。
「あ! ノルド!」
「おー、ノルドじゃないか?」
「遊びに来たのか?」
「ダイスでもするか?」
顔を上げると、アマリと三老人がそこにいた。
「ど、どうしてここに?」
「お姉ちゃんの付き人だよ」とアマリが足をぶらぶらさせる。
「わしらの付き人だろうが!」と三英雄が返す。
ノルドは思わず笑みをこぼした。
落ち着くと周りの音が。控え室の外からでもセラの声が聞こえてくる。
「そちらの皿を先に出して! 焦げないように気をつけて!」
天才調理人セラのおかげで、調理場の混乱も徐々に収束していく。彼女は忙しく動きながらも、周囲に冷静に指示を出し続けていた。
(さすが母さんだ……俺も、頑張らなきゃ)
【後がき】
お時間を頂き、読んで頂き有難うございます。♡等で応援頂きますと、今後も励みになります。又、ご感想やレビュー等も一行でも頂けますと、飛び上がって喜びます。 引き続きよろしくお願いします! 織部
その声の主は、この島から逃げ延びた強盗団の生き残り、刺青の女だった。
無謀な計画に巻き込まれ、命をつなぐためにまた男たちに引きずられることに、彼女はすでに嫌気が差していた。
「お前が、あの島のことをよく知ってるからだ。この仕事はしくじれない。この前は逃したが、今度は必ず仕留める」
首領の言葉は冷徹で、目に容赦のない光が宿っている。腕力も頭も一流の彼が率いるのは有名な暗殺集団だ。
強盗団を脱けたと思えば、今度は殺し屋たちとの危険な日々が待っていた。
自分の男を見る目のなさに、彼女は改めて嫌気を覚えていた。ちなみに、例の商人は彼らにあっさり始末されている。
「断る余地はないの?」
「ああ、依頼主は相当な地位の持ち主だ。察しがつくだろう? まあ、俺たちの腕を信じておけ」
「わかったわ。けど、船に忍び込むの? 私は島を出るだけでも一苦労だったわ」
「そこは心配いらない。依頼主が手はずを整えている。さあ、準備しろ。シシルナ島に向かうぞ」
彼は周囲の部下たちに号令をかけた。刺青の女は腕を組み、ため息をつきながら黙っていた。明日の朝にはシシルナ島に到着する予定だ。
それはちょうど、セラたちがこの島に着いた八年前と同じ日、同じ船だった。
通常、この島に向かう定期便だけでは輸送量が足りないため、この季節には特別な許可を受けた船だけが入港を許される。
ニコラが運営する通常便では、船員による厳しい監視と入港時の審査が徹底されている。
特別に寄港を許された船舶であっても、船内の立ち入り検査や入港時の審査は避けられない。
だが、この船は聖王国の貴族専用の特別船であり、形式的な簡易検査で済まされるのが通例だ。
「俺たちが船員ですか?」
「仕方ないだろう。武器や装備は依頼主が運び込んでいるはずだ。安心しろ!」
「へい」
「いいか、ちゃんと船員の仕事をこなせよ!」
数人の男たちが船員服に着替えると、もともと着ていた服や装備を次々と海へ投げ捨てた。そのうちの一人が、苦笑いをしながら言った。
「……この服、サイズ合わねぇな」
「お前もか」と別の男がつぶやきながら肩をすくめた。
「まあ、着られるだろ。心配すんな、こんなことでバレるわけねぇよ」
笑いながら、みんなが服を着替え、気を紛らわす。
「お前もだ!」
刺青の女も、すでに無駄に迷っている暇はないと思い、指示通りに服を、みんなの前で見せつけるように着替えてやった。
※
島主は一人寂しく、部屋から入港する船を見つめていた。夜が明ける前、誰もが眠る時間帯である。
「やはり怪しいのは聖王国の船かな。こんな時間に入港するとはな」
しかし、聖王国の船はいつもこの時刻に到着するし、この国との関係は悪くない。
特に今年は無理をお願いしているので、手荒な真似もできないのだが、何か引っ掛かるものがある。
とんとんと、扉を叩く音とともに、ローカンの声が響く。
「入れ。珍しく早いな!」
「ははは、祝祭ですからね」 ローカンは寝癖をつけたまま、慌てて起きた様子で答える。
「緊急事態か?」
「いえ、来客です」 扉から小狼が入ってきた。
「ヴァル君、どうした?」
小狼は、彼の背中にあるポーチを顔で示した。
「おおお!」 島主は思わず叫び声を上げる。
セラの手作りのふかふかマフラーとお菓子が、セラ家族の祝祭メッセージカードとともに入っていた。
ヴァルは用事が済んだ様子で帰ろうとするが、島主は慌てて告げた。
「ローカン、ヴァル君に食事を!」
ヴァルの顔は、にやりと笑っていた。
※
祝祭六日目の夜になった。ノルドは昨日貰ったスーツに着替え、セラは黒衣とスカーフを纏い、グラシアスの馬車でリコとヴァレンシア孤児院にやってきた。
丘を登る道には、次々と馬車が到着し、ヴァレンシア孤児院はチャリティ会場と化していた。
本土から招待された富豪や貴族たちが華やかな装いで集まっている。普段は開かない歴史ある建物の正門が開かれ、大広間も社交の場として輝きを放っていた。
「思ったよりも立派な催しですね」
セラが感嘆する一方で、ノルドは顔が青ざめ、足元が重く感じられた。
「それじゃあ、また後でね」
リコは孤児院の準備に向かっていった。やることが多いらしい。
「受付はこちらです。グラシアス様。ノルド君とお母様は、出演者控え室へどうぞ」
受付にはメグミとリジェが正装して立っており、案内をしていた。ノルドとセラは、控え室へ向かう。
途中で調理場を通ると、美味しそうな匂いが鼻をくすぐった。島主のシェフやノシロたちが慌ただしく動いている。
しかし、彼らはこんな大規模な催しには慣れていないようだった。
「おい、そっちの盛り付け間に合ってないぞ!」
「参加者が予定より多いんだ!」
混乱の声が飛び交い、調理場は一層慌ただしくなっている。
「ノルド、手伝ってきますね」
セラがそう言って調理場に入ろうとする。
「僕も……」
「あなたは出演者よ。控え室に行って、打ち合わせを済ませなさい」
ノルドは言われるまま控え室へ向かったが、足が震えて全身に冷や汗が流れた。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう……)
控え室の扉を開けると、中から賑やかな声が飛び込んできた。
「あ! ノルド!」
「おー、ノルドじゃないか?」
「遊びに来たのか?」
「ダイスでもするか?」
顔を上げると、アマリと三老人がそこにいた。
「ど、どうしてここに?」
「お姉ちゃんの付き人だよ」とアマリが足をぶらぶらさせる。
「わしらの付き人だろうが!」と三英雄が返す。
ノルドは思わず笑みをこぼした。
落ち着くと周りの音が。控え室の外からでもセラの声が聞こえてくる。
「そちらの皿を先に出して! 焦げないように気をつけて!」
天才調理人セラのおかげで、調理場の混乱も徐々に収束していく。彼女は忙しく動きながらも、周囲に冷静に指示を出し続けていた。
(さすが母さんだ……俺も、頑張らなきゃ)
【後がき】
お時間を頂き、読んで頂き有難うございます。♡等で応援頂きますと、今後も励みになります。又、ご感想やレビュー等も一行でも頂けますと、飛び上がって喜びます。 引き続きよろしくお願いします! 織部
13
あなたにおすすめの小説
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!
あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。
モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。
実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。
あらゆるモンスターへの深い知識。
様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。
自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。
降って湧いた凶悪な依頼の数々。
オースはこれを次々に解決する。
誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。
さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。
やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。
「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。
木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。
しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。
さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。
聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。
しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。
それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。
だがその後、王国は大きく傾くことになった。
フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。
さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。
これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。
しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します
三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。
身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。
そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと!
これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。
※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる