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5章 表舞台へ、静かに階段を上る
59話 可愛い後輩がちょっと怖いと感じる男
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「おっはよ――! 朝だよ、シーナ先輩!!」
「ほへぇ?」
いきなり元気はつらつな甲高い声に慌てて上半身を起こした俺は寝ぼけ眼で辺りをキョロキョロと見渡す。
同じように飛び起きたターニャとパメラも驚いて上半身を起こしたが、すぐに縮こまるようにして胸元をシーツで隠そうとしたせいで、朝から元気な俺の息子が『おはよう』と飛び出した。
おい、待て、なんか分からんけどシーツを持って行かないで!
慌てて手で隠そうとするが隠しきれずに中腰になって前を見るとマロン達がおり、輝かんばかりの笑みを浮かべたピンクのお団子頭のマロンが俺の首に跳び付いて抱きつく。
ターニャ達も突撃してきたのがマロン達と分かると露骨に安堵の溜息を吐き、肩から力を抜いて、呆れたような顔を浮かべる。
「ねっねっ、早朝訓練しよ!」
俺の頬にスリスリと頬ずりするマロンから視線をずらして窓の外の暗がりを見て、まだ深夜から朝に切り替わるかという時間帯と知り、げんなりした想いを隠さずに告げる。
「早朝訓練って言っても早過ぎだろ……もう少し寝かせてくれよ」
「ええ、そうでしょうね? 昨日もお楽しみだったようですし、ターニャさんとパメラさんは、エッチ好きなシーナ先輩に付き合ってしてるって言ってませんでしたっけ? 毎日はしたいと思ってないと言ってたと思いましたけど、『オッパイ触って……意地悪しないでぇ』ってオネダリされてましたけど?」
「い、言ってない、そんな事っ!!」
金髪のポニーテールの髪が首で振って後ろに流したレティアがネコのような目を細めてパメラのオッパイを指差して「手跡が付いてますよ?」と言われてパメラは耳まで真っ赤にしてシーツの中に潜りこむ。
な、なんだと……アイツ等、また盗み聞きを始めたのか……
えっ? って言うか、毎晩、部屋に入って3人になると15分もゆっくりさせて貰えずに押し倒されてるの俺なんですが……
確かにパメラは2~3回目ぐらいまでは、若干消極的なところがあったがそれもすぐに開き直ったのか、「あれ? 俺、もしかしてレ○プされてねぇ?」って思えるぐらいな日々なんですが……
ターニャは、最初からスイッチが入ってたから、消極的な期間がなかったはずなんだが……
お酒でも休肝日があるし、残業もノー残業デーというのもある。今度、エッチしない日を提案してみようか……なんか浮気を疑われる前に凄まじく機嫌が悪くなりそうな気がする……
ターニャとパメラにそうしても、ラフィ達に襲われるから結局は意味がなさそうだな。
一時は取得して後悔したけど、あって良かった『精力増大』だな。
なかったら死んでるね、ハーレムは本来、夢で終わらせとくべき案件。
パメラがやり込められているのを見て、ウワァと思ってそうな顔をしているターニャにキャウが年不相応な胸を揺らして詰め寄る。
「ターニャさんは~私達の前では~先輩にキツくあたりますがぁ~見えない所では~『ダ~メ、もっと可愛がってくれないと』と言って~」
キャウは耳元にかかっているボブカットの黒髪を耳裏に掻き上げるようにして押さえながら空いてる片手を輪っかにするようにして大きく開けた口許で激しく上下させる。
その隣で白髪の少女、スイが紅い瞳を半眼にし、じゅっじゅ じゅるるぅ と擬音を鳴らす。
「などと大きな音を鳴らしたり~、『シーナ、ウチをギュしてぇぇ!』と……ターニャさんって甘えん坊なんですね?」
キャウにそう言われるとターニャもシーツの中に逃亡した。
追い詰めたターニャにスイとエルが囁くように何かを話しかけていた。
な、何事だぁ!? パメラはともかく、あのターニャを反論させずに引っ込めただと……嫁会議がどうのこうのって言ってるけど何の事だ?
ここのところ、マロン達の行動が読めなくなったというか分からない。
多分、ワイバーン騒動の後から5人の俺に対する態度が露骨になった。変わったというより強化されたというのが正しい気がする。
マロンとエルは元々から強くなる実感が付き始めてからは、素直に俺の指導は受けていた。だが、あれ以降はベッタリ指導を受けたがるようになり、凄く距離感が近く、纏わりつくようになった。
しかも、あの基本、俺の言う事を聞かないマロンはある意味、絶対服従レベルでイエスガールだ。
ホッペをグニグニして変顔にしても嬉しそうにするマロンに、「今は怒っていいとこだぞ?」と俺が言うぐらいにおかしい。
レティアはやたらと俺に世話を焼くようになった。
例えば、コップの水が無くなったと思えば、何も言わずとも、お代わりが注がれ「自分の水を入れるついでなんだから!」とキレ気味で良く言われる。
俺は、嫌われてるのかと考える事もあったが、視線を感じて振り返ると良くそこにはレティアがいたりする事が多い。
距離感が近い。
逆に今まで距離感が近かったスイとキャウが俺を前にすると微妙な違いだが、半歩ほど距離を開けてモジモジする事が多くなった。
これらに気付いた当初は、こ、これはデレ期か! と想い、ずっと胸に秘めて諦めてなかった言葉を吐き出した。
「お兄ちゃんと呼んで?」
「「「「絶対に嫌だぁぁ!!」」」」
前回とは明らかに比にならない拒絶に俺はビビらされた。何せ、キツイ物言いを一番しなさそうなエルですら「えっと、ボクも嫌かな~」と眉を寄せながら言われるレベルだ。
その日の晩、枕で涙で濡らした……かったけど、ターニャとパメラに阻止されたけどな。
それをターニャ達に相談したら、ワイバーンの騒動の時に顔を見られてしまったんじゃないか? と言われて確かに英雄に憧れていた特にマロンとレティアであれば変化があるかもと俺も思ったので素直に聞き取り調査をした。
だが、5人共、口を揃えて「西日で顔は分からなかった」と証言した。
もうちょっと突っ込んで聞いた方が良かったのかもしれないが、聞き過ぎて勘繰られても困ったので追及はそこまでにするしかなかったんよね。
考え込む俺の腕をマロンが引っ張って外へと連れ出そうとする。
「さっさ、早朝訓練しよ? 時間が惜しいし!」
「ま、待て、引っ張るな、ガードが甘くなる!」
「シーナ先輩、ボク、男の人の初めて見ました……なんというか……凄いですね?」
栗色の髪を短く刈っている一見すると女顔の美少年にも見えるが、既に女性としてのプロポーションと胸を張れる領域にまで育っているエルが興味津々に俺のマイサンを見つめる。
「本気で待って……」
俺は寝室の真ん中で、『おぱんつをはかせてください』と叫んだ。
早朝訓練が終わり、マロン達が薬草採取に出かけるのを見送った俺はポーション作りに勤しんでいた。
ゴブリン神の時に減ったポーションの在庫をなんとか補填出来たかな? というところでワイバーン騒動が起きてしまい、また枯渇したので俺も大忙しだ。
傷んでしまったのは建物だけでなく、人もだという事、まあ、当然な話である。
何故か分からないがワイバーン達は基本、建物を潰すのに注意がいっており、直接、人を襲うという事は少なかったようだ。
おそらくではあるが、王国軍がワイバーンの住処に攻撃してきたが、弱過ぎてワイバーンに害を為す事が出来なかったが、住処を襲われたから人間の住処である街の建物を潰せ……勿論、根拠はない。そうかもな? と俺が勝手に思っているだけだけどな。
俺は辺りを見渡す。
ワイバーン騒動直前に完成したスラムの子達に提供した寮や、醤油や味噌、酒の蔵は無事だ。
ワイバーンの襲撃はあったそうだが、結界で弾かれて無事だったそうだ。(ラフィ談)
そうそう、ルイーダさんから朗報というか、楽しみな報告が届いた。
遂に、醤油の試作に入ったそうだ。
まずは失敗ありきでやるそうなんで少量から試すそうだが、是非、成功して欲しい。
残念ながら俺は元の世界で醤油の作り方なんて気にした事がないからルイーダさん頼り……最悪はルイーダさんの故郷に行って製造方法を取得って面倒そうな事をしなくちゃならんかもしれない。
でも、酒はともかく醤油と味噌は多分、大丈夫って言ってたからそこまで心配はしてない。
こうして調味料が増えてくるとアレが食べたくなる。
卵料理だ。
卵焼きは俺の基本は塩味だから、現状でも問題はない。だが、醤油と卵……分かるだろ? アレだ、TKG(古いか?)卵かけご飯だぁぁ!
朝に是非食べたい……とはいえ、実は卵も結構良い値段がしたりする。
毎朝のお供にしたいレベルだが、懐具合の問題ではなく、贅沢は敵だというターニャがきっと許してくれない。
養鶏にも手を出すしかないか……
やりたい事が無限大な俺であった。
などと色々とやりたい事を考えているが、あれだけ広大だと思ってた土地をほとんどフルに使ってしまっていた。
実は、急に人手が増えて一気に畑などの準備や世話が一気に進んで余裕というかすべき事を捜すような事になっていた。
そのおかげでルイーダさんが醤油の試作に取りかかれた訳だが……
ワイバーン騒動のせいで職を失った、再構築中で手は空いてるが資金に乏しい人々、特に雇って貰ってた場所を失った子供達が「農場で雇って欲しい」と駆けこんできていた。
勿論、子供達は特にだが、追い払うような事が出来ずに受け入れた訳だが正直芳しくはない。
仕事にたいして人が多くなってしまった事もあるが、働く人達の給料、食費が馬鹿にならない。
勿論、それをカバー出来るぐらいには稼いではいたが、今はこないだのワイバーン騒動のせいか、近くにモンスターが寄り付かなくなり稼げない。
しかも、農場を広げようとする金を用立てようとするなら更に頭が痛い。
それらをクリアさせる術はなくはないんだけどな……
何故なら、俺のポシェットに入っている素材の山を売り払えばいい。
前回のワイバーン騒動、更にその前のゴブリン神の素材が手付かずに保存されている。これを売り払えば土地問題も当面の稼ぎも心配ないのは間違いないはず。
しかし、下手に放出したら問題ありそうな気しかしないんだよな……
はぁ……このままだと手詰まりになるのも見えてるし。
俺はポーションの製作道具をテキパキと片付け終えると近くを通りかかったラフィ達3人に出かける事を告げてプリットの城門を目指して歩き始めた。
「なるべく口が堅そうなあそこで相談してみるか」
成るようになるだろう、と楽観的に考えた俺だが、この安易な行動が事態を動かす事をこの時の俺はまだ知るよしもなかった。
「ほへぇ?」
いきなり元気はつらつな甲高い声に慌てて上半身を起こした俺は寝ぼけ眼で辺りをキョロキョロと見渡す。
同じように飛び起きたターニャとパメラも驚いて上半身を起こしたが、すぐに縮こまるようにして胸元をシーツで隠そうとしたせいで、朝から元気な俺の息子が『おはよう』と飛び出した。
おい、待て、なんか分からんけどシーツを持って行かないで!
慌てて手で隠そうとするが隠しきれずに中腰になって前を見るとマロン達がおり、輝かんばかりの笑みを浮かべたピンクのお団子頭のマロンが俺の首に跳び付いて抱きつく。
ターニャ達も突撃してきたのがマロン達と分かると露骨に安堵の溜息を吐き、肩から力を抜いて、呆れたような顔を浮かべる。
「ねっねっ、早朝訓練しよ!」
俺の頬にスリスリと頬ずりするマロンから視線をずらして窓の外の暗がりを見て、まだ深夜から朝に切り替わるかという時間帯と知り、げんなりした想いを隠さずに告げる。
「早朝訓練って言っても早過ぎだろ……もう少し寝かせてくれよ」
「ええ、そうでしょうね? 昨日もお楽しみだったようですし、ターニャさんとパメラさんは、エッチ好きなシーナ先輩に付き合ってしてるって言ってませんでしたっけ? 毎日はしたいと思ってないと言ってたと思いましたけど、『オッパイ触って……意地悪しないでぇ』ってオネダリされてましたけど?」
「い、言ってない、そんな事っ!!」
金髪のポニーテールの髪が首で振って後ろに流したレティアがネコのような目を細めてパメラのオッパイを指差して「手跡が付いてますよ?」と言われてパメラは耳まで真っ赤にしてシーツの中に潜りこむ。
な、なんだと……アイツ等、また盗み聞きを始めたのか……
えっ? って言うか、毎晩、部屋に入って3人になると15分もゆっくりさせて貰えずに押し倒されてるの俺なんですが……
確かにパメラは2~3回目ぐらいまでは、若干消極的なところがあったがそれもすぐに開き直ったのか、「あれ? 俺、もしかしてレ○プされてねぇ?」って思えるぐらいな日々なんですが……
ターニャは、最初からスイッチが入ってたから、消極的な期間がなかったはずなんだが……
お酒でも休肝日があるし、残業もノー残業デーというのもある。今度、エッチしない日を提案してみようか……なんか浮気を疑われる前に凄まじく機嫌が悪くなりそうな気がする……
ターニャとパメラにそうしても、ラフィ達に襲われるから結局は意味がなさそうだな。
一時は取得して後悔したけど、あって良かった『精力増大』だな。
なかったら死んでるね、ハーレムは本来、夢で終わらせとくべき案件。
パメラがやり込められているのを見て、ウワァと思ってそうな顔をしているターニャにキャウが年不相応な胸を揺らして詰め寄る。
「ターニャさんは~私達の前では~先輩にキツくあたりますがぁ~見えない所では~『ダ~メ、もっと可愛がってくれないと』と言って~」
キャウは耳元にかかっているボブカットの黒髪を耳裏に掻き上げるようにして押さえながら空いてる片手を輪っかにするようにして大きく開けた口許で激しく上下させる。
その隣で白髪の少女、スイが紅い瞳を半眼にし、じゅっじゅ じゅるるぅ と擬音を鳴らす。
「などと大きな音を鳴らしたり~、『シーナ、ウチをギュしてぇぇ!』と……ターニャさんって甘えん坊なんですね?」
キャウにそう言われるとターニャもシーツの中に逃亡した。
追い詰めたターニャにスイとエルが囁くように何かを話しかけていた。
な、何事だぁ!? パメラはともかく、あのターニャを反論させずに引っ込めただと……嫁会議がどうのこうのって言ってるけど何の事だ?
ここのところ、マロン達の行動が読めなくなったというか分からない。
多分、ワイバーン騒動の後から5人の俺に対する態度が露骨になった。変わったというより強化されたというのが正しい気がする。
マロンとエルは元々から強くなる実感が付き始めてからは、素直に俺の指導は受けていた。だが、あれ以降はベッタリ指導を受けたがるようになり、凄く距離感が近く、纏わりつくようになった。
しかも、あの基本、俺の言う事を聞かないマロンはある意味、絶対服従レベルでイエスガールだ。
ホッペをグニグニして変顔にしても嬉しそうにするマロンに、「今は怒っていいとこだぞ?」と俺が言うぐらいにおかしい。
レティアはやたらと俺に世話を焼くようになった。
例えば、コップの水が無くなったと思えば、何も言わずとも、お代わりが注がれ「自分の水を入れるついでなんだから!」とキレ気味で良く言われる。
俺は、嫌われてるのかと考える事もあったが、視線を感じて振り返ると良くそこにはレティアがいたりする事が多い。
距離感が近い。
逆に今まで距離感が近かったスイとキャウが俺を前にすると微妙な違いだが、半歩ほど距離を開けてモジモジする事が多くなった。
これらに気付いた当初は、こ、これはデレ期か! と想い、ずっと胸に秘めて諦めてなかった言葉を吐き出した。
「お兄ちゃんと呼んで?」
「「「「絶対に嫌だぁぁ!!」」」」
前回とは明らかに比にならない拒絶に俺はビビらされた。何せ、キツイ物言いを一番しなさそうなエルですら「えっと、ボクも嫌かな~」と眉を寄せながら言われるレベルだ。
その日の晩、枕で涙で濡らした……かったけど、ターニャとパメラに阻止されたけどな。
それをターニャ達に相談したら、ワイバーンの騒動の時に顔を見られてしまったんじゃないか? と言われて確かに英雄に憧れていた特にマロンとレティアであれば変化があるかもと俺も思ったので素直に聞き取り調査をした。
だが、5人共、口を揃えて「西日で顔は分からなかった」と証言した。
もうちょっと突っ込んで聞いた方が良かったのかもしれないが、聞き過ぎて勘繰られても困ったので追及はそこまでにするしかなかったんよね。
考え込む俺の腕をマロンが引っ張って外へと連れ出そうとする。
「さっさ、早朝訓練しよ? 時間が惜しいし!」
「ま、待て、引っ張るな、ガードが甘くなる!」
「シーナ先輩、ボク、男の人の初めて見ました……なんというか……凄いですね?」
栗色の髪を短く刈っている一見すると女顔の美少年にも見えるが、既に女性としてのプロポーションと胸を張れる領域にまで育っているエルが興味津々に俺のマイサンを見つめる。
「本気で待って……」
俺は寝室の真ん中で、『おぱんつをはかせてください』と叫んだ。
早朝訓練が終わり、マロン達が薬草採取に出かけるのを見送った俺はポーション作りに勤しんでいた。
ゴブリン神の時に減ったポーションの在庫をなんとか補填出来たかな? というところでワイバーン騒動が起きてしまい、また枯渇したので俺も大忙しだ。
傷んでしまったのは建物だけでなく、人もだという事、まあ、当然な話である。
何故か分からないがワイバーン達は基本、建物を潰すのに注意がいっており、直接、人を襲うという事は少なかったようだ。
おそらくではあるが、王国軍がワイバーンの住処に攻撃してきたが、弱過ぎてワイバーンに害を為す事が出来なかったが、住処を襲われたから人間の住処である街の建物を潰せ……勿論、根拠はない。そうかもな? と俺が勝手に思っているだけだけどな。
俺は辺りを見渡す。
ワイバーン騒動直前に完成したスラムの子達に提供した寮や、醤油や味噌、酒の蔵は無事だ。
ワイバーンの襲撃はあったそうだが、結界で弾かれて無事だったそうだ。(ラフィ談)
そうそう、ルイーダさんから朗報というか、楽しみな報告が届いた。
遂に、醤油の試作に入ったそうだ。
まずは失敗ありきでやるそうなんで少量から試すそうだが、是非、成功して欲しい。
残念ながら俺は元の世界で醤油の作り方なんて気にした事がないからルイーダさん頼り……最悪はルイーダさんの故郷に行って製造方法を取得って面倒そうな事をしなくちゃならんかもしれない。
でも、酒はともかく醤油と味噌は多分、大丈夫って言ってたからそこまで心配はしてない。
こうして調味料が増えてくるとアレが食べたくなる。
卵料理だ。
卵焼きは俺の基本は塩味だから、現状でも問題はない。だが、醤油と卵……分かるだろ? アレだ、TKG(古いか?)卵かけご飯だぁぁ!
朝に是非食べたい……とはいえ、実は卵も結構良い値段がしたりする。
毎朝のお供にしたいレベルだが、懐具合の問題ではなく、贅沢は敵だというターニャがきっと許してくれない。
養鶏にも手を出すしかないか……
やりたい事が無限大な俺であった。
などと色々とやりたい事を考えているが、あれだけ広大だと思ってた土地をほとんどフルに使ってしまっていた。
実は、急に人手が増えて一気に畑などの準備や世話が一気に進んで余裕というかすべき事を捜すような事になっていた。
そのおかげでルイーダさんが醤油の試作に取りかかれた訳だが……
ワイバーン騒動のせいで職を失った、再構築中で手は空いてるが資金に乏しい人々、特に雇って貰ってた場所を失った子供達が「農場で雇って欲しい」と駆けこんできていた。
勿論、子供達は特にだが、追い払うような事が出来ずに受け入れた訳だが正直芳しくはない。
仕事にたいして人が多くなってしまった事もあるが、働く人達の給料、食費が馬鹿にならない。
勿論、それをカバー出来るぐらいには稼いではいたが、今はこないだのワイバーン騒動のせいか、近くにモンスターが寄り付かなくなり稼げない。
しかも、農場を広げようとする金を用立てようとするなら更に頭が痛い。
それらをクリアさせる術はなくはないんだけどな……
何故なら、俺のポシェットに入っている素材の山を売り払えばいい。
前回のワイバーン騒動、更にその前のゴブリン神の素材が手付かずに保存されている。これを売り払えば土地問題も当面の稼ぎも心配ないのは間違いないはず。
しかし、下手に放出したら問題ありそうな気しかしないんだよな……
はぁ……このままだと手詰まりになるのも見えてるし。
俺はポーションの製作道具をテキパキと片付け終えると近くを通りかかったラフィ達3人に出かける事を告げてプリットの城門を目指して歩き始めた。
「なるべく口が堅そうなあそこで相談してみるか」
成るようになるだろう、と楽観的に考えた俺だが、この安易な行動が事態を動かす事をこの時の俺はまだ知るよしもなかった。
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