叶わぬ恋の神頼み!?

神在琉葵(かみありるき)

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 (やっぱり着替えて来よう…)



 家に帰ってからも全然落ち着くことが出来なかった。
とりあえず普段着に着替えて…でも、やっぱり制服の方が良いかなってまた制服を着てみて…
そんなことよりシャワーを浴びた方が良いかと考えたり、ろくな服がないから今から買いに行こうかと思ったり…
とりとめのないことをあれこれ考えるばかりで、あっという間に時間は過ぎて…
結局、ちょっと恥ずかしいけど、以前、お母さんにすすめられて買った、明るめの色の服を着て、ぞうさん公園に向かった。



 (これ見たら、遼ちゃん、どう思うだろ?
 無駄に頑張ってるって思われるかな?)



 考え始めたら、不安はどんどん大きく膨らんで…どう考えてもこれは間違いだって思えて、家に戻ろうとベンチから立ち上がった時…
駆けて来る遼ちゃんの姿が目に入った。



 「冴子―!」

 大きな声で私の名前を呼んで、手を振る遼ちゃんに、私も手を振り返す。
ただそれだけの行為が、なんだかすごく心地良い。



 「ごめんな、待った?」

 手を伸ばせば触れるくらいの距離に遼ちゃんがいる。



 「ううん、全然。」

 「体調は大丈夫なのか?」

 「うん、なんともないよ。」

 遼ちゃんは自然にベンチに腰を降ろしたから、私も慌てて座った。
 私と遼ちゃんの距離は、10センチも離れてない。
それだけのことだけど、こんなに接近したことは最近なかったから、急に恥ずかしくなって、顔が上げられなくなってしまった。
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