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ますます、クニさんのことが分からなくなって来たけど、でも、とりあえず、敵ではなさそう…
それだけはなんとなくわかってきた。
(ようし!この世界を楽しむぞ!)
なんとなく気合いも入り、楽しくなって来た。
だけど、そんな気持ちは長続きはしなかった。
*
「信じられないんだけど~…」
それは次の日のことだった。
「一体、どんな手を使ったんだか…」
「おとなしそうな顔してる奴程、腹黒いよねぇ…」
聞こえて来た会話…
最初は、まさかそれが私に対して投げかけられた言葉だとは気付かずに、私は、自分の席でぼんやりしてた。
「私だったら、自分から身を引くけどなぁ。」
「そうよね?瀬名君とじゃ、全然釣り合わないもんね。」
『瀬名君』という名前を聞いて、ようやく私は気が付いた。
それが、私に対する中傷だということに。
「瀬名君はあんなに格好良いのに、誰かさんはねぇ…髪もぼさぼさだし、高校生にもなってメイクのひとつもしないし、制服の着こなしもダサいオタクだもんねぇ…」
心臓が飛び跳ねる。
橘さん達の言うことは本当だけど…
確かに私は女子力皆無だから、言い返せないのがなおさら辛い。
「くっだらねぇな!
自分がふられたからっていじめかよ。」
ドスの効いた低い声…
それは、クラスではちょっと浮いた存在の森本君の声だった。
彼は所謂、ワル…髪を金髪に染め、リーゼントにしている。
でも、橘さんは全くひるむ様子はない。
ふと見ると、前にいた女子達がひそひそと内緒話をしていて、私と目が合うとさっと視線を逸らした。
皆が知ってる…私と遼ちゃんのことを…
そして、きっとみんながそのことをあまり快く感じていない…
そうだよね…
遼ちゃんと私…やっぱり似合わないよね。
クニさんはアトラクション気分で楽しめば良いって言ってくれたけど、私のことで遼ちゃんに迷惑がかかるんだから、そんな悠長なことは言っていられない。
なんだか泣き出してしまいそうな気分になり、私は鞄を持って教室を飛び出した。
それだけはなんとなくわかってきた。
(ようし!この世界を楽しむぞ!)
なんとなく気合いも入り、楽しくなって来た。
だけど、そんな気持ちは長続きはしなかった。
*
「信じられないんだけど~…」
それは次の日のことだった。
「一体、どんな手を使ったんだか…」
「おとなしそうな顔してる奴程、腹黒いよねぇ…」
聞こえて来た会話…
最初は、まさかそれが私に対して投げかけられた言葉だとは気付かずに、私は、自分の席でぼんやりしてた。
「私だったら、自分から身を引くけどなぁ。」
「そうよね?瀬名君とじゃ、全然釣り合わないもんね。」
『瀬名君』という名前を聞いて、ようやく私は気が付いた。
それが、私に対する中傷だということに。
「瀬名君はあんなに格好良いのに、誰かさんはねぇ…髪もぼさぼさだし、高校生にもなってメイクのひとつもしないし、制服の着こなしもダサいオタクだもんねぇ…」
心臓が飛び跳ねる。
橘さん達の言うことは本当だけど…
確かに私は女子力皆無だから、言い返せないのがなおさら辛い。
「くっだらねぇな!
自分がふられたからっていじめかよ。」
ドスの効いた低い声…
それは、クラスではちょっと浮いた存在の森本君の声だった。
彼は所謂、ワル…髪を金髪に染め、リーゼントにしている。
でも、橘さんは全くひるむ様子はない。
ふと見ると、前にいた女子達がひそひそと内緒話をしていて、私と目が合うとさっと視線を逸らした。
皆が知ってる…私と遼ちゃんのことを…
そして、きっとみんながそのことをあまり快く感じていない…
そうだよね…
遼ちゃんと私…やっぱり似合わないよね。
クニさんはアトラクション気分で楽しめば良いって言ってくれたけど、私のことで遼ちゃんに迷惑がかかるんだから、そんな悠長なことは言っていられない。
なんだか泣き出してしまいそうな気分になり、私は鞄を持って教室を飛び出した。
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