叶わぬ恋の神頼み!?

神在琉葵(かみありるき)

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 「趣味なんか一緒じゃなくても付き合えるよ。」

 「そ、そうですか?」



 次の日…私は、神社に行って、クニさんと会っていた。
 遼ちゃんのことで、胸に巣食うもやもやを誰かに聞いてもらいたくて…そんな事を思ったら、クニさんの顔が浮かんで…



「そうだよ。違う趣味じゃうまくいかないなんてありえないよ。
そもそも遼ちゃんとはまだ一度デートをしただけだよ。
たったの一度ではまだ何もわからないじゃない。」

 「は、はい。」

そういうものなんだね。
 私…デートなんて初めてだったから、なんか考えすぎちゃったんだよね。



そう思ったら、何となく落ち着いた。



 「あ、それから、もう一つ質問なんですけど…デートの度に新しい服を着ないといけないものですか?
 妹が、次のデートに備えて服を買いに行こうって言ってるんですけど…」

 「そんなことはないと思うけど、君の場合、今までほとんど服装に気遣ってなかったみたいじゃない。
だから、デートに着て行けそうな服は、先日買ったあの服しかない。
 毎度毎度、同じ服ってわけにはいかないから、妹さんもそう言ったんじゃない?」

 「あ……」

なんだ、そういうことか。
 言われてみたら確かにそうだ。
 私が持ってる服の中には、デート向きなのは一着もない。
あと何着か買わなきゃいけないのは当然だよね。
 私はそんなことにも気付いてなかったけど、凛子は、わかってたんだね。
 自分の愚かさにがっかりだ。



 「あれ?どうかしたの?」

 「い、いえ。」

そうは言ったものの、がっかりし過ぎて顔が上げられない。



 「そんなに考え込むんじゃないの。
ほらほら、肩の力を抜いて。
 良いかい?ここはアトラクションだよ。
 悩むためにここに来たんじゃない。
 楽しむために、君はここに来たんだよ。」




 (楽しむために…)



そうだ、そうだった!
ここでは楽しまなきゃいけないのに、またいつもの真面目癖が出てしまったんだ。



 「は、はいっ!
 私…楽しみます!」



 私がそう言うと、クニさんはとても優しい笑顔を浮かべ…



クニさんって、本当に良い人だね。
 心がじわっと温もった。
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