36 / 46
36
しおりを挟む
*
「これ…」
雨男が俺を引っ張って行ったのは、玄関だった。
雨男は大きなグレーのスニーカーを指差している。
それは、俺のでも龍之介のでもない、早乙女さんの靴だった。
(ゆきだるまって……あぁ、由紀恵だから、ゆきだるま…なのか?)
「こんな色のが良いのか?」
「うん、おいら、ゆきだるまと同じのが良い。」
雨男は嬉しそうにそう言って……
その無邪気な微笑みは、まるで恋する小学生……
ん……?
……恋?
雨男があの早乙女さんに…?
(……まさかな。)
何、おかしなこと考えてるんだ。
俺は自分自身の馬鹿馬鹿しい考えに、思わず失笑した。
「じゃあ、これに似たのを買ってくるよ。
あ、それまでに足のサイズも計っとかないとな。」
「うん、わかった。」
再び、居間に戻ると、そこには早乙女さんがいた。
「あ、早乙女さん…どうしたんですか?」
「すみません。
何か、眠れなくて……」
「そうだったんですか。
じゃあ、お茶でも飲みますか。」
雨男が、唐突に早乙女さんの前に煎餅を差し出した。
「あ、どうもありがとうございます。」
早乙女さんがそれを受け取ると、雨男はとても嬉しそうににっこりと微笑んだ。
「これ…」
雨男が俺を引っ張って行ったのは、玄関だった。
雨男は大きなグレーのスニーカーを指差している。
それは、俺のでも龍之介のでもない、早乙女さんの靴だった。
(ゆきだるまって……あぁ、由紀恵だから、ゆきだるま…なのか?)
「こんな色のが良いのか?」
「うん、おいら、ゆきだるまと同じのが良い。」
雨男は嬉しそうにそう言って……
その無邪気な微笑みは、まるで恋する小学生……
ん……?
……恋?
雨男があの早乙女さんに…?
(……まさかな。)
何、おかしなこと考えてるんだ。
俺は自分自身の馬鹿馬鹿しい考えに、思わず失笑した。
「じゃあ、これに似たのを買ってくるよ。
あ、それまでに足のサイズも計っとかないとな。」
「うん、わかった。」
再び、居間に戻ると、そこには早乙女さんがいた。
「あ、早乙女さん…どうしたんですか?」
「すみません。
何か、眠れなくて……」
「そうだったんですか。
じゃあ、お茶でも飲みますか。」
雨男が、唐突に早乙女さんの前に煎餅を差し出した。
「あ、どうもありがとうございます。」
早乙女さんがそれを受け取ると、雨男はとても嬉しそうににっこりと微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる