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洞
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(どうしよう…?)
家に帰った僕は、シマリスのストラップを前にして、小さな溜め息を吐いた。
どうしようもこうしようもない。
せっかくもらったものなんだから、素直にスマホに付ければ良いんだ。
そしたら、きっと彼女は喜んでくれる…もしかしたら、もう一度僕に「付き合ってくれない?」って訊いてくれるかもしれない。
そうなったら、今度は勇気を持って答えよう。
「良いよ、付き合おう。」って。
だけど…
今までずっと彼女を見て来たけれど、彼女は僕を見ることさえなかった。
さっきだって、彼女は僕に対して少しもときめく様子はなかった。
もし、もうすでに僕に対しての興味をなくしているのだといたら…
このシマリスのストラップには、特に何の意味も含みもないのだとしたら…
そしたら、浮かれた僕はとんだピエロだ。
彼女は、そんな愚かな僕を嘲笑うかもしれない。
それだけじゃない。
シマリスのストラップを見て、彼女とのことを誰かに冷やかされるかもしれない。
彼女が『シマリス』というニックネームで呼ばれていることは、女子だけじゃなく、ほとんどの男子も知ってるはずだから。
僕は様々なことを考えて…考えすぎて、結局、後ろ向きな結論を出してしまった。
滅多に他人に見られることのない、家の鍵にそれを取り付けたんだ。
こんなことじゃ、彼女との仲は進展しようもない。
だけど、それがわかっていながら、僕はスマホにストラップを付けることが出来なかった。
自分の不甲斐なさに、悔しい涙が込み上げた。
彼女の態度はその後も何も変わらなかった。
僕がスマホにシマリスのストラップを付けていないことにも、気付いているのかいないのか。
そもそも、そんなことを気にするようなそぶりもなければ、僕達は言葉を交わすことさえなかった。
そんなある日…思いもかけなかったことが起きてしまった…
家に帰った僕は、シマリスのストラップを前にして、小さな溜め息を吐いた。
どうしようもこうしようもない。
せっかくもらったものなんだから、素直にスマホに付ければ良いんだ。
そしたら、きっと彼女は喜んでくれる…もしかしたら、もう一度僕に「付き合ってくれない?」って訊いてくれるかもしれない。
そうなったら、今度は勇気を持って答えよう。
「良いよ、付き合おう。」って。
だけど…
今までずっと彼女を見て来たけれど、彼女は僕を見ることさえなかった。
さっきだって、彼女は僕に対して少しもときめく様子はなかった。
もし、もうすでに僕に対しての興味をなくしているのだといたら…
このシマリスのストラップには、特に何の意味も含みもないのだとしたら…
そしたら、浮かれた僕はとんだピエロだ。
彼女は、そんな愚かな僕を嘲笑うかもしれない。
それだけじゃない。
シマリスのストラップを見て、彼女とのことを誰かに冷やかされるかもしれない。
彼女が『シマリス』というニックネームで呼ばれていることは、女子だけじゃなく、ほとんどの男子も知ってるはずだから。
僕は様々なことを考えて…考えすぎて、結局、後ろ向きな結論を出してしまった。
滅多に他人に見られることのない、家の鍵にそれを取り付けたんだ。
こんなことじゃ、彼女との仲は進展しようもない。
だけど、それがわかっていながら、僕はスマホにストラップを付けることが出来なかった。
自分の不甲斐なさに、悔しい涙が込み上げた。
彼女の態度はその後も何も変わらなかった。
僕がスマホにシマリスのストラップを付けていないことにも、気付いているのかいないのか。
そもそも、そんなことを気にするようなそぶりもなければ、僕達は言葉を交わすことさえなかった。
そんなある日…思いもかけなかったことが起きてしまった…
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