11 / 40
卒業
3
しおりを挟む
「そろそろ帰ろうか。」
「うん。」
秀兄のアパートと私のアパートは、歩いて5分もかからない。
レストランからも、歩いて10分程だ。
「祥子、卒業したらどうするんだ?」
「え?……う、うん、実はまだ決めてなくて…」
「まだ決めてないのか?何も?」
「う、うん。」
「そうか……」
気まずい沈黙…
こんな時期にもなって、私がまだ何も決めてないから、呆れられてしまったのかもしれない。
「お前、何かやりたいこととかないのか?」
「え?……これといって特には……」
「そうか……」
また秀兄を呆れさせてしまった。
私って本当にダメな奴だ。
秀兄みたいに夢を持って、その夢に向かって進んでる人からしたら、私みたいなのはとてもつまらない人間に感じられることだろう。
いつもとは違って、なんとなくぎこちない雰囲気のまま、いつしか秀兄のアパートに着いてしまった。
「じゃあ……」
「祥子、実は、お前に話したいことがあるんだ。
ちょっと寄って行かないか?」
「えっ?」
ついに来た。
真由さんとのことだって、私は直感的に感じた。
きっと、結婚が決まったんだ。
私は泣きそうになるのを懸命に堪えて、小さく頷いた。
「お邪魔します。」
秀兄の部屋に入るのは久しぶりだった。
私の部屋に秀兄が来たのも、引っ越しの時だけだ。
やっぱり、真由さんの手前、気を遣っているんだろう。
「うん。」
秀兄のアパートと私のアパートは、歩いて5分もかからない。
レストランからも、歩いて10分程だ。
「祥子、卒業したらどうするんだ?」
「え?……う、うん、実はまだ決めてなくて…」
「まだ決めてないのか?何も?」
「う、うん。」
「そうか……」
気まずい沈黙…
こんな時期にもなって、私がまだ何も決めてないから、呆れられてしまったのかもしれない。
「お前、何かやりたいこととかないのか?」
「え?……これといって特には……」
「そうか……」
また秀兄を呆れさせてしまった。
私って本当にダメな奴だ。
秀兄みたいに夢を持って、その夢に向かって進んでる人からしたら、私みたいなのはとてもつまらない人間に感じられることだろう。
いつもとは違って、なんとなくぎこちない雰囲気のまま、いつしか秀兄のアパートに着いてしまった。
「じゃあ……」
「祥子、実は、お前に話したいことがあるんだ。
ちょっと寄って行かないか?」
「えっ?」
ついに来た。
真由さんとのことだって、私は直感的に感じた。
きっと、結婚が決まったんだ。
私は泣きそうになるのを懸命に堪えて、小さく頷いた。
「お邪魔します。」
秀兄の部屋に入るのは久しぶりだった。
私の部屋に秀兄が来たのも、引っ越しの時だけだ。
やっぱり、真由さんの手前、気を遣っているんだろう。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる