上 下
15 / 40
絶対に盗み見しないと誓い合った恋人のスマホ・男編

しおりを挟む
優香のスマホには、ロックがかけられていなかった。
 風呂場の方を気にしながら、俺はLINEを開いた。
 友達一覧には、女性らしき名前が続いていたが、その中に『田村先生』というのがあり、なんとなくその人物に俺は気を惹かれた。
ドキドキしながら、田村先生との会話を開く…



「先生、今日は相談に乗っていただき、どうもありがとうございます。」

 日付は、水曜日の夜だ。
ビンゴだ!優香が水曜に会ってたのは、この田村先生なる男だと直感した。
 先を見るのが怖くなってきたが、見ないわけにもいかない。



 「いえいえ、ちょうど時間が開いてたから良かったです。」

 「今日言い忘れてたんですが、今度、目尻のリフティングもしたいと思ってるんですけど、いつ頃が良いかしら?」



 (リフティング…って、何だろう??)



 「そうですね。
 来月あたりはいかがですか?」

 「はい、では、よろしくお願いします。」

 「年下の彼氏がいると大変ですね。
 確か20歳下でしたっけ?」

 「違います!17歳です。」



 (……ん?年下の彼氏??どういうことだ?)



 意味が分からず、俺はとりあえず、『リフティング』という言葉を検索した。
それは、しわやたるみを取る手術だと書いてあったが、彼女はまだそんな年ではない。
 俺はとりあえず、先を読んでみることにした。



 「彼氏さんは全く気付かれてないんですか?」

 「ええ、先生の腕が良いせいか、少しも疑いを持っていないようです。
 私のこともまだ30歳だと信じ切っていますよ。
もっと綺麗に、そして若くして下さいね!」

 「はい、頑張ります。」



 (え……)



しおりを挟む

処理中です...