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親友

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「久美ちゃん、いつもどうもありがとうね。」

 「いえ…そんなこと……」

 「さぁ、早く入って。」

お母さんに促され、私は家の中に入った。



 (璃子…久しぶりね…)



 璃子は弾けるような笑顔を浮かべてる。
 私がこの写真を選んだんだ。
いつも明るかった璃子らしくって、これが一番良いと思ったから…



「良かったわね、璃子…
今年も久美ちゃんが来てくれたわよ。」

 手を合わせる私の後ろで、お母さんが鼻にかかった声で呟く。



 (璃子…私、絶対に幸せになる。あなたの分もね。)



 私は、決意を璃子に話した。
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