地下の初恋

神在琉葵(かみありるき)

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鏡の中と外

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「……なんでも、あなたは鏡のことを調べておいでだとか…」

 「そうなんです!
こちらに鏡はありませんでしたか?
 部屋全体が映り込むようなとても大きな鏡です。
 金で繊細な縁取りのされた…」

 「……あなたはなぜそんなことを?」

 「それは……」

スコットの言葉が途絶えた。
あの鏡を置いてから、親戚の者が唐突に姿を消した。
その原因が鏡かもしれないと考えている事を話して良いものかどうかと躊躇ったのだ。




 「どうかされましたかな?」

 「い、いえ…
あの、実は…僕の親戚が、町の市で鏡を買いまして……それで……」

スコットがふと顔を上げると、エクトルは緊張した表情で彼のことをみつめていた。



 (エクトルさんは何かを知っている…)



そう直感したスコットは、真実を話すことを決めた。
あの鏡を買って以来、アラステアの様子がおかしくなったこと…そして、忽然と姿を消したことを……

エクトルは、じっとスコットを見据えたまま、彼の話に耳を傾ける。



 「それで……あの鏡のことをお聞きしたいと思いまして……
馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれませんが、彼がいなくなったことについて、何か、手がかりのようなことが聞けるのではないかと思ったものですから……」

エクトルの厳しい眼差しは、何を考えているのか、スコットにはわからなかった。

ただ、今の話をエクトルが馬鹿にしていないことだけは、スコットには信じられるような気がした。

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